さらに数時間が経過するが、女性は現れる気配はなかった。やがて、加奈に内緒で翔太が連絡した誠(陣内孝則) と警官の権藤(塩見三省) がやってきた。一緒に警察に行こうと言われ、歩き出した加奈たちの前に母親の美代(末永遥)が現れた。反省している様子の美代に赤ん坊を戻す加奈。再び2人きりになった加奈と翔太はホテルへ。翔太がシャワーを浴びて出てくると、赤ん坊の一件で張っていた気が緩んだのか加奈は眠っていた。
翌朝、ソファに寝ていた翔太は加奈に起こされて目を覚ます。赤ん坊を前に自分は無力じゃなかったと涙を流す加奈を優しく抱きしめる翔太。
律子(キムラ緑子) の部屋に桂(戸田恵子) が訪ねてきた。加奈が翔太との結婚を望んでいると知り、翔太の母親である律子に会いに来たという。重夫(風間杜夫) と一緒に暮らしていることで家族付き合いを気にかけている素振りの桂に、律子は中城家とは付き合わないから心配しないでと明るく言い放つ。一方、朋也(岸部一徳) と重夫も喫茶店で会っていた。女装癖がバレた時を心配し、やめるべきかを話し合っていたが隠し通すことで話はまとまり、笑い合う2人。
田崎家では、事務所にいた四郎(井川比佐志) が職人の神戸(松重豊) に中断していた工事の再開を告げた。喜ぶ神戸は、家族を東京に呼び寄せるから母屋の一室を貸してもらえないかと相談を持ちかける。四郎は家がのっとられると提案を却下する。その夜、神戸から話をきいた翔太が怒った様子で四郎にくってかかった。もっと人を信用して心を開くべきだと訴える翔太をあしらう四郎。
数日後、中城家と田崎家の家族がレストランで顔を合わせていた。相変わらず結婚には反対している四郎の提案で、両家が集まることになったのだ。立ち上がった四郎は全員を見渡すと、静かに話し始めた。先日、翔太に言われた言葉が胸に響いてきたという四郎は、翔太の成長は加奈と知り合ったおかげだと加奈にお礼を言う。そして、心配事は気持ちがあれば乗り越えられると言い切った。四郎の結婚を認める発言と、桂や静江(八千草薫) からの「おめでとう」の言葉に涙ぐむ加奈。
誠に経過を報告する加奈と翔太。誠は美代を支えながら暮らしていることを告げる。一方、田崎家には神戸一家がやってきていた。神戸の家族と楽しそうにしている四郎。朋也と重夫は相変わらず女装をし、桂と静江は人形作りに励み、加奈と翔太もそれぞれの仕事をこなし、いつもの日常をおくる面々がいて…。
ありふれた奇跡 TOPへ
タグ:ありふれた奇跡