直樹は新聞記者をしている恋人の沢崎麻美(香椎由宇)を通じて、殺人事件の被害者遺族・倉持多恵子(中村ゆり)と知り合う。
彼女はガンで自らに死期が迫っていることを知り、自分の家族を殺した死刑囚が何を考えているのか、本当に罪を悔いているのかをどうしても知りたくなったのだと言う。
彼女の家族を殺害した犯人の星山克博(大倉孝二)は直樹の担当する死刑囚舎房に収容されているのだが、まったく反省の色はない。
直樹は何も話すことはできないと病室を後にするのだが…。
星山は7年前、食堂で無銭飲食をとがめられたことに逆上し、多恵子の両親と祖母をつぎつぎ殺害、たまたま出前に出ていた多恵子だけが難を逃れたのだった。
今、星山は房の中でスナック菓子を食べながら趣味である家の模型作りをして毎日を過ごしている。
直樹が、多恵子に会ったことを告げると星山は『せっかく命拾いしたのに、ガンになって死刑囚の俺より先に死ぬなんてついてねー女だ。ざまぁみろ』と吐き捨てる。
こんな残酷な事実を多恵子に告げることはできないと、直樹は麻美に話すが、麻美は被害者家族が死刑囚の状況を知ることができない現状を批判するとともに、多恵子が生きているうちにどうにかして星山に謝罪させる方法はないのか?と直樹に頼みこみ、直樹は悩む。
そんな中、運動場にいる渡瀬満が素振りで投球フォームをしているのを直樹は目撃する。
憧れのエースだったあの頃をほうふつとさせる満の姿を見て思わず嬉しくなった直樹がキャッチャーの構えをすると、今度は満がカーブを投げるというサインを送る。
そうして2人は素振りでのキャッチボールを交わすのだった。
憧れのエースの球をうけたことで直樹は、星山に向き合う決心をする。
星山に面会に訪れていた楠見佳子という人物をたどり、「竹の花園」という養護施設を訪れる直樹。
「竹の花園」には様々な事情を抱えた子供たちがいて楠見佳子(根岸季衣)はそこの先生だった。
直樹は、星山が幼少の頃に育児放棄を受けたため、この施設で育ったこと、ここで家の模型作りに夢中になったことを知る。
さらに、「竹の花園」にいる目の前で両親を殺された口がきけなくなってしまったある少女(谷村美月)が、絵を描いても風景のみで人物を描くことができなくなってしまったことを聞いた直樹は、星山にアプローチする方法を思いつく。
直樹は徹夜で作った人形を星山の元へ持っていく。星山もあの少女と同じで、人物をイメージできなくなってしまったのではないかと考えたのだ。直樹に悪態をつき、人形を振り払う星山。
それでも人形を持って何度も食い下がる直樹に星山の心が開き始める。
星山は、たった一度子供の頃に両親に祝ってもらった誕生日の日のこと思い出し、涙する。
すると直樹はもう1組の多恵子の家族をかたどった人形をとり出し、「この家族もこの家に入れてみてほしい」と告げる。被害者家族のことを思い出し、混乱した星山は暴れ出す。
刑務官たちが駆けつけ、直樹も房から連れ出されてしまうが、その時、星山が号泣しながら初めて謝罪の言葉を口にする…。
後日、星山は多恵子へ向けて謝罪の手紙を書き、それを読んだ3日後、多恵子は天国へ旅立つ。
この一件で刑務官の仕事に初めてやりがいを見つけることができたと感じた直樹だったが、数日後、星山の死刑執行が決まる。やっと悔い改め始めた星山の執行が決定したことに直樹は動揺する。
執行が決まったことを知らない星山は、3日後に面会にくる佳子先生のために“とみ食堂”の模型を作っていた。
完成したら多恵子のお墓に見せに行って欲しいという星山を見て直樹は心苦しくなる。
彼には3日後という日はやってこないのだ。
執行当日、執行の直前に星山は直樹に「人形ありがとよ」と言い残す。
罪を悔いてこれからじっくりと償おうとしていた星山が死刑になったことで直樹の死刑制度への感情はゆらぐ。
若林は、それでも理不尽に殺された人、遺族の心の傷を和らげるためにも凶悪犯は命を持って罪を償わなければならない。と直樹に告げながらると同時に、自分自身も答えが見つけられないでいると本音をもらす。
そんな中、渡瀬満の裁判がついに始まることに。
渡瀬満は、田尻が娘を抱えていることを知っていて娘まで切り殺したのか、それとも娘の殺害は過失だったのか…。
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