佳音(堀北真希)と殉也(北川悠仁)は、信じられない光景を目にする。3年間植物状態が続き、数日前にも生死の境をさまよう危険な状態に陥ったばかりの聖花(内田有紀)が、ベッドの上で上半身を起こしていたのだ。聖花は、声にならない声で殉也の名前を呼んだ。殉也は、そんな聖花に駆け寄って彼女を抱きしめた。
知らせを受けて聖花の診察をした主治医の東野(中原丈雄)は、聖花の脳機能に多少の障害が残っている可能性があることを殉也に伝えた。それに対して殉也は、リハビリを頑張るから大丈夫、と明るい表情で答えた。その思いを感じた佳音も、できる限り手伝いをすると殉也に申し出る。
殉也は、昴(成宮寛貴)に電話して聖花のことを報告する。昴も、驚きを隠せないようすだった。さらに殉也は、聖花を車イスに乗せて、義道神父(内藤剛志)の教会へと向かい、義道と美月(香椎由宇)にも、「奇跡が起きたんです!」と喜びの報告をした。
以来、殉也は、聖花の世話に没頭する。そのせいで、疎外感のようなものを感じ始めていた佳音は、久しぶりにアパートに戻る。が、佳音がアパートに着くと、彼女の家財道具などが部屋の外に出されていた。大家の広田(兎本有紀)は、佳音がもう帰ってこないと思い、次の契約をしてしまったのだという。
行くあてもなくふらふらしていた佳音は、公園のベンチに腰を下ろす。そこに、聖花を乗せた車イスを押しながら殉也がやってきた。殉也は、佳音の帰りが遅いことを心配して捜していたのだという。佳音は、もう殉也の家を出たほうがいいと思う、と彼に告げる。すると殉也は、聖花が目覚めたのは佳音の祈りが通じたからだ、といって佳音を説得し、彼女を連れて帰った。
その夜、殉也は、聖花にアルバムを見せた。その際、聖花は、殉也、そして昴と一緒に撮った学生時代の写真に反応し、昴の顔を指でなぞった。殉也は、聖花が昴のことを覚えている、と喜んだ。
あくる朝、佳音がアルバムを片付けようとすると、何かが落ちた。それは、何故か昴の写っているところだけがちぎられた、スリーショット写真の残りの部分だった。実は写真をちぎったのは聖花だった。聖花は、昴の写真だけを密かに持っていたのだ。
アルバイトに出かけた佳音は、パブレストランの前で昴に出会い、一緒に店に入る。店内には殉也と聖花がいた。殉也は、宮川(矢島健一)にも聖花のことを報告しに来ていたのだ。ところが、昴の姿を見た途端、聖花に異変が起きた。聖花は、かすかな声で昴の名前を呼ぶと、車イスから立ち上がって、昴に抱きついた。その姿に、殉也は大きなショックを受ける。
夜、殉也は、聖花を着替えさせようとした。が、聖花はそれを嫌がった。そんな聖花に苛立ち、つい怒鳴ってしまう殉也。やってきた佳音は、殉也に代わって聖花を着替えさせた。そのとき佳音は、聖花が着ていた服の胸ポケットに、ちぎられた昴の写真が入っていることに気づき、慌ててそれを着ていたエプロンのポケットにしまった。
深夜、聖花は、ベッドから抜け出し、着ていた服のポケットから昴の写真を出そうとした。写真がないことに気づいた聖花は、ドアを開けてキッチンに向かい、ゴミ箱の中などを探し始める。
聖花の隣で寝ていた殉也は、彼女がいないことに気づき、慌てて飛び起きた。散乱したゴミの中に座り込んでいる聖花の姿を見つけた殉也は、彼女の手から例の写真を取り上げた。聖花は、かけてあった佳音のエプロンから写真を見つけていたのだ。呆然となる殉也。佳音は、とっさに、自分が写真を破った、と嘘をついた。殉也は、佳音の気持ちを察して、哀しげに微笑んだ。
あくる日、思わぬ騒動が起きた。聖花が殉也の家から姿を消したのだ。聖花が向ったのは昴の家だった。
佳音と殉也は、聖花を迎えに昴の家へと向かった。しかし聖花は、帰るのを嫌がり、抵抗した。殉也は、聖花は昴のことが好きだったのではないか、と言い出す。そう考えれば、聖花が殉也との結婚式前夜に薬を飲んだことも、こうして昴の家に来たことも、すべて筋が通るからだった。
その日、佳音、殉也、そして聖花の3人は、昴の家に泊まった。そこで殉也は、聖花と出会ったころの話を佳音に聞かせる。聖花はもともと昴の友人だったこと、殉也の方が聖花にひと目ぼれしてしまったこと、デートのとき聖花に頼まれて赤い風船を買ったことなどを…。話し終えた殉也は、毛布を探しにいき、クローゼットを開けた。するとその奥に、「聖花」という文字が書かれた封筒が見えた。昴に宛てたものだった。殉也は、それを読み始めた。
あくる日、佳音と殉也は、嫌がる聖花をタクシーに乗せる。その時殉也は、ふと思いついて、明日、聖花の快気祝いをするから来てほしい、と昴に告げた。
昴は、聖花の快気祝いパーティーの会場になっているクルーズ船に乗り込む。が、船内には誰もいなかった。昴が船の上に上がると、そこには、赤い風船を手にした聖花の姿があった。聖花は、ゆっくりと昴に歩み寄ると、彼の背中に手を回して抱きしめた。
同じころ、殉也は、聖花が書いた手紙のことを佳音に打ち明けていた。それは、聖花の遺書だった。殉也との結婚式前日、聖花は、最後の思い出に一度だけ抱いてほしい、と昴に頼んでいた。昴は、その願いを聞き入れ、そしてサヨナラをしたのだ。「そこまでしたんなら、何で一緒に逃げてやらなかったんだ。可哀想じゃないか、聖花が…」殉也は、そう言いながら咽び泣いた。佳音は、そんな殉也の背中に抱きついた。
一方、池田(豊原功補)は、心療内科医・山本(山本圭)を訪ねていた。池田は、佳音だけでなく母親の順子も山本の患者であることなどを掴むとともに、ある事実にたどり着いていた。「秋山佳音は、父親に性的虐待を受けていた。そうですよね?」池田は、山本にそう問いかけ…。
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