そんなある日、あかりの担任・沢村(池田努)が美羽を訪ねてきた。美羽に好意を寄せている沢村は、学校で行われる生徒と保護者のフォークダンスに美羽を誘う。ところが、「フォークダンスは大嫌い」と言って、断る美羽。その様子を見ていた龍之介はもうひとりの担当編集者・寛(八嶋智人)に頼んで美羽を無理矢理フォークダンスの会場へ連れてきてもらい、自分は内野を連れてくる。実は、美羽がフォークダンスを嫌う理由には、内野が関係していた。美羽が小学生のころ、内野は学校のフォークダンスで美羽と踊るという約束を破り、ほかの女のもとへ。そのまま家には戻ってこなかったのだ。妻からすぐに出ていくように言われてそうしたものの、美羽との約束を守らなかったことを後悔し続ける内野。龍之介らのおかげで、その思いはようやく美羽の心に届き、2人は長年の時を経て “本当の親子”として心を通わせるのだった。
実はそのころ、龍之介は人生を左右する局面に立たされていた。肺のレントゲン写真に影が写っており、医師から再検査の必要性を告げられていたのだ!俺には時間がない――そう直感した龍之介はひとり残されるであろう娘の将来を心配するあまり、内緒である計画を決意。あかりの彼氏・悠樹(石黒英雄)の父・泰三(鹿賀丈史)に、協力を要請する。その計画とはなんと、あかりと悠樹に結婚式をさせることだった!悠樹にプロポーズさせようと躍起になる龍之介と泰三。最初は戸惑いを隠せなかった悠樹だが、龍之介の事情を聞き、プロポーズを決意することに…。
後日、悠樹はあかりにプロポーズをした。そんな悠樹に、「お父さんに頼まれたの?」とあかり。実は、あかりは龍之介の検査結果を知っていたのだ!自分にだけ真実を隠す上に、再検査を受けようとしない龍之介を責めるあかり。そんな娘に、龍之介は亡き妻・みのり(笛木優子)と交わした約束について語り出す。龍之介はみのりから、娘のために作ったヴェールを託されていた。そして、あかりの結婚式には龍之介の手でそのヴェールを掛けてやってほしい、と頼まれていたのだ。もちろん、悠樹はまだ結婚できない年齢だ。しかし、いつ自分は死ぬか分からない。だから、せめて形だけでも式を挙げ、妻との約束を守りたい ――。あかりに向かって、「それさえ達成できれば、再検査でも入院でも何でもする」と誓う龍之介。龍之介の親心に突き動かされたあかりは、大好きな悠樹と結婚式を挙げることを決意する。
やがて、結婚式の日がやってきた。あかりにヴェールを掛けてやりながら、自分と妻との幸せな日々を綴った“世界でたった1冊の本”をあかりに手渡す龍之介。一方、あかりは龍之介への思いを手紙に託す。世界でいちばんお父さんが好き――娘の言葉に感極まる龍之介。こうして、形だけではあるものの、最高の結婚式はつつがなく執り行われたのだった。しかし…。
結婚式の直後、龍之介のレントゲンに映った影が、背中に張ったままにしていた磁気治療器具によるものだったことが判明!呆れる一同に平謝りしながらも、娘とまだまだ暮らせることに安堵する龍之介。が、同時に龍之介の中にまた新たな心配事が…!
恋愛小説家・伊崎龍之介。恋愛のカリスマと呼ばれる彼を心配させずにおかないもの――それは、恋を知った娘のこれからである。
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