第1話 「双頭の悪魔」 (2004年10月13日)
薫(寺脇康文)が麹町東署捜査一係へ転属となった。「めでたく現場復帰だ」と喜ぶ薫だが、同棲相手の美和子(鈴木砂羽)はなにやら深刻な話があるらしい。実は美和子は密かに別の男と付き合っていた。薫に言い出そうにもなかなか言葉が出てこない美和子。薫はそんな美和子の心の中を知る由もない。
その美和子の新たな恋人で院内紙記者・鹿手袋(西村雅彦)は、二世の若手議員・雛子(木村佳乃)をマークしていた。若手だけで自らの会派を立ち上げるなど、政界で話題を振りまく雛子に鹿手袋は機密費にまつわるスキャンダルがあるとにらんでいるらしい。
首相補佐官の沢村(春田純一)の遺体が、本人の事務所兼自宅から発見された。死の直前、朱雀官房長官(本田博太郎)の携帯に沢村から自殺を予告する電話が入り、現場へ駆けつけたが沢村は延長コードで首を締めた後だったという。
朱雀から現場に呼ばれた首相秘書官の加賀谷(佐戸井けん太)は、そんな説明に動機について思いをめぐらすが、朱雀は首相官邸に盗聴器が仕掛けられた事件に関係があるという。沢村は責任を感じて自ら命を断つに及んだらしい。が、以前、加賀谷らが問い詰めたときはふてぶてしい態度で否定していたが…。
同じ日、鹿手袋が何者かに刺され、重傷を負う事件が発生した。担当になった薫は鹿手袋が入院する病院へ。看護婦から携帯など鹿手袋の所持品を受け取った薫だが、突然携帯がなり、なんと発信者に美和子の名前が。
ここで初めて美和子が鹿手袋と付き合っていることを知らされた薫。ショックを通り越して、怒りを露にして…。
すっかりやる気を失った薫は、新たな上司・海音寺(竹中直人)と大喧嘩。「とっとと辞表を出せ!」と怒鳴る海音寺に「辞めりゃいいんでしょ」とタンカを切ってしまう。
大八木秘書官(清水昭博)も沢村の自殺に疑問を禁じえない。秘書官たちと対立しながらも自身満々な態度を崩さなかった沢村が、仮に盗聴器の事件を認めたにしても自殺などするはずがない。が、そんな大八木に加賀谷は「いいじゃありませんか。我々の願いがかなった」と密かにほくそ笑む。
沢村の一件が自殺で落ち着こうとしていた矢先、前法務大臣の瀬戸内(津川雅彦)が沢村を殺したと自首してきた。が、動機など取調べにも何一つ答えようとしない。そんな取調室に右京(水谷豊)が突然やってきた。
「どうにもあなたと殺人が結びつきません」。
はたして沢村は本当に自殺だったのか。そして自首してきた瀬戸内の真意とは?さまざまな思惑を秘めた事件に、右京と薫のコンビが動き始める。
10月20日(水)
第2話 「双頭の悪魔II〜堕天使」
前法務大臣・瀬戸内(津川雅彦)自首の目的は、あえて自らが沢村補佐官を殺したと名乗り出ることで警察を動かそうとしたのだった。怒った朱雀官房長官(本田博太郎)は瀬戸内と通じている小野田(岸部一徳)を降格。唯一、右京(水谷豊)は事件の真相を解明しようと動いていたが、その右京にもいつ朱雀の魔の手が伸びるかわからない…。
首相官邸に盗聴器が仕掛けられていた、という事実を確認するため、右京は入院中の鹿手袋(西村雅彦)のもとへ。無作為に盗聴電波を拾ってはストレス解消をしていたという鹿手袋は、たまたま首相官邸の近くで朱雀官房長官の声を拾ってしまったのだという。右京は病院を出るとその足で加賀谷秘書官(佐戸井けん太)、大八木秘書官(清水明博)と会い、真偽を確認する。すると2人はオフレコと断った上で、首相官邸の首相執務室、官房長官執務室、それぞれの秘書官室などに盗聴器が仕掛けられていた事実を認めた。加賀谷らによると犯人は死んだ沢村補佐官で、彼の自殺の動機と考えられているらしい。が、それだけ盗聴器を仕掛けておきながら、なぜ完全秘密会の会議が行われる閣議室に仕掛けなかったのか?右京は疑問を抱く。
薫(寺脇康文)のもとに大河内警務部監察官が現れた。どうやら右京に解雇の危機が迫っているらしい。大河内の助言を聞いた薫は、処分が下される前になんとしても犯人を捕まえようと右京とともに行動することにする。
鹿手袋を刺した容疑者が捕まったが、鹿手袋を脅していた関西なまりの男が犯人ではないことが判明した。どうやら犯人は鹿手袋が日頃から脅されていたことを知っており、その男が疑われるように仕組んだらしい。では、なぜそうまでして鹿手袋は狙われたのか。
鹿手袋は何か重大な秘密を握っているのかもしれない。再び病院を訪れた右京らは、今では薫の同棲相手・美和子(鈴木砂羽)の恋人である鹿手袋から驚くべき事実を聞かされる。はたして彼がつかんでいたスキャンダルとは?
10月27日(水)
第3話 「双頭の悪魔III〜悪徳の連鎖」
父の地盤を継いだ若手女性議員・雛子(木村佳乃)は、朱雀官房長官(本田博太郎)の愛人で、多額の機密費を手にしていた。そんなスキャンダルを追っていた鹿手袋(西村雅彦)を刺したのは、雛子の秘書・小松原(中村方隆)の息がかかった男だった。事件が公になるのを怖れた小松原は事情聴取の前に自殺。事件は闇へと葬られることになる。
しかし、鹿手袋を刺した事件と沢村補佐官の事件に関連があるとにらんだ右京( 水谷豊)は、沢村が朱雀官房長官と雛子の関係を知ったがため、自殺を装い殺害されたのでは、と推理。右京の意見に同調した薫( 寺脇康文 )は動機から見て沢村殺しの犯人は朱雀 か雛子、と言うが朱雀 には確固としたアリバイがあり、雛子が一人で沢村を殺せるとは思えない。さらに沢村が無警戒のまま、むざむざと雛子に殺されるとも思えず…。
右京はあえて朱雀に自らの疑問をぶつける。なぜ 朱雀は沢村補佐官から自殺するという電話を受けたとき、すぐに沢村の自宅へ向ったのか。そして、もし沢村が自ら自宅にいると言ったのだとしたら、沢村に死ぬ意思はなく、朱雀に助けを求めただけのはず。なのになぜ密室だったのか…、と。答えに窮した朱雀は「だからなんだ!」と苛立ちを現すが、右京は「矛盾点に合理的な説明がつかない限り、事件は終わらない」と言い放つ。
右京 と薫は 朱雀からの連絡で沢村が死んだ現場へ駆けつけた加賀谷秘書官(佐戸井けん太)に改めて事件の夜のアリバイを確認する。が、説明は曖昧でかなり動揺している。右京は小野田(岸部一徳)にプレッシャーをかけさせ、ついに加賀谷を自供に追い込む。
加賀谷によれば、直接手を下し沢村を殺したのは、加賀谷と朱雀。が、朱雀にはアリバイがある。右京らはあらためて朱雀の周辺を調べ、沢村殺しの犯人として逮捕しようとするが…。
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