2010年10月08日

相棒 Season2 第19話

『器物誘拐』 (2004年3月3日放送)

 弁護士の桐本達彦(小木茂光)とその妻・雅江(久野真紀子)の飼う犬が誘拐され、犯人から身代金要求の脅迫状が届く。内村警視長(片桐竜次)はペットは器物なので誘拐ではなく窃盗事件にすぎないと特命係に捜査を押し付ける。

 犯人の要求に従い右京(水谷豊)らと雅江が身代金の引き渡し現場へ向かうが、犯人は時間を過ぎてもついに現れなかった。

 右京らが達彦に恨みがある人物がいないか調べると、以前彼の法律事務所に殴り込んできた男が浮かぶ。その男は達彦が弁護を担当した交通事故の裁判の遺族だった。ところが、右京らがその男の家を訪ねてみると……!?


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相棒 Season2 第18話

『ピルイーター』 (2004年2月25日放送)

 警視庁警務部勤務の湊とOLの里香の心中と思われる遺体が発見された。小指と小指を靴紐で結び、かみそりで頚動脈を切っていた。妻のある湊にとって里香は不倫相手。しかも無理心中とあっては警察にとって大スキャンダルになってしまう。上層部は心中ということで細かいことには目をつぶろうとする。

 そんな中、湊の上司だった大河内が特命係にやってきた。「湊が女と心中するとは思えない」という大河内は、右京と薫に調べて欲しいという。断れば聴聞会にかけられる可能性もある。右京らは大河内の依頼を引き受けることにする。

 改めて遺体を調べた右京らは里香の傷が自分でつけたものではないことを確認する。どうやら先に里香を殺してから、湊が自殺したらしい。これが無理心中ということになれば殺人事件だ。捜査一課の伊丹らも動き出す…。

 里香がアルバイトをしていた店のママによると、湊が里香に一目ボレし、二人の関係が始まったらしい。里香もすっかり湊に惹かれていたようだったが、肉体関係はなかったという。そんな2人がいきなり無理心中などするのだろうか?しかも、積極的だった里香からではなく、湊から無理心中を仕掛けるとは…。右京らは首をかしげる。

 事件を無理心中で立件しようとする動きの裏には上層部の権力争いが絡んでいるという情報も入る。様々な思惑が絡み合う中、捜査を続ける右京と薫は、現場検証の写真からホテルの部屋に湊と里香以外に誰かが来ていたことをつかむ。男と愛人、そしてもう一人となると、男の妻である可能性が高い。右京らは湊の妻・杏子が事件に深く関わっているのではないかと推理する。

 妻なら夫の浮気相手を殺す動機は十分ある。さらに自分を裏切り浮気をした夫自身のことも許せずに殺害してしまった。そして二人を無理心中したように偽装し、罪を逃れる…。そんな犯行を予想する薫だったが、右京は否定する。浮気相手を憎んで殺害した妻が、夫と浮気相手が愛し合っていたことを認めてしまうような心中を偽装するだろうか?右京は湊が自殺し、湊自身が心中を偽装したのではないかと考える。

 右京らは急いで湊の妻・杏子の自宅を訪ねる。が、杏子はいない。大河内も様子を見に来ており、三人は部屋の中を調べる。すると白い封筒が見つかり、中には杏子が書いたと思われる便箋が入っていた…。右京がその内容を読もうとしたその時、薫が杏子を発見する。風呂場で手首を切って絶命している状態で…。

 便箋には、里香を殺害したのは杏子だと書いてあった。あの日、杏子はホテルの部屋に湊と里香を別々に呼び出し、二人に別れるよう嘆願する。しかし逆に里香も杏子に対して湊と別れてほしいと言い出す。そしてその状況に耐えられなくなった杏子は、思い余って持っていた剃刀で里香の首筋を切りつけてしまったという…。杏子はしばらく呆然としていたが、湊に促され部屋から出る。そしてその後、湊は里香と無理心中を図ったように見せかけ、自殺したのだった…。

 杏子の死で、事件は終焉を迎えた。しかし右京は湊の自宅で杏子の死体が発見されたとき、大河内がベランダで一人泣いていたことに何か引っかかるものを感じる。我々は本当に事件の真相に辿り着いたのだろうか?そんな疑問を抱いた右京はあらためて大河内のもとを訪ねる。確かに手紙は杏子によって書かれたもので、その内容も事実である。ただ湊と里香の間に肉体関係はなかった。もちろんプラトニックな愛情を否定する気はないし、倫理観が邪魔したのかもしれない。しかしそれならば湊が里香のために自殺し、心中に見せかけるような真似までするだろうか。里香はカモフラージュでしかなく、本当は他に隠したい浮気相手がいたのでは。右京はそんな考えを大河内にぶつける。

「やつが女と心中するとは思えない」

湊と里香の死体が発見されたとき、大河内は右京にそう言った。普通に聞き流せば、それは湊が心中などするような人間じゃない、という意味に取れる。しかし “女性”とは心中しない、そういう意味だったとしたら?右京は湊の浮気相手は“男”だったのではないかと考えた。もしそうだとしたら妻である杏子にはどんなことをしてでも隠しておきたいはず。もちろんだからと言って事件の結果は変わらない。しかしもし本当にそうだとしたら杏子は勘違いで殺人を犯し、自殺してしまい、里香は奪われる必要のない命を奪われたことになり、二人の死はまったく浮かばれなくなってしまう…。

 そんな話を聞いていた大河内は湊の本当の浮気相手、それは自分だと告白する。男を愛した罪がこんな結果を招いてしまったのか、男を愛することは悪いことなのか。そう自問する大河内だったが、右京は大河内に対して愛することは悪くないと言う。そしてそのことを隠していたことも非難されることではない、と。しかし隠しておいたことが今回の悲劇を生んだことは間違いなかった。


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相棒 Season2 第17話

『同時多発誘拐 消えた16人の子供達』 (2004年2月18日放送)

都内各地で次々と子供たちが誘拐される事件が発生した。大規模なテロか!?警視庁も人手が足りなくなり、普段は仕事など回ってこない特命係の右京と薫も駆り出されることになる。

 事件は15人もの子供たちが誘拐されるまでに発展し、右京と薫は事件に巻き込まれた児童養護施設を訪れる。施設は学園長のちとせと副園長の則彦夫妻が経営しており、誘拐された純平君はちとせ夫妻の実子ではなく、施設に預けられた子供だった。そんな純平と同じような境遇の子供たちが心配そうに右京らを見つめている。犯人から要求された身代金は1億円。ちとせは警察の準備金に頼ろうとするが、数が数だけに手配できるかどうかわからない…。

 そして右京と薫が児童養護施設で待機していると、犯人から2回目の電話が入った。要求は「金をデイバッグに入れて都庁前の都民広場へ行け」というもの。犯人は金を運ぶ人間を女性に限定、都民広場にはデイバッグを抱えた女性たちが集合する形になる。そんな折り、被害者の一人で船村エリという女性の携帯に犯人から連絡が入る。新宿駅の高速バスターミナルからバスに乗れ、という指示だったが、行き先はバラバラだ。警察はそれぞれをマークすることにするが、そのとき母親が16人いることに気が付く。まさか犯人が紛れ込んでいるのか…?一瞬緊張が走ったが、どうやら警察に通報して来なかった被害者だったことが判明する。結局、16人もの子供たちが誘拐されたことに…。

状況を無線で確認した右京と薫は、バスに同乗しようとするがチケットは売り切れ。犯人が買い占めてしまったようだ。仕方なく右京らは捜査一課の伊丹らと共同戦線を張り、一緒に車でバスを尾行することに。バスにはちとせと伊丹らが担当する船村エリの2人だけ。そのときエリの携帯に「相模湖出口で高速を降りろ」という犯人の指示が入る。高速バスの行き先とは違うが背に腹は代えられない。ちとせとエリは運転手に直訴し、犯人の指示どおりに高速を下りる。

 しばらく行くと突如バスの中に煙が発生。回り込んでバスを止め、薫らは車内に飛び込んだが、ちとせとエリは保護したものの身代金がなくなっている。同時に運転手も姿を消していた。どうやら運転手が犯人だったらしい。まんまとしてやられた右京らは唇を噛むしかなかった…。

そして16人の子供たちは無事解放され、ちとせのもとにも純平が帰ってきた。結局、事件はちとせと船村エリの身代金だけを狙ったもので、他の誘拐は全て警察を攪乱するための捨て駒だった。船村エリの夫・船村音也は南急百貨店の副社長で、しかも事件には南急バスが使われていたことから、犯人は南急グループの関係者と見られる。そんな犯人側の思惑通りに事が運び、面目丸つぶれの警察は、唯一犯人を目撃しているエリとちとせの協力で似顔絵を作らせ、犯人逮捕に全力をあげる。ところが出来上がったふたつの似顔絵はまるで似ていなかった。

なぜそんなに犯人像が違うのだろうか。そんな疑問を抱きつつ、右京と薫は子供たちが誘拐された場所を検証してみる。すると、被害者の自宅は都内全域に広がっているにも関わらず、誘拐された場所は都内南西部に集中していた。警察の上層部は大規模な組織的犯罪と考えているが、この状況を見ると思ったより少ない人数で犯行が可能なのではないだろうか。

事件の概要についてちとせとエリの証言は一致していた。しかし犯人の似顔絵だけは違っている。右京と薫は鑑識課の米沢とともに事件に使われたバスで事件の流れを検証することに。すると、ちとせが書いた似顔絵には右眉上に大きなキズがあったが、ちとせとエリが犯人の顔を目撃したと思われる状況では犯人の右眉は見えないことが判明する…。

そんな折、なんと身代金が戻ってきたという連絡が入る。船村家の裏庭に段ボールに入れて投げ込まれていたらしい。しかし中身は4853万円しか入ってなかった。なぜ犯人はそんな中途半端な額だけ戻したのだろうか…。右京と薫はエリに話を聞きに行き、ついでに似顔絵の件も訪ねてみるが、エリは犯人の右眉のキズには気付かなかったという。と、そんなとき右京は誘拐されたことなどすっかり忘れ、無邪気に遊んでいるゆずる君がキーホルダーを持っているのを見かける。そのキーホルダーは事件のときエリが背負っていたデイバッグに付いていた物だった。確かデイバッグは犯人が持ち去ったはず。なぜゆずる君の手元に戻ってきているのだろうか…?

まさか犯人は…。右京と薫はちとせと則彦に話を聞くため、児童養護施設を訪れる。事件は大規模な組織的犯罪ではなく数人で可能だったこと、誘拐された純平君が解放されたときに自分の役目を果たしたから褒めてほしいと取れるような発言をしていたこと、実行犯であるバスの運転手がちとせと則彦が経営する児童養護施設の出身者であったこと、そしてエリがデイバッグに付けていたキーホルダーがゆずる君の手元に戻っていたこと…。右京と薫がそんな事実を立て続けにちとせと則彦にぶつけると、則彦は観念したように借金返済のために計画を企てたことを自白する。

それでもちとせは犯行を認めようとしなかった。養護施設がなくなったら子供たちがバラバラになってしまう。そんなツラい思いはさせたくない。ちとせはあなたたちにこの気持ちがわかるか、と右京に訴えかけたが、右京はにべもなく「わかりません」と答える。しかしそれはちとせたちの気持ちがわからないという意味ではなく、どうしてちとせたちが子供を誘拐された親の気持ちを考えなかったのか、それがわからないという意味だった。子供を誘拐された親たちは命が縮まるような思いをしたはず。そんなことにすら思いが至らなかったあなた方に子供たちの心配をする資格などない、そんな右京の言葉にさすがのちとせも観念する。

事件は養護施設を維持するための資金欲しさの犯行と大きく報道され、世間の同情を集めたが、結局施設は閉鎖されてしまうこととなる。子供たちはまたバラバラの生活を送らなければいけないが、大事なのは施設や家という入れ物ではない、たくましく生きていって欲しいと願う右京と薫だった。


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相棒 Season2 第15・16話

第15話『雪原の殺意』 (2004年2月4日放送)

 ある日、美和子と待ち合わせていた薫は、男から金をもらってホテルへ行こうとする女性を拘束した。その女性は北海道警が売春と売春斡旋で逮捕、公判を前に逃亡していた沙雪という女性だった。偶然とはいえ札幌地検へ沙雪を送り届けることになった薫。右京の許可をもらい、周囲から嫌味を言われつつも無事札幌へとやってくる。

 札幌では美濃部と北川という2人の刑事に沙雪を預ける。しかし、その途端に美濃部が沙雪に激怒。北川によると、美濃部は沙雪が中学生の時から補導していたらしい。沙雪の母・みどりからホストクラブの加茂内という男にだまされ、売春を始めるようになったと聞き、薫はさっそく加茂内のもとへ。しかしいくら問い詰めても証拠がなければどうしようもない。

 そして沙雪のそばにはいつも彼女の身を案じる大学の同級生・真二の姿があった。沙雪が学校を辞め、加茂内と付き合っていたことを気にかけているが、どうやら真二は沙雪に惹かれているらしい。その夜、薫は美濃部らと居酒屋へ行くが、勝手に捜査を進めていることをとがめられてしまう。それでも薫は順調に調査を進めていたようだが、突如行方不明になってしまった。美和子のもとには「調べたいことがあるからもう1日札幌に」という連絡があったきり。右京は薫を探しに札幌へ行くことになるが、そんなことが決まった矢先、薫から電話が入った。しかしろくに話もせずに電話は切れてしまう…。

 札幌へやってきた右京は薫が止まったホテルへ向かう。薫が泊まっていた部屋からはピンクビラが発見され、通話記録を調べるとビラと同じ電話番号があった。右京は以前、東京で世話をした薫の知人・栄一を呼び出し、彼のタクシーで薫の足取りを追う。薫が加茂内を訪ねていたことはわかったが、加茂内の店の男によると別の五十過ぎぐらいの男も加茂内を訪ねてきていたとか。薫の失踪と関係があるのだろうか?泥酔していた薫が帽子とサングラスをした男とタクシーに乗車した事実をつかんだ右京は、栄一の車で薫らが降りたという広大な雪原へ向かう。そしてその雪原の中央で右京は頭から血を流して倒れている薫を発見する。

 病院のベッドで気が付いた薫は、沙雪が加茂内に言われて売春していたことを証明しようとホテトル嬢を呼びつけて話を聞いていた、と右京に説明する。その中でホテトル嬢が暴力団らしい男に拉致されて拷問される、という騒動が続発している事実をつかむ。どうやら暴力団は加茂内を探していたらしい。そんな捜査を続けていた矢先、突然頭を殴られてタクシーに乗せられたのだとか。薫に調べられてはまずい人間の仕業に違いない。やはり加茂内を探していたという50過ぎの男の仕業なのだろうか…。

 そんな薫らの捜査のおかげで沙雪は釈放されることになる。母・みどりは沙雪に小樽へ帰ろうと声をかけるが、なぜか沙雪は「帰らない」と頑なに拒否する。みどりに訳を聞くと、沙雪の父が10年前に小樽で人を殺し死刑になったと告白する。苦しいながらも工務店を経営していた沙雪の父・恒夫だったが、仕事を回してもらえなかったことを恨み、とある業者の社長を射殺したのだという。以来、みどりと沙雪は小樽にいられなくなった…。

 右京と薫は沙雪の部屋を訪ねる。部屋にはコレッジョの画集が置いてあった。毎年美濃部刑事が誕生日になると送ってきてくれるのだという。用がないなら帰ってほしいと言う沙雪に右京と薫は加茂内の命が狙われていることを告げる。沙雪から加茂内が住んでいる場所を聞き出し、右京と薫は加茂内のマンションへと向かう。マンションの入り口で急いで出て行く何者かとぶつかるが、とりあえず加茂内の部屋へ向かうと、加茂内が死んでいた。部屋には金のボールペンが残されているだけ。マンションの入り口でぶつかってきた男が犯人なのだろうか?

 霊安室で加茂内の死を確認した沙雪はさすがにショックを隠し切れない様子。そんな沙雪を見た同級生の真二は沙雪を元気付けようと大学の近くの教会へ行ってみないかと誘う。一方、右京と薫は加茂内の部屋に残されていた遺留品を調べに、道南署の倉庫へと向かう。遺留品のリストをチェックしていると、なぜかボールペンが遺留品の中に見当たらない。リストに記載されているのに遺留品の中にないということは、署内でなくなったということになる。となると、まさか署内の人間が犯人なのだろうか?

 右京と薫は事情を聞こうと美濃部刑事のもとへ向かうが、なんと美濃部刑事は自宅で殺害されていた。部屋のテーブルには吸いかけのタバコと飲みかけのビール。しかし美濃部刑事はタバコもお酒もやらないはず。一体誰が?ふと薫は北川刑事がヘビースモーカーだったことを思い出す。そういえば美濃部刑事と北川刑事に沙雪を引き渡した際、北川刑事がボールペンを使ってサインをしていた…。右京が現場で見たボールペンは金色だったという。北川刑事が使っていたボールペンも金色だった…。

 加茂内を殺害した犯人は北川刑事なのだろうか。北川刑事は裏で加茂内の売春組織とつながっていたが、関係が発覚するのを恐れて加茂内を殺害した。美濃部刑事は遺留品倉庫で見つけたボールペンから加茂内殺害の犯人が北川だということをつかみ、そして自首するよう自宅で説得しようとしたが殺害された…。確かにそう考えるとつじつまは合う。そうなると加茂内とつながりのある沙雪の身が危ない。

 沙雪は真二と二人で大学の近くの教会へ行っているはず。右京と薫が急いで教会へ向かうと、まさに北川が銃で沙雪を狙っているところだった。しかし発射した弾丸は沙雪ではなく、近くにいた男に当たってしまう。薫はもう一度沙雪を狙おうとしている北川刑事を何とか取り押さえる。観念した北川は犯行を自供する。やはり北川は加茂内とつながっていた。そして加茂内との繋がりが露呈するのを恐れた北川は薫を襲い、犯人を加茂内に見せかけた上で加茂内を殺した。しかしたった今、銃で誤射した男に殺害現場を出るところを見られてしまったため、ボールペンを落としてきたことを見落としてしまう。そしてそのボールペンが現場から発見されたことで美濃部刑事に犯行がばれてしまい…。

 加茂内は以前、東京で懲役を受けており、そのとき独房で沙雪の父親を見かけ、沙雪の存在も知っていたらしい。そんな沙雪がたまたま加茂内のいるホストクラブに入り浸るようになるというのは、まさに運命の悪戯だったのだろうか。そんな事実を知り傷心の沙雪だったが、傍らで必死に真二がなぐさめていた…。

 一方、右京と薫は北川に撃たれた男が入院している病院へ向かう。ベッドにあるプレートからその男は「工藤伊佐夫」という名前であることを知る。この工藤という男は一体何者なのだろうか?なぜあの時、教会にいたのか?目を覚ました工藤から事情を聞こうとすると、工藤はか弱い声で「私は人を殺しました」と言う。


第16話『白い罠』 (2004年2月11日放送)
加茂内に情報を流していたのは北川刑事だった。その北川は加茂内を殺し、真相を知ってしまった美濃部も殺害。さらに沙雪に接近したところを、右京と薫が無事逮捕にこぎつけた。そのとき沙雪を守るように例の50過ぎの男が姿を現した。北川が放った銃弾で傷ついた男は工藤といい、「私は人を殺しました」という言葉を残し病院から姿を消してしまう。

工藤とは一体何者なのか。右京らは病室に残された「みどり」というマッチを手がかりに、その店を訪ねる。するとその店は小樽にある沙雪の母・みどりが営む小料理屋だったことがわかる。案の定、工藤はよく店に来ていた。そして常連となった工藤にみどりが沙雪のことを相談したらしい。それで工藤は沙雪の後を追うような行動をとったのだろうか…。

沙雪は真二の説得に応え、再び大学へ行くことになる。そんな様子を見届け安心した右京らは工藤の行方を追う。が、右京は真二の無償のやさしさに引っ掛かるものを感じ、札幌で真二の周辺を調べ出す。大学の学生課で調べると、真二が東京の名門大学から編入していたことがわかった。さらに美和子の調べで、沙雪の父が殺した被害者には息子がいたことも判明する。その名前は津村真二。父親を殺された後は母親の姓を名乗っているらしいが、その男はまさしく沙雪に近づいた真二に間違いない。ということは、復讐のために真二は沙雪に接近した!?

あわてて大学構内で真二と沙雪の行方を探す右京と薫だったが、そんな2人は何者かに殴られ倒れている工藤を発見する。どうやら真二に襲われたようだった。真二が沙雪に対して復讐をしようとしていることは間違いない。さらに工藤に正体を見破られ、かなりあせっているはずだ。追い詰められた真二はいったいどこで沙雪への復讐を果たそうとするだろうか…。右京はこれまでの経緯を思い返し、加茂内が死んで落ち込んでいる沙雪を真二が誘った教会に行き着く。そこは父親と兄が殺されたとき、真二が母親とともにいた教会。栄一のタクシーに乗り込み、右京と薫は急いで教会へと向かう。

二人が教会へ到着すると、まさに真二が銃で沙雪を狙っているところだった。止めさせようとする右京と薫に対して真二は、父も兄もまさか親しくしていた男に殺されるとは思っていなかったはず。だから自分も沙雪に自分を信じさせてから沙雪の命を奪いたかった、と言う。そんなやりとりを聞いた沙雪は、自分を撃っていい、などと言い出す。自分なんて生きる価値がないから、と。その言葉を聞いた真二は一瞬躊躇し、その瞬間薫が真二に飛びつき、間一髪で難を逃れる…。

私にはあながた一番苦しんでいるように見える。取り押さえられた真二に向かって右京はそう言った。沙雪も真二と同じようにあの事件で辛い思いをした人の一人。同じ苦しみを味わうなら、真二には“許す”という選択肢もあった。最後の最後で真二は沙雪を許したのだった…。たとえどんなに辛く、やりきれなくても、人はそうやって生き直さなければならない。倒れこんでいる真二に向かって、右京は最後にそう言った。

ようやく事件が収まり、右京と薫はあらためて工藤と会う。そして話を聞くと、なんと工藤は死刑囚だった沙雪の父親の担当看守で、さらに死刑を執行した刑務官だったという。さらに刑務官になる前は小樽で町工場を営んでいたとも。しかし不況の煽りで元請けから発注を切られ、倒産してしまったらしい。自暴自棄になり、自殺や元請けを殺害することも考えたが、親身になってくれる恩人がいて、なんとか刑務官の仕事に就くことができたという。そしてそれから二十数年後に沙雪の父と出会い、その経歴を読み、自分と同じ境遇だったということを知る。もしかしたら自分も沙雪の父と同じ運命を辿っていたかもしれない…。そんな思いから沙雪の父に感情移入してしまい、いろいろ話すうちに娘・沙雪の話も聞くようになる。しかしどんなに感情移入しようとも刑は執行しなければならない。そして最後の瞬間、沙雪の父に一言もかけてやれなかったことを今でも後悔しているという。

沙雪はそんな話を傍らで聞いていた。それに気付いた工藤はコレッジョの画集を沙雪に渡そうとする。沙雪の誕生日にコレッジョの画集を送っていたのは美濃部刑事ではなく工藤だったのだ。拘置所で沙雪の父と親しくなった工藤は沙雪がコレッジョの画集を欲しがっていることを聞き、沙雪に画集を送っていたのだという。そして最後の一冊となった今年、沙雪に会い全てを話そうとした。しかしみどりの店に通い、親しくなるうちに言い出せなくなってしまった…。そんな話を終え、工藤が沙雪にコレッジョの画集を渡そうとすると、沙雪はその手を払い、受け取ろうとしない。そして私なんて生きる価値がない、そんなことを言いながら走り去ってしまう。そしてみどりからももう二度と来ないで欲しいと告げられ、工藤は失意のうちに帰路についた。


来なければよかった、そんな後悔を胸に工藤は右京や薫とともに列車に乗り込む。工藤は三十年も死刑囚と手にかけてきた。そうすることで少しでも被害者の憎しみを晴らし、加害者の家族の苦痛を癒せると工藤は信じてきた。しかしそうではなかったのだろか?今までの自分の人生が否定されたような気持ちになる工藤。そんなとき列車がとある駅へ到着すると、ホームにコレッジョの画集を持った沙雪が立っていた。沙雪は列車を追いかけ画集を掲げていた。そんな姿を見た工藤は思わず号泣する。工藤の人生は否定されたわけではなかった。


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相棒 Season2 第14話

『氷女』 (2004年1月28日放送)

 久々の記録的な寒波に襲われた東京で会社員の池永という男の凍死体が発見された。都内では凍死者が続出していたが、池永の遺体は心臓まで凍りついていたという。鑑識の米沢からそんな話を聞いた右京は興味を示す…。

 調べを進めると、都内で発見された9件の凍死者のうち、心臓が凍っていたのは池永のみだったということが判明する。薫も首をかしげるが、捜査一課では事件性はないと判断。右京らはまたも独自で調べを始めるが、既に池永の財布を盗んだという男が拘束されていた。単なる昏睡強盗の仕業だったのだろうか?しかし男は倒れていた池永から財布を奪っただけで酒など飲ませていないという。しかも男が財布を盗んだときには、池永は汗をかいていたとか。心臓が凍りついていたのに汗を?右京らはますます悩みを深くする…。

 ひょんなことから池永の遺体はどこかで冷凍され、気温の上昇とともに体表面に結露したのが汗に見えたのではないかと推理できた。その謎が解けると、さらに米沢の報告で今朝の最低気温で内臓が凍るには3日はかかることが判明。となると、やはり他殺だろうか?右京と薫は勢いづいて捜査を進める。

 池永の妻・よしみから池永の行きつけの店を聞いた右京らは、その居酒屋の主人から取引先の水産加工会社社長・来栖と飲んでいた事実をつかむ。と、そこへちょうど池永の会社で働いているレナを連れた来栖が現れた。来栖は単なる仕事上の付き合いで、昨夜もこの店を出た後に会社へ戻ったという。そのとき別の常連客の貴和子が派手な洋服を着た女性と腕を組んで歩く池永を見かけたという。水商売風の女性だったらしいが、事件と関係があるのだろうか…。

 今のところアリバイのない来栖、そして大型冷凍庫があるスーパーの副店長をしている妻のよしみが怪しい。しかし貴和子が見たという水商売風の女性を誰も見ていないというのも気にかかる…。右京と薫は勤め先まで貴和子を訪ね、改めて詳しい状況などを聞く。大学の研究室で天然ガスの研究をしている貴和子は、あの店以外は詳しくないとか。仕方なく捜査の範囲を広げると、小さなバーに池永と水商売風の女が立ち寄っていたことがわかった。店のマスターによると、女性は金の結婚指輪をしていたという。結婚指輪ということは妻のよしみが変装していたのだろうか。池永に多額の保険金がかけられていたこともわかり、ますます怪しくなるが、池永の結婚指輪はプラチナ。どうやらよしみではないようだ。

 美和子の取材で4年前、池永と同期の益田という男がやはり凍死していたことが判明。益田はレナからセクハラを受けたと告発され退職していた。その事件は益田と昇進争いをしていた池永が仕組んだとの噂も。さらにレナと池永は特別な関係でもあったようだ…。右京と薫はレナに事実関係を確認するが、レナは池永の殺害を否定。そして右京のアクセサリーはしな;いのか、という質問に、金属アレルギーだから、と答える。

 レナはかなり怪しいが決め手がない。池永の血中アルコール濃度もそれほど高くなく、どうやら犯人はわざと池永に酒を飲ませず凍死の恐怖や苦痛を味合わせたかったらしい。ということは、池永に対してかなりの恨みを持つ者の犯行ということになるが…。

 右京と薫はあらためて池永と水商売風の女が立ち寄ったとみられるバーへ行き、マスターにレナの写真を見せ、確認を取る。しかしどうやら水商売風の女はレナではなかったようだ…。そこで右京はふと以前マスターが水商売風の女がライターを持っていなかったと証言していたことを思い出す。水商売で働いている女なら、商売道具ともいえるライターは必ず持ち合わせているはず…。目撃された女は、実は水商売に詳しくないのではないだろうか。

 しかも目撃された女の結婚指輪は日本では非常にめずらしく、わずか4%しかないという金のものだった。そういえば貴和子も金の結婚指輪をしていたはず…。右京と薫は貴和子のもとを訪ね、目撃された水商売風の女は貴和子だったのではないかと追求する。すると貴和子はあっさりと池永と不倫の関係にあったことを白状する。しかしそれ以上の情報は得られなかった…。

 さらに貴和子の身辺調査を進めると、彼女が独身であることが判明する。となると池永と貴和子は不倫の関係ではなかったということになる。もしかしたら4年前に死んだ益田は貴和子の夫だったのではないか。セクハラの濡れ衣を着せ、益田を死まで至らしめた池永を恨み、接近して殺害した…。そうだとすれば全て辻褄が合う。そうなると池永と不倫の関係にあったレナも危ない!右京と薫は急いで貴和子のもとへ向かう。

 貴和子が研究をしている大学で貴和子と接触した右京と薫はレナのことを聞くが、レナはたった今帰ったばかりだという。貴和子とレナは天然ガスの新型プラントについて話していたらしい。貴和子の研究内容はLNGだった。LNGとは液化天然ガスのことで、天然ガスをマイナス160度まで冷却し、液化するのだという。そんなLNGの研究をしている貴和子なら天然ガスを冷却する設備を自由に使うことも可能だ…。

 あなたの夫が益田だった、そして益田を死なせた池永に恨みを抱き殺害したのではないか、右京は貴和子にそう問い詰める。そして業を煮やした薫が冷凍設備を探し始めようとすると、貴和子は右京と薫を冷凍設備まで案内する。冷凍設備のある研究室まで行くと、まさにレナがそこに閉じ込められていた。薫が助け出そうとするが、貴和子はスイッチを入れてしまう。ジリジリと設備内の温度が下がっていく…。ライバルを蹴落とすためだけに夫を殺した池永とレナは死ぬべき。そう言い放つ貴和子に右京はふとこう言う。


「なぜ結婚指輪を外さなかったのですか?」


 貴和子はまだ益田を愛しているといるからだという。ならばこんなことはやめなさい!右京は強く言った。レナを殺してしまってはご主人の名誉を回復することは永遠に出来なくなる、こんなことをしてもご主人の無念は晴れない。右京のそんな言葉を聞いた貴和子は我に返ってロックを外す暗証番号を吐露する。間一髪のところでレナは助かった。

 死んだ夫が結婚指輪を通して、貴和子にそれ以上罪を重ねないように導いてくれた。右京はそう考えた。しかしどんな理由があろうと復讐は許されない。貴和子の心も今は凍り付いているが、いつか解ける日が来るはず。そう、終わらない冬などないのだから…。


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相棒 Season2 第13話

『神隠し』 (2004年1月21日放送)

  小学生の瑠奈(久保結季)が学校からの帰宅途中に姿を消した。しかし、瑠奈の自宅には電話一本入らず、営利目的の誘拐ではなさそうだ。さらに瑠奈が通っていた道々には、まるで暗号のように瑠奈が身につけていたと思われるものが残されていた。理髪店の看板に帽子、倉庫の扉の取っ手にマフラー、小さな祠の稲荷像の頭に手袋、パチンコ屋の店先の花輪にサスペンダー、絵画教室の生徒募集ポスターの上に靴下…。単なるイタズラか、それとも何かのメッセージか。改めて一つ一つを検証した右京と薫もただ首をかしげるばかり…。

 瑠奈が通う小学校へ聞き込みに行った右京と薫は、瑠奈の友人という少女から公園に住んでいる吉田というホームレスを訪ねろとアドバイスを受ける。友人によると、瑠奈の親友だという。さっそく吉田の“自宅”を訪ねた右京と薫だったが、吉田は瑠奈と仲が良かったと認めたものの、消息に心当たりはないらしい。実際、瑠奈の名前が入っている英語の教本まである。吉田によると、自分も英語をやり直そうかな、と言うと、あっさり渡してくれたのだという。吉田はそのお礼にぬいぐるみを瑠奈にあげたとか。そんな吉田と瑠奈が出会ったのは近くの教会。教会でシャワーを借りている吉田は、やはり教会に通っている瑠奈と親しくなったのだという。

 瑠奈は神父とも親しかったという吉田の証言を受けて、右京と薫は教会の神父・長谷川のもとへ。が、同じく長谷川を訪ねてきた捜査一課の伊丹らは、いきなり長谷川に少女への強制わいせつで服役した過去を明らかにする。どうやら伊丹らはその線から長谷川を訪ねてきたらしい。しかし長谷川も瑠奈については心当たりがないという。

 瑠奈の自宅を訪ねた右京と薫は、苛立ちを募らせる父・郁夫と憔悴した母・早苗に許しを得て瑠奈の部屋を見せてもらう。特にこれといった異変はなかったが、テレビもなければゲームなどの遊び道具が一つも見当たらないことが気にかかる。どうやら郁夫は瑠奈に対して厳しく接しているようだ。そして右京は吉田からもらったはずのぬいぐるみがないことにも気付く…。

 手がかりらしい手がかりは例の暗号のようなマーキング以外、何もない。行き詰った右京だったが、薫は改めて吉田を訪ね、長谷川神父について聞いてみる。吉田も長谷川を「穏やかな、いい人」と言うが、今朝はなぜかシャワーを借りようとしたが、壊れたからと断られたという。これまでに断られたことなど一度も無いのに…。薫はひっかかるものを感じる…。

 一方、右京は鑑識の米沢や角田課長と例のマーキングの謎を解こうとする。理髪店の看板に帽子、倉庫の扉の取っ手にマフラー、小さな祠の稲荷像の頭に手袋、パチンコ屋の店先の花輪にサスペンダー、絵画教室の生徒募集ポスターの上に靴下…。米沢や角田はさっぱり見当が付かないといった様子だが、右京はマーキングに使われた衣類の順番に目をつける。上から脱いでいくと、普通は帽子・マフラー・手袋・サスペンダー・靴下という順序になる。それらが置いてあった場所をその順序どおりに並べると、「理髪店」・「倉庫」・「稲荷像」・「パチンコ屋」・「ポスター」となる。そしてそれぞれ単純な言葉に変換してみると、「髪」・「荷」・「稲荷」・「玉」・「絵」。カミ・ニ・イナリ・タマ・エ…。少々訛ってはいるが、「神に祈りたまえ」と読み取れる。

 暗号が「神に祈りたまえ」とすると、やはり教会があやしい。右京と薫が再び長谷川神父のいる教会に出向くと、既に伊丹と三浦が来ていたが、どうやら瑠奈の姿は見当たらないようだ。右京と薫が長谷川に暗号のことを告げると、やはり暗号は長谷川が仕組んだものだったようだ。だが、右京によると長谷川は瑠奈を監禁していたということではないらしい。確かに瑠奈を監禁したならば、わざわざその場所を暗示するような悪戯はしないはず。そして教会では肝心の瑠奈の姿が見当たらない。教会にいないとなると、あと瑠奈が逃げ込む先として考えられるのはホームレスの吉田の家。薫が吉田の家に向かうと、案の定瑠奈がそこにいた。しかし瑠奈は帰りたくないという…。

 長谷川の話によると、瑠奈の心は壊れかけているという。母親に暴力を振るう父親、同級生の父親と不倫をしている母親。しかし一歩外へ出ると仲の良い夫婦を演じる両親。そんな状況に瑠奈は混乱し、真実がどこにあるかわからなくなってしまった。そんな状況を知った長谷川は、瑠奈の家に出向き、それとなく注意しようとしたが、二人は付け入る隙を見せず、結局核心には触れられなかったようだ。そして万策尽きた長谷川は瑠奈をかくまい、両親に大切な娘を失う恐怖を感じさせることによって、両親が更生してくれることを願った。それが今回の事件の真実だった。

 あらためて瑠奈の家に向かった右京と薫は両親に瑠奈が教会にいることを告げる。両親はさっそく教会へと向かおうとするが、瑠奈が帰りたくないと言っていることを告げ、事件の概要を説明した。それでも自分たちの非を認めようとしない両親に右京は一喝する。自分たちが変わる努力をしないと、瑠奈は戻らないと。さすがに改心した両親とともに右京と薫は教会へ向かい、そこで瑠奈と再開する。最初は抵抗した瑠奈だったが、自分たちが悪かったという両親に心を動かされ、家路に着いた。そんな両親と瑠奈の顔には希望の光が射していた。


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相棒 Season2 第12話

『クイズ王』 (2004年1月14日放送)

 休日の公園。薫に呼び出された右京は、いきなり公園の真ん中で薫に手錠をかけられる。驚く右京に薫は、向こうの要求でこうするしかない、と詫びる。どうやら何者かに脅迫されているらしい。すると、薫の携帯に犯人から電話がかかってきた。ボイスチェンジャーの声の主は右京を呼び出すと、自分の指示に従わなければ公園にいる誰かをライフルで無差別に撃つという…。
 
 実際に風船屋の風船をみごとに射抜いてみるなど、単なる脅しではなさそうだ。しかもどこにいるのか、右京のネクタイの柄を言い当てるなどすべてを見渡しているらしい。が、声の主の要求はクイズをやるという。右京と薫に交互に問題を出し、もし2人合わせて3問間違えたら、公園にいる人間を無差別に撃つという。そんなバカバカしい…。薫は怒りを露にするが、要求に従うほかない。

 数学、理科、地理など次々に出される問題に懸命に答えていく右京と薫。が、薫が2問間違えて窮地に追い込まれる。が、そのとき前方から巡査が自転車で近づいてきた。薫が「どうするんだ?」と声の主に聞くとなぜか「何が?」との返答が。あせる右京と薫だったが、なんとかやり過ごし再び“クイズ大会”へ。その後、薫も自信を持って答えられる簡単な問題が続きピンチを切り抜けていく。しかし、「円周率の小数点以下第151位の数字は?」というとても短時間では答えられない問題を出され、右京は「4」と答えたものの時間切れ。近くにいた男がライフルで射殺されてしまう。そして、狙撃地点と思われる場所の地面には円周率の数字が書き残されていた…。

 被害者は新進気鋭のデザイナーの佐々木だった。たちまち右京と薫の責任問題に発展しそうになるが、監察官の大河内が円周率の問題は明らかにわざと間違えさせるために出された問題だ、と指摘する。つまり犯人は最初から誰かを殺そうと企んでいたのでは、と推理。いずれにしても犯人は右京らに恨みを抱いている者に違いない。右京らは射撃の腕があり、恨みを買うような人間をリストアップするが…。

 それにしても犯人は2問間違えたあと、なぜ薫でも簡単に答えられるような問題を続け、最後に円周率の問題を持ってきたのか。もしかしてわざと3問間違えないように先延ばしにしていたのかも。さらに右京が間違える直前に公園に現れた佐々木が時計を気にしていたのも気にかかる。右京は佐々木の携帯を改めて調べ、何者かが佐々木を公園に呼び出したと推理。犯人は最初から佐々木を殺そうとしたものとにらむ。

 佐々木の妻・佳枝によると、事件当日、佐々木はタバコを買いにと家を出たという。が、佐々木の所持品にタバコはなかった。やはり何者かに呼び出されて出かけた可能性が高い。右京は佳枝から佐々木が結婚前に付き合っていた村瀬真奈美という女性から恨まれていたかもしれない、という証言を引き出す。

 真奈美は角田課長の息子が通っている進学塾の講師であり、同時に視聴者参加型のクイズ番組の女王でもあった。右京と薫がクイズ番組の収録現場へ行くと、軽く挑戦者を下した真奈美がプロデューサーに「相手が弱い」とこぼしていた。そんな彼女にプロデューサーも平身低頭。どうやらかなりお高くとまっているらしい。

 右京はそんな真奈美にずばり「振られた腹いせで佐々木を殺したのでは?」と迫るが、真奈美は平然と事件当日は仕事場の進学塾にいたと証言。ライフルを撃ったこともない、と右京らを煙に巻く。挑戦的な真奈美の態度に薫は怒り心頭。しかしアリバイも完璧なだけに手出しのしようがない…。だが、右京はその完璧なアリバイを崩そうと狙撃現場へと向かう。

 右京と薫は犯人が狙撃場所として使ったと見られるビルの屋上に行き、あらためて現場を検証する。右京と薫が犯人のクイズに答えている最中に、近所の交番の巡査が自転車で近寄って来たが、狙撃場所からはその様子が良く見える。しかし犯人は薫が「どうするんだ?」と問い掛けたにも関わらず、巡査が近寄ってきたことに気が付いてなかったようだった。こんなにもハッキリと見える場所にいるにも関わらず、なぜなのか?

 真奈美の身辺調査を進めると、どうやら彼女はエリート街道まっしぐらというわけではなかったらしい。東京大学を卒業後、大手企業に勤めたが、そのプライドの高さが邪魔し、周りの人間とまるでコミュニケーションが取れず、半年でクビになっていた。そして佐々木が開いていた個展に行った真奈美は、初対面の佐々木にその場でいきなり交際を申し込んだという。しかしまたしても真奈美の性格が災いし、二人の関係は長く続かなかったようだ。そして真奈美は自分を振った佐々木に恨みを抱いたようだった。

 右京と薫は真奈美を呼び出し、再び狙撃場所と見られるビルの屋上に行く。そこで右京は真奈美に自分の推理をぶつける。真奈美は進学塾の自分の部屋で右京と薫に電話していた。狙撃したのは真奈美ではなく、真奈美が雇った狙撃手だった。狙撃場所にはビデオカメラを設置し、真奈美は進学塾の自分の部屋からパソコンでそこから送られてくる映像を見ていた。そうすればあたかも狙撃場所にいるようなふりをして、他の場所から電話をかけることは可能になる…。

 それを聞いた真奈美は単なる推測に過ぎないと一蹴するが、さらに右京が追求すると、真奈美は佐々木を狙った動機を話し始める。やはり真奈美は自分を振った佐々木を恨んでいたらしい。そして右京たちを利用したのは、以前とあるバーでたまたま居合わせた右京に自分の間違いを指摘されたことを根に持っていたからという。エリートコースを外れている右京に自分のプライドをズタズタにされたことが許せなかったらしい。

 そして事件の概要がすべて判明した後、右京は真奈美に「溜飲を晴らせましたか?」と訪ねる。すると真奈美は得意顔で「溜飲は“晴らす”じゃなくて“下げる”よ!」と言う。そして自分は逮捕されるが右京には勝った、誇らしげに言った。しかしどうやら右京はわざと言い間違えたようだった。真奈美に残った唯一のプライドまで奪う必要なないから、と。


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相棒 Season2 第11話

『秘書がやりました』 (2004年1月7日放送)
  衆議院議員・蜷川輝政(十貫寺梅軒)の変死体が産廃処理場から発見された。遺体は両手、両足など5つに切断された上にまっ黒焦げ。鑑識の米沢(六角精児)から写真を見せられた薫(寺脇康文)は思わず目をそむけるが、右京(水谷豊)は冷静に分析し始め、さまざまな角度から撮られた写真を見つめる。

 どうやら政治家の汚職を常に追及していた蜷川は、かつて暴力団に襲われて重傷を負ったこともあるらしい。今回も事件が明るみになってまずい関係者による謀殺という見方が有力なようだ。しかし、右京は蜷川の遺体そのものに疑問を抱く。切断するのも、焼くのも、遺体の身元を特定しにくくするため。なぜ犯人は見ただけで身元がわかるぐらい中途半端に燃やし、せっかくバラバラにした遺体をまとめて捨てたのか…。

 蜷川の事務所を訪れた右京と薫は、三峰涼子(室井滋)、吉池昌夫(菅原大吉)、風間ひさし(木下政治)という3人の秘書と対面。議員バッヂについて質問する。「バッヂ?」訝る涼子らに右京は、蜷川の遺体に議員バッヂがなかったことを指摘。蜷川の息子・輝明(久松信美)も背広なら必ずつけるほどバッヂを誇りにしていたのに、と首をかしげる。秘書たちは一様に心当たりは無いというが、本人が取ったのでなければ犯人が持ち帰った可能性が高い。が、謀殺事件なら逆にバッヂをつけておいた方が効果的なはず。右京は改めて「謀殺事件とは思えない」と涼子らに告げる。

 父の後継者として出馬が決まった輝明に励まされ、右京らが事務所を出ようとすると、蜷川の妻・るみ子(今 陽子)が事務所にやってきた。「あたしに見られるとマズイものでもしまいこんでいるかと思って」と、引越しのため荷物を詰めた段ボールを引っ掻き回している。輝明は右京らの視線を気にしてあわてて止めるが…。

 依然として判然としない蜷川の死因に、右京は急性心不全などで急死したのではないか、と推理する。だとしたら、犯人は殺人のように見せたかったということになる。可能性としてなくはないが、なぜ犯人はそんなわざわざそんな危険を冒したのか…。薫の疑問にさすがの右京も「わかりません」というほかない。

 それにしてもるみ子が言っていた「マズイもの」とは一体何なのか?右京らは直接るみ子に質問をぶつけると、浮気の証拠を探していたのだという。浮気をしていても秘書の涼子がすべて証拠を隠していたとか。るみ子は議員秘書など議員のためなら妻も欺くし、世間も欺く、場合によっては議員本人を欺くこともある、と吐き捨てる。永田町の常識は世間の非常識…。その言葉を肝に銘じておけば事件も解決する。そんなるみ子の言葉に、右京らは謎を解くカギを感じる。

 右京と薫は再び三峰とともに事件が起こったホテルを訪れ、三峰に蜷川が拉致されたとされる状況について問い質す。どうやら蜷川は「お勉強の時間」と称して、ホテルの別の部屋で愛人と過ごしていたらしい。しかしいつもは長くても2時間くらいで戻ってくるにも関わらず、その日に限っては3時間以上経っても戻ってこなかったという…。

 そんなやり取りをしていると、三峰の携帯に吉池から電話が入った。吉池たちも警察の人間と話しているという。右京たちがそこへ向かうと、警察の人間というのは伊丹(川原和久)と芹沢(山中たかシ)だった。とあるマンションの一室でホステスの死体が発見されたのだが、なんとそのホステスの銀行口座に蜷川の事務所から500万円振り込まれていたという。三峰によるとそれは“手切金”とのこと。どうやらそのホステスは蜷川の愛人で、蜷川が拉致されたときに一緒にいたのでは?しかも手切金が振り込まれたのは、なんと事件当日だったという…。

 「主人に酷いことした連中」。その言葉の意味がわかった右京は薫とともにあらためてるみ子のもとを訪ねる。やはり死んだホステスは事件の当日、蜷川と一緒にいたらしい。しかも蜷川は拉致されたのではなく、心臓麻痺による死亡、いわゆる“腹上死”だった。世間体の悪い亡くなり方なので、もちろん公表は出来ない。ホステスの口座に振り込まれたお金も“手切金”ではなく、いわば“口止め料”。そして本来ならばそのまま執務中の突然死とでも公表すれば済んだはず。しかし秘書の三人は逆にその死を汚職追及の末に報復を受けた悲劇のヒーロー像を作り上げるために利用した…。

 やはり永田町の常識は世間の非常識だった…。しかしならばなぜホステスは事務所から多額の“口止め料”が支払われているにも関わらず殺されなければならなかったのか。少なくとも秘書の3人が殺す必要はない。なんとホステスを殺したのはるみ子だった。

 蜷川の浮気の証拠を掴んでいたるみ子はその相手知りたさに、ホステスのもとを訪ねた。口止め料が支払われていることを知り、秘書たちが何を企んだのかを理解した。しかしホステスはそこで話が違う、警察へ行くと言い出す。それを聞いたるみ子はとっさにホステスを黙らせないと、と思い近くにあった壷でホステスを殴り殺してしまったという…。るみ子は、その時“妻”の立場でいられたらこんな馬鹿げたことはしなかったという。“議員の”妻ではなく…。

 「まるで異星人」。薫は三峰やるみ子たちのことをそう言い放った。しかし右京はこう答えた。

 「向こうもそう思っていますよ。どうしてあの人たちには理解できないのだろうかって」


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相棒 Season2 第10話

『殺意あり』 (2003年12月17日放送)

 とある個人経営の外科病院で手術中に患者が死亡するという騒動が起きた。執刀医の手術ミスという噂も聞かれたが、死んだのは執刀した青木周作医師(鶴見辰吾)の実の父・征十郎(梅野泰靖)。これでは訴訟にもならず事件にはなりそうにないが、なぜか右京(水谷豊)は興味を示す…。

 周作を取材しようとして断られた美和子(鈴木砂羽)のもとに、周作の病院に勤める外科医・小林(坂上忍)から電話が入る。小林は迷った挙句、征十郎の死は周作による手術ミスが原因だと言い切る。小林によると征十郎の死因は、周作が動脈を傷つけたことによる出血多量。小林のフォローも間に合わなかったという。なぜ今さら、という右京らの問いに小林は、過去に2度も医療事故を起している周作は医師免許を返上すべきだ、という。

 美和子とともに取材記者を装い、小林からそんな話を聞いた右京と薫(寺脇康文)だったが、右京は「もし自分が患者なら過去に2度もミスを犯した医師に手術など頼むだろうか」と疑問を口にする。征十郎はなぜ腕がいいと評判の小林に執刀を頼まなかったのか。そんな疑問を直接小林に聞くと、本来は小林が担当だったのだが、手術を始めると同時にめまいに襲われ倒れてしまったという。そこで周作が急遽代理で執刀することになったのだが…。小林は痛恨のきわみと嘆く。

 が、そんな疑惑が渦巻く中、当の周作は院長におさまると不遜な態度を取り続ける。今回の手術に関しても「どんな簡単なオペでも常に死と隣り合わせ」と言い放ち、責任など感じている様子すら見えない…。

 周作が先物相場に手を出し、多額の借金を作っていたことがわかった。周作の父・征十郎はかなりの資産家。死ねば借金を返せるだけの資産が周作に飛び込んでくるはずだ。

 確信を抱いた右京らは、改めて小林にめまいの原因は何だったのかを聞きに行く。すると小林は以前、周作と征十郎が財産のことでもめているところを目撃したという。そして征十郎は周作のために遺産など残さないと言っていたとも。これで動機がはっきりしたが、だめ押しするかのように小林は手術前、周作に呼ばれてコーヒーを飲んでいたことも判明。小林のめまいはそのコーヒーにもられた薬か何かが原因だったのではないか。ということは、周作の行為はミスではなく意図的な殺人だった!?

 右京らはなんとかその事実を裏付ける証拠を探そうとする。あらためて周作のもとを訪ねるが、人を食ったような態度ではぐらかされてしまう。それでも右京と薫はコーヒーが怪しいと踏むが、証拠がなければ手も足も出ない…。何とかして手がかりを探そうとする右京はある書類を入手することに成功し、コーヒーが怪しいことは怪しいが、それを飲んだのは小林ではなく周作の方ではないかと推理する。

 武蔵野青木外科医院に向かった右京と薫は屋上で看護婦の恭子(林美穂)と対峙していた。確かにコーヒーが怪しい。しかし目の前で細工するのは難しい。となるとそのコーヒーを運んできた人物−、つまり恭子が怪しい。しかもなんと恭子は小林の妹だということが判明する。

一方、手術室では周作が小林に詰め寄っていた。親父は本当に助からなかったのか、と。それに手術中に感じた倦怠感、そして眩暈…、今考えてみるとどれも普通じゃなかった…。しかし目の前で父親が腸を見せた状態で横たわっている。途中でオペをやめるわけにはいかなかった…。示し合わせたように二人とも体調不良なんておかしいんじゃないか?本当に手遅れだったのか?親父はもう助からなかったのか?周作は小林の首筋にメスを突きつけながら、そう詰め寄った。

 と、その時ドアが開き、右京たちが看護婦の恭子とともに手術室に入ってきた。周作は手を止め、昨夜すべてを思い出したと言う。小林と恭子は周作の医療過誤によって命を落とした小林賢三郎の息子と娘だったという。小林は妹の恭子と協力し、周作のコーヒーに細工をし、手術を失敗させようとした。父親を殺された恨みを晴らすために…。

 小林が外科医の道を選んだのはひとつの命を奪うためだった。復讐する心は途方もないエネルギーに支えられていた。虚しいエネルギーに…。


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相棒 Season2 第9話

『少年と金貨』 (2003年12月10日放送)

 ある夜、薫(寺脇康文)は子供を脇に自動販売機の前で這いつくばっている男を見つける。まさか自販機荒らしか!?薫がその男から事情を聞くと、息子がジュースを買おうとしてお金を自販機の下に落としただけだという。それなら、と一緒に自販機を持ち上げると、下からは単なる硬貨ではなく金貨が。意外な展開に驚く薫をよそに、男は「あった!」と金貨を掴むとすばやく走り去っていってしまった…。

 薫はなんとか走り去った男・小田島(入江雅人)を捕まえ、息子の雅彦(須賀健太)とともに近くの交番へと連れて行き、事情聴取をする。「自分のコレクションだ」と繰り返す小田島をよそに、薫は自分のカメラ付き携帯電話で金貨の写真を撮り、右京(水谷豊)の携帯電話に送信。その価値を見てもらう。すると、その金貨が市場では約2000万円で取り引きされている明治時代の旧20円金貨であることが判明。さらに近くでコインコレクターの倉野(大木史朗)が殺害されるという事件もあったらしい。もしかすると小田島が倉野を殺し奪ったのかもしれない…。右京から指摘された薫は小田島を拘束しようとするが、電話をしている間に小田島は雅彦を置き去りに逃げてしまう…。

 犯行現場を調べると、「刀幣」という中国の戦国時代に作られたもの以外は、犯人がコインなどほぼ全部のコレクションを奪っていっていることが判明。コインが傷つくこともいとわず、ショーケースを叩き割っていることから犯人はコインにあまり詳しくないのかもしれない…。一方、小田島の部屋からは倉野のコレクションが大量に発見された。リストラされた後、妻にも逃げられた小田島は家賃も滞納。エアコン取り付けのアルバイトで訪ねたことがある倉野の屋敷を狙ったらしい。すると、そのとき雅彦のPHSに小田島から電話が入る。小田島はコレクションを盗んだことは認めたものの、倉野の殺害については容疑を否認する。そしてそのまま電話を切ってしまう。結局、薫は残された雅彦を預かることになる…。

 翌日、右京は貨幣博物館館長・松金彰子(田島令子)を訪ねる。世界コイン・コンベンションのため、倉野にも希少コインの出品を頼んでいたという松金。右京の質問に刀幣の価値は1〜2万円とそれほど高くはない、と答える。とすると、犯人は刀幣の価値が低いことを知っていてあえて現場に残していったのではないだろうか?もしかして犯人は古銭に詳しい者なのでは…!?

 雅彦を連れて聞き込みに行っていた薫は、リストラされる同僚のために自ら退職したり、連れ子の雅彦をかわいがったりという小田島の素顔に触れ、小田島には人殺しなどできないのでは、と思うようになる。また倉野と取引のあった古銭商の田淵(岡崎二朗)という男が盗品を扱っている可能性もあり、事件当日のアリバイもなく怪しいが、確証はない。そしてその田淵が旧20円金貨など扱ったことがない、と証言したことから、倉野の持っていた旧20円金貨が盗難品だった可能性も出てきた。右京らは本物か否か調べるため、現在日本にある全ての旧20円金貨について調べるが、すべて本物であることが判明。ということは、小田島が持って逃げた金貨が偽物だったのだろうか…。

 雅彦を心配した小田島がまたも電話をかけてきた。右京から奪った旧20円金貨がどこにあったのか質問された小田島は「テーブルの上に…」と証言する。ということは、倉野は金貨をはさんで何者かと商談しているときに殺されたということなのだろうか?しかしまたしても小田島はすぐ電話を切ってしまう…。残された雅彦は薫とともに薫の家に帰るが、さすがに父親がいなくて寂しいのか、途中で泣き出してしまう…。

 古銭商の田淵は以前、裏のマーケットを仕切っていたということがわかりますます怪しくなるが、なぜか右京は渋い顔…。同時に捜査一課は小田島の指名手配書を作成しようとしていたが、右京はその作業を止めさせる。そしてあらためて貨幣博物館館長の松金彰子を訪ね、金貨を持って逃走中の犯人が接触してきたら、連絡をほしいと伝える。

 そんな折、小田島がまた雅彦の携帯電話に電話してくる。相変わらず雅彦を引き取りに来る気配はなかったが、なにやら右京は小田島にあることを相談する…。そして小田島は松金に珍しい金貨を持っているので取引きしてほしいと電話し、公園で会う約束を取り付ける。松金は約束通りに公園にやってきて、小田島と接触する。するとすぐさま待ち伏せしていた右京らに取り囲まれるが、松金は小田島が犯人だから捕まえてほしいと言い出す。しかしなぜ指名手配もされていない小田島を犯人だと決め付けられるのか?殺人現場で小田島を目撃していない限りわからないはず。観念した松金は殺人を自供する…。

 子供を留学させるために多額の費用が必要となった松金は博物館で展示している旧20円金貨を偽物とすり替え、倉野に売り渡す。だが世界コイン・コンベンションが近づき、偽物を展示しておくわけにはいかなくなった松金は倉野に展示期間中だけでも良いからコインを返してほしいと頼む。それを拒んだ倉野と言い合いになった松金はナイフで倉野を脅し、金貨を取り戻そうとするが、勢い余って殺害してしまったようだ…。せっかく掴んだ留学のチャンスをフイにしたくなかった、松金はそう言うが、右京は人の命を奪ってまで伸ばすべき才能なんてない、と諭す。

 殺人の容疑が晴れた小田島は警視庁に出頭し、ようやく雅彦と再開する。しかし窃盗の容疑で結局逮捕されてしまう。小田島は雅彦の安否を心配するが、そんな心配をよそに雅彦は小田島の釈放をいつまでも待っていると言う。そんな言葉に感動した小田島は涙ながらに連行される…。本当の子供じゃなくても、たった一人の家族―――。薫が小田島に言い放ったそんな言葉が胸に響く。


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相棒 Season2 第8話

『命の値段』 (2003年12月3日放送)

 大企業・神田グループのトップ、神田喜一(中原丈雄)が人を殺したと自ら通報してきた。酔っていたため記憶ははっきりとしないが、庶民的な飲み屋が並ぶ人生横丁で行きずりの男をビール瓶で殴り殺してしまったという。

 しかし神田ともあろう人間が庶民的な人生横丁などで酒を飲むのだろうか。不審を抱いた右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)とさっそく聞き込みを始める。が、どの店にも神田がやってきたという形跡はない。神田の妻・礼子(五十嵐五十鈴)の話では神田が家を出たのが深夜1時ごろ。自宅から人生横丁まで車で1時間はかかるが、人生横丁の店は遅くても深夜2時には閉まってしまう。ということは、神田は人生横丁で酒など飲めるはずがない…。

 さらに右京らは被害者の久保田(吉満涼太)が勤務していた保険会社を訪ね、久保田が神田の息子・陽一郎(村内貞介)の死亡事故の示談を担当していた事実をつかむ。陽一郎は5人のうち2人が死亡するモーターボートの事故に巻き込まれて死亡していた。しかし既に賠償額3億円で示談は済んでいるようだった。

 そして右京と薫は神田にすべての事実をぶつけると、神田はあっさり意図的な殺害だったことを自供。「たった一人の跡取り息子の賠償額がたった3億だったから」と動機を説明する。これで事件は解決、と手柄にしようとする薫だったが、右京はなぜか納得していない。賠償金の額に不満があれば、示談に応じる必要はないはず。保険会社の関係者も、なぜ神田が今さら…と首をかしげる。ただ、陽一郎といっしょに亡くなった辻篤志(村内貞介=二役)という青年の方はまだ示談が済んでいないことが判明。右京らは篤志の母親を訪ねることにする。

 篤志の母・真理子(麻丘めぐみ)は人生横丁で飲み屋を経営。示談が済んでいないことを聞くが、まだお金のことなど考えられないから、と素っ気無い。が、店に飾ってあった篤志の写真が陽一郎と似ている、という薫の言葉にヒントを得た右京は、神田と真理子がかつて恋人同士であり、篤志が神田との間に出来た子供だったことをつかむ。

 そんな事実を真理子にぶつけると、真理子は神田が事故のあと自分たちを捨てた罪を償いたいとやってきた事実を明かす。しかし、母子そろって捨てられた恨みはそう簡単に晴れるものではない。真理子はすげなく追い返したが、事件があった日もしつこく神田は店に来たという。やはり神田は誰かをかばって殺人を自供したに違いない。右京らは再び神田を訪ね、事件の真相を聞き出そうとするが、神田は殺したのは自分だと言い張る。

 特命係に戻った右京と薫はテレビで一連の神田喜一に関するニュースが流れているのを見る。その中でアナウンサーが神田の息子・陽一郎の示談金が2億5千万円近くになると言っている。ということは同じ事故で亡くなった篤志にも同じ額の示談金が支払われるのだろうか…。そのニュースから右京は重大な手がかりをつかみ、薫とともにあらためて真理子のもとを訪ね事件について追求すると、真理子は観念したように自白を始めた。

 真理子は計画的に久保田を呼び出し、殺害したという。そして神田がたまたまその現場に鉢合わせ、一緒に死体と凶器の破片を運び出し、そして神田は真理子の代わりに自首したのだという。そして真理子が久保田を殺害した理由、それは神田の息子・陽一郎と自分の息子・篤志の示談金の差だった。神田の息子・陽一郎の示談金が2億5千万円近くなのに対し、久保田から提示された自分の息子・篤志の示談金は2千5百万円ほどだった。まったく同じ事故で同じ年の人間が死んだにも関わらず、示談金は10倍も違う…。しかも実は二人とも同じ神田喜一の子供…。その事実に耐えられなくなった真理子はとっさにそばにあったビール瓶で久保田を…。

 お金がほしかったわけじゃない。ただ自分の子の命の値段を勝手に決められて、しかもそれが神田喜一の息子の10分の1。二人は同じ男の子供だというのに…。しかしそれが人を殺害する理由にはならない。それに神田に罪を着せたその瞬間、あなたは息子の命を利用したのではないか。そう言われた真理子は愕然とし、その場に崩れてしまった…。

 そして真理子が自首し、神田喜一は釈放されることになる。神田はなぜそのまま自分を犯人にしてくれなかったんだと憤慨する。神田は昔裏切ってしまった真理子へのせめてもの償いを果たしたかったらしい…。しかし自首しようと思ったその瞬間、やっと神田は篤志の真の父親になれたのではないか。右京がそう神田に告げると、神田の目は涙で一杯になった…。


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相棒 Season2 第7話

『消えた死体』 (2003年11月26日放送)

 薫(寺脇康文)のもとに真子(宮沢美保)が久しぶりにやってきた。

「私…、あの人と別れようと思って…」

 思いつめたような表情でそういう真子は、以前薫がヤミ金融で悪事を働いていたところを逮捕した栄一(マギー)と結婚。真子は改心した栄一と北海道の実家で農業を手伝っていた。が、真子によると栄一は半年前に友人と事業をやるからと上京してしまったという。しかし栄一は予想通り事業に失敗。またヤミ金の世界に舞い戻ったらしい。未練を残しながらも別れる、という真子を、薫は「あいつの目を見て確かめるから」と、思いとどまるよう説得する。

 さっそく栄一のアパートを訪ねた薫は栄一に説教を始めるが、その栄一から逆に相談を受けるはめに。阿部賢(内野智)という男の部屋へ取り立てに行くと、部屋でその阿部らしき男の死体を発見。死体の手には自分たちの取り立ての悪口を書き連ねた遺書があった。栄一はその遺書を奪い取り、社長の多治見(若松武史)に報告。しかし「まさか取り立てに失敗したんじゃないだろうな…。阿部が死んだ証拠を見せろ」と言われてしまい、証拠写真を撮りに再び部屋に戻る。すると、なぜか死体がなくなっていたという…。このままでは多治見に何をされるかわからない。真子と今度こそやり直すから、と栄一に泣きつかれた薫は渋々調べることに。

 しかし薫が調べた範囲では、栄一が死体を見たとされる日に自殺もなければ、変死体記録も監察医務院の記録もない。栄一が見間違えただけでは…。薫は疑いつつも葬儀屋を営む阿部の自宅を訪ねる。阿部の妻・由紀子(宮地雅子)によると、ここ数日阿部は帰宅していないという。阿部が死んだかもしれない、という薫の言葉にも由紀子は「そうですか」と平然とした態度。栄一らの悪質な取り立てに苦しんだこともあり、夫には愛想を尽かしているらしい。そんな由紀子に薫は栄一の悪質な取り立てに対する被害届を出すよう勧めるが、もうそっとしておいて、となぜか消極的だ。

 万策尽きた薫は右京(水谷豊)に相談し、捜査に協力してもらうことにする。右京の質問で栄一が阿部と面識がなかったことが判明。ということは、栄一が見た死体は阿部ではなかった可能性もある…。そして予想通り阿部の写真を改めて見た栄一は死体が別人であると証言。どうやら阿部は厳しい取り立てから逃げるため、偽装自殺を図ったらしい。身代わりの死体を用意できるとしたら、葬儀屋を営む由紀子があやしくなる。しかし、由紀子は借金まみれの夫を憎んでいたはず。そんな夫のために危険な橋など渡るだろうか。疑問は残りつつも薫は右京とともに由紀子をマークすることにする。

 由紀子から栄一が死体を見た日に行われた葬儀を聞き出し、その家を訪ねて祭壇の写真を見せてもらう。どうやら差段の種類は葬儀屋が決めたらしい。その祭壇はよく見ると棺の上に祭壇がのっており、非常に珍しい形式だった。

 あらためて葬儀屋を訪れた右京と薫は、そこで由紀子に対してその葬儀の内容を追求する。由紀子は祭壇を組む際、遺族を部屋から出て行かせていた。そこで阿部と由紀子は遺体の入った棺とあらかじめ用意していたカラの棺をすり替えた。そしてその遺体を阿部が自殺したように見せかけるために利用し、栄一はそれを阿部の死体と思い込んでしまった…。翌日の葬儀が終わったあと、出棺の際に遺体の入った棺を元に戻し、事なきを得た。そのように右京は推理する。しかし証拠がない…。

「必ず用意します。」

右京はそう言い、葬儀屋を後にする。しかし本物の棺とすり替えた棺はどこに行ったのだろうか。処分するには人目に付きすぎる。だとすれば、その棺はまだ葬儀屋にあるのでは…。

 翌日、真子から電話を受けた薫は右京とともに真子と会う。真子は薫に離婚届を差し出し、栄一に渡してほしいという。薫は必死に思いとどまるように説得する。そこでふと真子が言う。

「私たちに子供でもいれば、違っていたのかもしれませんね…」

右京は子供という言葉に反応する。葬儀を行った八木家には幼い子供がいた…。何か手がかりをつかんだ様子の右京は薫とともに葬儀屋を再度訪れる。そして棺が保管されている倉庫に行き、多くの棺の中にひとつだけ小さく奇妙なマークが書かれている棺を発見する。どうやらこのマークは葬儀を行った一家の子供が書いた落書きのようだ。となると、この棺は葬儀を行った八木家にあったことになる。決定的な証拠を突き付けられた由紀子はさすがに観念し、罰当たりなことをした…、と犯行を白状する。

 そして右京と薫が由紀子と栄一とともに倉庫を出ると、そこに栄一が働くヤミ金融の社長・多治見が現れる。その男は以前右京が名曲喫茶で出会っていた男だった。名曲喫茶で出会ったときは多治見と話があった右京だったが、犯罪者のことが許せない右京はその場で多治見のことを脅迫容疑で逮捕する。そして栄一は晴れて自由の身となる。

 その後、栄一も脅迫容疑で逮捕されるが、執行猶予がつきすぐに釈放される。阿部夫妻も死体遺棄と詐欺容疑で逮捕されたが、おそらく執行猶予がつくとのこと。とりあえず万事解決した栄一は薫と右京に真っ当な仕事を探してやり直すという。そんなやり取りをしているところへ真子が現れる。真子ももう一度栄一とやり直す決意をしたらしい。そして栄一と真子は右京と薫に頭を下げ、幸せそうな笑顔で歩いていった。


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相棒 Season2 第6話

『殺してくれとアイツは言った』 (2003年11月19日放送)

  小野田官房長(岸部一徳)の同級生で人気犯罪小説家の菅原英人(大杉漣)の自宅に、脅迫状と切断された人間の指が送りつけられるという事件が発生した。前日、ラジオで「誰かに命を狙われてみたい」などと不用意な発言をしたことが原因らしい。小野田からの依頼を受けた右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は事件を担当することになる。

 自宅を訪ねた右京と薫は、命を狙われているかもしれないというのに不遜な態度をとる英人に出迎えられる。そんな英人を心配して小野田に相談したのは妻の珠江(結城しのぶ)のようだった。何事にも図々しい英人と違い、珠江は「主人がご迷惑をおかけします」としきりに頭を下げる。

 右京と薫は本人からの依頼もあり、英人の身辺警護をすることに。サイン会を終え、小野田と4人で飲みに行くと、自分が狙われていることなど忘れたかのように英人はホステスを相手にはしゃいでいる。そんな様子を見ながら、小野田は英人が売れないころ珠江がずっと苦労させられてきたと言う。

 泥酔した英人を送り届け、外で見張りを続けた翌朝。送られてきた宅配便を開けた途端、爆発した爆弾で珠江が死亡した。単なる脅迫事件は殺人事件に発展。警護しながら死者を出してしまった右京と薫は、捜査一課から批判されることに。

 爆発した宅配便は珠江の実家を装って出されていたことが判明した。爆弾の仕組みもプロ並み、しかも珠江の実家の住所を知っていたとなると、犯人は相当英人の周辺を調べたらしい。それにしては英人の不謹慎な発言から日数が経っていないようだが…。

 そんな折り、再び英人の家に切断された指が送りつけられた。今度の指からも犯歴などはなく、身元を断定するには至らない。ここまでしつこく本気で命を狙うには、きっと訳があるはず。が、妻を失ったショックに打ちひしがれる英人は、心当たりなんかない、と叫ぶとヤケ酒をあおるだけ…。

 右京らは英人を自宅から別の場所へ移動させるが、狭いアパートに我慢できないと飲み歩くことに。しかし、酒を飲んでも珠江を失ったショックを忘れることはできず、英人は人目もはばからず泣きじゃくる。

 結局泥酔した英人に肩を貸しながらアパートへの道を歩いていた右京と薫は、アパート近くで左手に包帯をした不審な男を発見する。右京が男に近づき拘束しようとしたその時、英人が急に腹が痛いと苦しみだす。右京も結局不審な男を取り逃がしてしまうが、路上に落ちていた封筒を拾う。封筒の中には脅迫文が入っており、やはり逃げた不審な男が犯人だったようだが、右京はその男をどこかで見た覚えがあるという…。

 さすがに不審な男から狙われるのにうんざりした様子の英人は記者会見を開き、犯人に対して新作の印税すべてを賞金にかけるという。その額はなんと1千万円以上。さらに犯人に対して「俺を殺せるものなら、殺してみろ」などと挑発する。

 すると翌日、英人の自宅に犯人からと思われる「今回は見逃してやることにした」といった内容の手紙が届く。以前の脅迫状と見比べてみると筆跡は似ており、同一人物から送られてきているようだ。英人はこれで一件落着とウィスキーを飲もうとするが、右京は犯人を捕まえるまでは何も終わらないと気を抜かない。

 しかしまもなく犯人と思われる人物が遺体となって発見されてしまう。その男は以前、右京たちが麻薬捜査のときに見掛けた麻薬の売人と思われるホームレスの男だった。死因は麻薬のやり過ぎによるショック死のようで、英人の自宅に送りつけられてきた指とのDNAも一致し、やはりこの男が犯人のようだ。しかし右京はホームレスの男が麻薬を買うお金を持っていることに不信感を抱く…。

 やがて英人は心の傷を癒しながらスペインで本を書いて暮らすという。その出発の日、ハイヤーに荷物を積み込んでいる英人の前に右京と薫が現れる。そして右京は英人に「狙われていたのはあなたではなく奥さんの方だった。そして狙っていたのはあなただ。」と切り出す。英人はばかばかしいとばかりに相手にしようとしないが、右京は立て続けに英人が犯人だと推測した理由を語る。脅迫状に同封されていた指はホームレスの男から金で買った、小包が爆発した際に英人だけとっさにハンカチで口を覆い軽症で済んだ、不審な男のことをジャンキーと知っていた…。

 そして極めつけは脅迫状の字体。以前、英人が鑑識課の米沢宛てに書いたサイン本の字体と比べると、「悪」の字が旧仮名遣いであったり、「奴」と「如」の女偏に特徴があるなど共通点が見当たる。ホームレスの男は英人が書いた脅迫状を丸写ししたため、文字の特徴がそのまま出てしまったようだ。しかしそれでも英人は自分が犯人だという証拠はあるのか、と開き直る。確かに決定的な証拠はない。そして証拠がなければ警察としては手も足も出ない…。立ち去ろうとする英人をただ見過ごすしかない右京と薫。

「今はその時間がありませんが、いつか必ずあなたを落とします」

 歩いていく英人に右京がそう語りかけた次の瞬間、英人のサイン会に来ていた青年が現れ、いきなり大型ナイフで英人を刺した!右京と薫はとっさにその青年を取り押さえるが、英人の腹からは大量の血が流れ出す。英人が青年になぜ自分を刺したか尋ねると、青年は「殺されたいって言ってたから」と答える。

「こんな退屈な国で生き続けるくらいなら、死んだ方がマシか…」

 英人はそう語りながら、ゆっくりと目を閉じていく。その唇には苦い笑いが浮かんでいた…。そんな英人を、なすすべもなくただ見守るしかなかった右京と薫だった。


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相棒 Season2 第5話

『蜘蛛女の恋』 (2003年11月12日放送)

 ある日曜日の夕方。不眠に悩まされる右京(水谷豊)は、予約を入れたメンタルクリニックの扉をノックした。しかし診察室からの応答がない。そっと扉を開くと、ドアは内側からガムテープで目張りされ、室内からは鼻を刺す亜硫酸ガスの異臭が…。

 そのころ薫(寺脇康文)は同棲相手の美和子(鈴木砂羽)とお見合いパーティーに参加していた。参加者が足りないためのサクラ、とは半分言い訳、実は美和子がお見合いパーティーに参加することを心配しているようだ。と、そこにはなんと捜査一課の伊丹刑事(川原和久)の姿が。どうやらマジで参加しているらしい。斎東リカ(加藤貴子)と七森雅美(中島ひろ子)という女性と話をしている伊丹にさっそく近寄っておちょくる薫。そしてパーティー会場ではくじ引きでペアを組みカップルを作るというイベントが。薫は暗い感じの大人しい雅美とペアに、伊丹はなんと美和子とペアになってしまい不機嫌になる。

 雅美との話が弾みだしたその時、右京から電話が入り薫は伊丹とともに事件現場へと向うはめに。そこでは右京を診断するはずだった精神科医・岸田(日向勉)が一酸化炭素中毒で死んでいた。部屋には七輪と練炭の燃え残り、ドアがガムテープで目張りされていたことから、どうやら自殺したらしい。しかし岸田とクリニックを共同経営していた斎藤(近江谷太朗)が自殺する原因に心当たりがない、と言ったことなどから右京は他殺の可能性もあると推理。そのとき薫が予約名簿に「七森雅美」の名前を発見。お見合いパーティーで会った雅美のようだ。

 薫の案内で雅美の自宅を訪ねた右京だったが、事件のショックで自室から出てこようとしない。親友のリカによると、雅美はお見合いパーティーで岸田と知り合い、その後何度かクリニックを訪ねていたとか。対人恐怖症というのはあくまでも口実。大人しそうな外見に似合わず、雅美は積極的にアタックしていたらしい。部屋に閉じこもったままの雅美に業を煮やしたリカは強引に部屋に入ると雅美を平手打ち。雅美を抱きしめると懸命に力づけようとする。そんな雅美は薫とだけなら話をしてもいい、と言い出し、潤んだ瞳で薫をじっと見つめる。なぐさめながらも薫は大いに戸惑う…。

 以来、薫は雅美からメールで呼び出されたり、同じ服を着られたり、お弁当を持ってこられたり、とまるでストーカーのように付きまとわれ大弱り。美和子と同棲しているなどと口が裂けても言い出せず、彼女の前ではいい顔をするのが精一杯…。

 雅美を平手打ちしてまで元気付けようとするリカに不審を抱いた右京は、斎藤に相談。そこで2人が互いに依存し、執着し合う「共依存症」の関係ではないか、と助言を受ける。リカが病的なまでに雅美の世話をするのも共依存の症状のひとつ。右京は共依存の相手・雅美をとられそうになったため、斎藤を殺害したのでは、とにらむ。

 そんな折り、薫が美和子と同棲していることが雅美にバレてしまった。ショックを受けた雅美は自殺未遂を起してしまう。病院に駆けつけた雅美の母親・日出子(岩本多代)は雅美の親友リカに原因があると追求。さらにリカに対して雅美と距離を置くように促す。

「リカさん結婚するんでしょう。雅美のことはいいから、自分の幸せだけを考えて。」

 しかしリカは結婚などしないという。不思議がる日出子…。右京はそのやりとりに何か引っ掛かるものを感じる。

 結局、薫が一晩中雅美の病室に付き添い、翌朝疲れきった様子で特命係に戻る。すると右京は密室のトリックを暴き、岸田の死はやはり他殺だと確信する。さらに右京は岸田が生前にリカに対して雅美と一緒に住むよう勧めたことが気になる。雅美とリカが共依存の関係ならば、一緒に住んでしまうと余計に症状が悪化するはずだが…。

 右京は岸田とクリニックを共同経営していた斎藤を訪ね、不眠症の処方箋を出してもらう。そこで斎藤が近々結婚する予定があることを知る。雅美の母親は日出子が雅美の親友・リカが結婚するものと勘違いしていた…。二人の苗字は斎藤と斎東…。右京はある事実に気付く。

 そして雅美が退院することになり、薫が花束を持って病院を訪れる。そこで薫は日出子に雅美と一緒に住む決心をした、と告げる。驚く日出子。薫は構わず住所が書かれた紙と部屋のカギを日出子に渡す。

 すると後日、薫の自宅に深夜若い服装をした女性が忍び込む…。手にはスタンガン…。薫の首にスタンガンが触れそうになったそのとき、

「そこまでです!」

 その手を右京がしっかりと掴み、阻止する。その女は雅美の母親・日出子だった。共依存の関係にあったのは雅美とリカではなく、雅美と母親…。雅美を独占しておきたい日出子は母親からの自立を促した岸田を殺害した。若い服装をしていたのは若い女性による犯行と思わせるため。ガムテープによる密室は掃除機を使用したトリックだった。そして日出子がリカが結婚するものと思い込んでいたのは殺害現場で岸田が電話で斎藤医師から結婚の報告を受けていたからだった。 “斎藤”と“斎東”。電話で「サイトウ」と聞いた日出子はリカが結婚するものと思い込んでしまった。

 数日後、雅美は母親の逮捕のショックから立ち直れていないようだったが、親友のリカが横に寄り添っていた。リカはアパートを借りて二人で住み、雅美を立ち直らせると言う。今度は共依存の関係ではなく、二人が純粋な友情によって成長していくことを願う右京と薫だった。


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相棒 Season2 第4話

『消える銃弾』 (2003年11月5日放送)

 雑誌記者の有賀(村上靖尚)が何者かに狙撃され死亡した。狙撃された場所は推測できたものの、なぜか硝煙反応が出てこず特定できない。しかも、体内に残っているはずの弾丸も発見されず、銃弾の線状痕を調べることもできない。銃で撃たれたことは間違いないのに、銃の特定もできない。誰がそんな魔法のような銃を使ったのか…?

 鑑識課の米沢(六角精児)からこの事件の情報を得た右京(水谷豊)は改造銃にくわしい苫篠(下條アトム)に会いに行く。小さな町工場を経営している苫篠は、右京の突然の来訪に不快感を露にする。

「もういいでしょう。帰ってください」。

 仕方なく帰ろうとする右京だったが、そのとき弁当屋の娘が2人分の弁当を持ってやってきた。右京が不思議に思っていると、奥の部屋に祭壇があり苫篠の息子・孝一(渡部遼介)の写真が…。

 そんな折、有賀はゴシップを得意とする記者で人から恨まれることも多かったらしいことがわかる。その有賀が取材に行ったという建築家の十和田(石山律雄)を訪ねると、十和田は苫篠の息子・孝一の件で有賀が取材を申し込んできたことを認める。孝一は新進気鋭の建築デザイナー。十和田の事務所で働くことになっていたが、なぜかその直前に自殺してしまったという。

 さらに有賀が生前孝一の父が元過激派というスキャンダラスな記事を書いていたことがわかった。改めて十和田に事情を聞くと、やはり十和田はこの記事が原因で孝一の移籍話を白紙にし、娘のケイコ(高木りな)との付き合いもやめさせたという。それで孝一は自殺を…。と、そのとき十和田が例の魔法のような銃で狙撃され、重傷を負ってしまう。この件で苫篠のアリバイが成立し、犯人でないことが証明された。ということは、まさか自殺したはずだが遺体が発見されない孝一がまだ生きていて…?

それにしても犯人はどんな銃を使ったというのか。頭を悩ませていた薫(寺脇康文)は、子供たちが遊ぶ水鉄砲からある重大なヒントをつかむ。

「圧縮空気…。あれだ!」

すぐさま鑑識課の米沢に協力してもらい、コンプレッサーと銃身を組み合わせた改造銃の実験を行う。すると標的にしたスイカは粉々になり、殺傷能力は充分にあることがわかった。右京と薫はあらためて苫篠を訪ね、改造銃について追求すると、作ったことは認めるのだが、結局使うことなく何者かに盗まれたという…。

その時、右京に鑑識課の米沢から被害者の体内から人間のものではないDNAが検出されたと連絡が入る。

「どうやら我々は、とんでもない思い違いをしていたのかもしれません…」

右京と薫は弁当屋の娘・晴美の部屋を調べに行く。すると押入れの中からスペアリブの骨と銃弾に加工するための工具が入った箱が見つかる。十和田ケイコの身が危ない!右京と薫は車に乗り込み十和田建築事務所へ急行する。

十和田建築事務所の前ではボディガードに守られたケイコが車から降り、事務所の入り口へと向かっていた。そして道脇には「お弁当の青山」と書かれた小型車が!車内では既に晴美がケイコに狙いをつけていた…。

「間に合わない…」

ここまでか…、と思われたそのとき、右京が近くの道で風船を配っているマスコット人形が手に持っているバルーンを指さす。察した薫はとっさにボールペンを取り出し、バルーンに突き刺す。晴美も同時に改造銃の引き金を引く!

「バーン!」

破裂音に驚いたボディガードたちがケイコを地面に押し倒す。凶弾はケイコを逸れてビルの壁に炸裂する…。狙撃に失敗し、車内で呆然としている晴美に右京と薫が歩み寄る。

「罪を重ねなくて良かったですね」

晴美は町内会のキャンプで孝一に歌を教えてもらって以来、孝一に思いをはせていたらしい。二人は朝晩挨拶する程度の関係だったが、晴美にとってはその朝晩の挨拶が生きる支えだった。晴美は孝一が自殺する前日に様子がおかしいことに気づいていた…。あの時自分が何かしてやれたかもしれない。そうすれば孝一は死なずにすんだかもしれない。そう自分を責めたゆえの犯行だった…。


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相棒 Season2 第3話

『殺人晩餐会』 (2003年10月29日放送)

  右京(水谷豊)、薫(寺脇康文)、たまき(高樹沙耶)は、美和子(鈴木砂羽)がどうしても来てみたかった、という山中のレストランで食事を。世界的なグルメガイドで唯一日本のレストランで三ツ星の評価を受けた高級店だ。味にはうるさい右京もさすがに感心しきり。が、薫は黙々と食べるだけで美和子は不快感を露にして…。

 そのとき男女2人ずつの客が店へやってきた。なにやら生け花の流派・黛流の次期家元をめぐって言い争っている。しかし、その中のひとりの男は、自分が次期家元の候補に上がっているにも関わらず会話に参加するどころか、最低のマナーを見せつける。とても生け花という感じではないが…。

 そんなときシェフの庚塚(大高洋夫)が、雨が激しくなりレストランへの道が土砂崩れで使えなくなってしまったと伝えに来る。店の計らいで一晩店の施設に泊まることになるが、携帯電話も通じないため、黛流の4人は電話をかけるためか、一人ずつ席を立っていく。

 右京らがヤリイカの料理を食べていると、マナー無視の男・幸吉(渡辺哲)の刺殺体がエントランスで発見される。外は土砂降りで道は通行止め、さらに何者かが侵入したあとも残されていないことから、犯人は店内にいる誰かとしか思えない。店にいる人間は互いに疑心暗鬼になって…。

 殺された幸吉は、亡くなった黛流家元の実の弟。事務長の功(西田健)が次期家元にと強力に推していた人物でもあった。しかし、若いころに黛流を飛び出し、今は建築会社で現場監督をしているという幸吉を家元になど、と筆頭師範のゆり子(山口美也子)、亡くなった家元の愛人の子・恵美(西尾まり)は猛反対。それぞれ次期家元に立候補していた。今日はその話し合いのために集まったらしいが、幸吉が家元になれば黛流の利権が握れる功を含めて全員に動機があることになる。右京は3人に席を立った理由を聞くが、それぞれが電話をするためと答える。幸吉が殺されたのは3人がそろって席につくまでの間。ということは、それぞれにアリバイがないことになる。犯人探しはますます混迷する…。

 右京らは凶器を探すが、功らの持ち物から凶器らしいものは発見されない。また幸吉のバッグから菓子類が見つかったことから、幸吉が糖尿病だったことがわかった。そして容疑者の一人ゆり子が幸吉へ脅迫状を送っていたことも発覚。一同のゆり子への不信感は高まるが、むしろ右京は幸吉が重い糖尿病であること、そしてこの店を予約したのが幸吉であること、そんな事実に疑問を抱くようになる。

 シェフの庚塚とともに右京と薫は厨房を訪れる。地下にある野菜室も調べるが凶器となりそうなものは見つからない。そんなとき、ふと右京は厨房のなべに眼を止めた。なべの中には事件が起こる前に一同が食べたイカの料理の煮汁が残っている。微妙な火加減が必要なので、この料理を作っている最中は厨房を離れられないと庚塚は言う。となると、シェフの庚塚が土砂崩れの一報を伝えにダイニングへ来ていた際、席を立っていたゆり子がますます怪しくなる。しかし右京はおもむろに冷凍室を開け、

「やはりそうですか…」

と何かを確信する。

 ダイニングへ戻り、一同と合流した右京は幸吉の立ち振る舞いを分析し、幸吉がグルメガイドの覆面審査員・インスペクターであることを突き止める。一同は店での態度が悪かった幸吉が、実はインスペクターであることに驚く。今回の殺人は生け花の次期家元騒動が動機であると見られていたが、俄然インスペクターと利害関係がある人物が怪しくなってきた。シェフの庚塚である。

 幸吉が電話していたのは自分がインスペクターとして働いているグルメガイドを発行している会社だった。その内容は庚塚のレストランの評価を三ツ星から星をひとつ減らすというものだった。たまたまそれを聞いてしまった庚塚は気が動転し、手に持っていた食材の冷凍イカで幸吉の腹を刺してしまったという。凶器のイカはそのまま料理に使用したが、最後に鍋に入れたので煮る時間が不十分だった。実はそのイカは薫が食べており、それまでおいしそうに料理を食べていた薫がその料理だけはあまりおいしくないと言っていた。右京は薫の舌を信じ、イカの料理に不信感を抱き、凶器の発見へとつながった。

 そこへ何も知らないギャルソンの榎並(二瓶鮫一)が宿泊の準備が整ったことを伝えに来る。庚塚はレストランの近くに自宅があるが、最後の夜を自分のレストランで過ごせるように、と右京はシェフと一緒の部屋にしてくれと申し出る。庚塚は右京たちと店先のデッキに出て、夜空を見上げてつぶやく。

「初めてです。こんな風にここから星を見たのは…。きれいなんですね。星って…」


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相棒 Season2 第1・2話

第1話『ロンドンからの帰還 ベラドンナの赤い罠』  (2003年10月8日放送)

 元検事で“平成の切り裂きジャック”とあだ名された死刑囚・浅倉(生瀬勝久)が脱獄。薫(寺脇康文)に連絡をとってきた。特命係時代、右京(水谷豊)とともに浅倉の正体を暴き、逮捕へと追い込んだ薫。「いったい何を考えているんだ!?」と、美和子(鈴木砂羽)とともに浅倉が隠れている場所へと駆けつけた薫は、浅倉に怒りをぶつける。そんな薫に浅倉は、右京の手で小暮ひとみ(須藤理彩)という女性を殺人容疑で逮捕して欲しいという。浅倉は数年前、とある薬科大学で発生した教授殺人事件の容疑者として取り調べたことがあったが、証拠不十分で釈放。事件はそのまま迷宮入りしたが、浅倉によるとひとみからは自分と同じ殺人犯の匂いがしたという。浅倉は薫に念を押すと再び連行されていく。

 そして休職してロンドンにいる右京に電話した薫だが、以前と変わらぬ人を小ばかにしたような態度に怒り心頭。自分ではなく右京を頼る浅倉に対しても腹が立ってきた薫は、現在の勤務先である運転免許試験場に休暇届を出し、ひとりでひとみを調べることに。

 まずは死刑囚の浅倉から事件の詳しい状況などを聞かなければならない。が、面会が認められているのは、親族以外では担当弁護士のみ。薫は弁護士のかおり(松下由樹)に相談、その彼女の提案で脱獄事件の際に刑務官の携帯電話を奪ったことを事件として告発。かおりを強盗事件の担当弁護士にし、浅倉との接触に成功する。

 かおりが浅倉から聞いたところによると、殺された教授の遺体からはアトロピンという大学関係者なら簡単に入手できる毒物が検出。教授が常用していたビタミン剤の中に毒入りカプセルを忍び込ませたらしい。確かに薬科大の大学院生ひとみなら犯行は可能だが、決定的な証拠はない。改めてひとみを犯人と断定する根拠は?と聞くかおりに、浅倉は「だから言ったろう、匂いさ」と繰り返すだけ…。

 一方ひとみを尾行していた薫の目に、突然右京の姿が飛び込んできた。右京はさっそくひとみに接触している。右京はミステリマニアだと自己紹介しつつ、教授殺害に使われたアトロピンが採れる植物を教えて欲しいと近づく。そんなひとみが右京を案内したのは、薬用植物園に咲くベラドンナの前。「美しい淑女」という意味があるベラドンナを前に、さりげなく自分の推理を披露する右京。

 実は右京が帰国したのは美和子の仕業だった。薫に内緒でメールを送っていたらしい。面白くない薫だったが、こうなっては仕方ない。右京とともにかつての特命係コンビを復活。ひとみの周辺捜査に乗り出すが、その矢先ひとみの不倫相手の交易会社重役・真鍋がアトロピンで死亡するという事件が発生する。

 右京と薫はひとみを訪ね、刑事であることを明かした上で、真鍋との関係について聞き出す。その話の中でなぜかひとみは右京と薫に真鍋の死因について訪ねてこない。右京はそのことについて追求するが、ひとみはそ知らぬ顔。右京と薫は釈然としないまま、調査を続ける。すると警視庁・官房室長の小野田(岸部一徳)から真鍋と同じ親睦団体に属していた佐川という建設会社の幹部が変死体で見つかったという情報を得る。しかも佐川もひとみと不倫関係にあったという。

 いよいよひとみが疑わしくなり、右京と薫はあらためてひとみを訪ね、一連の件について追求する。するとひとみはあっけなく「あたしがやりました。みんなあたしが殺しました。」と自白する。そして服を着替えにリビングを出て自分の部屋に戻るひとみ。しかしなかなかリビングに戻らない。不審に思った二人はひとみの部屋のドアをこじ開け中に突入する。すると、なんとひとみがベッドに仰向けに横たわっていた。

 救急病院に担ぎ込まれたひとみ。何とか命に別状はなかったが、目を覚ましたひとみは自白したことに関して「でたらめです!」と言い放つ。そのことを聞き、あっけに取られる右京と薫。「だったら俺がもう一度吐かせてやりますよ!」と意気込む薫。一方、右京は「少し冷静になってください。彼女の思う壺ですよ。」とあくまでも冷静沈着。しかしさすがに目の前で自殺未遂を図られてしまった責任は重く、二人は監察官に呼び出されてしまう…。


第2話『特命係復活』 (2003年10月15日放送)

 右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)の追及に犯行を自供したひとみ(須藤理彩)が、直後に服毒自殺を図った。幸い一命を取り留めたが、勝手な捜査でひとみを追い詰めたと判断された右京らは処分が下るまで謹慎するよう命じられる。「謹慎か…」。さすがの薫も肩を落とすが、なぜか右京は闘志満々。「売られた喧嘩は買います、そして必ず勝ちます」。右京は命令を無視し、ひとみにお詫びと言いながら花束を手渡す。しかしそれは新たなる宣戦布告だった…。

 改めてひとみの周辺を調べた右京らは、ひとみの母親が7年前に病死していたことをつかむ。ひとみの父も愛妻家だったらしく家族関係は良好だったようだが、なぜかひとみの部屋にはひとみと父親の写真しかなかった。愛妻家の父が亡き妻の写真を飾らないわけがない。どうやらひとみはファザコンで母親にヤキモチを焼いていたらしい。

 ひとみの母の墓が荒れ放題になっていることがわかった。右京らはひとみと会い、母親の写真を飾らないわけなどを単刀直入に質問。「母とあたしはうまくいっていました!」。珍しくひとみが語気を荒げたそのとき、ひとみの通報を受けてやってきた伊丹(川原和久)に連れ出されてしまう。いよいよクビも覚悟しなくては…。さすがに観念する薫だったが、後戻りはできないと捜査を続ける右京にとことん付き合う決意をする。

 なぜひとみの母親の墓が荒れ放題なのか?母に嫉妬していたひとみはともかく、愛妻家だった父親が墓参りを欠かすはずがない…、しかもひとみはつい最近まで父は日本にいた、と言っていた…。さらに母の写真を飾らないひとみを、父は許すのだろうか…。右京はそれらの疑問から、ひとみの父親の存在そのものを疑い始める。

 そして、ひとみの父・小暮慶介の周辺を調べ始めた右京と薫。背に腹は変えられぬと薫は生活案全部の角田課長(山西惇)に慶介の渡航履歴を聞き出す。ひとみは「父親は海外に出掛けている」と言っていたが、平成十年のブラジルからの帰国以来、慶介の渡航記録はなかった。さらに慶介が教鞭を執っていた大学の総務課で既に慶介が大学を退職している事実が判明。慶介の存在そのものが怪しくなっていく…。

 右京と薫は懲りずにひとみの家を訪ねる。さすがに怒り心頭のひとみだったが、右京は構わず今回の事件の犯人は父親・慶介なのではないかとひとみに追求する。「違う!」と動揺するひとみ。

 そして翌日ひとみが自宅に帰ると、なんと玄関先に慶介の靴が脱いである。さらにリビングには旅行鞄とジャケットがある。そしてサッと逃げる男の人影…。「パパなの…?」父親の幻覚まで見え出したひとみは慶介とツーショット写真を撮った別荘へと行く。そして地下にあるワイン貯蔵庫へ向かう。「パパ…」と小さく言い、ひとみは貯蔵庫の中にある安楽椅子に近づいた。そこには男が座っていたが、その男はなんと着衣のままミイラ化した慶介だった!

 そこに右京と薫があらわれた。「…なるほど。これではお父様の存在が希薄な筈ですね。」と右京が言う。そしてひとみはついに父親への想いを語り出す。ひとみは父親を想うあまり、父親を毒殺させてしまった。さらに付き合っていた男はすべて父親ではなく、偽者だったから殺したとも…。しかし慶介の定期入れに、幼いひとみを慶介が抱き、母親が寄り添っている写真が挟んであったことを知ると、ひとみは涙を流す…。

 事件は一件落着した。そして特命係の入口の壁には新たな『特命係』のプレートが貼られる。「やはりここが一番落ち着きますねえ」と言いながら椅子に座る右京。薫は「特命係が落ち着くなんて、どうかしてンじゃありませんか?」とあきれ顔。そんな時、薫の携帯にかおりから連絡が入る。なんと浅倉が脱走したという。しかも断崖絶壁から投身自殺をしたところも目撃されたらしい。しかし遺体は上がってこない。特命係に以前の風景が戻ってきた途端、謎めいた浅倉の末路。浅倉は本当に死んでしまったのだろうか、それとも…。


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相棒 Season1 第12話(最終話)

「特命係、最後の事件」

15年前、右京らが関わった篭城事件の人質が次々に変死。
人質救出劇のウラに何があったのか?
15年前の事件をひもとく右京と薫は新たな迷宮に迷い込み…。

右京(水谷豊)は薫(寺脇康文)を警察庁へ呼び寄せた。そして、小野田(岸部一徳)のもと、警察庁で15年前の外務省公邸人質篭城事件を洗い直すことになった。15年前、武装グループの人質となったのは、当時外務省条約局長だった北条晴臣(長門裕之)ほか高官が北条邸に閉じ込められた。強行突入の結果、犯人を全員射殺。5人の突入班のうち隊員3名と高官の人質・柳田が流れ弾を受けて死亡したという。柳田以外、北条ほか人質は無事に救出されたが・・・。15年経った今、その人質だったうちの3人がこの1年の間に謎の変死をしている。

右京と薫はまず、公邸料理人をやめて現在レストランを経営しているという、15年前の事件の人質の生き残り・鈴原(川島宏知)を訪ねるが、鈴原はすでに何者かに殺されていた。
現場の状況から鈴原が殺される直前、北条が鈴原の店に来ていたのでは・・・。
右京と薫は北条を訪ねた。

するとそこには、ひとりのミステリアスな女性の影が・・・。北条の身の回りの世話をするかわりに、学校に通わせてもらうなど養ってもらっている蘭子(池脇千鶴)である。数日前「やなぎだくにお」という人間から北条宛てに手紙が舞い込んだという。北条は手紙を読み、かなり狼狽していたらしいが、なぜ死んだ人間から手紙が届くのか…?

 右京らは、15年前の突撃隊員のひとり、石嶺(森本レオ)から突撃した当時の状況を聞く。彼の話によると、石嶺は隊員の萩原(内藤剛志)とともに少し遅れて突入。先に入った3人の隊員は人質のいる2階で犯人と撃ち合っていたが、銃撃戦の音がいったん静かになると、そのあと2発の銃声が聞こえてきたという。そしてあわてて階段を上がると惨劇の痕だったという。

 2発の銃声…。引っかかるものを感じた右京らは、石嶺とともに突入した萩原からも話を聞くことに。ある所轄の警察署長に出世していた萩原も石嶺と同じ答えをするのだが・・・。
謎の2発の銃声とは一体?死んだはずの柳田から舞い込んだ手紙には何が書かれていたのか?蘭子の正体とは?3人の元高官の連続変死の理由とは?公邸料理人鈴原は何故、誰に殺されたのか?そして、右京と小野田の知られざる過去とは?
衝撃の真実が明かされる!!


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相棒 Season1 第11話

「右京撃たれる 特命係15年目の真実」

特命係の廃止が決定!?右京が銃弾を受け重体!薫は小野田から初めて右京の過去を知らされて…。

 特命係が廃止されることになった。右京(水谷豊)は警察庁へ復帰、薫(寺脇康文)は運転免許試験場への配属が決定。納得がいかない薫をよそに、右京は警察庁・官房室長の小野田(岸部一徳)のもとへ出かけていく。

 やはり右京がにらんだ通り、今回の廃止、転属は小野田の考えによるもの。どうやら小野田は右京の力が再び必要になったらしい。
15 年前、右京は小野田から直々に緊急対策特命係の作戦参謀、つまり小野田の右腕に指名され、ある事件解決のため行動をともにしたことがある。小野田によると、その15年前の事件の関係者がこの1年の間に3人も変死。あの事件が再び頭をもたげ始めているらしいという。その謎を解明するため、小野田は右京を呼び戻したのだが、そんな事情を説明している途中、何者かが小野田をめがけてライフルを発射。銃弾は小野田の頭をかすめ、右京の腹部に命中してしまう。
 
そんな中、美和子(鈴木砂羽)から、小野田がかつて右京の上司だったことを知らされた薫は、今回の特命係廃止のワケを聞くため、直接小野田を訪ねる。そして、ついに小野田の口から小野田と右京の関係、そして特命係誕生の秘密、小野田が狙われた理由が明らかになるが…。


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相棒 Season1 第10話

「最後の灯り」

美和子の目の前でインタビュー中の映画監督が変死した。停電のわずか10秒間に何があったのか?窒息死という死因に疑問を抱いた右京は…。


 映画監督の仲瀬古(鈴木瑞穂)が、美和子(鈴木砂羽)とのインタビュー中に急死した。10秒ほど停電で部屋が真っ暗になっている間に息を引き取ったらしいが、鑑識の調べによると死因は窒息死。部屋には美和子のほか、スクリプターの玲子(銀粉蝶)しかいなかった。

 過去の事件から窒息死と感電死がよく間違われるという事実をつかんだ右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)とともに改めて現場を捜査。仲瀬古が部屋では靴を脱いで電気カーペットの上にいたことを知る。電気カーペットをごみ捨て場で発見した右京と薫。さっそく持ち帰って調べようとすると、フルフェイスのヘルメットをかぶった男に襲われて…。
 
しばらくの間、記憶を失っていた右京と薫。見知らぬ海で意識を取り戻した右京らは、ケガを負いながらも捜査に復帰。やがて美和子の取材テープから電飾の猪野(山谷初男)という男が、仲瀬古が死ぬ直前カーペットの上にコーヒーをこぼしていたことを知り…


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相棒 Season1 第9話

「人間消失」

経理部員15人が集団で奇行を・・・、金庫から2億円を盗み出した知能犯の正体は?
 
 右京(水谷豊)の大学時代のチェスクラブの後輩・森島(篠井英介)が勤務する会社で、経理部の人間15人が同じ瞬間に仕事場を放棄、謎の奇行をはたらく!?その隙に、金庫から大金が盗まれるという奇妙な事件が発生した。防犯ビデオには催眠術にかかったように社員が集団で席を立ちあがり、1階の噴水の中へ。ずぶ濡れの社員たち・・・。

 経理部の人間の証言ではまるで覚えがなく、気が付いたら席を離れていたという。まさに集団催眠のようだが、そんなことは可能なのだろうか。右京と薫(寺脇康文)は経理部全員の行動記録から、リサ(山本未来)という講師から英会話を習っていたという共通項を見つけ出す。

 リサはハーバード大出身の才女。しかも専攻は心理学だとか。リサと犯人を結びつける衝撃の真実とは?そして15人もの人間を煙に巻いた方法とは?


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相棒 Season1 第8話

「仮面の告白」

裁判で捜査のミスをつかれ
   通り魔事件の容疑者を無罪にしてしまった薫。
 自らを責める薫は執拗に容疑者をマーク、
   一方、右京も独自に真犯人逮捕へ動き始め…。

 フランケンシュタインのマスクをかぶり、若い女性を襲って金品を強奪する通り魔事件が続発した。薫(寺脇康文)が挙動不審な男を職務質問、バッグの中からフランケンシュタインのマスクを発見し、その男・黒岩(長谷川朝晴)を容疑者として逮捕する。が、裁判では薫や捜査一課・伊丹(川原和久)の捜査ミスが指摘され、黒岩は無罪に。敏腕女性弁護士・かおり(松下由樹)の手腕によるものだった。

 あくまでも黒岩を犯人と確信する薫と伊丹は、いつものように互いにののしり合いながらも協力して黒岩を追うことに。

一方、右京(水谷豊)も独自に捜査を開始し、最近の被害者が犯人を蹴飛ばしていたという新事実をつかむ。裁判では黒岩が取り調べで肋骨を折られたと言っていたが、そのケガは被害者に蹴飛ばされたことが原因では…。無罪を勝ち取りながらも黒岩への疑惑が晴れないかおりも、その新たな事実にショックを受ける。

 黒岩が動き出した。マークしていた薫と伊丹ははやる気持ちを抑えつつ、尾行を開始するが…。


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相棒 Season1 第7話

「殺しのカクテル」

カクテルを味わいながら
   じっくりと核心に迫る右京だったが…。

 都内で飲食店を経営する倉沢フーズグループの社長・倉沢(和田周)の他殺体が発見された!倉沢はその経営不振の店の関係者ともめていたという。そんな中で唯一カクテルバー「リメンバランス」だけは黒字で、近々カクテルを缶入りドリンクにして売り出す計画もあった。そのために捜査一課では「リメンバランス」のバーテン・三好(蟹江敬三)を対象外として捜査を進めることに。そんな捜査会議にこっそり出席していた右京(水谷豊)は、そっと席を立ち・・・。

 一方、薫(寺脇康文)のもとにロンドンで暮らす美和子(鈴木砂羽)の叔母・アキコ(草村礼子)が突然やってきた。イギリス人の夫を1ヶ月前に亡くしたというアキコ、「日本でどうしても行きたい夫との思い出の店があるから・・・」と帰国したらしい。アキコの思い出の店探しを右京も手伝うことになった。少しの塩気があってミントの味がさわやかで…。そんなアキコの思い出のカクテルの味を聞いた右京は、思いをめぐらして…。
 
 捜査一課では、倉沢が殺される直前に酒を飲んだことが判明した。胃からは梅干とペパーミントの成分が検出された。右京は梅干を手に三好のもとを訪ね、梅干とミントを使ったカクテルを作って欲しいと依頼すると・・・。


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相棒 Season1 第6話

「死んだ詐欺師と女美術館長の指紋」

薫と親しい情報屋が薫と会った直後何者かに殺害された。
 しかも彼には1億5000万円の詐欺容疑が…。
 薫は彼の汚名をそそぐべく、右京と捜査に乗り出すが…。

 薫(寺脇康文)と親しい情報屋の土田(モロ師岡)が何者かに殺害された。つい先日、薫からの借金を返すと、さらにはぶりよく酒をおごってくれた土田がなぜ…。6歳の息子の養育権を別れた妻から取り戻すため、働くための資金も出来たと言っていたのに…。薫は口惜しさに唇をかむ。

 その土田に1億 5000万円の詐欺容疑が浮上した。被害にあったフィナンシャル会社の柿崎(田邉年秋)によると、得意先の専務から電話で架空口座に金を振り込むように依頼を受け、あっさりだまされたのだという。架空口座から現金を引き出す土田の姿が防犯カメラにもしっかりと映っている。薫は信じられないとショックを隠せない。が、右京(水谷豊)は初犯にしては手口が鮮やか過ぎると土田の犯行に疑問を。薫は右京と一緒に土田の汚名をそそぐ決心をする。

土田の遺体から、右京が以前訪ねたことがある美術館の半券が発見された。その美術館の館長・アヤ(根岸季衣)は、右京が好きだった秋山緑風の「光る風の少年」を買い戻すことになったと嬉々としている。その美術館の学芸員から土田が美術館で何もせずベンチにすわっていたことを確認。あの土田が美術館に?右京と薫は、土田の意外な行動に首をかしげるが・・・そこには刹那過ぎるほどの結末が待っていた!


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相棒 Season1 第5話

「目撃者」

 小学校教師・平良(岡部務)がボウガンで胸を刺され殺された。偶然、第一発見者となった小野田(岸部一徳)からこっそり通報を受けた右京(水谷豊)は捜査を開始。目撃者の生徒・守(染谷将太)から話を聞く。図書室でひとり難しい本を読む守によると、本屋へ行く途中、ボウガンを手にした鉄工所の“ろくでなし”と平良が会っているところを目撃したという。“ろくでなし”とは「いい年して親のすねをかじっている馬鹿息子」の佐々木(川口真吾)。これまでにも下校途中の生徒たちをボウガンで脅かし喜んでいたらしい。

  頭はいいらしいが、生意気な口をきく守にコケにされ、薫(寺脇康文)は面白くない。そんな薫を気遣うように、教師の恭子(美保純)は「何か失礼なことでも」と声をかけるが・・・。

 そんな中、拘束された佐々木の部屋の天井裏からボウガンが発見された。そのボウガンが、今回の事件の凶器であることが判明。佐々木は最重要容疑者となるが、決定的な証拠がない。

そんな折り、恭子が以前学校で平良に襲われていた事実が明らかになる。
右京と薫はもう一度、少年と女教師に会いに行くが・・・そこには衝撃の結末が待っていた!


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相棒 Season1 第4話

「下着泥棒と生きていた死体」

 覆面パトカーから忽然と消えた謎の男の正体は!?
 ひょんなことから警察署の不正隠蔽事件を知った右京らは…。

 下着泥棒事件の裏付け捜査をしていた薫(寺脇康文)。順調に確認作業を続けるが、なぜか一件だけ被害者がわからない下着が。不審を覚えた右京(水谷豊)が下着ドロの二木(有薗芳記)に確認すると、その下着をとろうとしたとき近くのコンビニの前に止まっていた車に乗っていたメガネの男に見られたという。その男の証言があれば、下着の被害者がわかるはず。右京らはコンビニで聞き込みをすると、事件当夜、強盗事件があり、警察に通報、大騒ぎだったことがわかる。ということは、コンビニ前の車は覆面パトカーの可能性が高い。右京らは当日強盗事件を捜査した佐古巡査部長(山崎一)らに話を聞くが、メガネの男など見覚えがないという。

 しかし、当日の宿直日誌から佐古が強盗事件捜査のあと、酔っ払いを保護していたことが判明。その保護した男は病院に着く前に死亡していたが、その死んだ男こそ二木が見たメガネ男だったこともわかる。

 右京は強盗事件の前に保護した酔っ払いを捜査にかまけて車に乗せたままにしてしまい、死なせてしまったのでは、と推理。佐古の上司である織田署長(井田國彦)が本庁への栄転を前に事実を隠蔽した疑いもある。

 右京と薫は織田らとの対決を決意するが、自らのクビが飛ぶかもしれない…。このあと特命係のふたりには衝撃の大波乱が待っていた!?


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相棒 Season1 第3話

第3話「秘密の元アイドル妻」

薫が憧れた元アイドルが
   殺人事件の重要容疑者に!?

 歩道橋の上で暴力団員で麻薬の売人の加賀山(桐生康詩)の遺体が発見された。所見では転落死となっているが、それならなぜ歩道橋の上に遺体があるのか。捜査一課の伊丹(川原和久)らは対立している陳風偉=チェン・フォン・ウェイ(立花政治)の仕業ではないか、と推理する。

 偶然にも右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、そのチェンを逮捕しようと張り込みを。目の前で麻薬取引の現場を確認、いざ逮捕、と思った瞬間、伊丹らが現れチェンを殺人容疑者として逮捕してしまった。

 とんだ邪魔が入り、チェンの仲間を取り逃がしてしまった右京ら。逃げた連中を探せといわれおろおろする薫をよそに、右京はのんびり寄席へと入っていく。高座には昼席のトリ、橘亭青楽(小宮孝泰)が登場。始めはイライラしていた薫も次第に青楽の話術に引き込まれ、右京とともに落語を楽しむ羽目に。が、当の右京は手紙を手ぬぐいで表現していた青楽が、途中から手紙を扇子に変えたことに不審を覚え険しい顔。と、そこへ逃げたチェンの仲間が現れ、右京らはあっさり逮捕に成功する。

 すべては犯人が寄席に逃げ込むと読んだ右京のお手柄。右京はその足で薫とともに青楽の妻・美奈子(大西結花)が女将をしている店を訪ねる。実は美奈子は元アイドルの荻野美奈子。以前から彼女の大ファンだったという薫はたちまちご機嫌に。ちょうど店にやってきた青楽との仲の良いところをうらやましげに見つめる。

 帰る途中、右京らは加賀山の遺体が発見された現場へ。鑑識のルミノール検査から遺体が階段の下から歩道橋の上まで運ばれたことが確認された。どうやら犯人はこの歩道橋があまり利用されないことを知っている、周辺の事情に詳しい人間らしい。捜査一課はチェンを犯人とみているようだが、遺体が見つかる日にわざわざ麻薬の取引などするだろうか。右京は疑問を抱く。

  加賀山が殺害された歩道橋で美奈子が不審な男と密会していた、という目撃証言が出てきた。さらに美奈子は麻薬所持で逮捕され、芸能界を引退させられていたことも判明。 そんな折り、美奈子が伊丹らに連行された。美奈子は殺される前に加賀山と会っていたためだ。しつこく付きまとう加賀山を殺してしまったのか…?


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相棒 Season1 第2話

「教授夫人とその愛人」

 美和子(鈴木砂羽)とランチを、とひとり高層ビルの最上階にあるレストランに出かけた薫(寺脇康文)。彼女が来るのを待ちながらふと外を見ると、近くのビルの屋上で今にも投身自殺しようとする女性を発見する。
「ウソだろ、オイ!」。

 あわてて飛び出しビルの屋上で彼女を保護することに成功。薫はホッと胸をなでおろすが、なんと女性は「人を殺した」とポツリつぶやいて…。

 自らの車の中で男を刺し殺した、という彼女の証言に従い、とある地下駐車場に置かれたままの彼女の車を調べた右京(水谷豊)と薫だが、死体どころか血痕すらない。ひょっとしたら自力で病院に駆け込んだのかも…。薫は現場近くの病院を調べようとするが、例によって捜査一課の伊丹(川原和久)らに邪魔をするなと釘を刺されてしまう。

 女性の身元が大学教授で国家公安委員でもある神林寿一朗(山本圭)の妻・淳子(洞口依子)であることが判明。その夫・神林によると、今回の一件は精神的に不安定なところがある淳子の妄想だという。確かに被害者の所在も不明、車からも死体があった痕跡が発見されないとあれば、事件そのものがなかった可能性が高い。が、正義感に燃える右京は、怒る幹部の目の前で「奥様が気を病まれた理由は?」と堂々と質問する。神林は平然と自分に愛人がいることがバレてしまい、それが原因で不安神経症になったのだと答える。一応は納得する右京だったが…。

 淳子が元芸者だったことを知った右京は、かつて付き合っていた性質のよくない男に金を無心されていたのでは、と推理。薫は伊丹を絞り上げ、淳子が殺したという猪口(林京介)という男の素性を聞き出す。それによると猪口は現在行方不明、ばくちの借金でその筋の連中に追い回されていたらしい。

 どうやら右京の推理も真実味を帯びてきた。神林の妄想説に納得がいかない右京と薫は、入院している淳子に車について質問を。が、その車も神林が忌まわしいと処分してしまったという。あくまでも「自分は人を殺したと思う」と言い張る淳子に、事件の存在を確信する右京。しかし、証拠となる車はスクラップ工場で鉄の塊状態に。お手上げと白旗をあげる薫に、なぜか右京は「別の証拠を探すまで」と自信満々で…。

「私、人を殺しました…。」
   大物大学教授の妻の意外な一言に
     振り回される警察と右京、薫…。

 殺人事件は本当にあったのか?
   それとも彼女の単なる妄想か?


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相棒 Season1 第1話

「警視総監室にダイナマイト男が乱入! 刑事が人質に!? 犯罪の影に女あり…」

薫 (寺脇康文)を人質にダイナマイトを体に巻いた男(泉谷しげる)が警視総監に会わせろと警視庁にやってきた。男は薫をタテに総監室に立て篭もり、警視庁は特殊班やヘリまで出動させての大騒動。そんな時、ふらりと現れた右京(水谷豊)の機転で無事男を逮捕した。だが、右京らの勝手な行動に幹部らはカンカン。せっかく逮捕したのに…と納得いかない薫は怒り心頭、勢いで同棲相手の美和子(鈴木砂羽)ともゲンカしてしまう。

 不貞腐れてデパートでサボっていた薫は、慌ててトイレに駆け込んできた男(矢島健一)が忘れていった紙袋を拾う。紙袋の中には鞄が入っていて、薫は社員証を頼りに鞄を持ち主の男・三木の会社へ届けに行く。が、現れたのは秘書室の岩崎麗子(純名りさ)という美女で、三木は休暇中だという。薫は鞄を麗子に託すことに。

 翌日、三木が水死体で発見された。酒に酔って川に転落したようだ。だが、右京は三木の遺体の状況から、何者かが三木の所持品を調べていた形跡を発見。薫の話では三木は慌ててトイレに駆け込んできたというから、何者かに追われていたのかもしれない。ということは、事故ではなく他殺!?だとすると、あの紙袋に入った鞄は単なる忘れ物ではなかったのかも…。

右京と薫は三木の鞄を調べようと再び麗子の元へ。鞄を調べながら麗子に三木のことを聞くと、麗子と三木はかつて不倫の関係にあったという。と、鞄の裏地に縫い直した跡があり、中から三木の手帳が出てきた。どうやら三木を殺した犯人はこの手帳を探していたらしい。大発見と喜ぶ薫だが、手帳には何ら不審な記述は見つからなかった。そんな時、「もしかして手帳はカモフラージュかも」と冗談めかして薫がつぶやく。何と薫の推理は珍しくドンピシャリ。鞄の入っていた紙袋の方に三木の会社の社長・平沼(浜田晃)と大物代議士との贈収賄の事実を示すCD-ROMが隠されていたのだ。これまた大発見と喜ぶ薫だったが、右京はさっさとCD-ROMを警察庁の小野田(岸部一徳)へ渡してしまう。その代わりとして右京はある条件を提示するのだが……。

 CD-ROMを取り返そうとした人間が三木を殺したのだとすると、社長の平沼が犯人に間違いない。だが、証拠がなければ逮捕のしようもない。そんな時、三木の同僚・篠塚(中村育二)という男が「三木を川へ突き落とした」と出頭してきた!?


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2010年10月07日

京都地検の女 第5シリーズ 第9話(最終話)

京都府警の廊下で立ち話をしていたあや(名取裕子)と成増刑事(寺島進)のもとに、紳士然とした男が近づいてきて声をかける。

 男は浦沢豊秋(ベンガル)と名乗り、自分は昨夜人を殺してしまったと、ごく当たり前のような口調で告げたのだ。仰天した二人が問い質したところ、飯島(加藤満)という知り合いの男とバーで飲んでいて、些細なことから口論となってしまったという。そして、店を出て近くの高架下でもみ合いになり、突き飛ばしたはずみに飯島は頭を打って死んでしまったと浦沢はいうのだ。

 あやと成増は、浦沢に案内をさせて件の現場に向かう。ところが、死体はおろか、その痕跡すらどこにもない。ただ、念のために成増が飯島の安否を確認したところ、家に帰っていないことが判明する。 

 翌日、あやは高原副部長(蟹江敬三)に呼ばれる。浦沢から電話があって、ぜひあやに会いたいと言ってきたというのだ。高原によると、浦沢は、京都の日本画壇の重鎮だった故・浦沢友康の息子で、以前から面識があるという。あやは俄然興味をかきたてられ、会うことを承知する。

 その日、あやと高原はレストランで浦沢と対面する。浦沢は、僕が飯島を殺したことは間違いないと言い募るが、浦沢の落ち着き払った態度から、あやには彼が人を殺したとはどうしても思えない。

 そのころ、浦沢が飯島を殺したとされる現場から数キロ離れた場所で変死体が発見され、成増も現場に駆けつける。そして、変死体は所持していた免許証から飯島だと判明するが…。


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