2010年10月07日

京都地検の女 第2シリーズ 第3話

工務店社長の中谷が工事中のビルの屋上から転落死した。京都府警の堀川刑事(松永博史)は、工事現場を見回り中に強風にあおられて転落したものと判断するが、所轄署の池内刑事(益岡徹)は納得しない。

 そんな中、中谷の長男・昭一と次男・啓司が、「あの女が殺したに違いない」と訴えてくる。あの女とは小料理屋の女将・脇本藤子(芦川よしみ)で、中谷とは親密な関係にあったらしい。

 池内が調べたところ、藤子の店は、その資金の大半を中谷が出していることがわかる。元々雇われ女将だった藤子が客としてきていた中谷に、自分の店を出したいと持ちかけたところ、借用書も取らずに3千万以上の金を出してくれたという。

 さらに藤子には内縁の夫がいることが判明するが、その男の行方がつかめない。
 中谷が転落死した時刻に藤子にはアリバイがあると知った昭一と啓司は、藤子を結婚詐欺の疑いで告訴、そして彼女の取り調べにあたることになったのが鶴丸あや検事(名取裕子)だった。

 あやは、中谷の三男でフリーターの三津夫(本田大輔)に会い、中谷と藤子の関係を聞き出そうとする。三津夫は、「騙していたのはむしろ親父の方じゃないか」と謎めいたことを言う。それ以上は言葉を濁す三津夫に、あやは、何か決定的なことを隠しているのではないか推察する。

 やがて、中谷の転落死は事故死であったことが判明する。残るは、藤子が中谷に対して、結婚詐欺をはたらいていたかどうかである。藤子の内縁の夫が見つかり、その供述から藤子が中谷を騙そうとしていたのは明確だとの結論がでる。

 しかし、あやは中谷の三男の言葉が引っかかっていた。「騙していたのは親父の方…」。あやは三津夫を呼び出す。あやのは、中谷が騙されていたことを知っていたのではないかと推理したのだ。三津夫の口からそれが事実であることが語られる。中谷は結婚詐欺を承知で藤子とつきあっていたのだ。

 あやは、このことを知り、藤子を不起訴とする。それが亡くなった中谷の一番の供養になると思ったからである。あやにしかできない処置だが、泣き崩れる藤子の姿を見ると、これが正しい結論かもしれないと思えるのだった。


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京都地検の女 第2シリーズ 第2話

 京都府警の北村警部(船越英一郎)は、顔が青く腫れ上がった女がよろめきながら歩いてくるのを目に留める。女は北村の前まで来ると崩れるように倒れこみ、「主人を殺したので警察に連れて行ってほしい」と言うのだった。

 その女・野中涼子(根岸季衣)の言葉通り、彼女の住むアパートの一室で夫・野中健治の刺殺体が発見された。凶器は庖丁だった。
 涼子の話では、夫の暴力に耐えかねて半年ほど前に別居し、一人でアパート暮らしをしていたという。そして離婚話の末に、ようやく夫が離婚届に判を押すことになり、アパートに訪ねてきたというのだ。ところが、夫は翻意し、さらに暴力を振るったために思わず夫を庖丁で刺してしまったと涼子は告白した。
 

 やがて、涼子は京都地検に送致され、鶴丸あや検事(名取裕子)が、この事件の担当となった。
 涼子から事情を聞いたあやは、二つの点で疑問を持った。一つは、夫を殺したにしては、涼子があまりにも落ち着き払っていること、そしてもう一点は、事件が起きる直前に涼子が買い物をしたその中身だった。涼子は近所のスーパーで豚肉600グラムを買っているのだが、その分量が一人分にしては多すぎるとあやは感じたのだ。
 もしかすると涼子には男がいて、三角関係のもつれによる殺人ではないかと、あやは疑う。

 調べていくと、涼子が働いていた定食屋で仲の良かった客が二人いるという。トラック運転手の下沢と元・中学校長の藤代(江原真二郎)である。あやは下沢に疑いを抱くが、事件当日、下沢は藤代の将棋の相手をしていたという。藤代もその証言を裏づける。
 定食屋の主人が奇妙な証言をする。涼子が藤代の家で素足を見せあっていたというのだ。藤代によると、それは“足ジャンケン”だという。巻き爪を防ぐためだという。
 

 あやは涼子の家計簿を一からチェックする。“ネイル6000円”という記述に目を留める。つましい暮らしをしている涼子にしては張り込みすぎだ。しかも、涼子の手の爪にはマニキュアを塗ったあとはない。しかし、あやはこの話をしたときに涼子が動揺を見せたことに思い当たり、とある推理をめぐらせる。

 あやは、藤代の家で下沢と北村警部を呼び、鍋会を催す。あやは藤代が犯人だとにらんでいたのだ。
 あやの推理では、涼子が家計簿につけていた“ネイル6000円”は“ペディキュア”の料金だと考えていた。足をオシャレに…つまり、涼子は藤代と“足ジャンケン”をする時のためにネイルサロンに通っていたのだ。藤代にほのかな恋心を寄せる涼子。涼子は藤代をかばっている。

 事実はその通りだった。事件の当日、涼子は藤代と下沢とともに、3人で鍋を食べる予定となっていた。それで豚肉を600グラム購入していたのだ。しかし、涼子のもとに夫が訪ねてきて、離婚をめぐり口論となった。そのことを知った藤代が仲裁のために涼子の部屋へと赴いた。そして、暴力をふるう涼子の夫に見かねて、藤代は包丁を手に殺してしまったのだった。
 哀しい偶然が招いた悲劇だった。


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京都地検の女 第2シリーズ 第1話

鶴丸あや(名取裕子)は、“主婦の勘”を武器に難事件を解決に導く京都地検の女性検事。東京に夫を残し、中学生の娘りん(脇沢佳奈)と二人で町家暮らしをしている。
 あやの仕事上のパートナーは、事務官の太田(渡辺いっけい)と事務官見習い・東(西興一朗)だが、新人の東はともかく、太田はどうも頼りなく、いつもイライラさせられている。

 そんなあやのもとに、水谷ナオミ(大河内奈々子)、荻原良(松尾敏伸)、星野修(阿部薫)という3人の司法修習生が配属されてくる。荻原は、あやの上司・高原副部長(蟹江敬三)と前妻との間にできた子供で、このことは高原とあや二人だけの秘密だった。
 

 ある日、あやのもとに京都日報社会部の遊軍記者・杉浦(橋爪功)から、様子がおかしい若い女性を保護したという連絡が入る。どうやらその女性は、誰かにレイプされたのではないかと言うのだ。
 あやは、その女性・三上伸子(菊池麻衣子)に会い事情を聞きだした。やはり杉浦が推測した通り、見知らぬ男に車に連れ込まれて乱暴されたという。あやは、きちんと警察で事情を話して相手を告訴するよう伸子を説得したのだった。

 数日後、あやのもとに「伸子の一件は合意の上のことらしいのでしかるべく処分してほしい」という京都府警からの書類が送られてくる。警察自らが不起訴にしてくれといってきたのだ。この書類から、被疑者は田代という学生だと知る。

 あやは伸子を呼び出して事情を聞くが、示談にして、事件を解決したいと言う。あやは裁判をすすめるが、法廷では隠しておきたい事実も話さなければならない。被害者にとっては、勇気のいることなのだ。伸子は自分にはできない、と心を閉ざしてしまう。
 

 あやは杉浦記者に助けを借り、伸子の勇気を奮いたたせた。示談に終わらせることなく、法廷で戦うと言う。

 あやと杉浦の調査から、レイプ事件の裏に警察が一枚かんでいることを突きとめる。容疑者の田代の父が、京都府議会の政治家であり、警察官の天下り先である警備会社のオーナーだったのだ。その癒着ゆえに、警察は事件をもみ消そうとしている。
 あやは、北村警部(船越英一郎)の力を借り、事件を捜査した相川刑事に真相を話してくれるよう頼みこむ。あやの主婦の勘によると、折り目がキッチリしたスーツを着こなす相川刑事の正義感は衰えていないという。その推理通り、相川刑事は田代の父の圧力を認めた。
 

 そして、あやは最終手段に出た。検察官にも認められる権限を行使し、伸子をレイプした田代に逮捕状を突きつけたのである。こうして、伸子は泣き寝入りすることは回避されたのだった。しかし、あやの行為は暴走スレスレ…周囲の人々は心配しっぱなしだった。


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京都地検の女 第1シリーズ 第8話(最終話)

 京都・太秦の民家が全焼し、住人の佐久間ひな子が焼死した。ひな子の次男・秋好が放火殺人の疑いで逮捕される。佐久間家は親子三代続く京都の役者一家で、秋好も有望な若手俳優として知られていた。

 一方京都地検では、あやが東京地検への転勤を打診されていた。あやの思いは複雑だったが、宮仕えの身では従うほかはない。あやは京都での検事生活最後の事件として、佐久間秋好の一件に全力で取り組む決意をする・・・!


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京都地検の女 第1シリーズ 第7話

 赤い服を着た女性がなんと五人も相次いで殺害されていた。犯人の槙原が逮捕されたが、彼は五件のうちの一件、ブティック経営者・中根朋子の殺害だけは否認し、結局その件に関しては不起訴になった。朋子の妹・敦子と夫の幹夫は納得が行かず、検察に対して抗議運動を展開する。

あやはこの事件の再捜査を命じられ、敦子と幹夫のもとへ向かったが、敦子のあまりの悲嘆ぶりにやや違和感をもつ・・・。


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京都地検の女 第1シリーズ 第6話

 美容師の辻本潔が、ラブホテルの一室で主婦の内海めぐみを殺害し、京都婦警に自首した。カリスマ美容師が一回りも年上の女性を殺した、という事実が話題になる。

送検された辻本はあやの取り調べに、客として店に来ためぐみの態度が気に入らず、無理矢理ホテルに連れ込み、関係を強要して断られた末逆上して殺したと答える。その供述にあやは疑問を抱く。客商売をしている人間が気に食わない客をわざわざ連れ出して殺す、というのは短絡的に過ぎ、動機として納得がいかない。あやは辻本の愛人・田辺紀子の職場へ出向くことにする。

 紀子に会ったあやは、その瞬間はっとした。紀子はめぐみ同様、辻本よりも一回り年上の女性だったのだ・・・。


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京都地検の女 第1シリーズ 第5話

 街角で酔いつぶれて倒れていた会社員・菊池稔の傍に、頭から血を流した男の死体が転がっていた。府警は稔を逮捕・送検したが、菊池の妻と会った北村は絶句する。

なんと、それは北村の元の妻・道子だった! 道子は北村に稔の無実を必死で訴えるが、稔自身が事件当日酔いつぶれて記憶を失っているため、稔への容疑は晴れない。

 道子への様々な思いを抱えて、北村の執念の捜査がはじまる・・・!


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京都地検の女 第1シリーズ 第4話

ビル脇で、主婦・佐藤舞子の落下死体が発見された。状況から事件性を感じ取った北村警部は舞子の夫・学を追及する。学はあっさり犯行を認め、あやのもとに送致された。が、学は取り調べで不適に言う。「俺はやってない。俺は馬鹿なオマワリより利口なお宅たちに賭けたんだ」・・!!

 学の話では、舞子は前夫との間の息子を二年前のバス事故で失って以来、精神的に不安定だったらしい。あやは太田らに命じ、そのバス事故を調べてさせた。すると、その事故のほかの被害者の中に、りんの同級生・横山慎一の名があった・・・!


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京都地検の女 第1シリーズ 第3話

 3人の夫が相次いで変死を遂げ、その都度巨額の保険金を得ている「疑惑の女王」大隈貞子が、警察やマスコミに物申すと京都地検に乗り込んで来た。

その応対をしたのがあや。二人はあっという間に険悪になり、貞子はマスコミに「地検の検事が私のこと犯人扱いする」とぶち上げる。

あやは高原副部長に諌められるが、逆に貞子の疑惑解明への意欲を燃やし、まずは貞子の二人目の夫の娘・雅子のもとへ向かう・・・!


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京都地検の女 第1シリーズ 第2話

若い男性が、ある夜仲間の若者に刺殺された。それを目撃したキャリア・ウーマンのユキは、犯人が能瀬であることを証言、能瀬は起訴された。

しかし能瀬はあやに対し容疑を否認し、なんとユキまでもが証言を撤回してしまった! 袋小路に陥ったあやは北村に事件の再捜査を依頼するが・・・!?


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京都地検の女 第1シリーズ 第1話

京都地検の検事・あやは、買い物途中で殺人事件の現場に出くわす。犯人は山下慶子。マンションの一室で、迫ってきた男を誤って殺してしまったという。それを知ってあやは驚く。慶子は、三年前あやが京都地検に赴任した際に最初に担当した事件の加害者だった。その時の慶子は、慶子の付き合っていた男を殺そうとした女を、止めようともみ合った末に誤って殺してしまっていた。

 今回の事件も、あやが担当することになった。執務室に連れて来られた慶子に会って、あやは驚く。心から反省していた三年前とは違って、慶子は「早く起訴すれば?」と挑戦的な態度を取っていた。さらに服装や化粧の雰囲気の違いが、あやには気になって仕方がない。慶子は嘘をついているのか・・・?


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2010年09月30日

医龍-Team Medical Dragon-2 Karte:11(最終話)

 朝田龍太郎(坂口憲二)のチームの9歳の患者、音部雄太(田中碧海)に、鬼頭笙子(夏木マリ)のチームで心臓移植手術を断念した山野文彦会長(中村まこと)へのドナー心臓が譲られることになった。雄太は松平幸太朗(佐藤二朗)の執刀で生体肝移植手術中だったが、朝田は心臓移植も同時に行うことを決意する。

 手術が始まった。そのチームは、荒瀬門次(阿部サダヲ)曰く“最強のチーム”。大人のドナー心臓を子供の雄太に、しかも、生体肝移植と同時に行うことはとても困難な手術。しかも、雄太を開胸すると、想定以上の癒着が判明したが、朝田は冷静に手術を進める。

 朝田たちの手術は、明真大学付属病院の医局員たちの耳目を集めだす。騒然とする医師たちの中、1人の男が明真に現れた。霧島軍司(北村一輝)だ。

 見学室で片岡一美(内田有紀)が、なぜ外資に身を置くようになったかを藤吉圭介(佐々木蔵之介)に話していると、手術室で内線電話が鳴る。受話器を取った荒瀬は愕然。ドナー心臓を取りに行った伊集院登(小池徹平)が足止めを食っているという。それを聞いた片岡は、ヘリコプターを手配した。

 山中でさまよう伊集院が絶望感にさいなまれていると、片岡が依頼したヘリコプターが現れた。ドナー心臓は、なんとか間に合う。だが、癒着剥離が終わりそうもない。朝田は突然、癒着剥離終了を宣言する。朝田は、少ない癒着剥離で手術を進ませる術式へと変更したのだ。しかし、見学室に現れた霧島は、この術式でも成功する確率は極めて低いと藤吉に告げる。

 一方、パーティー中の野口賢雄(岸部一徳)が、ついに朝田たちの手術を知ることとなった。配下の医局員が報告したのだ。すぐさま中止を叫ぶ野口だが、やって来た片岡に制せられる。このまま中止すれば、心臓移植は失敗。それよりも、心肝同時移植を進める朝田たちが成功すれば、日本で初めての例になるという片岡に、野口はようやく溜飲を下げる。

 霧島の不安をよそに、朝田のチームはすばやく的確に手術を進める。その連携は、霧島も羨むほどの素晴らしさ。そして、ついに手術を終えるのだが…一同がほっとしたのもつかの間、心電図のアラームが鳴り響く。手術時間が長すぎ、ドナー心臓が悲鳴を上げていたのだ。電気ショックを与えても回復しない。すると朝田は、両手でそっと心臓を包み触診すると、ドナー心臓のさらなる手術開始を告げ、すぐさま切開に入った。もはや無謀とも思える展開に息を呑む医局員たち。だが、その心配は無用だった。縫合された心筋は、見事に鼓動を再開する。

 手術の成功は、パーティー会場で誇らしげに挨拶する野口にも伝えられた。野口は我が事のように、居合わせた人々に伝えようとするのだが…。後ろに映し出されていた映像が、野口のスキャンダルを報じ始める。狼狽する野口に、別れの言葉を口にするのは、善田秀樹(志賀廣太郎)と片岡。2人は、協力して野口を失脚させたのだった。

 雄太をICUに運び終えた朝田と伊集院は、山野のストレッチャーに付き添う鬼頭と会う。山野は霧島が持ち込んだ次世代型人工心臓で一命をとりとめたのだ。鬼頭と霧島の手によっても、1人の患者が救われていたのだ。

 数日後、綺麗に片付いた野口の部屋で、片岡は善田に経営方針の一新を伝える。明真はスケールメリットを生かした総合病院となり、地域医療は引き続き善田の北洋が行うこととなった。

 生まれ変わった明真では、クリスマスパーティーが開かれる。そして、その後も伊集院たちは懸命な治療に励むのだが…朝田は…。

 朝田は、渡航していた。そこに患者がいるから…。


KARTE:01 2007年10月11日 復活!!チームドラゴン!!母の命か胎児の命か…
余命2ヶ月の心臓病患者は妊娠7ヶ月!!絶対子供はあきらめない!!運命の緊急手術が始まる

KARTE:02 2007年10月18日 捨てられる患者
KARTE:03 2007年10月25日 その手術は失敗する
KARTE:04 2007年11月1日 絶対殺せない患者
KARTE:05 2007年11月8日 決行!! 運命の無輸血手術
KARTE:06 2007年11月15日 もう1人の天才外科医…
KARTE:07 2007年11月22日 復活!!スーパードクター
KARTE:08 2007年11月29日 絶対に許せない麻酔医!!
KARTE:09 2007年12月6日 余命2ヶ月!!奇跡の手術
KARTE:10 2007年12月13日 総力戦!!運命の心臓移植
KARTE:11 2007年12月20日 運命の4時間!!最後の手術


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医龍-Team Medical Dragon-2 Karte:10

北洋病院の朝田龍太郎(坂口憲二)は野口賢雄(岸部一徳)の手術に成功。そして野口は、明真大学付属病院を心臓移植実施施設とする名誉を手に入れる。だが、朝田の手術と交換条件として片岡一美(内田有紀)が提示した案件を野口は無視し、ビジネス関係を解消する。さらに、朝田たちのチームの明真への受け入れも、音部雄太(田中碧海)の手術が成功したら・・・と言う。

 ともあれ、朝田たちが一時的にでも明真に戻ったことで、優秀な心臓外科手術チームが2つ存在することになる。1つは心臓移植実施施設認可後、第1号の心臓移植患者を手術することとなる鬼頭笙子(夏木マリ)のチームだ。鬼頭の患者、山野文彦(中村まこと)はVIPで、心臓移植待機リストも、おそらく上位と思われ、ドナーさえ現れれば、すぐに移植手術が行われる状態。

 一方、朝田も雄太の病状に関してチームを集めてカンファレンスを実施。北洋でともに過ごした、藤吉圭介(佐々木蔵之介)、伊集院登(小池徹平)、小高七海(大塚寧々)、松平幸太朗(佐藤二朗)、外山誠二(高橋一生)、野村博人(中村靖日)に旧チームドラゴンの荒瀬門次(阿部サダヲ)、里原ミキ(水川あさみ)が加わった強力なメンバーだ。だが、鬼頭の患者と比べ、9歳の雄太に心臓移植の順番が回ってくる可能性は極めて低い。それでも、朝田は望みを捨てず、メンバーに手術に備えての徹底したトレーニングを促す。

 ある日、朝田は伊集院に鬼頭のチームに入るよう命令する。不満を隠せない伊集院に、朝田は鬼頭の心臓移植手術が先になるので、そのオペを学び雄太の手術に備えるようにと諭した。

 伊集院の鬼頭チーム入りを知った野口は笑いを抑えきれない。雄太は移植できる心臓が見つかる前に死ぬと朝田が読んでいると野口は言う。そのため、今のうちに若い伊集院を鬼頭に預け、明真に残してやるつもりだろうと。話を聞かされた木原毅彦(池田鉄洋)は、思わず反論してしまう。

 ある夜、病室に来たミキはベッドで苦しむ雄太を発見。すぐにICUに運ばれた雄太は、肝硬変と診断される。集合したチームのメンバーに、朝田は生体肝移植の実施を宣言。雄太の母親(長野里美)から肝移植をして肝機能を回復させ、後に心臓ドナーが現れるのを待とうと言うのだ。肝移植を執刀する松平は、その考えに同調し、雄太の肝臓は自分が持たせると決意する。また、朝田は病気でくじけそうな雄太に、絶対に治すと約束した。

 そして、雄太の生体肝移植手術の日。1本の電話が明真に入る。鬼頭の患者のドナーが見つかったのだ。鬼頭の命令で、伊集院は心臓を受け取りに向かう。そんな動きを知りながらも、朝田たちは雄太の生体肝移植手術に入った。鬼頭も心臓移植手術の準備を着々と進める。

 朝田たちの生体肝移植手術と、鬼頭の心臓移植手術はほぼ同時に始まった。松平は、まず雄太の母から肝臓の一部を摘出する。一方、鬼頭もドナー心臓を待つ間に、山野の胸部を切開した。しかし、山野の容態が急変し、心臓移植が不可能になってしまった。仕方なく、鬼頭はドナー心臓が不要になった旨を、臓器移植ネットワークに連絡させる。そんなことを知らずに、ドナー心臓を受け取った伊集院は、明真への帰路へ。

 松平の手術を見つめる朝田たちの元に、木原が駆けつけた。なんと、雄太のドナー心臓が見つかったのだ。実は、そのドナー心臓は鬼頭の患者に回されようとしたものだった。だが、すでに不要になったことを知らない伊集院が明真に向かってしまったことや、臓器移植の優先順位からも臓器移植ネットワークは、雄太が最適と判断したのだ。だが、すでに雄太は生体肝移植手術中。肝臓疾患の患者の心臓手術は医師規定に反し、またドナー心臓が成人のもので子供の雄太への移植は極めて難しい。


 それでも、朝田は肝臓移植と心臓移植の同時手術を宣言。片岡は、野口にこの手術を知られないようにと動く。そして、朝田たちも心臓移植の準備に入った。その頃、ドナー心臓を持ち、飛行場に向かう伊集院の車が立ち往生していることも知らずに…。


KARTE:01 2007年10月11日 復活!!チームドラゴン!!母の命か胎児の命か…
余命2ヶ月の心臓病患者は妊娠7ヶ月!!絶対子供はあきらめない!!運命の緊急手術が始まる

KARTE:02 2007年10月18日 捨てられる患者
KARTE:03 2007年10月25日 その手術は失敗する
KARTE:04 2007年11月1日 絶対殺せない患者
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医龍-Team Medical Dragon-2 Karte:09

北洋病院の朝田龍太郎(坂口憲二)のもとに、母の音部美和(長野里美)に伴われた9歳の患者、雄太(田中碧海)が来た。朝田は、藤吉圭介(佐々木蔵之介)、小高七海(大塚寧々)、松平幸太朗(佐藤二朗)らチームの面々に、雄太は2年前に自分がバチスタ手術をした患者だと説明を始める。

 雄太は、朝田がアフリカのNGOで働いていた時に知り合った海外青年協力隊の息子で、重度の拡張型心筋症を患っていて、現地では他の手段がないため手術したのだ。ところが、年を経て心機能が悪化。美和たち両親は心臓移植も考えたのだが、高額医療となるため手段が得られない。そうこうするうちに、父親は過労死。再び朝田の腕を頼ってやってきたのだ。なぜか、そのカンファレンスに、伊集院登(小池徹平)の姿はなく・・・。

 一方、明真大学附属病院では野口賢雄(岸部一徳)が自室で胸を押さえて倒れていた。やって来た木原毅彦(池田鉄洋)が野口の異常に気づいて応急手当。木原は野口がニトロを常備していたことを知り、狭心症を疑う。だが、鬼頭笙子(夏木マリ)に報告しようとする木原を野口が遮った。5日後に控えた心臓移植関連学会協議会によるサイトビジットを成功するまで、野口は自分の病気を鬼頭たちに知られるわけにはいかなかった。

 今の状態だと、雄太は持って2カ月。しかも、日本では子供の心臓移植は難しい。朝田と藤吉の説明に、美和は力なく病院を後にする。そんな美和を見ていた片岡一美(内田有紀)に藤吉が声をかけた。藤吉から雄太の病状を聞いた片岡は、対処法を尋ねる。すると藤吉は、1%のわずかな望みに賭けるのが親で、自分たちも移植の可能性がないからと放り出すわけにはいかないと答えた。

 その夜、朝田は中庭に1人で手術の練習をする伊集院を見かける。自分の腕の未熟さに焦る伊集院は、雄太のカンファレンスの間も黙々と練習をしていたのだ。朝田が声をかける前に、松平が伊集院に話しかける。伊集院は、朝田や外山誠二(高橋一生)のような技術を身につけたいと必死。すると松平は、自分にしかできないスペシャルな仕事があり、伊集院はすでにそれをやっていると励ます。

 野口の病状は優れない。そんな野口の具合の悪さに、たびたび部屋を訪れる鬼頭も気づく。野口の側につく木原は、風邪だとごまかす。だが、木原は鬼頭が去ると彼女に診てもらうようにと野口に進言。それでも野口は、鬼頭に知られたら自分の地位が取って代わられると診療を拒む。サイトビジットの成功に命をも賭けると固執する野口は、自分を救える医師は世界に1人しかいないとつぶやく。

 そして、野口が訪ねたのは北洋病院。実は、北洋院長の善田秀樹(志賀廣太郎)と野口は学生時代の同期。今は、たもとを分かつその善田に、野口は涙を流して助命を請う。翌日、医局で朝田たちを前にした善田は、野口が北洋での治療を望んでいると告げる。しかも、サイトビジットの前に復帰するための手術は朝田にしかできないと指名してきたのだ。涙を流して懇願する野口に、善田は…。

 善田から話を聞いた朝田は、反対する外山たちを野口と言え、患者だとおさえて手術を承諾する。これを知った片岡は、野口に条件を出す。ひとつは、野口の手術が成功したら雄太の手術を明真で、しかも朝田たちのチームが行うこと。また、その手術後、朝田たちのチームを明真に残すこと。もうひとつは、野口が進めるゴールドバーグとの融資契約をイーグルパートナーズに戻すことだった。野口は、承諾せざるを得ない。

 いよいよ、野口の手術が始まる。術後の早期復帰を考えての難しいオペとなる。だが、朝田たちのチームは一丸となって、この難手術を始めた。その中には、自分の手技に限界を感じる伊集院の姿もあった。だが、伊集院は松平の励ましもあり、もはやくよくよ悩んではいない。そして、見事なチームワークで手術を成功させた。

 野口は、望みどおりにサイトビジットの日には復帰し、明真を心臓移植実施施設として認定させることに成功する。だが…片岡との約束は守ろうとはしない。そんなことを知らずに、朝田たちは雄太とともに明真にやってくる。幼い命を救うことだけを考えて…。


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余命2ヶ月の心臓病患者は妊娠7ヶ月!!絶対子供はあきらめない!!運命の緊急手術が始まる

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KARTE:04 2007年11月1日 絶対殺せない患者
KARTE:05 2007年11月8日 決行!! 運命の無輸血手術
KARTE:06 2007年11月15日 もう1人の天才外科医…
KARTE:07 2007年11月22日 復活!!スーパードクター
KARTE:08 2007年11月29日 絶対に許せない麻酔医!!
KARTE:09 2007年12月6日 余命2ヶ月!!奇跡の手術
KARTE:10 2007年12月13日 総力戦!!運命の心臓移植
KARTE:11 2007年12月20日 運命の4時間!!最後の手術


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医龍-Team Medical Dragon-2 Karte:08

北洋病院へ1人の少年の患者が来る。その患者の両親が朝田龍太郎(坂口憲二)の腕を頼って来たのだ。患者、黒田智樹(本郷奏多)の父、俊彦(野村宏伸)は医療裁判を扱う弁護士で、かつて智樹が麻酔科医のミスで低酸素脳症になってしまったことを悔やみ、手術スタッフには敏感になっていると話す。朝田とともに、話を聞いていた藤吉圭介(佐々木蔵之介)は、スタッフを事前に知らせることを約束する。俊彦と妻の早苗(中込佐知子)が話を終えて帰ろうとすると、廊下で小高七海(大塚寧々)に出くわしたそのとき、小高と俊彦の顔色が変わった。

 その頃、野口賢雄(岸部一徳)は、意気揚々と鬼頭笙子(夏木マリ)に心臓移植関連学会協議会のメンバーが明真大学付属病院に来て、移植実施施設にふさわしいかどうかを決めるサイトビジットの日程が決まったことを報告。鬼頭は、認定後のオペスケジュールを調整したいのだが、野口はとにかく認定施設となることだけが頭にある様子。

 一方、外山誠二(高橋一生)が朝田のチームに入ったことで伊集院登(小池徹平)は自信を失いつつあった。朝田のみならず、外山の高い技術を目の前で見せつけられたためだ。

 俊彦は、小高をオペに加えるようなら智樹を他の病院で診てもらうと、朝田、藤吉に執拗(しつよう)に迫る。藤吉が理由を尋ねると、俊彦は小高が智樹の母親だと話し始めた。

 俊彦は、小高がまだ学生のころに結婚。小高は智樹を出産するが、麻酔科医として多忙になると育児どころか寝る間もなくなった。おりしも智樹の誕生日。早く帰ると約束した小高だが、緊急オペが入って帰れなくなってしまった。ひとり小高の帰りを待っていた智樹は喘息の重積発作を起こして発見した俊彦によって病院に運ばれる。その病院の麻酔医のミスで、俊彦が低酸素脳症に陥り、以降片半身がまひしてしまったのだ。以来、俊彦は、小高を恨んでいたのだ。そしてそのときのリハビリの先生が今の妻、早苗なのだと言う。

 そんな夜、イーグルパートナーズ社で経過報告する片岡一美(内田有紀)は、上司から北洋の案件を詰めるよう責められる。苛立ちながら部屋を辞した片岡の前に、善田秀樹(志賀廣太郎)が、北洋はつぶさせないと立ちふさがった。相手にしようとしない片岡に、善田は“明真が完成に近づけば、外されるのはあなただ”と告げる。

 智樹の手術が始まった。俊彦との約束通り、小高は外され見学室にいる。ところが術中、大量出血が発生。高度な血流のコントロールが必要となった。小高は、いたたまれずに手術室へと急ぐ。小高がオペに加わったことで、手術は無事に終わった。

 智樹の退院日が迫ると、俊彦は朝田に礼を述べる。すると、朝田は小高がいなかったらオペは成功しなかったと答えた。オペに入るなという約束を破った小高を、俊彦は智樹の病室へ行くことを許す。こうして母子は再会した。

 過去の憂いを振り切った小高は、朝田のチームに入ることになる。その裏で、善田は片岡と手を結ぼうとしていた。そして、野心に燃える野口だったが、突然、倒れて…。


KARTE:01 2007年10月11日 復活!!チームドラゴン!!母の命か胎児の命か…
余命2ヶ月の心臓病患者は妊娠7ヶ月!!絶対子供はあきらめない!!運命の緊急手術が始まる

KARTE:02 2007年10月18日 捨てられる患者
KARTE:03 2007年10月25日 その手術は失敗する
KARTE:04 2007年11月1日 絶対殺せない患者
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医龍-Team Medical Dragon-2 Karte:07

北洋病院で進める朝田龍太郎(坂口憲二)のチームに、外山誠二(高橋一生)が加わった。だが、まだ麻酔医の小高七海(大塚寧々)は、その意志を持たない様子。

 そんな時、循環器外科医、松平幸太朗(佐藤二朗)に“スーパードクター”と呼びかける少女、高見香奈(川島海荷)と、その母親、紀枝(高橋ひとみ)が北洋を訪ねて来た。北洋の医局では、何年もメスを握っていない松平の手術を、母子が希望していると知った伊集院登(小池徹平)、外山、野村博人(中村靖日)が不思議に思う。朝田や藤吉圭介(佐々木蔵之介)も同じ考え。だが、藤吉が調べた松平の過去のデータには、母子間生体肝移植の成功例が華々しく報じられていた。母、紀枝の肝臓を娘の香奈へ…今まさに、松平を頼る高見母子への手術だった。

 紀枝は、娘が無事に成長できたのも松平のおかげと話し、明真大学からの紹介状を渡す。そして、自身が進行した食道がんに侵されていると松平に告げた。紀枝は、松平なら安心して手術を任せられると信頼しきっている。だが、松平は…。

 その頃、明真の空になった病室には、荒瀬門次(阿部サダヲ)が佇んでいた。実は、その病室では、つい先日まで紀枝が治療を受けていたのだ。そんな荒瀬に、里原ミキ(水川あさみ)が声をかける。ミキは、手術間近だった食道がんの紀枝に肝機能低下が見られ、手術の危険性が大きくなったので北洋に転院させたと野口賢雄(岸部一徳)を皮肉る。

 北洋では、紀枝のレントゲン写真を見入る松平に、善田秀樹(志賀廣太郎)が難しい手術になりそうだと声をかける。しかし、松平は何も答えない。また、松平の執刀を希望する紀枝。だが、松平の気持ちは定まらない。それどころか、いつもより酒の量が増える松平。そんな松平を、朝田が見つめていた。

 北洋に、紀枝が入院してきた。早急な手術を求める医師たちだが、松平は放射線治療と投薬で様子をみようと、手術を避ける。

 一方、明真では野口が片岡一美(内田有紀)と会っていた。野口は、朝田が着任してから少なからず上がっていく北洋の人気が面白くない。片岡は、野口の不満を取り除こうと、鬼頭笙子(夏木マリ)を一流マスコミに取り上げさせ、明真の名を高めようとする。

 紀枝の信頼の重さに悩むが、あくまでも手術を避けようとする松平。医局のカンファレンスでは、ついに朝田も早急な紀枝の手術を訴える。そこに、酔っ払った松平が入ってきて暴れてしまう。しかし、松平が暴れてまでも悩み、手術を避ける理由は善田が知っていた。実は、松平が元の病院を追い出されたのは、手術ミスではなく数々の手術を成功させた若さゆえのおごりから、論文の改ざんに手を染めてしまったからだった。


 しかも、松平は明真から北洋に送り込まれる手の施しようのない患者の手術ばかりしているうちに、メスを握れなくなったと自ら医局員たちに告白。敗戦処理の医師と自分を卑しめる松平の前に、朝田が立ちふさがる。患者が希望を持って手術を望んでいるのに、敗戦処理とは…と突きつける朝田。松平は答えることも出来ずに、立ち去った。


 それでも松平の決意は固まらず、紀枝の手術はずるずると見送られていく。と、そんなある夜、松平が香奈と話していると、看護師が紀枝の大量吐血を報せてきた。もはや、紀枝のガンはここまで進行していたのだ。緊急手術が準備されるのだが、松平は現れない。

 朝田は、松平を待ちながら執刀を開始。ところが、北洋の設備の悪さから、この手術に必要な挿管チューブがないことが発覚。小高がいればしのげそうなのだが、彼女はいない。ピンチの中、現れたのは荒瀬。荒瀬の絶妙な措置により、手術は続行された。朝田による初期処置は終わり、ここから先は松平の領域に。松平は、ひとり悩んでいた。だが、ついに意を決し、母を待つ香奈に言葉をかけて手術室へ。松平の到着で、手術は進む。しかも、朝田の手術と同時進行の難しいコラボレーションだ。それでも2人は手腕を発揮して、当初予定された手術を成功させるのだが…。

その時、松平が肝臓の変化に気づく。なんと、肝臓もがんに侵されていた。術前検査では発見されなかったが、松平は食道と肝臓の重複がんと判断。紀枝の肝臓は、香奈に移植されているため非常に小さい。かなり高度な手術となったが、松平はやり遂げる。術後、松平は朝田とがっちり握手。さらに、今後何かあったら駆けつけると、松平は朝田に約束する。

 この手術の成功は、すぐ野口にも伝わった。片岡を呼んで皮肉る野口だが、それだけではなかった。野口は、片岡以外の会社からの融資も模索し始めていたのだ。そんな野口に、善田が明真は自分がつぶすと宣戦布告。2人の過去には何が? 紀枝の手術に参加しなかった小高を朝田が見かける。意気消沈した様子の小高。小高が落ち込んでいる原因とは?


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医龍-Team Medical Dragon-2 Karte:06

北洋病院に天才外科医、朝田龍太郎(坂口憲二)がいるという噂を聞きつけ、その腕を頼る患者たちが少しずつ集まりだした。だが、朝田のチーム作りはなかなか進まない。さらに、外科医の外山誠二(高橋一生)は、朝田にライバル心をむき出し。この日に行われる新たな心臓手術のメンバーに自分を入れるよう、朝田に迫る。しかし、朝田は外山には医者として決定的に足りないものがあると言い、メンバー入りを許さない。

 そんな時、伊集院登(小池徹平)は、野村博人(中村靖日)から外山はとある大学で名のある教授の息子だと聞かされる。兄弟もその大学で講師などを勤める優秀な医師家族の末っ子だった。野村は、だからこそ外山が現状の自分に焦っているのではないかと推測。その意見に伊集院も納得。その伊集院は、心臓外科医の登竜門と言われるフレッシュマンズライブを翌日に控えていた。

 朝田は藤吉圭介(佐々木蔵之介)から、相変わらず小高七海(大塚寧々)が手術に加わらないと知らされる。先日の少女の手術に小高が参加したのは、片岡一美(内田有紀)に説得されたからだと言う。

 北洋の医局員たちも、朝田が執刀するオペ時間が迫ると、見学室へと急ぐようになった。外山が、そんな医局員たちを冷めた目で見送っていると、病人搬送中の救急車から緊急連絡が入った。搬送されている患者、五代明代(草村礼子)に付き添う、夫の昭三(山田吾一)も、朝田の執刀を求めていた。朝田は、まさに手術に入ろうとしていると医局員が断ろうとする。すると、外山が受話器を奪い朝田はいると答えてしまう。

 搬送されてきた明代を、外山が迎え入れる。どうやら、外山は自ら明代の手術にあたろうとしている様子。

 朝田と外山の執刀は同時に始まった。オペを終えた朝田に、看護師が外山の執刀を告げる。ICUへと急ぐ朝田と伊集院だったが、そこには安堵の笑い声を上げる昭三と、手術を早々に終えた得意気な外山の姿があった。


 一方、明真大学付属病院では、鬼頭笙子(夏木マリ)のチームが続々と成功させる生体肝移植手術に野口賢雄(岸部一徳)がご満悦。野口は、これを受けて心臓移植の認定に向けてのさらなる準備を進めようとしていた。


 片岡の北洋つぶしも着々と進行。院長の善田秀樹(志賀廣太郎)が提出したさまつな電気設備修繕費の要求を拒否し、次期富裕層専門人間ドッグ設立に向けての高額医療検査機器導入を優先させる。

 朝田より早く手術を終わらせたことで、医局員や看護師の自分への視線が変わり、外山の態度は増長。目を覚ました明代にも感謝され、自信を深める外山。

 その夜、台風の接近で大雨が降り始めた。激しい雨に、北洋の医師たちは泊まりを覚悟し始める。そんな雨の中、小高は1人帰途につく。と、その前に荒瀬門次(阿部サダヲ)が立ちはだかった。荒瀬は、朝田のチームに入るよう小高を説得。受け入れようとせずに歩き出す小高に、荒瀬は・・・。

 ますます強まる風雨。そんな中、明代に異変が。看護師が、外山に明代の心停止を告げたのだ。と、その時、すさまじい落雷とともに病院が停電。
 朝田、藤吉は東病棟の自家発電の一部が働かないことを知ると、西病棟への重病患者の搬送を看護師たちに指示。自らも搬送にあたる。

一方、外山がICUに駆けつけると、すでに伊集院が心臓マッサージを始めていた。野村は、オペ室への搬送を促すが、停電でエレベーターが動かない。伊集院が、この場での開胸を唱え、外山が応じた。善田も駆けつけ、手術が始まる。明代を開胸してみると、外山の手術ミスが発覚。明らかに動揺した外山の手が止まってしまう。そこに、ようやく朝田が現れたが、その手には傷を負っていた。


 朝田は、うろたえる外山を叱咤。外山も気を取り直し、緊急用の電源というわずかな光を頼りに手術を進める。ようやく、手術ミスの修復を終えたとき、再び外山の手が止まった。外山は、心臓を触診。外山は、明代が毎朝、胸痛に悩まされていたと語っていたことに思い当たる。術前検査では発見されていなかった疾患が見つかった。外山は、高齢の明代に再手術は無理だと訴え、メンバーが動き始める。そして、各メンバーが必死に動く中、外山の手術は無事に終わった。安堵の表情で喜び合うメンバーたち。自分のミスのために再手術となったのに…そんな仲間を見ていた外山は…。

 翌朝、外山は再手術の原因を迫る昭三と明代の前で土下座。自分の非を素直に詫びた。そして、外山は朝田に第2、第3助手でも良いからチームのメンバーに加えて欲しいと頼む。昨夜のメンバーともう一度手術をしたいと訴える外山に、朝田は微笑んで…。

 数日後、明代は外山が不在の間に退院。しかし、外山は明代からの感謝のメモを受け取った。また、自分のためにフレッシュマンズライブに参加できなかった伊集院に、外山は自ら指導を申し出る。また、片岡にも堂々と宣戦布告をする外山だった。だが、そんな外山の改心をからかう男がいた。松平幸太朗(佐藤二朗)だ。外山が殴りかかろうとした時、松平に“スーパードクター”と呼びかける少女が現れて…。


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医龍-Team Medical Dragon-2 Karte:05

 朝田龍太郎(坂口憲二)を信用して北洋病院に入院した緒方美羽(黒川智花)。だが、美羽が政治家、恩田哲三(竜雷太)の娘と知った片岡一美(内田有紀)と野口賢雄(岸部一徳)は、彼女を明真大学付属病院に転院させてしまう。鬼頭笙子(夏木マリ)のチームに手術させようとしたのだが、美羽の血液が極めて希少な型と判明。危険をはらむ手術に野口は頭を抱える。ところが、美羽が朝田のもとに行こうと、明真を抜け出し北洋病院の前で倒れた。すぐさま、緊急オペとなるのだが…。

 明真では、野口が恩田に美羽の状況を電話で説明。野口は、美羽の手術は北洋に任せるしかないと伝える。野口にしてみれば、上手く厄介払いができたというところ。

 北洋では手術の準備が進む。重大な手術に野村博人(中村靖日)は怖じ気づく。藤吉圭介(佐々木蔵之介)は美羽と同型の血液を必死に探すが、見つからない。そんな時、麻酔医が美羽と同じ血液の患者を手術した教授を思い出す。その教授は伊集院登(小池徹平)が知っていた。朝田と藤吉は、伊集院に教授に連絡して患者を紹介してもらい、血液を確保してくるよう指示。伊集院は、その門脇という患者の家へと急ぐ。

 しかし、血液の到着を待つ余裕はない。朝田は、外山誠二(高橋一生)を助手に美羽のオペ開始を宣言。しかも、輸血が出来ないため、血液の循環を止めての手術だ。循環停止できるのは40分が限度。朝田は、40分で全てを終わらせると言うのだが、外山にはとても信じられない。それでも、やらなければならないという朝田の強い信念のもと、手術がスタート。朝田は、驚愕のスピードで手術を進めるのだが、途中、重大な問題が発生。美羽の患部が術前検査よりも拡大していたのだ。これでは、とても40分では終わらない。だが、朝田は決してあきらめなかった。

 その頃、善田秀樹(志賀廣太郎)がようやく美羽と同型の血液を探し当てた。400ccとわずかではあるが、すぐに届けるよう手配。一方、伊集院は買い物に出かけてしまったと聞いた門脇をショッピングモールで探す。そこに、木原毅彦(池田鉄洋)が駆けつけた。美羽が倒れた時、北洋にいた木原は狡猾な野口にすぐ帰るよう命令されていたが、その命令には従わず、伊集院とともに門脇を探す。

 朝田のペースは衰えない。しかし、小高七海(大塚寧々)と医局のモニターで見つめる松平幸太朗(佐藤二朗)は、血液なしでは最後までもたないと冷ややか。小高が医局を出ると、片岡が話しかけてきた。血液は届かないと首をふる片岡は、それでも朝田はすでに最悪の事態を想定していると告げる。

 当初の終了予定時刻が迫る。まだ、手術は肝心の部分を残したまま。あきらめようとする外山。すると朝田は、野村に人工心肺を回すよう指示。美羽の血液に他の液剤を入れて薄め、循環血液量を確保しようと言うのだ。この処置をするために、高度な管理を求められる野村は、さらに怖じ気づいて首を振る。朝田は、チームで全てをサポートすると野村を説得。ようやく野村が意志を固めた時、手術室の扉が開いた。入ってきたのは、小高だ。片岡の説得で、手術に参加したのだ。野村と小高の血液量、麻酔量の絶妙な調整が続くが、それも限界が近づいてくる。

 輸血センターから搬送中の血液は、車が渋滞に巻き込まれて立ち往生。伊集院は、バイクを駆って取りに向かう。血液を確保して、北洋へ急ぐ伊集院。ようやく病院につき、看護師に血液を渡し見学室に入ると…なんと、朝田たちの動きが止まっている。間に合わなかったか、と、つぶやく伊集院の耳に、朝田のオペ終了の声が。なんと、朝田は希釈された血液量ギリギリで、無事に手術を終えていたのだ。喜びに湧く北洋の手術室。しかし…。

 北洋での美羽手術成功に歯噛みする男がいた。明真の野口だ。恩田の明真への信頼も、もはやここまでと思われたとき、木原が飛び込んで来た。電話に出なかったことを詫び、伊集院の血液確保を手伝っていたと怯えながら告白する木原。すると、野口は怒るどころか、木原の行動を褒めるではないか。

 その後、野口は片岡とともに恩田と面談。案の定、明真の不手際を責める恩田に、野口は美羽の手術は木原が行ったと平然と言い放つ。さらに、片岡はこの話を信じなければ、美羽が隠し子であることを公表すると続ける。さすがの恩田も、これには引き下がる以外になかった。


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医龍-Team Medical Dragon-2 Karte:04

 朝田龍太郎(坂口憲二)たちが移籍した北洋病院だが、あいかわらず患者は増えず、受け付けには閑古鳥が鳴く。院長の善田秀樹(志賀廣太郎)は、藤吉圭介(佐々木蔵之介)にチーム作りの状況を尋ねるが、何分、日が浅く人員確保は難しい。

 そんな中、朝田は麻酔医の小高七海(大塚寧々)に注目。小高が前回のガーゼオーマのオペで、若い麻酔医に的確な指示をしたからだ。朝田は、能力があるのに今までオペに参加しなかった理由を聞く。だが、小高はチョコを食べながら、軽いカカオ中毒だとはぐらかした。

 "北洋にろくな医者はいない"。そんな噂は女子高校生にも浸透していた。腹痛を訴え救急車で北洋に搬送されてきた矢沢真理絵(柳田衣里佳)も、付き添いの友人、緒方美羽(黒川智花)に、明真に行きたいと訴える。

 真理絵は、急性虫垂炎。ホッとした美羽の横を、朝田、伊集院登(小池徹平)ら医師たちが通り過ぎる。虫垂炎手術を侮るような発言をする外山誠二(高橋一生)を朝田が一喝。そんな医師団を見送り、携帯電話をかけられる場所を探す美羽に、小高がチョコを持っていないかと話しかける。真理絵のオペが始まると、手際の悪いMEの野村博人(中村靖日)を外山が怒鳴り散らす。その声に、さらに萎縮してしまう野村…。

 その頃、明真では鬼頭笙子(夏木マリ)が自ら組織したエリート医師団、"チーム鬼頭"を引き連れてカンファレンスを始めようとしていた。そのチームには、荒瀬門次(阿部サダヲ)も入れられている。

 一方、野口賢雄(岸部一徳)は、片岡一美(内田有紀)と打ち合わせ。片岡は、明真を心臓移植実施施設にするためには、実績だけでなく許認可のためのコネが必要だと話す。その夜、片岡は元厚生労働大臣、恩田哲三議員(竜雷太)と会食。明真の心臓移植実施施設への許認可の根回しを始めた。

 北洋では、手術を終えた真理絵が快方に向かう。病室に見舞いに来た美羽に、真理絵は運ばれた時とは裏腹に、執刀医の朝田をべた褒め。真理絵は、胸痛を訴えていた美羽に朝田に診てもらえと勧める。だが、美羽は朝田に相談することができない。

 そんな時、医局では騒動が勃発。手術時の野村の手際を責める外山に、なぜか松平幸太朗(佐藤二朗)が反論。慌てて止めに入る伊集院だが、外山が折ったペンを見つめていた野村が、奇声を上げて医局から飛び出した。追いかけていった伊集院に、野村は自らの過去を語る。野村は、以前いた病院で外科医のミスを自分のせいにされ、異動を余儀なくされていた。その外科医に、ずっと見下された態度を取られていたので、野村は外科医を恐れるようになっていたのだ。話し終えた野村は、チームの一員にはなれないと言う。すると、伊集院は朝田なら、チームのメンバーをそんな扱いはしないと請け負う。

 何度も真理絵の見舞いに来る美羽だが、まだ朝田には話ができない。そんな美羽に小高が声をかけた。痛みを訴える美羽の胸に触れた小高の顔色が一瞬変わる。ちょうどそこに朝田が現れた。小高は、朝田とすれ違いに、美羽の症状を告げる。

 美羽は、手術が必要とされる病気で、朝田は自分たちが必ず助けると約束。しかし、実は、美羽の父親は恩田議員で、美羽の病気のことを知った片岡は明真に移してしまう。美羽の執刀は、チーム鬼頭が行うことに。だが、ここでも問題が発生。なんと、美羽の血液は希少な型で、手術に必要な血液が確保できないのだ。医師から説明を受け、不安を募らせる美羽。そんな時、病院の廊下を歩いていた美羽は、野口が自分を厄介者のように医師たちに話しているのを聞いてしまった。朝田の信頼できる言葉とは裏腹に…。


 その翌日、北洋で伊集院が木原毅彦(池田鉄洋)に資料を渡していると、病院を目指して歩いてくる少女の姿が。なんと、美羽ではないか。伊集院が慌てて駆け寄ると、美羽は明真から歩いてきたと言う。今抱えている病気ではと伊集院が注意しようとした矢先、美羽が倒れてしまう。美羽をストレッチャーに乗せて病院に運び込む途中、伊集院は彼女が希少な血液だと木原に聞かされる。だが、美羽には緊急手術が必要だった。

 その頃、美羽が飛び出して倒れたことを知った野口は厄介払いが出来たとばかりにほくそ笑む。果たして、美羽の運命は!


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医龍-Team Medical Dragon-2 Karte:03

 朝田龍太郎(坂口憲二)、伊集院登(小池徹平)、藤吉圭介(佐々木蔵之介)、元チームメディカルドラゴンの3人は、老患者、西沢孝文(牟田悌三)の扱いで野口賢雄(岸部一徳)に逆らい、北洋病院に左遷されてしまった。元チームで、明真大学付属病院に残ったのは、荒瀬門次(阿部サダヲ)と里原ミキ(水川あさみ)だけ。だが、朝田は北洋病院院長、善田秀樹(志賀廣太郎)に新たなチームを作ると宣言する。

 以前から、北洋オーナーの片岡一美(内田有紀)と野口の方針を快く思っていなかった善田は、2人を前に北洋は朝田が変えると宣言。だが、2人は朝田の去ったメイシンメディカルシティー構想に、鬼頭笙子(夏木マリ)を用意し、すでに北洋を静かにつぶす計画を進行しつつあった。

 その頃、伊集院は北洋勤務の医師たちのやる気のなさに唖然。明真から自分たちと一緒に飛ばされた麻酔医、小高七海(大塚寧々)、外科医の外山誠二(高橋一生)もしかり。もとから北洋にいる松平幸太朗(佐藤二朗)に至っては、医局で酒を飲んでいる始末だ。

 伊集院がへきえきしていると、急患が運び込まれた。患者は、西沢だった。すぐさま朝田はICUへ運ばせ、緊急手術に入る。西沢の術前評価は、明真で済ませていた。手術の人員を募る伊集院だが、小高は動こうとしない。外山は嬉々として手術室へ来るのだが、執刀を任せて欲しいとまで言い出す。朝田は、外山を第一助手にして、オペを開始。

 一方、藤吉はミキから西沢の明真での手術記録のコピーを入手。そこには、野口が西沢の再手術に反対した理由が見て取れた。見学室から見守る藤吉は、この手術が困難なことを知る。


 開胸した朝田は、腫瘍と思われる部分の癒着剥離を進める。若い麻酔医が、オペについて来れないと知った朝田は、伊集院に小高を呼ぶよう命じた。その間も手を休めることはなかったが、腫瘍と思われた部分からガーゼが出てくる。西沢の術後の不調は、ガーゼオーマ(手術時の止血ガーゼの取り忘れ)だった。朝田は、手術をガーゼオーマの摘出に変更。藤吉も舌を巻く指捌きで、ガーゼを剥離していく。心尖部を残すのみとなった時、外山が交代を申し出た。朝田が応じて、外山が剥離しようとした時、それは起きた。バッキング…。不慣れな麻酔医が薬を効かせきれなかったため、西沢の体が反応し、大きく揺れたのだ。外山は心尖部を傷つけ、大量の出血をさせてしまう。

 そこに、伊集院が小高を連れて来た。患者の急変にも動じない小高。朝田はそんな小高を横目に冷静にリペアを進めていく。その作業を見つめていた小高は、若い麻酔医に秘かに指示を出し始めた。朝田の迅速な処置で、西沢のオペは終了。朝田は、小高の動きも見逃してはいなかった。

 朝田に、片岡とともに来た鬼頭が話しかける。野口の構想に賛成する鬼頭は、朝田の能力が北洋とともについえていくと告げた。朝田は無言で答える。


 朝田と伊集院、藤吉は西沢の術後カンファレンス。そこで藤吉はミキが持ってきた明真での手術記録を見せる。その記録は明らかに改ざんされていた。執刀医は別の人物となっていたが、看護師、助手の人数の多さから、真の執刀医は野口であったことが推測される。だからこそ、野口は西沢の術後の訴えを執拗に無視していたのだ。憤る伊集院、藤吉は西沢に真相を話すことを決意。次第によっては、医療裁判にも進展する重大事だ。

 翌日、決意を胸に伊集院、藤吉、そして朝田は西沢の病室へ。だが、そこには片岡がいた。片岡は野口の西沢への伝言を預かってきたと言い、見舞金を携えている。先回りして患者の口封じをしようとする片岡に、伊集院、藤吉は愕然。しかし、当の西沢は黙ったままで、結局、見舞金を受け取ってしまう。

 その夜、診察に来た朝田に手術の礼を述べる西沢は、妻が最近は家から出られなくなったと語りだす。そんな妻のために、体を治したかったと西沢。


 後日、西沢は無事に退院。翔太と去っていく西沢を見送る朝田たち。病院に戻ると片岡とすれ違う。片岡を呼び止めた藤吉は、西沢が返したと見舞金を渡す。信じられない表情の片岡。


 一方、明真では鬼頭が荒瀬に、今後は自分の指示に従うよう命令。朝田との接点もなくせと迫る鬼頭は、西沢の手術の模様を話す。女の麻酔医がいたと鬼頭が続けると、荒瀬が笑い出した。荒瀬の笑いの意味とは?


KARTE:01 2007年10月11日 復活!!チームドラゴン!!母の命か胎児の命か…
余命2ヶ月の心臓病患者は妊娠7ヶ月!!絶対子供はあきらめない!!運命の緊急手術が始まる

KARTE:02 2007年10月18日 捨てられる患者
KARTE:03 2007年10月25日 その手術は失敗する
KARTE:04 2007年11月1日 絶対殺せない患者
KARTE:05 2007年11月8日 決行!! 運命の無輸血手術
KARTE:06 2007年11月15日 もう1人の天才外科医…
KARTE:07 2007年11月22日 復活!!スーパードクター
KARTE:08 2007年11月29日 絶対に許せない麻酔医!!
KARTE:09 2007年12月6日 余命2ヶ月!!奇跡の手術
KARTE:10 2007年12月13日 総力戦!!運命の心臓移植
KARTE:11 2007年12月20日 運命の4時間!!最後の手術


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医龍-Team Medical Dragon-2 Karte:02

 朝田龍太郎(坂口憲二)、藤吉圭介(佐々木蔵之介)、伊集院登(小池徹平)、荒瀬門次(阿部サダヲ)、里原ミキ(水川あさみ)…。元チーム・ドラゴンのメンバーを再結成させたのは、北洋病院のオーナー、片岡一美(内田有紀)だった。

 外資系投資会社の重役である片岡は、経営困難に陥った北洋病院に融資し、滞る返済の形に営業権を握ったのだ。そして、明真大学附属病院と業務提携。優秀な医師を明真に送り込み、逆に明真からは金にならない患者を引き受ける。ゆくゆくは、北洋病院をつぶし、富裕層専門に特化した人間ドックにする腹積もりだ。

 この片岡の計画は、心臓移植認定施設を旗頭にした大規模病院、メイシンメディカルシティーの建設を3年後に行おうとする野口賢雄(岸部一徳)の構想に合致。野口と片岡は、そのタッグを強固なものにする。

 野口は、メディカルシティー構想を朝田に話す。野口の構想には、その核に朝田のゴッドハンドが不可欠なのだ。しかし、病院経営を最優先する野口の考えに、朝田は真っ向対立。アメリカで心臓移植を学んだのは患者のためで、帰国の目的はもう一度、自身のチームを作るためだと言明する。そんな朝田に声援を送り、協力は惜しまないと持ち上げる野口だが、自分の構想を邪魔するものは許さないと冷ややかに告げた。

 そんなある日、明真に西沢孝文(牟田悌三)という老患者が、孫の翔太(山本裕典)に付き添われて現れた。西沢は、受付で心臓の不調を訴えるのだが、応対した看護師は何度来ても診察結果は変わらないとにべもない。翔太は、数年前、西沢に手術を施したのは明真だと憤る。しかし、専門病院に特化しつつあると言う内科医は、西沢に北洋病院へ行くよう告げた。様子を見ていた伊集院に、木原毅彦(池田鉄洋)は、だたのクレーマーだと言い切る。

 その頃、野口の部屋を北洋病院院長、善田秀樹(志賀廣太郎)が訪ねていた。金持ち相手のメディカルシティー構想に批判的な善田。すると野口は、地域医療を目指そうとしたために善田の病院経営は破たんしたと突きつける。

 夕方、報道陣を前に、野口はメイシンメディカルシティーの設立を公表。しかし、野口とともに居並ぶ教授たちの中に、朝田の姿はない。質疑応答に入ると、報道陣をかき分けるように、男が野口に近づく。翔太だ。翔太は持っていたペンキを、メディカルシティーの完成図にぶちまける。騒然となる場内で、藤吉だけが冷静に翔太を見つめていた。

 翌日、伊集院と木原の話題は、騒ぎを起こした翔太のことに。木原は、伊集院に西沢が8年前に僧帽弁置換術のオペを受けたと教える。歳をとれば、不整脈のひとつもでるだろうと問題視しない木原。そんな話をしていると、2人の目の前を当の西沢と翔太が藤吉に伴われて歩いて行くではないか。

 野口の部屋では、片岡が北洋に移籍させる医局員を尋ねに来ていた。野口のリストを見た片岡は、朝田の名がないことを指摘。片岡は、朝田は野口の構想には諸刃の剣になると言う。たとえリスクがあっても朝田の腕は必要と唱える野口。すると片岡は、朝田より優れた医師がいるとしたら? と、謎をかける。片岡が部屋を辞すのと入れ替わりに、医局員が飛び込んで来た。話を聞いた野口の顔色が変わる。

 西沢の診察を終えた藤吉に、伊集院は野口の神経を逆撫でしない方が良いと忠告。クレーマーと決め付ける伊集院に、西沢を自分で診察したのかと問う藤吉。答えられない伊集院に、藤吉は先ほど診察したカルテを見せる。そこには、重大な疾患が見て取れた。


 西沢の精密検査が行われ、朝田は再手術が必要だと判断。すぐに入院手続きをとろうとするのを野口が遮った。野口は、朝田に最後通告。それでも逆らう朝田は…北洋への異動が言い渡される。西沢の診察を進めた、藤吉、伊集院も同じ処分を受けた。野口が、こだわっていた朝田を切ったのには裏がある。片岡が、朝田に代わる医師を用意していたのだ。

 朝田たちの他にも、医師たちの北洋への異動が行われる。血管外科の外山誠二(高橋一生)、麻酔科の小高七海(大塚寧々)、消化器外科の松平幸太朗(佐藤二朗)らだ。彼らは、いずれも何らかの問題を抱えている。

 やる気のない医師たちの中で、ひとり必死なのが善田。患者を思う善田に、朝田は北洋でチームを作ると約束した。一方、北洋での西沢の手術を伝える片岡に、野口は必ずオペは失敗すると断言。その理由は…。


KARTE:01 2007年10月11日 復活!!チームドラゴン!!母の命か胎児の命か…
余命2ヶ月の心臓病患者は妊娠7ヶ月!!絶対子供はあきらめない!!運命の緊急手術が始まる

KARTE:02 2007年10月18日 捨てられる患者
KARTE:03 2007年10月25日 その手術は失敗する
KARTE:04 2007年11月1日 絶対殺せない患者
KARTE:05 2007年11月8日 決行!! 運命の無輸血手術
KARTE:06 2007年11月15日 もう1人の天才外科医…
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KARTE:08 2007年11月29日 絶対に許せない麻酔医!!
KARTE:09 2007年12月6日 余命2ヶ月!!奇跡の手術
KARTE:10 2007年12月13日 総力戦!!運命の心臓移植
KARTE:11 2007年12月20日 運命の4時間!!最後の手術


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医龍-Team Medical Dragon-2 Karte:01

 "医龍"こと朝田龍太郎(坂口憲二)を中心としたチーム・メディカル・ドラゴンは日本初のバチスタ手術を成功させた後、解散。朝田は再び難民キャンプの医師として活動をしていた。"チーム・メディカル・ドラゴン"を欠いて以来、明真大学付属病院の患者数は激減。教授戦を争った加藤晶(稲森いずみ)、霧島軍司(北村一輝)の姿もない。病院に残ったメンバー、伊集院登(小池徹平)、里原ミキ(水川あさみ)はおろか、木原毅彦(池田鉄洋)さえも経営に不安を覚えるほどだ。そんな時、チームドラゴンのメンバーに明真再建とチーム再結成を訴える差出人不明のメールが届く。だが、朝田はアメリカ、元メンバーの内科医、藤吉圭介(佐々木蔵之介)は地方の病院に勤務、麻酔医の荒瀬門次(阿部サダヲ)は明真にいるものの覇気がなく、伊集院は再結成に疑問を持つ。

 ほぼ、時を同じくして明真には病院経営再建のため、チームドラゴンのかつての宿敵、野口賢雄(岸部一徳)が、教授を含めた全医局員の人事権を持つリスクマネージメント部長として復帰した。ますます再結成は夢と思う伊集院。だが、野口は伊集院を明真から飛ばそうとした江上彰教授(板尾創路)を系列病院に左遷してしまう。

 そんな折、明真の間近でひき逃げされて、重症を負った片岡一美(内田有紀)がERに搬送された。鬼頭笙子教授(夏木マリ)がアメリカに渡って以来、覇気のないER医師たちがあきらめようとした時、なんと朝田が現れて片岡を救う。帰国した朝田に、野口は明真大学の医療レベルを全国にアピールするための公開手術を持ちかけた。


 チーム再結成も夢ではない。喜ぶ伊集院や元メンバーの前に、藤吉も現れた。自分を頼ってきた拡張型心筋症の患者、富樫ゆかり(りょう)の手術をチームドラゴンの手に委ねるためだ。ゆかりは妊娠7カ月のため、どの病院でも子供をあきらめなければ手術はできないと拒否されていたのだ。ところが、長い不妊治療の末やっと授かった子供をあきらめることは絶対にできないと、夫の剛(田中実)ともども子供の中絶を拒否。藤吉はこの手術ができるのは朝田しかいないと考えたのだ。

 このリスクの高い手術を野口が認めるわけもない。ところが、朝田によって一命をとりとめた片岡が動く。医療ジャーナリストだと言う片岡が、野口を説き伏せたのだ。



 ゆかりは、北洋病院でチームドラゴンの手術を待つ。その間に、公開手術の日程が決まった。しかし、公開手術前日にゆかりの容態が急変。公開手術とゆかりの手術を同時に行なわなければ間に合わない。いずれの手術も朝田以外には執刀できない難手術。絶体絶命の状況の中、朝田は荒瀬を呼び、公開手術を45分で切り上げ、ゆかりのもとに戻ると藤吉たちに約束する。


 公開手術開始時に、朝田は堂々と45分で終わらせると聴衆に宣言。言葉どおりに手術を終わらせようとした時、患者に異変が起きた。予期せぬ出来事に、さすがの朝田も…と、思われたが、なんと朝田は公約通りに手術を切り上げると言う。なんとそこに霧島が現れた。朝田は、執刀医の交代を告げ、出て行ってしまう。認めたくない野口だが、朝田、霧島という豪華執刀医のリレーは明真の良きアピールになると溜飲を下げる。


 北洋に朝田が駆けつけた。まず帝王切開で子供を取り出した朝田は、ゆかりのバチスタ手術を始める。だが、その途中、またしても予想外の出来事が。何と生まれたばかりの子供に、先天性心疾患が確認されたのだ。すぐに手術しなければ、子供の1週間後の生存率は極めて低い。決断を迫られた朝田は、ゆかりの手術を伊集院に委ね、自分は子供の処置に向かう。


 初めて任されたバチスタの執刀に覚悟を決める伊集院。鬼頭に術式を仰ぎながら、子供の手術をする朝田。朝田に後を頼まれ、公開手術を遂行する霧島。3者ともに、危険な心臓手術を乗り切った。


 翌日の新聞には、明真がゆかりの手術を成功させたとの記事が踊る。ゆかりは北洋に回されたのに、なぜ? 疑問を感じる伊集院に、木原は明真と北洋が業務提携したと話す。その話から、伊集院はあることに気づく。チームドラゴンを集めた謎のメール。ゆかりを藤吉に紹介した人物。それは全て、この業務提携のための工作だったのか?

 その頃、野口は自室で祝杯を挙げていた。野口の前には…片岡。医療ジャーナリストを名乗った片岡は、実は外資系投資会社役員で、北洋を乗っ取った現、オーナーだったのだ。


KARTE:01 2007年10月11日 復活!!チームドラゴン!!母の命か胎児の命か…
余命2ヶ月の心臓病患者は妊娠7ヶ月!!絶対子供はあきらめない!!運命の緊急手術が始まる

KARTE:02 2007年10月18日 捨てられる患者
KARTE:03 2007年10月25日 その手術は失敗する
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KARTE:05 2007年11月8日 決行!! 運命の無輸血手術
KARTE:06 2007年11月15日 もう1人の天才外科医…
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KARTE:08 2007年11月29日 絶対に許せない麻酔医!!
KARTE:09 2007年12月6日 余命2ヶ月!!奇跡の手術
KARTE:10 2007年12月13日 総力戦!!運命の心臓移植
KARTE:11 2007年12月20日 運命の4時間!!最後の手術


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医龍-Team Medical Dragon- Karte:11(最終話)

朝田龍太郎(坂口憲二)たちは臨時教授会の時間を狙って、生後9カ月の患者の緊急手術を決行する。手術がはじまったことを知った教授会は騒然。しかし、患者は冠動脈瘤を引き起こしていて、このまま手術を続ければ患者は術中死する可能性があることがわかった。朝田たちは患者の容態が悪く、術前に十分な検査ができなかったため、このことを知らなかったのだ。

 加藤晶(稲森いずみ)は手術の中止を宣言。だが、朝田はバイパス手術を行い、オペを続行すると言う。なぜなら、ここで手術を中止しても、再手術する体力がこの患者にはないためだ。しかし、直径1ミリにも満たない赤ん坊の細い血管をどうやって縫い合わせるのかと、霧島軍司(北村一輝)や野口教授(岸部一徳)をはじめ、見学室やモニターで手術を見ていた医師たちは驚く。そして朝田は、生後9カ月の患者は内胸動脈が未発達なため、右胃大網動脈からのグラフト採取を伊集院登(小池徹平)に指示。その冷静な判断に、鬼頭教授(夏木マリ)も感心する。

 バイパス手術が着々と進行する中、加藤は子供の小さな心臓で変性部位を特定できるのか、朝田に尋ねた。すると、朝田は触診してみて、特定できなかった場合は最後の切り札を使うと言い出す。成功すれば、それまでのバチスタ論文は全て過去のものになるというのだ。やがて、バイパス手術は無事に終了。木原毅彦(池田鉄洋)は霧島にそのことを報告しに行く。朝田たちのチームワークの良さを聞いた霧島は、次第に動揺し始めていた。

 医局に戻った木原のもとに、転落事故で胸部を強打した急患が現れたと連絡が入る。木原が手術室へ向かうと、その患者は霧島だった。人工心肺どころか、輸血用の血液が届くまで、もたないだろうと思われるほどの重体。朝田たちの手術を見学していた野口のもとにも、その連絡が届く。だが、野口はバチスタのほうが大事だと言って、無表情に朝田たちの様子を見つめていた。

 木原は朝田たちの手術室に飛び込み、霧島が事故に遭ったことを報告。霧島を救えるのは朝田しかいないと言う。伊集院や藤吉圭介(佐々木蔵之介)、里原ミキ(水川あさみ)らは、朝田を行かせることを却下。加藤も木原に、手術室を出ていくよう命じる。だが、朝田は霧島の詳しい容態を尋ねた。そして、伊集院に、加藤の第一助手をできるか問いかける。一度は断る伊集院だったが、迷った挙げ句に第一助手を務めることを申し出ると、加藤も15分だけという条件で朝田が霧島のもとに行くことを許可した。


 朝田が手術室に入ると、霧島は既に心停止して30秒。だが、朝田は脳死までの4分半の間に賭けようとする。するとそこに、鬼頭が自ら助手を志願してきた。朝田は信じられないスピードで縫合を進める。脳細胞の破壊が始まるまで、残りわずかとなった時、朝田は縫合が終わっていないにもかかわらず、心臓マッサージを開始。驚く鬼頭をよそに、朝田は心臓の傷を指で押さえた。縫合が間に合わないことを最初から計算に入れ、指で押さえきれない傷や、手の届かない位置の傷を優先的に縫っていたのだ。やがて、霧島は蘇生し、鬼頭は朝田に、あとは自分たちに任せて、バチスタ手術に戻るよう命じる。


 子供のもとに戻った朝田は触診を始めるが、変性部位は分からないようだった。すると、朝田は新バチスタを開始すると宣言。変性部位を特定しないまま、心臓にメスを入れた。続いて、そのまま切開部を縫合すると言う。チームのメンバーも、見学室の教授たちもダメだったのかと落胆。だが、朝田は加藤に、心臓を触ってみるよう、指示する。すると、患者の心臓が小さくなっていた。変性部位を切り取るのではなく、心筋を二重に重ねて、心臓を小さくするという新たな術式。霧島の手術を終え、見学室に来ていた鬼頭はそれをオーバーラッピング法と名付ける。やがて、オペは見事に終了。見学室の教授たちからもどよめきと拍手が起こり、患者の両親も朝田たちに感謝する。

 深夜、加藤はICUの霧島のもとへ行き、その手を握る。霧島もかすかに握り返し、涙をこぼした。教授選は圧倒的な得票数で、加藤が勝利。総長の牧野善久(津川雅彦)は野口に、タイの姉妹校に理事長として赴任するよう、命じた。意識を取り戻した霧島は加藤の教授就任を祝福し、退院したらアメリカに行ってやり直すことを伝える。一方、朝田は鬼頭に、もう一度「万人のための医師団」に戻るつもりだと告げた。そして、病院を去っていく霧島は、朝田に最高の外科医だったという賛辞を送る。




 旅立ちの用意をしていた朝田は、空港まで見送りに行くという伊集院の申し出を断った。必要な時にだけ集まるのがチームだという。朝田は投げやりだった自分を必要としてくれた加藤に礼を言って、一人歩き出した。
やがて、メンバーたちに明真大学付属病院での新たな日々が始まる中、朝田は紛争地域に降り立った…チーム・ドラゴンのバッジとともに。


KARTE:01 2006年4月13日 神の手を持つ男
KARTE:02 2006年4月20日 神の手と悪魔の薬
KARTE:03 2006年4月27日 娘の心臓を守れ
KARTE:04 2006年5月4日 教授が患者を殺す
KARTE:05 2006年5月11日 バチスタ手術開始
KARTE:06 2006年5月18日 バチスタ手術急転
KARTE:07 2006年5月25日 絶対許せない男
KARTE:08 2006年6月1日 奇跡を起こす医師
KARTE:09 2006年6月8日 バチスタ手術断念
KARTE:10 2006年6月15日 この命は必ず守る
KARTE:11 2006年6月29日 最後のカード!!新バチスタ手術



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医龍-Team Medical Dragon- Karte:10

 朝田龍太郎(坂口憲二)たちのもとに3人目のバチスタ患者として連れてこられたのは、生後9カ月の子供だった。ただでさえ、術野が小さい上に、単一冠動脈も併発。さらには、臓器や器官の位置が全て左右逆に位置する完全内臓逆位で、朝田でさえも手術が困難。朝田は野口教授(岸部一徳)に手術は断念すると伝え、医局内では今度こそバチスタチームは解散だろうと噂される。

 一方、鬼頭教授(夏木マリ)が提出した教授選の改革案について、臨時教授会が開かれることに。それは教授だけでなく、全医局員が投票できるようにするという提案だった。野口は、その臨時教授会の知らせを苦々しい表情で見つめる。

 そんな矢先、伊集院登(小池徹平)と木原毅彦(池田鉄洋)が当直の日に子供の容態が急変。伊集院の処置で一命を取り留めるが、両親は手術の要請を迫る。しかし、野口教授の許可が出ていないということを朝田も藤吉圭介(佐々木蔵之介)も告げることはできない。


 日ごとに腕を上げる伊集院に霧島軍司(北村一輝)も野口教授も注目していた。そして野口は加藤晶(稲森いずみ)に、患者が明真大学で死ぬようなことのないよう転院を命じる。頭を下げて、そのことを伝える朝田と加藤に、両親は北日本大学と一緒だと言って激怒した。

 そんな中、加藤は以前に聞きかけた霧島の秘密について、鬼頭に改めて尋ねる。霧島の父親は次期総長と目されるほど、優秀な心臓外科の教授だったが、スキャンダルで大学を辞めていた。彼と結婚した理事長の娘、すなわち霧島の母親は夫の人間性に耐え切れず、自殺していたのだ。しかも、幼い霧島の目の前での飛び降り自殺。霧島の異常な執着心と攻撃性は、そんな残酷な体験が影響しているのではないかと、鬼頭は言う。その秘密を初めて知った里原ミキ(水川あさみ)だが、それでも今の霧島を許すことはできないとつぶやいた。

 臨時教授会が行われる日、患者は小児センターへ転院させられることになった。朝田たちは患者をストレッチャーに乗せて、病室から運び出す。 教授会で野口は鬼頭の出した改革案を全面的に支持。その頃、伊集院は霧島の部屋を訪ね、鬼頭の改革案が通っても、教授選は野口の思い通りになるという話について、聞かせてほしいと言う。すると、霧島は鬼頭の提案通り、医局員全員に投票権が与えられてもいいように、主要な医局員たちにポストをちらつかせて、票をとりまとめるように図っているのだと答えた。話を聞き終えた伊集院は、手術用のサージカルルーペを付けないといけないので、コンタクトを付けに行くと言い、霧島は疑問に思う。

 ちょうどその頃、ストレッチャーを押して廊下を歩いていた藤吉は突然、患者の容態が急変したと言い出した。オペをするには教授の許可が必要だが、今は教授会の真っ最中。朝田は教授の許可のないまま、緊急オペを行うと宣言し、藤吉に待機していたチームの面々を手術室に呼び集めさせた。

 霧島は伊集院に、教授会の時間を狙ってオペをしようと仕組んでいたのかと追及。伊集院はだましていたことを謝り、自分には霧島に負けないものが一つだけある、それは仲間がいることだと言う。

 緊急手術が行われることは、会議室の教授陣や医局員たちにも伝わった。見学室から手術室を見た木原は驚く。朝田たちメンバーの立ち位置や人工心肺の置き場所が通常と全く逆。しかも、朝田はメスを左手に持っていた。彼らは完全内臓逆位の患者に合わせた処置の練習を積んできていたのだ。

 野口からどういうことなのかと詰め寄られた霧島だが、オペはすぐに中止になるから、心配はないと言う。術前検査が十分にできていない朝田たちはまだ知らない重篤な病気が隠されているというのだ。それは冠動脈瘤で、このまま手術を行えば、患者は急性心筋梗塞で死ぬ。そのことに気付いた加藤は、バチスタ手術の中止をメンバーに告げた…。


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医龍-Team Medical Dragon- Karte:09

 朝田龍太郎(坂口憲二)たちのチームによる第2回バチスタ手術が行われる。加藤晶(稲森いずみ)は、野口教授(岸部一徳)が霧島軍司(北村一輝)を次期教授候補に推薦したことで、教授選に立候補すらできなくなるのでは、と噂されていた。動揺する加藤を見た朝田は伊集院登(小池徹平)に、いざとなったら彼女の代わりを務めるよう告げる。

 前回同様、朝田は心臓を止めないままで手術を始める。荒瀬門次(阿部サダヲ)が加わったバチスタチームは、スムーズに手術を進行。そんな彼らの手術の様子を救命救急の鬼頭教授(夏木マリ)と霧島が見学していた。鬼頭は伊集院や荒瀬、藤吉圭介(佐々木蔵之介)、里原ミキ(水川あさみ)らもいつの間にかオペの状況変化への適応力やテクニックを身につけていることに気付く。そんな各メンバーの姿を見た加藤は感無量。このチームは自分が守ると、霧島を見ながらつぶやく。


 手術は無事に終わり、野口の部屋を訪ねた加藤は、朝田の触診に頼らずとも変性部位を特定する方法をバチスタ論文のポイントにしたいと言う。だが、野口は、教授選に立候補もできないのに、今さら論文でもないだろうとチーム解散を宣告。それに対して、加藤は自分ももう教授になるつもりはないと言う。若い芽が育っているチームを残し、変性部位の特定法を確立してほしいだけだと言い、それまでの研究データを野口に差し出した。

 やがて、加藤はバチスタチームの慰労会を開催。チームは存続させるので、霧島のもとでバチスタを切るよう、告げる。だが、ミキは北日本大学にいる友人の看護師から聞いたと言って、霧島は薬物投与によって日常生活が送れるレベルの患者にもバチスタ手術を行っていたらしいと報告。論文の成績を上げるために、切らなくてもいい患者を切っているというのだ。それを聞いた朝田は、このチームには加藤が必要だと宣言。他のメンバーたちも加藤のいないチームなど考えられないと言い、その言葉に彼女も涙する。

 翌日、朝田は鬼頭に、加藤が教授選に立候補できるよう、推薦してほしいと頼んだ。そうしてくれれば、自分はERに移るというのだ。だが、鬼頭は野口が出した教授選改革案に反対することはできないと言って、去っていく。
 そんな中、伊集院は霧島から呼び出された。霧島はバチスタ手術の時の伊集院の頑張りを賞賛し、自分の下で働かないかと誘う。驚く伊集院に、霧島は自分の可能性を捨てるのかと追及。伊集院は、霧島の言葉を振り切るように部屋を出ていく。

 やがて、教授会が開かれ、野口の出した改革案に関して多数決が採られることに。すると、鬼頭が立ち上がり、野口の案を絶賛した後、別の改革案を提出すると言う。現在、教授だけが持っている投票権を全医局員にまで広げようというのだ。さらに、彼女は霧島の対立候補として、加藤を推薦すると宣言する。

 そして、3人目のバチスタ適応患者が見つかった。あちこちをたらい回しにされた挙げ句、系列の病院から転院されたばかりの患者だという。患者の両親からカルテを渡された藤吉は、当初は北日本大学に入院していたことを知る。さらに、カルテを読み進んだ彼は言葉を失った。臓器や器官の位置が左右逆に生まれつく完全内臓逆位という疾患がある上、拡張型心筋症のほかに単一冠動脈も合併。しかも、術野の至って小さい生後9カ月の赤ん坊だった。北日本大学での担当医は霧島。いったん受け入れておきながら、いずれ明真大学に運ばれるよう、系列病院に転院させていたのだ。

 野口はそんな困難なオペは断固として許可できないと、加藤に告げる。それに対して加藤は、切らなくてもいい患者を切り、本当に手術の必要な患者を見殺しにするような霧島が次期教授になっていいのかと反論。野口は加藤に信念が強過ぎると言い、失脚を通告する。

 朝田たちはこのバチスタ手術を行うべきかどうか話し合った後、結論を出した。朝田は野口には自分が伝えに行くと言う。その結論を霧島の部屋に密告しに行く男の姿があった。それは、伊集院だった…。


 そして、野口の教授室を訪ねていった朝田は、3人目のバチスタは断念すると告げる。


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朝田龍太郎(坂口憲二)はバチスタチームに加える臨床工学士と会うホテルに出向き、そこで、霧島軍司(北村一輝)と偶然再会。霧島もまた、誰かと待ち合わせのようだった。

 明真大学付属病院の教授会では、野口教授(岸部一徳)の退官に伴う次期教授選の骨子が発表された。選挙とは名ばかりで、後任教授は野口の指名によって、ほぼ決定する。本来なら加藤晶(稲森いずみ)で決定のはずだったが、先だってのバチスタ手術をめぐる失態で、彼女は指名されないだろうという噂が医局内に流れていた。

 教授会が終わる頃、野口の反対派・祖父江教授(清水紘治)が、ペースメーカー不良問題など、不祥事が続く大学病院の制度をこの機に見直すべきだと発言。それに対して、野口は次の教授会で改革案を提出すると言う。

 一方、伊集院登(小池徹平)は荒瀬門次(阿部サダヲ)がバチスタチームに加わることに反対。製薬会社から金をもらって、患者を実験台にした論文を書いた男など、入れるべきではないと藤吉圭介(佐々木蔵之介)に提言していた。そこへ、吸引麻酔薬でふらついた荒瀬が現れる。見かねた藤吉は伊集院に、荒瀬を家まで送っていくよう頼んだ。だが、荒瀬は家には帰ろうとせず、伊集院を連れて、行きつけのバーに入り、伊集院にも酒を勧める。そこにはバーテンダーの山口香(奥菜恵)という女性がいた。


 朝田は鬼頭教授(夏木マリ)から、救命救急部に移る気はもうないのかと聞かれた。教授会で突き上げられた野口はバチスタチームを切らざるを得ず、胸部心臓外科に朝田の居場所はないのではというのだ。さらに、彼女は荒瀬が論文がらみのバチスタ手術に加わることはないと断言。だが、朝田は自分とオペをすれば、チームに加わる気になるとつぶやいた。

 同じ頃、バチスタ手術成功の新聞記事を持った夫婦が、北日本大学の霧島を訪ねてきた。その夫婦には拡張型心筋症の息子がいて、移植しか助かる道はないと言われたが、日本では15歳未満の子供の臓器提供は認められていない。海外に行くにも莫大な費用がかかるため、霧島にバチスタ手術を依頼しに来たという…。夫婦が帰った後、霧島はベッドに横たわる患者を不敵な表情で見つめた。

 香は伊集院に、荒瀬はかつては一滴も飲めなかったのだと告白。前の大学病院で例の新薬に関する論文に関わり始めた頃から、酒の量が増え、荒れていったらしい。伊集院はその論文で何人もの患者が死んだのだと言うが、香はそのことを知っていた。やがて、香は荒瀬にだし巻き卵を作るため、みりんを買いに出ていく。なぜだし巻き卵なのかと尋ねる伊集院にマスターは、酒を飲むばかりで何も食べない荒瀬だが、彼女の作っただし巻き卵だけは食べるのだと答えた。その後、伊集院は酔いつぶれた荒瀬を置いて店を出ていく。

 店を出た伊集院は黒山の人だかりを見かける。近くのコンビニに強盗が入り、銃を発砲して逃走したらしい。撃たれて倒れているのは香だった。伊集院は止血を試みるが、手に負えない。そこへ、荒瀬が現れ、絶妙な処置で止血した。やがて、救急車が到着し、伊集院は明真大学に搬送するよう告げる。

 救急車の中で伊集院とともに処置に当たる荒瀬の脳裏に、香とのさまざまな思い出がよぎる。血圧も脈拍も微弱になっていく中、香の口がかすかに動いた。だが、荒瀬は耳をふさいで聞こうとせず、伊集院に代わりに聞けと言う。金のために人を殺した医者などに、最期の言葉を聞いてほしいはずがないというのだ。耳を近づけた伊集院に言葉を告げた直後、香は心肺停止する。

 救急車が明真大学に到着し、伊集院は朝田に「病院到着時心肺停止」でもう間に合わないと告げる。だが、朝田は勝手に決め付けるなと言って、処置室へ。心臓マッサージを施すと、モニターの波形が振れた。すぐにオペ室へ運べと命じる朝田だが、看護師は銃創を扱ったことのある医師はいないと言う。すると、朝田はERの本場アメリカ帰りのスペシャリストがいるだろうと言い、鬼頭を連れてこさせる。

 鬼頭を第一助手として、手術が始まる。手術室に入ろうとしない荒瀬に伊集院は万一の時に腕のある医師が必要だと言って頭を下げた。見学だけだと言って手術室に入った荒瀬だが、麻酔医の作業にしびれを切らせ、自分が代わると宣言。朝田に向かって、メスだけに集中させてやるから、絶対に助けろと言う。言葉を交わすこともなく、絶妙なコンビネーションを見せる朝田と荒瀬のおかげで、手術は無事に終了。鬼頭は朝田に、荒瀬をよろしく頼むと告げた。


 手術後、朝田と荒瀬は、お互いの腕を認め合う。そして、荒瀬は報酬は今日の治療代でいいと言って、2人目のバチスタ手術が決まったら教えろと告げた。

 加藤は野口に、荒瀬の加入でバチスタチームが揃ったことを報告。だが、野口はそれには興味なさげに、形骸化した教授選を改革するため、本来通りの公募制にすると言う。加藤を教授に推薦するのをやめて、外部から招くというのだ。やがて、朝田は廊下で霧島とすれ違う。野口が次期教授に推薦しようとしているのは霧島だった…。


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医龍-Team Medical Dragon- Karte:07

 朝田龍太郎(坂口憲二)たちのチームによるバチスタ手術は成功。加藤晶(稲森いずみ)や野口教授(岸部一徳)は満面の笑みで記者会見に臨む。だが、翌日の新聞の紙面を飾ったのは霧島軍司(北村一輝)らが北日本大学でアメリカとドイツの名医を助手にバチスタ手術を成功させたという記事だった。すぐに加藤は霧島に電話するが、留守番電話になったきり。

 朝田もバチスタチームも終わりだという噂を耳にした伊集院登(小池徹平)はいたたまれない。しかし、鬼頭教授(夏木マリ)はバチスタ手術に関する論文で北日本大学に先を越されれば、加藤は失脚、バチスタチームは解散となり、朝田を救命救急部に手に入れやすくなると期待していた。そして、鬼頭は朝田に、バチスタチームのことで話があるから、時間を取ってほしいと告げる。

 野口は加藤に明真大学がバチスタ手術を行う情報が、北日本大学に漏れていたのではないかと追及。加藤は焦るが、来週には2人目のバチスタ手術を行い、論文の内容にも新しい切り口を加えると言う。そんな加藤に、野口は論文で北日本大学に先を越されるようなことがあれば、明真大学を辞めてもらうことになると告げた。

 そんな中、藤吉圭介(佐々木蔵之介)がナースステーションにカルテを取りに行くと、里原ミキ(水川あさみ)の様子がおかしい。バチスタ手術の際の看護師の権限を越えた医療行為については一件落着したはずだと言う藤吉に、ミキはそのことではないと言い、自分と霧島との関係について語る。実は、霧島とミキは異母兄妹だった…。

 霧島の父は大病院を経営する医院長。ミキの母親はその愛人だった。正妻と離婚した後、医院長はミキを認知し、母親とともに霧島家に引き取った。だが、ミキたちは霧島家で家政婦同然に扱われる。やがて、ミキは高校を卒業して、看護学校へ行くことを決心した。看護学校を卒業し、北日本大学で看護師として働き始めたミキは初めて朝田の姿を見かける。教授たちに反抗的で手に負えない朝田だったが、霧島は彼の天才的な腕を高く評価し、自分の論文症例の執刀医を任せていた。
だが、ある日のオペ中に朝田と霧島は意見が対立。執刀医は自分だと言って、意見を貫いた朝田の判断で患者は救われる。その後、霧島はミキにもう朝田には近づくなと忠告。朝田と自分を比べられるのが恐いのだろうとミキから指摘された霧島は激怒する。


 そんなある日、学会の懇親会に出席した霧島に代わって、患者を診ていた後輩の医師が診断ミスを犯した。患者の容態は急変し、当直を務めていた朝田が手術するが、死亡。教授に事情を聞かれた霧島は、担当医の欄を朝田の名に書き換えたカルテを差し出し、彼の誤診だと偽る。朝田は反論しようとするが、教授は日頃から反抗的だった彼よりも、霧島の言葉を信じた。

 この事件を機に、朝田は医局を捨てて、NGOへ。ミキも辞表を出して、彼の後を追う。やがて、二人は帰国するが、霧島の根回しもあって、朝田を受け入れてくれる病院などなかった。そんな時、朝田をスカウトしに現れたのが、加藤だった。

 全てを聞いた加藤は霧島と会う。霧島はなぜ朝田などに頼ったのかと言い、加藤に別れを告げた。雨に打たれて嗚咽する彼女の前に朝田が現れ、傘を差し出す。医局に戻った加藤は朝田に、霧島と付き合っていたことを告白した。


 鬼頭から荒瀬門次(阿部サダヲ)はバチスタチームには参加できないと告げられた朝田は、伊集院に彼のことを調べるよう、命じた。すると、かつて荒瀬がある麻酔導入新薬に関する論文に関わっていたことが分かる。その薬は開発当初、心臓に悪影響をもたらすことが問題視されていた。だが、医局員たちは教授の指示を受けて、多額の金品と引き換えにデータを偽装。新薬は認可されたが、トラブル続発でほとんどの病院が使用を中止した。だが、荒瀬のいた大学病院はさらに何十例も使用し、多数の患者が死亡。荒瀬はそんな人体実験に関わった男だったのだ。

 鬼頭は朝田に、荒瀬がチームに入ることはなく、バチスタ2人目は切れないのだから、ERに来るよう、告げる。だが、朝田は荒瀬に、バチスタチームに入れと頼んだ。断る荒瀬に朝田は、最高の麻酔医なら最高の外科医と組みたくなるはずだと言う。そして、過去など関係なく、バチスタに必要なのは腕の立つ麻酔医だと、チームのメンバーや鬼頭たちを前に宣言した。

 その後、あるホテルに出向いた朝田は、霧島と偶然再会する。


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医龍-Team Medical Dragon- Karte:06

ついに朝田龍太郎(坂口憲二)たちのチームによる奈良橋文代(江波杏子)のバチスタ手術が始まった。第一助手の加藤晶(稲森いずみ)、第二助手の伊集院登(小池徹平)、看護師の里原ミキ(水川あさみ)、内科医の藤吉圭介(佐々木蔵之介)も手術室に入った。そして、鬼頭笙子教授(夏木マリ)や野口賢雄教授(岸部一徳)をはじめ、多くの医師たちが見学室やモニターで手術の様子を見つめていた。

 人工心肺の装着が完了し、加藤は臨床工学士に心停止液の注入を開始するよう指示する。だが、朝田は心臓を止めないままで手術を進めると宣言。加藤も見学していた医師たちも驚く。動いたままでの心臓の手術は細胞組織が劣化せず、手術後も患者の体に負担がかからない。だが、停止した心臓を手術する場合の100 倍は難しく、患者が死ぬ可能性も高かった。そんなことになれば、加藤の論文どころか、野口まで責任を取らされることになる。なぜそんな危険な冒険をするのかと、見学室は騒然となるが、加藤も伊集院もミキも、朝田を信じてついていくしかないと覚悟を決めていた。

 スタッフワークの良さで、手術は予想以上の早さで進行。いよいよ、バチスタ手術の本番である変性部位(悪い部分)の切除に入る。バチスタ手術において肝心なことは、どのようにしてその部位を見つけるかだったが、それを正確に特定する方法は未だ確立されていない。加藤はその方法を論文で書こうとしているのだ。だがここで、患者の心臓に手を当てたまま、朝田の動きが止まった。見学室の医師たちは変性部位が分からないのか、と驚く。そのとき、鬼頭は朝田の狙いに気が付いた。彼は変性部位と正常な心筋の違いを、心臓の動きで判別するため、心臓を止めないままで手術を始めたのだ。ゆっくりと目を開けた朝田は、変性部位を特定。見学室の医師たちはその判断に驚く。

 だが、鬼頭は麻酔医や臨床工学士が、朝田のペースについていけなくなっていると指摘する。案の定、臨床工学士は気分が悪くなったと言って、退室。すると、伊集院は動脈血の色が黒ずんでいることに気が付いた。人工心肺のトラブルで、このままでは患者は心停止で手術中に死んでしまう。朝田は工学士補佐に人工心肺のチェックを命じるが、彼は焦るばかり。朝田と加藤は、伊集院に人工心肺のほうへ行けと指示する。彼の操作で血液は無事に元の色に戻った。

 やがて、縫合が終わり、バチスタ手術は終了。教授たちからも拍手が起こる。だが、人工心肺の離脱が済んだところで、朝田は患者の心筋の動きが悪くなっていることに気が付いた。このままではバチスタが成功しても、患者は助からない。朝田は引き続き、バイパス手術を始めると宣言。人工心肺を再装着すると言う。だが、伊集院は機械を触っていたため、手洗いをしないと術野に戻れず、人手が足りない。藤吉は伊集院に、大至急手洗いしてくるよう、命じる。

 だが、伊集院が戻るまでバイパス手術を待っては、心機能が回復しなくなる。誰がグラフト採取するのだと訪ねる加藤に、朝田はそれをミキに命じた。看護師がメスを握るなど、日本では許されず、教授たちは騒然。加藤や麻酔医も、朝田に猛反対。野口は手術室に内線を掛け、何が何でも止めさせろと叫んだ。朝田は加藤に深々と頭を下げ、ミキのグラフト採取を認めるよう、懇願。藤吉も野口からの電話を切り、ミキはメスを握る。そして、手術は無事に終了した。

 その頃、北日本大学でも霧島軍司(北村一輝)が外国人医師2人とともに、オペを行っていた。無事に終えた彼は、加藤たちの手術に思いをめぐらせる。

 野口は加藤に、ミキの行為について追及。加藤は患者の命を助けるための適切な対応だったと言う。さらに、彼女は記者会見を開くことになったと告げ、そんな中で処分者を出しては、手術に問題があったと思われてしまうと進言。野口もどうにか納得し、記者会見に臨む。


 朝田は鬼頭に、荒瀬門次(阿部サダヲ)をバチスタチームにもらう話はどうなったと確認。鬼頭は荒瀬の過去を知った上で、それでも使いたいのなら構わないと言い、そばで聞いていた伊集院は驚く。

 一方、ミキは他の看護師たちから避けられるように。看護師長は彼女に、今後はどんなことがあっても、越権行為はしないと誓うよう、告げる。だが、ミキは患者の命が救えるのなら、これからもやると宣言。そのときはそれなりの処分を覚悟するよう、告げる看護師長だったが、個人的には医師よりも絶妙なグラフト採取をやってのけるのを見て、すっとしたと言って去っていく。その翌日、朝刊を持った伊集院が大慌てで医局に飛び込んでくる。その紙面を飾っていたのは、霧島らが北日本大学で日本初のバチスタ手術を成功させたという記事だった…。


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医龍-Team Medical Dragon- Karte:05

 朝田龍太郎(坂口憲二)は加藤晶(稲森いずみ)から、バチスタ手術を行う患者の候補が決まったことを告げられる。拡張型心筋症の患者はふたりいて、ひとりは16歳の女子高生・村野里奈(東海林愛美)。もうひとりは55歳の主婦・奈良橋文代(江波杏子)。藤吉圭介(佐々木蔵之介)によると、このままだと里奈は余命半年、文代は余命3カ月らしい。差し迫って手術が必要なのは文代なのだが、危険が大きい手術になるため、加藤は成功率の高い里奈のほうを選ぼうとする。だが、文代は8年前まで明真大学付属病院の看護師長を務めていた人物だった。

 そして加藤は、野口教授(岸部一徳)にバチスタ手術のメンバーを聞かれ、第二助手として伊集院登(小池徹平)の名前を挙げる。今年、医局に入ったばかりの研修医だと聞いて異を唱える野口だったが、加藤から本番前に伊集院をテストすると言われ、何とか納得した。

 そんな中、加藤は文代の病室を訪ね、自分の若かりしときに世話になったお礼を告げた。彼女も加藤が助教授まで昇りつめたことを喜ぶが、加藤はこの8年間の医局での毎日を振り返ると心苦しい。そして、彼女には手術はせずに内科的治療を行うことを告げられないまま、部屋を出ていく。


 そんなある夜、加藤と会った霧島軍司(北村一輝)はバチスタ手術が失敗しても、その責任は朝田にかぶせるのだから大丈夫だろうと言う。だが、加藤は必ずバチスタは成功させると言い、霧島もそんな彼女に笑みを見せた。

 やがて、加藤は伊集院に、バチスタ手術前のテストとして、自分のオペの第一助手を務めるよう、命じた。伊集院は朝田が第二助手だとばかり思ったが、里原ミキ(水川あさみ)から彼は外回りの看護師役だと言われ、驚く。その手術が始まり、見学していた鬼頭は伊集院やミキの動きの良さに感心。だが、臨床工学士と麻酔医はダメで、このままのチームではバチスタは失敗すると言う。

 朝田は文代がバチスタ手術を希望していると知り、論文のために彼女を切り捨てるのかと加藤を追及。加藤は自分が教授になるためには、手術を失敗させるわけにはいかないのだと言い放つ。その後、加藤は文代の病室へ。文代と話しているうち、かつて自分の担当患者が亡くなった時、大学病院を改革するために自分は教授になると宣言したことを思い出した。自分の部屋に戻った加藤は、そこに現れた朝田に、バチスタ手術を行う患者を決めたと告げる。

 加藤から文代をバチスタの患者に選んだと言われた野口は驚く。失敗したらどうするのだと言われた加藤は、必ず成功させるために自分が第一助手を務めると宣言した。


 加藤は鬼頭からバーに呼び出され、バチスタ手術が失敗したら、朝田は救命救急部にもらうと告げられる。バチスタは失敗すると言わんばかりの口ぶりに加藤は反論するが、鬼頭は今の麻酔医と臨床工学士では失敗するというのだ。それから、2日後。教授や医局員たちが見守る中、バチスタ手術が始まった。


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医龍-Team Medical Dragon- Karte:04

 朝田龍太郎(坂口憲二)と伊集院登(小池徹平)が当直をしていると、不整脈を起こした少年、稲垣大輔(伊藤純平)が運ばれてくる。彼はCDショップの出口の万引き防止ゲートを通過しようとしたところで、突然うずくまったのだった。朝田らの処置で事なきを得るが、そこへ新たに2人の患者が不整脈で運ばれてきた。朝田らは一晩に3人も不整脈の患者が運ばれてきたことを不審に思う。診察の結果、稲垣は連日遅くまでの中間テスト勉強、2人目は長時間の麻雀、そしてもう一人は長期のイタリア旅行による疲労が原因と思われた。3人とも心疾患があり、心臓にペースメーカーを入れていたが、いずれも明真大学付属病院及び、系列病院で使われている同じ会社の最新機種。機種の故障等の報告はなかった。やがて、運ばれた患者のうち2人は容態が安定し退院するが、稲垣だけは脈が安定せず、入院することに。

 加藤晶(稲森いずみ)は、野口教授(岸部一徳)の教授室に呼ばれていた。朝田が藤吉圭介(佐々木蔵之介)の娘のオペを行わなかったこと、そして先だっての弓部大動脈置換手術にライバル校・北日本大学助教授の霧島軍司(北村一輝)が執刀し、短い心停止時間で成功させたことについて問いただされていた。やはりバチスタは荷が重いのでは、と嫌味を言う野口に対して加藤は、一カ月以内にバチスタ患者を見つけ出し、野口を大学総長にする、と宣言するのだった。

 そして加藤は、弓部大動脈置換手術の件で霧島に事情を聞いた。霧島は、患者の容態が急変したため北日本大学に運ばれ、やむを得ず自分が執刀したというが、その表情は冷たい。
 同じ頃、救命救急部教授の鬼頭笙子(夏木マリ)は、朝田に年俸を提示していた。朝田を救命救急に呼ぼうというのだ。その提示額を黙って聞く朝田には何か考えがあるようだった。


 そして朝田は、過去のいくつかのカルテを見ているうち、多くの「心不全」「再入院」の文字を見つけ出す。それらの患者の担当医は、どれも沖秀之(袴田吉彦)だった。不整脈で運ばれてきた患者たちと同じペースメーカーを朝田が調べると、そばで携帯電話を使うと停止してしまうことが判明。伊集院に3人が不整脈を起こした時の状況を聞くと、それぞれCDショップの万引きゲート、雀荘の全自動卓、自宅のIHジャーと、いずれも微小電磁波を出すもののそばで発作を起こしていたことが分かる。ペースメーカーの不良が原因だったが、沖によって、全て心不全として片付けられていたのだ。伊集院は確かな証拠もないのに、余計なことをしない方がいいと言うが、朝田は聞こうとしない。

 沖は朝田に、ペースメーカーを調べているというのは本当かと追及。即刻、使用中止にしろと言う朝田に沖は、野口が開発顧問を務めているのだから、無理だと言う。そんな朝田の動きを知った野口は彼に、温泉地にある系列の病院に1週間ほど、出向くよう命じた。そんな中、稲垣の容態が急変。朝田を呼ぼうとする看護師に沖は、自分がペースメーカーを植え替えるから、その必要はないと言う。だが、伊集院は不良品を使うわけにはいかないと言って、ペースメーカーを乗せたワゴンの前に立ちふさがった。無理やりペースメーカーを奪おうとして臨床工学士が伊集院に近づいたその時、手術室に朝田が現れる。彼はペースメーカーを踏み潰し、沖たちはあ然。そこへ、藤吉や里原ミキ(水川あさみ)が別の会社の最新機種を持ってきて、植え替え手術は無事に終わる。

 一連の話を聞いた野口は、朝田と沖を教授室に呼び出した。そして、臨床レポートを書いた沖に「まれに、微小電磁波による誤作動を起こす」と、但し書きを付けるように命じたはずだと言い出す。驚く沖に、野口はペースメーカーの回収と秋田の系列クリニック行きを、朝田に明真復帰を告げた。野口は沖よりも朝田を、つまりバチスタ手術を選んだのだ。

 やがて、朝田は鬼頭に、荒瀬をバチスタチームに欲しいと告げる。優秀な麻酔医を探していた朝田は、ERにいる間、ずっと荒瀬のことを見ていて、その腕を高く評価していた。その後、朝田は伊集院に「お前がチームに必要だ」と言い、伊集院も深々と頭を下げる。一方、バチスタ手術の候補となる患者のカルテを見た加藤は、がく然となる…。


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