2009年03月17日

ヴォイス〜命なき者の声〜 最終話

東凛大学の加地大己(瑛太)、石末亮介(生田斗真)、久保秋佳奈子(石原さとみ)、桐畑哲平(遠藤雄弥)、羽井彰(佐藤智仁)らゼミ生は、胸部をナイフで刺され死亡した成瀬喧一(ダンカン)と対面する。刺したのは坂田潔美(今野成美)という女子高生で、ナイフを持って襲い掛かってきた成瀬ともみ合ううちに刺してしまったと潔美は正当防衛を主張。彼女の体にもみ合ってできたと思われる傷があること、また、過去に成瀬が強制わいせつ事件で逮捕されていることからも、潔美の主張は正しいと思われる。

 ところがその後、大己らは、夏井川玲子(矢田亜希子)から佐川文彦(時任三郎)が潔美の正当防衛説に疑問に呈し、大和田敏(山崎樹範)にもその方向で捜査を進めたほうがいいと助言したと聞き驚く。潔美は大学の理事長の親戚であるため、佐川の判断を知った理事長は激怒。他大学に再解剖の依頼を出す。大学内では、その鑑定結果次第で佐川の進退問題に発展するのではないか、と噂が流れる。

 一方、大己は、成瀬が起こした3年前の事件を調べるうち、そのときの被害者と潔美の共通点を見つける。

 そんな折、大己らは蕪木誠(泉谷しげる)から、他大学の教授が正当防衛を支持する鑑定結果を出したと報告を受ける。これにより、佐川は教授会にかけられることに。

 心配するゼミ生に囲まれた佐川は、自分も大己らと同じタイミングで法医学教室を去ることになりそうだと告げる。大己らはゼミ生としての勉強期間を終え、それぞれの道を選択する時期になっていたのだ。今後の進路をどうするか、法医学を続けるか辞めるか、ゼミ生らの脳裏にはさまざまな思いがよぎっていた。

 亮介は父親の病院を継ぎ、佳奈子はアメリカ研修へ、哲平は科学警察研究所を目指し、彰は法医学を続けることを決めるが、大己は進路を決めかねていた。

 そんな中、大己は亮介らと話しながら正当防衛説を否定する佐川の主張を検証。意識を集中し考えるうち、大己はある結論にたどり着く。そして、部屋を飛び出すと、佐川の進退について協議が行われている会議室へ走る。

 まさに会議が終わったタイミングで飛び込んだ大己とそれを追ってきた4人。そこにいた医学部長に向かい大己は、佐川は間違っていないから辞めさせないでくれと訴える。そして、成瀬の体の刺し傷にもみ合ってできたとは思えない不自然さがあること、また、潔美の手首の傷についても本人の供述どおりではありえないことを説明。

 ところが、医学部長は、問題なのは佐川の主張の正当性ではなく学生の自主性を重んじ過ぎる教育方針で、大己のような学生がその象徴だ、と冷たく言い放つ。それを聞いた佐川は、自分の教育方針が間違っていたとは思わないし、未熟な学生が情熱のあまり枠をはみ出すことは無駄なことではない、と反論。しかし、その言葉は受け入れられない。

 出過ぎたことをしたと謝る大己に佐川は、自分をかばってくれたことを「教師冥利に尽きる」と笑顔を見せる。そんな佐川に大己は、刺された成瀬は 15分程度息があったが、あえて助けを求めようとせず、死を受け入れようとしていたのではないか、と自分の見解を述べる。すると、佐川はそれを認めるように黙ってうなずく。そして、大己の推理は正しいかもしれないが、法医学者には想像するだけではなく、それを裏付ける事実を立証することが必要だと諭す。

 その後、取調べを受けていた潔美が殺意を自供。潔美は、成瀬が起こした事件の被害者の親友で、事件後、親友は自殺してしまったのに不起訴となり結婚し幸せに暮らしている成瀬が許せなかったというのだ。

 実験室に戻った佐川は、玲子と蕪木に法医学教室の今後を託す。佐川の後任には誰が来るのか、との問いには玲子を指差し、玲子もそれを受け入れる。

 後日、佐川に呼ばれた大己が教授室を訪ねると、佐川は覚えているか、と言って15年前の地下鉄事故に関する新聞記事を見せる。現場にいたから、とうなずく大己に、実は自分もそこにいたのだと佐川。当時、法医学者になるべきか、臨床医になるべきか迷っていたときに出会った小学2年の大己(加藤清史郎)の「死んじゃった人に、お医者さんはいらないの?」という一言に目が覚める思いがし、法医学者になる決意をしたというのだ。そして、短い間だったが、大己と法医学をやれてよかった、と感慨深げに話す。その言葉に心が決まった大己は、法医学を続けると宣言。佐川は、大己が法医学に向いていると思った自分の目に狂いはなかった、と笑顔を見せる。

 翌日、亮介、哲平、彰は、それぞれの新しい道を歩き始めていた。そして、玲子は新任講師としてはりきり、蕪木はいつもと同じように実験に打ち込み、佐川は新しい大学の門をくぐっていた。その頃、アメリカに旅立つ佳奈子を見送った大己は、大学に戻りキャンパスに立っていた。法医学に対する思いを新たにする中、空を見上げる大己。素晴らしい青空の中、その視線の先には滑るように飛ぶ飛行機が。まぶしそうに飛行機を見つめながら、大己はすがすがしい笑顔を見せる――。


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2009年03月10日

ヴォイス〜命なき者の声〜 第十話

 加地大己(瑛太)、石末亮介(生田斗真)らは、大学の解剖室に運び込まれた作家・桜井真也(田村亮)の遺体と対面する。

 解剖を担当した佐川文彦(時任三郎)は、死因とされた腸閉塞は見られないと診断。夏井川玲子(矢田亜希子)は、病気以外の死因が絡んでいるかもしれないと言い、その言葉に大己、亮介、久保秋佳奈子(石原さとみ)、桐畑哲平(遠藤雄弥)、羽井彰(佐藤智仁)は衝撃を受ける。

 真也が東凛大学で解剖されたという情報は、真也が死亡した石末総合病院の院長・石末貴之(名高達男)と主治医・梅木誠(福井博章)の元にも届いていた。それでも、貴之は自分たちの処置は正しかった、と自信を覗かせる。

 佐川と玲子は、真也が医療ミスで死に至った可能性はあるが、死因との因果関係が考えられるシスという抗がん剤の過剰投与があったかどうかははっきりしないと言う。医療ミスだと立証するには、病院側に過失があったという明確な証拠が必要なのだ。

 医療ミスかもしれないのに病院側の証言が得られなければ泣き寝入りすることになってしまう――瑠美子は、解剖したことを後悔する。

 そんな瑠美子の気持ちを知った亮介は、解剖を勧めた責任を感じて落ち込み、解剖すれば何でもわかるのではないかと思っていたゼミ生たちも、その気持ちに共感する。

 その後、真也の邸宅に瑠美子を訪ねた大己は、死因が特定できなかったのは残念なことだが、父親が経営する病院の医療ミスを暴こうとする亮介の覚悟が並大抵ではなかったことをわかってやってほしい、と訴える。

 一方の亮介は、梅木を呼び出し、桜井はシスの過剰投与で亡くなくなり、それを貴之が隠蔽しているのではないか、と迫る。しかし、梅木は、シスの投与は適切だったと譲らない。そこで亮介は、梅木の前の主治医で、現在は仙台の病院に勤務する三條(二階堂智)に連絡を取り、電話をもらう約束をするが返信がない。気落ちする亮介を見た彰は、バイクの後ろに亮介を乗せ仙台へと走る。

 ようやく、三條に会えた亮介は、三條から肝機能障害のあった桜井にシスは絶対に投与できない抗がん剤だったと聞く。

 翌日、病院に貴之を訪ねた亮介は、三條から聞いたその情報が梅木に伝わっておらずシスを投与してしまったことが死因で、それを隠すためにカルテが改ざんされたのだろう、と言い、医療ミスを認めてほしい、と訴える。

 すると、貴之はすぐに記者会見を開き、桜井に不適切な抗がん剤の投与があった上、自分がカルテを改ざんしたと、医療ミスを認めるコメントを出す。

 会見を見ていた大己は、貴之の胸ポケットに挿さっているボールペンが、桜井愛用のものと同じであることに気づく。何かを感じた大己は貴之の経歴を調べ、貴之が桜井と同じ長崎県出身だったと知る。そして、学生時代に桜井が住んでいた長崎県人寮を訪ねることに。そこで、管理人(品川徹)から当時の部屋の見取り図を見せられた大己は驚く。なんと、貴之と桜井は、寮で隣同士の部屋に住んでいたのだ。しかも、ふたりは親友同然だったという。

 瑠美子を連れ石末総合病院を訪ねた大己は、亮介と貴之と対峙すると、桜井の死因は医療ミスではなく、尊厳死だったのではないか、と切り出す。胃がんの名医のもとを去り貴之の病院に来たのは治療のためではなく、かつての親友の手で死を迎えさせてもらうためだったのだろう言うのだ。

 それを聞いた貴之は、ついに重い口を開く。余命1年と診断されたものの、書くこともままならなくなった桜井は、自分のファンでもある瑠美子のためにも無様な姿をさらしたくないと尊厳死を願っていたのだ。桜井真也として死にたいという、親友の願いがわかる貴之は、それを了解。その際、自分の生きた証だといい、桜井愛用のボールペンを渡されたのだ。そして貴之は、主治医にも話さず、ひとりで画策したのだと言う。すべての責任は自分にある、と瑠美子に向かい、深く頭を下げる貴之。そんな貴之に瑠美子は、桜井のわがままに最後まで付き合ってくれた、と感謝の言葉を述べる。

 数日後、亮介と貴之は警察署の前に降り立つ。中まで同行しようとする亮介を断りひとり警察署に向かい歩き出す貴之。その背中に亮介は、医師としては最低だったかもしれないが、自分は最高の父親だと思っている、だからこそ、貴之を超えられるような人間になる、と声をかける。貴之は小さくうなずくと、背を向けたまま歩き出す。その目には、涙がにじんでいて――。


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2009年03月03日

ヴォイス〜命なき者の声〜 第九話

東凛大学の解剖室に、清掃会社を営む宇野慧(平賀雅臣)の遺体が運ばれる。佐野はビルでの窓拭きの作業中に落下したとされるが、調査の結果、原因と思われる命綱の不具合は見つからなかった。

 加地大己(瑛太)は、久保秋佳奈子(石原さとみ)とともに、佐川文彦(時任三郎)と夏井川玲子(矢田亜希子)の解剖を手伝いながら、ベテラン作業員の宇野がなぜ落下したのかを考えていた。

 そして、解剖終了後、佳奈子を連れ宇野を知る人々を訪ねる。すると、多額の負債を抱えながらも宇野は、周囲からの信頼の厚い人物だったとわかる。そんな中、宇野の妻・真由美(中島ひろ子)は、夫の人柄を評しながらも、借金返済のためにも早く保険金が下りて欲しそうなそぶりを見せる。

 同じ頃、実験室で桐畑哲平(遠藤雄弥)とともに薬毒物検査を行っていた蕪木誠(泉谷しげる)は、宇野の血中から意外な成分を検出する。

 実家の病院でアルバイト中の石末亮介(生田斗真)は、入院患者に桜井真也(田村亮)という有名作家がいることに興味を示す。桜井は末期の大腸がんだが、容体が安定してきたため一時帰宅が許可される。ところが、そんな矢先、容体が急変し、桜井は死亡してしまう。桜井の妻・瑠美子(麻生祐未)は、納得がいかないと主治医・梅木(福井博章)に詰め寄る。間に入った亮介の父で院長の貴之(名高達男)は、病院は適切な治療を行って来たが桜井が予想外に腸閉塞から腹膜炎を起こしたことが死因となったと説明する。

 研究室に戻った大己は、哲平と羽井彰(佐藤智仁)から、佳奈子がアメリカ研修の面接に合格していたことを聞く。盛り上がるふたりに対して、佳奈子は大己を意識しながらもクールに振舞う。

 一方、亮介は、何かに引っかかりを感じ桜井のカルテを確認。そこに数日前とは明らかに違う筆跡での書き込みを見つける。

 亮介が大学に戻り、研究室に5人が揃った頃、宇野の血中から睡眠薬の成分が検出されたと明かされる。濃度から見て落下する直前に飲んでいることと状況証拠から、宇野は自殺と診断されるという。そんなところへ、佐川を訪ねて真由美がやってくる。真由美は、夫は作業中の事故で亡くなったと主張するが、佐川は事故と判断するのは極めて難しいと説明。すると、真由美は、解剖により自殺とされたことで保険金が下りないのだと絶望したように話す。そして、夫が借金返済のために自ら命を絶っていたとしたらその覚悟は無駄だったのか、夫は何のために死んだのか、と涙ながらに訴える。

 解剖で真実を明かすことが、時として遺族を苦しませることになる――。突きつけられた現実に、亮介らの気持ちは揺らぐ。そんな中、大己は法医学は遺族に喜んでもらうためではなく、亡くなった人の最後の声を繋ぐためにあるのではないかと、語りかける。

 そして、大己は、佳奈子、哲平、彰と再び宇野の落下現場である高層ビルへ。すると、そこに、宇野の息子・稔彦(竹内寿)が花を手向けに来るが、稔彦は父親は、家族を置いて借金を残して自殺したんだ、と蔑むように話す。大己は、分からないことがあると言うと、稔彦を連れビルの屋上へ。そして、側面の窓に不自然な窓の拭き残しがあるのに、飛び降りた側の窓はすべて拭かれていたことを告げる。すると、稔彦は飛び降りた側から遠くのビル群を見つめ、周囲で一番高い駅ビルを指差す。それは、以前、宇野が窓拭きを任されたビルで、それが嬉しかった宇野は、その最上階のレストランに家族を招き食事をしたことがあったという。宇野は、そのビルを眺め楽しかった家族の思い出をかみ締めながら、身を投げたのではないか、と大己は思いつく。そして、自殺はしてはならないことだが、宇野に家族への深い思いがあったこと、その思いは解剖し本当の死因が明らかになったからこそわかったのではないか、と稔彦に語りかける。その言葉は、佳奈子らの心にも響く――。

 その頃、亮介は病院で見かけた瑠美子に声をかけると、自分も桜井の死に疑いを持っていると明かす。父親を疑うのは怖いことだが、自分に失望しないためにも桜井の死をあやふやなままにしたくないと亮介。そして、瑠美子に桜井の遺体を解剖しないか、と切り出す。


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2009年02月24日

ヴォイス〜命なき者の声〜 第八話

東凛大学の解剖室に、火災現場で死亡した60代の男性が運び込まれる。男性・今成卓見(平田満)は警備員で、自宅付近の火災現場で発見されたが、なぜか胸に子供の遺体を抱えていた。今成と子供に面識がない上、子供がカーペットに包まれていたことから、今成には放火犯の疑いもかかる。

 その後、解剖が行われ、加地大己(瑛太)、石末亮介(生田斗真)、桐畑哲平(遠藤雄弥)、羽井彰(佐藤智仁)は、佐川文彦(時任三郎)から、今成が肝炎を患っていたことを聞く。

 そんな中、解剖作業をしていた哲平は、夏井川玲子(矢田亜希子)から今成の肝臓を実験室に運ぶように指示される。ところが、途中でシャーレを落としてしまう。慌てて割れたシャーレと肝臓を拾い集める哲平。その指を、シャーレの破片が切っていた。物音を聞き駆け込んできた佐川は、出血した哲平の指を取ると急いで洗浄する。

 同じ頃、蕪木誠(泉谷しげる)は、今成がB型肝炎であると突き止める。感染していたら命に関わるだけに、大己らは検査を受けることになった哲平のことが気にかかる。

 翌日、自宅待機中の哲平を、久保秋佳奈子(石原さとみ)と彰が訪ねる。部屋に入った佳奈子は、哲平に謝罪をする。実は、哲平が感染した日、佳奈子は大学が募集する海外研修の最終面接があり、解剖作業を代わってもらっていたのだ。

 その頃、研究室にいた大己らは、大和田敏(山崎範樹)から、今成が少し前まで科学警察研究所、通称“科警研”の火事を専門に分析する部署に勤めていたと聞く。大己は、“科警研”に今成の元部下・矢野(田中実)を訪ね、さらに、矢野から今成をよく知るという上司・三島(志賀廣太郎)を紹介される。三島に会った大己は、三島から今成ほど火災のことに精通している男はいなかったと聞く。火災のプロがなぜ火災現場で亡くならなければいけなかったのか――研究室に戻った大己は、思いを巡らせる。すると、そこへ佳奈子が来て、火災現場で子供を包んでいたカーペットが、不燃加工が施された特殊なものだったと話す。それを聞いた大己は、あることに思い当たると、研究室を後にする。

 大己がやってきたのは、亡くなった子供の両親のもとだった。今成と子供のことについて、少し話がしたいと言うが、現状を受け入れられない母親に拒絶されてしまう。

 その頃、検査のための哲平の採血が終わる。それを待っていた亮介らに大己も合流し、5人は研究室へ。なんとなく重苦しい雰囲気が漂う中、哲平は今回のことで自分の弱さを痛感したと言い、感染の有無に関わらず、法医学を辞めようと思っていると明かす。大己は、今成は矢野のミスが原因でB型肝炎を発症したのだが、それを気に病む矢野に向かい、自分の身に危険が迫ることには覚悟ができているから申し訳ないと思うんだったら仕事を続けろ、と激励していたことを話す。さらに、カーペットで子供を包んだ理由を、子供の遺体を守りたかったからだ、とも説明。火災現場ですでに息を引き取っていた子供を見つけた今成は、子供の焼死体が親にどれだけのショックを与えるかを経験上知っていたため、燃えにくいカーペットを巻き、遺体を火から守りたかったのだろう。自分を犠牲にしてまでも、子供の遺体を、残された家族を思いやれる今成は、凄いと思う。大己の言葉に、今成の人間性と仕事に賭ける情熱を知った哲平は熱い涙を流す。

 翌日、哲平の検査結果の陰性を願い、大己ら4人は、とある神社を訪れていた。健康祈願のお守りを買ったり、高額のお賽銭を投げたりするうち、大己の携帯電話に哲平から電話が入る。検査結果は、セーフだった。それを聞いた4人は、心から安堵し微笑み合う――。


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2009年02月17日

ヴォイス〜命なき者の声〜 第七話

東凛大学の解剖室に、住宅地で倒れ死亡していたという60代の女性が運び込まれる。そんな中、加地大己(瑛太)と羽井彰(佐藤智仁)は、夏井川玲子(矢田亜希子)から解剖の作業に参加するように言われる。執刀する佐川文彦(時任三郎)から注意を受け、解剖が始まろうとしたとき、解剖を中止しろと言う声がする。声の主は、女性・野間口静代の夫・功(石橋蓮司)だった。

 一度は解剖を承諾したが、妻は解剖を望んでいないし、生き返ることもないからと言う野間口。佐川が解剖の必要性を説いても納得せず、静代は無言の帰宅をすることに。

 そのやりとりを見ていた久保秋佳奈子(石原さとみ)は、真実がわからないままでいいのか、と食い下がるが、野間口の気持ちを変えることはできない。

 研究室に戻った大己、石末亮介(生田斗真)、佳奈子、桐畑哲平(遠藤雄弥)、彰が解剖の必要性について意見交換する中、佳奈子はやはりその必要性を感じると主張。すると大己が、母親を亡くしている佳奈子にこそ伝えられることがあるだろうと言い、5人は野間口の自宅を訪ねることに。

 野間口と対面した佳奈子は母親の話を始め、死因がわからないままでいることの辛さを訴えるが、野間口は解剖を拒むばかりだった。

 そんな野間口の話を聞き、亮介、哲平、彰は心情を理解できると言うが、佳奈子はやはり納得がいかない。大己は、そんな佳奈子を連れ、再び野間口宅を訪ねる。

 野間口は、最近、静代が犬を飼い始めたこと、自分の好物の肉豆腐を繰り返し作っていたことをふたりに話す。静代は、スーパーのタイムセールで半額になった牛肉を購入しようとして転倒。買い物カゴに腹部を強打したことによる内臓破裂で死亡したと推測されるが、その牛肉は野間口に食べさせる物だったんだろう、と大己は言う。すると、野間口は最近の静代が食品でも日用品でも家にあるのと同じ物を買うのが癖になっていた――亡くなった日も必要もないのに目覚まし時計を買って来た、ボケていたんだ、と寂しそうに話す。

 その頃、亮介、哲平、彰は彰の母・鳳子(濱田マリ)が営む店で飲んでいた。解剖に対する恐怖心が根強く玲子から「法医学を辞めたほうがいい」とまで言われ落ち込む彰を、亮介と哲平が元気付けていた。

 その後、研究室にいた大己は、集中力を高めさまざまな状況を考えるうち、あるひとつの結論に至る。そして、亮介ら4人を連れて、野間口宅にやってくる。

 静代が横たわる布団の側に座る野間口に向かい、大己は静代が実は犬が苦手だったこと、目覚まし時計を購入した電器店ですでに腹痛に耐えている様子があったことを話す。電器店に寄ったのは、スーパーの前だったと確認されているから、転倒の前に腹部を押さえていたことになる。それは、なぜか? そこに静代が隠している物があるのではないか、と大己は言う。その言葉に心を動かされた野間口は、遂に、解剖をして欲しいと口にする。

 そして、解剖の準備が始まる。作業着に着替えた彰を見た玲子は、意地になるのはやめろ、と言うが、彰は遺族のために力になりたいからやらせてほしいと頭を下げる。

 解剖を終えると、大己と佳奈子は佐川に呼ばれ、解剖の結果を野間口に伝えに行って欲しいと言われる。それが、野間口自身の希望だと聞き、早速、野間口宅へ。

 まずは、佳奈子が静代の死因を、転倒による脾臓破裂に伴う出血性ショック死であると伝える。それにうなずく野間口に、大己は、やはり隠していたことがあった、と切り出す。死因のほかに解剖の結果分かったのは――静代が末期の胃がんであったということだった。血液から抗がん剤の成分が検出されたことから、本人は病状を知っていたはずだ、と大己。自らの命が2ヵ月足らずだと知り、苦手だった犬を飼い、扱いが簡易な洗濯機に買い替え、肉豆腐を繰り返し作り、家にいると余計な心配をかけるからと辛い体をおしてダンス教室に通い、とすべて夫である野間口を思い行動していたのだろう、と話す。

さらに、静代が購入した目覚まし時計を操作すると、そこから、録音された静代の声が聞こえてくる。40年間、夫を起こし続けた静代は、自分がいなくなった後、野間口がひとりで起床できるかが心配で、ボイスレコーダーの付きの目覚まし時計を購入していたのだ。静代は、ボケていたわけでも物忘れが激しかったわけでもなかったのだ。横たわる静代の布団に顔を伏せた野間口は、肩を震わせる。それを見た大己、佳奈子の目からも涙がこぼれ――。


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2009年02月10日

ヴォイス〜命なき者の声〜 第六話

法医学教室・ゼミ生の加地大己(瑛太)、久保秋佳奈子(石原さとみ)、桐畑哲平(遠藤雄弥)、羽井彰(佐藤智仁)は、佐川文彦(時任三郎)から生きている患者を診ると聞き驚く。石末亮介(生田斗真)の父親・貴之(名高達男)が経営する病院の患者に、ミュンヒハウゼン症候群――他人の関心を得ようとするあまり、偽の症状を作り出し、通院や入院を繰り返す症状――が疑われるため、その意見書の作成を依頼されたのだ。患者の主治医から連絡を受けた佐川は、亮介と夏井川玲子(矢田亜希子)を病院へ向かわす。

 そんな折、研究室に若い男性がやってくる。姉に用があるという男性に大己らはピンとこないが、男性は「久保秋佳奈子」と口にする。なんと、佳奈子の弟・祐樹(冨浦智嗣)だったのだ。大阪で和食の料理人をしているという祐樹は、佳奈子とは対照的な今時の若者らしいフランクな性格で、すぐに大己らと打ち解ける。

 一方、ミュンヒハウゼン症候群が疑われる患者・相馬朋子(志田未来)は中学生で、数日前に、兄・泰人(石田卓也)に付き添われ救急車で搬送されてきた。主治医によれば、偽膜性大腸炎と診断されたが、血液検査では異常が見られないうえ、半年前から度々通院していて処方された薬を飲んでいるはずなのに、症状が悪化しているという。朋子に会った亮介は、活発な彼女が自分から病気になっているとは信じられない。

ところが、朋子の血液のデータ解析をした蕪木誠(泉谷しげる)は、血中に偽膜性大腸炎を発症できるペニシリンを見つける。予想外の結果に佐川らは驚くが、とはいえ、中学生がペニシリンを入手できるはずはない。誰かが、故意に飲ませているのではないか――推測を重ねた結果、薬科大の学生だという泰人に行き当たる。

 そこで、大己は亮介と朋子の病室を訪ねる。するとそこへ、朋子の荷物を持った泰人がやってくる。バッグの中から荷物を取りながら、派手なパジャマを妹に渡す泰人。朋子がそれを恥ずかしがると、兄らしくやさしくたしなめる。両親はいないというが、それでも仲むつまじい兄妹に、大己も亮介同様、暗い陰を感じることはできない。

 その後、玲子らの調査により、ここ半年間、朋子が大腸炎で通院するのは決まって泰人のアルバイトが休みの日であることがわかる。つまり、泰人は自分が病院に付き添えるタイミングで、妹にペニシリンを飲ませていたと疑えるのだ。さらに、泰人の大学の薬品庫からペニシリンが持ち出されていたことも発覚する。

 朋子の主治医と児童相談所の職員が質すと、泰人はあっさり犯行を認める。そして、兄妹は一時的に離れて住むことに。

 事件は落着したが、大己は泰人の犯行動機がわからず、カレンダーと泰人の犯行について書かれた書類を見比べていた。そして、意識を集中させるうち、あることに思い当たる。

 亮介とともに兄妹のアパートを訪ねた大己は、児童相談所の職員と一緒にいた泰人と対面する。そして、朋子が家計のために手伝っていたもんじゃ焼き店を、欠勤したことがなかったと告げる。大己は、その理由を朋子が泰人の犯行をわかっていたからだと明かす。朋子は、兄のアルバイトが休みの前日に症状が来ることを知っていたから、それに合わせて自分のシフトを組んでいたというのだ。大己は、泰人が病室にパジャマを持ってきたことがヒントになったと話す。平日の真夜中に搬送されてきたのに、朋子はなぜパジャマではなく洋服を着ていたのか、と。搬送されるのを予期していた朋子は、パジャマ姿を嫌い、あらかじめ洋服を着ていたのだ。

 同じ頃、休日を終えて大阪へ向かうバスの中で、祐樹は佳奈子がバッグに忍ばせた弁当を見つける。弁当の中身は、昔、佳奈子が調理に失敗したタコのウインナーやオムライスだ。以前とは違うのは、それが彩りも盛り付けも美しく仕上がっていることだった。祐樹は、姉のやさしさに笑顔を見せる。

 後日、朋子は病院にやってきた大己にすべてを明かす。親代わりとなり自分の世話をしてくれた泰人が、半年前、朋子が腹痛を訴えて搬送された病院の待合室で泣いているのを見てしまった。それまで、暗い顔さえ見たことがなかったのに、看護師に労いの言葉をかけられた途端、堰を切ったように泣き出した兄を見て、朋子は重責を負った兄の苦悩を知ったという。それ以降、誰かに労われたいと思う泰人は、朋子の食事にペニシリンを盛られるという形で定期的に犯行を行い、一方の朋子もそれを受け入れることにするのだ。自分を犠牲にしながらも、泰人に感謝しているから、このままでよかったのだと訴える朋子。そんな朋子に大己は、自分を傷つけてまで泰人を支えることはやさしさではない、と諭すように話す。

そんなところへ、東京を離れることになった泰人がやってくる。妹を見つめると、自分のしたことを謝罪する泰人。朋子は気丈な態度で、兄に心配かけないようにもっと強くなると宣言する。泰人はそれに頷くと、その場を去っていく。それを見送った朋子は、大己に「ありがとう」とつぶやく――。


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2009年02月04日

ヴォイス〜命なき者の声〜 第五話

加地大己(瑛太)、石末亮介(生田斗真)、久保秋佳奈子(石原さとみ)らゼミ生は、カメラマン・岡原浩介(吹越満)の遺体と対面する。岡原はゴシップ誌のカメラマンだが、なぜか民家のニワトリ小屋の前で死亡していた。

 刑事・大和田敏(山崎樹範)によると、現場に残されたフィルムには、有名人の不倫現場を押さえた写真に混ざり、麺つゆの瓶を撮ったものがあったという。

 そんな中、佐川文彦(時任三郎)と夏井川玲子(矢田亜希子)は解剖作業を進め、佐川は死因を「肺動脈血栓塞栓症」、別称“エコノミークラス症候群”とする。主に下肢を長時間動かさないでいることで、静脈にできた血栓が肺動脈を閉塞し生じる病症だ。

 死因究明のため、大己は、亮介、羽井彰(佐藤智仁)と遺体発見現場にやってくるが、有力な手がかりを得られないまま、岡原の元妻・朋枝(芳本美代子)が営むクリーニング店へ。朋枝は岡原と3年前に離婚したが、8歳になる息子・実(小林海人)に会いたいと言われ、半年前に会ったのが最後だと話す。

 後日、ゼミ生5人は、岡原が友人のカメラマン・沢野(六角精児)と借りていた事務所を訪ねる。沢野は、岡原は金のためかなりきわどい写真にも手を出していたと話す。そんなとき、岡原が残した写真を見ていた大己の手が止まる。ゴシップ写真に混じって、餃子、ルービックキューブ、りんごなど、意味のわからない写真が出てきたのだ。さらに、残されたレシートから、岡原がニワトリ小屋の近くを頻繁に訪れていたことがわかる。

 何かを感じた大己は、亮介を誘い、再びニワトリ小屋のある場所へ。そして、1枚の写真を手にすると裏山へと入って行く。とまどう亮介に構わずに歩くうち、大己は岡原の写真とピッタリ重なる景色を見つける。視界の先には、豪邸があった。岡原が同じ場所から豪邸を見ていたと確信する大己は、リュックから寝袋を取り出すとここで一夜を明かすと言う。

 一方、大己を除くゼミ生たちは、蕪木誠(泉谷しげる)から与えられた課題を解くのに必死になっていた。

 翌日、山から戻った大己が研究室にやってくる。亮介らは、まだ課題が解けないでいたが、大己はすでに答えがわかっている、と事もなげに言う。

 そんな時、大己の目に事務員が読んでいた新聞記事が飛び込んでくる。政治スクープに関する1面記事の横には、岡原が狙っていたあの豪邸の写真が載っていたのだ。そこからインスピレーションを得た大己は、机の上に餃子やりんごなどを撮った写真を順番を入れ替えながら並べていく。そして、ある確信へとたどり着く。

 再び大己がやってきたのは、クリーニング店だった。朋枝に会った大己は、新聞の写真は岡原が撮るはずのものだったと説明。この1枚を撮るために、同じ姿勢のままシャッターチャンスを待っていたから、エコノミークラス症候群になったのだろうとも話す。それを聞いた朋枝は、近年の岡原は仕事に行き詰り、カメラマンになったことを後悔していたから、そんな情熱はなかっただろうと疑問を投げかける。すると、大己は、岡原は息子の実がきっかけで変わったのだと返答。岡原が最後に実にあった日、息子が将来、岡原のようなカメラマンになりたいと話したのを聞き、希望を取り戻したのだ、と。

 そして、大己は実に会うと、うさぎかうなぎの写真を撮らなかったかと尋ねる。すると、実はうなぎを撮ったことを明かす。意味がわからないという朋枝に大己は、岡原と実が写真でしりとりをしてたと話す。岡原は、実が撮った「夕陽」に続けようと、ニワトリ小屋の前で「ひよこ」が誕生するのを待っていたというのだ。

 後日、大己らの計らいで、実が大学の教室にやってくる。そこには、岡原が実のために撮りためた写真が引き伸ばされ展示されていた。それらを見た実は、今は亡き父の愛情をかみ締め胸を熱くする――。

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2009年01月27日

ヴォイス〜命なき者の声〜 第四話

 医学部の解剖室に、若い男性の遺体が運び込まれる。加地大己(瑛太)らが遺体に対面する中、石末亮介(生田斗真)は、助教の夏井川玲子(矢田亜希子)が読み上げる遺体の情報に驚愕する。それが、亮介の高校の同級生で山倉医科大学の五十嵐富士夫(田中圭)だったからだ。

 刑事の大和田敏(山崎樹範)は、遺体発見現場の富士夫の部屋に大麻の吸殻、卒業アルバム、シーフードピザ、ジュースに浸かった携帯電話が残されていたと報告。また、大学内で大麻を売っていた高沢という男が失踪していることから、富士夫もそのグループの一員だろうと疑う。

 その後、教授の佐川文彦(時任三郎)による解剖の結果、死因は窒息死と判明。大己、久保秋佳奈子(石原さとみ)、桐畑哲平(遠藤雄弥)、羽井彰(佐藤智仁)は、原因を推測し始める。

 そんな折、高沢(細田よしひこ)が逮捕される。高沢は、富士夫を殴ったことは認めるが、窒息に関しては知らないと話す。仲間だった富士夫と高沢がなぜそんなことになったのか、亮介は疑問に思うが、富士夫は高沢に都合よく使われ、大麻も強要されていたらしいことがわかる。

 後日、技官の蕪木誠(泉谷しげる)が富士夫にアナフィラキシーショックという急性アレルギー反応があったことを発見する。それは、食べ物などのアレルギーが原因でノドの内側に腫れができ、気道を塞ぎ窒息状態になることがある病症だという。大己らが原因を推測する中、亮介は、昔から富士夫が「エビを食べると死ぬ」と話していたことを明かす。現場にはシーフードピザが残され、胃からもエビが見つかっているため、それが原因なのは間違いない。亮介は、死の危険があるのに、大麻を吸って意識が朦朧としたままエビを食べた富士夫が悪い、と悔しそうに言う。ところが、蕪木の分析の結果、意識が朦朧とするほどには大麻を使用していない可能性が高いことがわかる。

 それを聞いてある確信を得た大己は、亮介とともに、富士夫の父・五十嵐宗之(小野武彦)が経営する病院を訪ねる。五十嵐を前にした大己は、先日、五十嵐から聞いた富士夫が小学生のときにエビフライを食べて死にかけたという話の詳細を知るために、富士夫が通った小学校で担任教師に会ってきたことを話す。その日、富士夫はアレルギーがあるからと、給食のエビフライを残した。しかし、同級生からの執拗なからかいに遭い悔しさのあまり、エビフライを口にしてしまう。そして、痙攣を起こし病院へ運ばれるのだが、その途中で「男には守らなきゃいけないプライドがある」と、いつも五十嵐に言われていた言葉をつぶやいたという。

 そして今回も、富士夫は同じ気持ちでエビが入ったピザを食べたのだと大己。曰く、金に困っていた高沢が大麻の新しい顧客を発掘しろと富士夫に迫ったのだ。高沢は、卒業アルバムを探し出すと住所録を見ながら、顧客になりそうな相手に電話をしろと強要。暴行しながら詰め寄る高沢に抗うために、富士夫は携帯をジュースの中に入れ水没させ、さらに、自分の意志でピザを食べたのだ――それがもたらす結果を知りながらも、守りたかったプライドのために……。

 その後、亮介は父・貴之(名高達男)に会うため病院へ。自分が病院を継ぐことを期待している貴之と対峙した亮介は、今まで言い出せなかった言葉を口する。自分には貴之のような立派な医師にはなれないから、自分らしい道を行く――だから、法医学は辞めないから、と。


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2009年01月20日

ヴォイス〜命なき者の声〜 第三話

東凛大学医学部のゼミ生・加地大己(瑛太)、石末亮介(生田斗真)、久保秋佳奈子(石原さとみ)は、タクシーの中で突然死したという女性の遺体と対面する。

 教授・佐川文彦(時任三郎)は、死因がクラッシュシンドロームではないかとの見解を示す。助教・夏井川玲子(矢田亜希子)は、クラッシュシンドロームは別名を「挫滅症候群」といい、事故などで身体が長時間圧迫された後に急に開放されることで引き起こる症候だと説明。地震災害の被害者が救助後に突然死することが続き、広く知られるようになったという。

 そんな中、佐川はその証拠ともいえるアザを女性の足に認める。すると、それを見た佳奈子は動揺し黙り込む。

 その頃、実験室では、作業に集中する技官・蕪木誠(泉谷しげる)の側で、ゼミ生・桐畑哲平(遠藤雄弥)、羽井彰(佐藤智仁)がデータ分析に精を出していた。

 解剖終了後、佳奈子は大己と亮介に、女性の足のアザが自分の母親が亡くなったときのアザにそっくりだったと話す。15年前、心不全で亡くなったはずの母親の足にアザがあるのを不審に思った佳奈子は、大人たちに訴えるが相手にされなかった。それが未だに気になっているという佳奈子に、大己は今からでも死因を調べられるのでは、と声をかける。

 そして、かつて母親・雪子(片平なぎさ)が勤めていた工場にやって来た大己、亮介、佳奈子は、当時を知るという古株の作業員・ジン(平泉成)を紹介される。佳奈子は、雪子はもちろん自分のことも覚えていたジンに、雪子が工場で亡くなった日のことを知りたいと訴える。そして当時、同じ工場で働いていた八木(勝村政信)という人物のことを聞き、自宅を訪ねる。しかし、現在、駄菓子店を営む八木は、雪子とは仕事の担当が違ったため接点がなかったと言う。

 その後、気になることがあると言ってどこかへ行ってしまった大己を残し、亮介と佳奈子は大学に戻ってくる。

 大己は、雪子が作業に携わっていたパイプ椅子が納品された会社を訪ねていた。会社の会議室には、15年前に購入したという椅子がズラリと並び、大己は、その1脚1脚に座り何かを感じようとする――と、そのうち時間が過ぎ終バスを逃してしまう。

 翌朝、工場の片隅で寝ていた大己に、佳奈子から連絡が入る。雪子が使用していた手袋から検出された成分の分析結果を知らせる電話だった。大己は、その中にシールの裏にある糊の成分が含まれることが気にかかる。やがて、ある確信を得ると、佳奈子にこちらに来るように言う。

 大己は、やって来た佳奈子を連れ再び八木を訪ねる。そして、事故があった日、雪子は工場にいた八木と残業をしていたのではないかと切り出す。当日に納品された椅子の検品シールに雪子の筆跡があったこと、雪子の手袋に作業上付着するはずがないシールの糊の成分があったことを挙げると、八木は口を開く――。

あの日、八木がパイプ椅子の納品に向かおうとすると雪子に呼び止められた。椅子に貼られた検品シールが古い規格のままになっていたからだ。時間がないから見逃してくれという八木を、雪子は叱咤。自分もやるからと言って、就業後にも構わずシールの貼り変えを手伝ってくれたのだ。数時間後、貼り変えは終了し、八木は片付けを雪子に任せると納品に向かう。

ところが1時間後、工場内に戻って見ると、雪子は資材に下半身を挟まれ倒れていた。八木が資材をどけると雪子は意識を回復し、元気な様子を見せる。それでも心配した八木は雪子に病院へ行くようにすすめるが、雪子は大丈夫だからと繰り返し、八木に帰宅を促す。

しかし、それが雪子の最後の言葉となってしまう。自分が余計な仕事をさせたせいで心臓発作を起こしたのではと思うと、怖くて言い出すことができなかったと言う八木。佳奈子は八木に、もっと早く話して欲しかったと言いながらも、雪子の死因はクラッシュシンドロームだっただろうと明かす。

 その後、工場に戻った佳奈子は、大己から冊子を渡される。それは、幼い日の佳奈子と弟の写真が貼られたアルバムだった。雪子は、そのアルバムを眺めながら、ひとり昼食をとっていたのだ。自分や弟以上に、母子で過ごす時間の少なさを寂しく思っていたのは、雪子だったのだ。改めて母の思いを知った佳奈子の目から、涙があふれ落ちる――。


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2009年01月13日

ヴォイス〜命なき者の声〜 第二話

 東凛大学医学部の解剖室に、男性の遺体が運び込まれる。法医学ゼミ生の加地大己(瑛太)は、同ゼミ生の石末亮介(生田斗真)、久保秋佳奈子(石原さとみ)、桐畑哲平(遠藤雄弥)、羽井彰(佐藤智仁)、教授の佐川文彦(時任三郎)、助教の夏井川玲子(矢田亜希子)とともに遺体の前に立ち、刑事の大和田敏(山崎樹範)から報告を受ける。

 死亡したのは35歳の佐野秀一(坂田聡)で、生卵を入れたビニール袋を持ったまま、自宅の近所で倒れていたという。警察は急性の心臓死を疑うが、佐野の妻・忍(鶴田真由)は、最近までアメフトの選手だった夫が急死するとは信じられない。

 そんな中、佐川は佐野の指に感電した痕を見つける。そこで、大己ら5人は当時の状況を知るため遺体発見現場へ。しかし、そこは閑静な住宅地で感電が起こるような場所ではなかった。

 解剖の結果、佐野は自宅で感電したことが判明。さらに、感電後に一旦回復し、卵を買いに行き帰宅途中で倒れたことも判る。

 その頃、大己と亮介は佐野の家で、忍から話を聞いていた。昨年、アメフトを辞めてから佐野は家に篭もりがちで、それをふがいなく思った忍は、佐野が亡くなる前日に、結婚したことを後悔するような言葉を口にしてしまう。しかし、謝る間もなく忍は仕事に出かけ、帰ってみたら結婚指輪を残して夫はいなくなっていたという。夫を傷つけたことを悔やみ、帰って来たら謝ろうと思っていたが、結局、夫は戻ってくることはなかった。忍は、夫はきっと自分を憎んでいるだろうと後悔の涙を浮かべる。

 後日、佐川は大己に、一度意識が戻ったとはいえ感電した佐野が卵を買いに行くのは、相当に困難な行為だったろうと話す。さらに、技官・蕪木誠(泉谷しげる)の協力で、佐野の指の爪に残っていた成分が牛乳だったことがわかる。手には卵、爪には牛乳――佐野は何かを作ろうとしていたのか? 意識を集中し佐野に思いを巡らせた大己は、何かに思い当たると研究室を飛び出して行く。

 後を追ってきた亮介、佳奈子とともに大己がやってきたのは、忍のマンションだった。リビングに通されると大己は、ビデオデッキの中から『クレイマー、クレイマー』のテープを取り出し、佐野は忍と別れようとは思っていなかったと告げる。大己曰く、佐野は忍との結婚生活を思い返すうち、ふたりの思い出の映画である『クレイマー、クレイマー』を見ようとした。ところが、ビデオデッキのコンセントを差し込んだ際、漏電していた古いコンセントで感電してしまう。
普通はそこで倒れ込むはずだが、アメフト選手だった佐野は一度意識を取り戻すと、キッチンへやってくる。フレンチトーストを作るためだ。しかし、指輪を外し手を洗い料理を始めたとき、卵がないことに気づく。それで、ふらふらになりながらも買いに出かけたのだ。料理をしない佐野がなぜ、フレンチトーストを作ろうとしたのか? それは、『クレイマー、クレイマー』の主人公が家族のために必死に作る料理で、そのシーンが好きな忍がいつか自分にも作ってほしいと言っていたからだ。

 大己の話をすぐには信じられない忍に、亮介は冷蔵庫から卵が入っていない作りかけのフレンチトーストを取り出して見せる。佐野が作ったものだ。さらに大己は、佐野の元同僚から聞いた話として、佐野が懸命に就職活動をしていたことも伝える。

 忍は、卵を入れて完成させたフレンチトーストを食べながら、無口だったが愛情深い夫のことを思い肩を震わせる――。


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2009年01月12日

ヴォイス〜命なき者の声〜 第一話

 東凛大学医学部4年の加地大己(瑛太)は、志望していた「心臓外学ゼミ」に不合格となる。同級の石末亮介(生田斗真)は、一番人気のゼミだから仕方がないと声をかけるが、大己は自分が受かっていたのに落とされたような気がしてならない。

 大己が合格していたのは、亮介と同じ「法医学ゼミ」だった。掲示板に書かれた合格者名の一番下にある自分の名前。それを見た大己は、何かを思いついたように掲示板の前を立ち去る。

 その頃、同医学部4年で「脳神経外科学ゼミ」に合格した久保秋佳奈子(石原さとみ)は同ゼミの教授を訪ね、「法医学ゼミ」に異動させてくれと頼んでいた。


 「法医学ゼミ」の教授の佐川文彦(時任三郎)を訪ねた大己は、自分の名前を掲示板から移動させたのではないかと切り出す。そんな大己に佐川は「心臓外科学ゼミ」の志望理由を尋ねる。大己は、人間にとって心臓が最後の砦――つまり、心臓が止まってしまったらどんな医学も意味をなさないからと返答。すると佐川は、生きている人間だけではなく亡くなった人の声に耳を傾ける医学があってもいいのではないかと話す。さらに、大己を佐川のゼミに入れた理由を「法医学に向いていると思うから」と答える。


 佐川は学生たちに、法医学の第一義は、人の死因を解明することだと説明。日本では、制度の未整備などにより異状死した遺体の約1割しか解剖されないが、死者の体はその人が最後に伝えたかった言葉を明確に語りかける、その法医学者にしか聞こえない言葉や声をつなぐのが自分たちの仕事なのだと教える。

 その後、解剖室を見学した学生たちは、玲子からこの解剖室で年間約300体の解剖が行われると聞かされ肝を冷やしながらも、簡単な作業を行う。そんな中、玲子が大己に、ある組織を実験室に運ぶよう指示。大己が実験室に入ると、技官の蕪木誠(泉谷しげる)は、ヘッドホンで音楽を聴きながら顕微鏡を覗いていた。

 そんな折、佐川に南府中署の刑事・大和田敏(山崎樹範)から連絡が入り、他殺の可能性がある男性遺体の解剖を頼まれる。やがて、運び込まれた男性・市原(モロ師岡)は佐川の手により解剖され、それを側で見る大己らの脳裏にはさまざまな思いがよぎる。

 解剖が終わり研究室に戻った大己らは、およそ30sの落下物が当たったことで死亡したと思われる市原の死因について推測し始める。大己は市原の額が陥没していることに疑問を感じる。落下物は普通、頭頂部に当たると思うからだ。額が陥没した理由は、宙を見上げていたからに違いない言う結論には行き着くが、それ以上のことはわからない。

 そこで、大己、亮介、哲平、彰は市原の死亡現場である建設中のビルの前にやってくる。その高さ10メートルほどのビル屋上からの落下物に当たり死亡した市原は、ビル前にある花壇に向かい、膝を地面につけ手を伸ばし、突っ伏すように気を失っていた。その姿は祈るようで、表情は微笑んでいるように見えたという。大己は、その話を聞きながら、周囲に置かれた花束を見つめていた。

 後日、大学にいた大己は佳奈子から、市原が額以外にも、鼻骨、鎖骨、頚椎、そして左右前腕の外側の骨である尺骨も骨折していたと聞く。落下物を認め逃げようとすれば、両腕の外側を骨折することはありえないと、大己らは疑問に思う。そして、亮介に促された哲平が両手を高々と上げ、発見された当時の市原の様子を再現して見せる。その姿はまるで、天に雨乞いをする人のようだった――。
それを見た大己の脳裏には、さまざまな情報がフラッシュのようによぎっていく。そして、それがひとつになったとき、あることがひらめく。そして、「受け止めたかったんだ」と確信に満ちた表情で言うと、どこかへ走り去る。亮介らは、わけもわからないままその後を追う。

 大己らがやってきたのは、市原の別れた妻・川鍋秀子(美保純)のアパートだった。部屋に通された5人は、かつて市原と秀子の息子がベランダから転落死していたことを聞く。当時、小学1年の息子は、野球好きの市原から与えられたグローブとボールで遊ぶうち、ベランダに出たボールを捕ろうしてあやまって転落してしまったのだ。それを知った市原は自分を責め、以来、野球嫌いになったという。そして、夫婦は息子の死を乗り切れずに、事件からほどなくして別れてしまった。市原は、最期までかわいそうな人生だった…秀子がそう言ったとき、大己がそれを否定し、市原はひとりの命を救ったのだと話す。

 大己曰く、事件のあった日、市原が見上げたビルの屋上には自殺をしようとして立つ小学4年生くらいの子供がいた。息子と同じくらいの子供が飛び降りたのを見て、市原は手を伸ばして救いに行ったと言うのだ。現場に落下物がなかったことから、助かったと思われる子供はその場を歩いて去ることができた。その際、負傷した市原は、遠のく意識の中で、自分は大丈夫だから行きなさいと子供を促したに違いないとも言う。子供の命を救うことは、市原にしかできなかったし、自分はそれを凄いと思う――大己がそう話すと、秀子は涙を流し礼を言う。

 その後、5人は再び現場に戻る。そこで、亮介は大己に、いつ落下物が子供だと気づいたのかと尋ねると、大己は、最初に現場に来たときだと答える。そこに供えられた花の中に、いかにも野原で摘んできたような小さな花束があったことがヒントになったと言う。そんなとき、花束のところにしゃがんでいた佳奈子が、1枚のカードを見つける。そこには、子供の字で「ごめんなさい。ありがとうございます。」と書かれていた――。


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2009年01月11日

ヴォイス〜命なき者の声〜 視聴率

第1話 2009年1月12日 失われた命を救う医学 17.7%

第2話 2009年1月19日 卵持って感電した男 17.4%

第3話 2009年1月26日 15年前の母の死因は 15.0%

第4話 2009年2月2日 解剖台の上の親友 12.3%  

第5話 2009年2月9日 見えないスクープ写真 16.0%

第6話 2009年02月16日 予期された入院患者 15.2%

第7話 2009年02月23日 命がけのタイムセール 15.4%

第8話 2009年3月2日 決して消せない炎 14.0%

第9話 2009年03月09日 雨を読めた男の死 10.2%

第10話 2008年03月16日 最後の大勝負 12.8%

最終話 2008年3月23日 別れの時、僕らの明日 13.6%


平均視聴率14.51%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)


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2008年12月25日

ヴォイス〜命なき者の声〜 TOP

 2009年1月にスタートするフジテレビ系月9ドラマ「ヴォイス〜命なき者の声〜」(月曜後9・0)で連ドラ初主演する若手実力派俳優・瑛太に続き、俳優の生田斗真と女優の石原さとみが出演する。

ゲームやマンガなど架空の世界で「死」というものに慣れてしまい、
人の命を奪うことに対する恐怖心やためらいがなくなってしまったかのような陰惨で過激な事件が多発している昨今の日本。
2009年最初の月9では「死」というものからメッセージを汲み取り、生きていく意味や命の重みを引きだそうとする医学生たちの奮闘を描いていきます。

 テーマは、「失われた命を救う医学」と言われ、連続ドラマでは珍しい司法解剖などで死因を鑑定する法医学がテーマ。医大の法医学ゼミに所属する医大生5人が「人の命」と向き合い葛藤する青春を描くオリジナルストーリー。


キャスト
加地 大己:瑛太
たぐいまれなる観察眼と勘の良さを持つ学生

石末 亮介:生田斗真
加地 大己の親友、法医学ゼミでのムードメーカー

久保秋 佳奈子:石原さとみ

桐畑 哲平:遠藤雄弥

羽井 彰:佐藤智仁

羽井 鳳子:濱田マリ

大和田 敏:山崎樹範

石末 貴之:名高達男

蕪木 誠:泉谷しげる

夏井川 玲子:矢田亜希子

佐川 文彦:時任三郎

スタッフ
脚本 - 金子茂樹
プロデュース - 瀧山麻土香、東康之
演出 - 成田岳、松山博昭、石井祐介
音楽 - 吉川慶、Audio Highs
制作 - フジテレビドラマ制作センター
制作著作 - フジテレビ

主題歌
GReeeeN「刹那」(NAYUTAWAVE RECORDS)

  
各話あらすじ
第一話 2009年1月12日 失われた命を救う医学

第二話 2009年1月19日 卵を持って感電した男

第三話 2009年1月26日 15年前の母の死因は

第四話 2009年2月2日 解剖台の上の親友

第五話 2009年2月9日 見えないスクープ写真

第六話 2009年2月16日 予期された入院患者

第七話 2009年2月23日 命がけのタイムセール

第八話 2009年3月2日 決して消せない炎

第九話 2009年3月9日 雨を読めた男の死

第十話 2009年3月16日 最後の大勝負

最終話 2009年3月23 別れの時、僕らの明日


各話視聴率

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