2016年2月4日 第5話「高齢者ねらう悪質販売」
一人暮らしのお年寄り、柿沼サダ(藤田弓子)のもとに、訪問販売員の下村(村杉蝉之介)が足しげく通い、サダに怪しい健康食品や電化製品などを売りつけていた。通いの家政婦、真野杏奈(大路恵美)はサダを心配し、注意をして目を配っているのだが、下村は、杏奈のいない時間を狙って現れるのだった。
サダの息子夫婦、柿沼真治(バッファロー吾郎・竹若)と美奈子(柿丸美智恵)は、見かねてサダと杏奈を連れ、殿村弁護士(竹中直人)の事務所を訪れる。「母が悪質な訪問販売で購入した商品の代金を取り返したいんです」と真治夫妻。殿村はクーリングオフを勧めるが、期間が過ぎていたり、販売員の連絡先がデタラメで連絡がつかなかったりと打つ手がない。真治と美奈子は、サダを心配するというより、サダのお金を騙しとられたことが悔しい様子だった。
事務所から出てきたサダは、「あんたたちは私の遺産が減るのが心配なだけだろ」と真治らを突き放す。「そんな言い方ないだろ?」と、怒って帰ってしまう真治と美奈子。杏奈が「真治さんたちもサダさんのことが心配なんですよ」となだめるが、怒りがさめやらないサダ。そこへ「何かお困りですか?」と武蔵川華子(藤田みりあ)が現れ、サダと杏奈を「アンヘラ」に連れていく。
「アンヘラ」で二人から話を聞き始める、栗原理佐(片瀬那奈)、竹内茂(小籔千豊)、菅原円(葵わかな)。「悪質な訪問販売?」と理佐。円は「売りつけた業者を特定し、ウソの説明をしていた事を証明できれば、特定商取引法に基づいて、過去に買った商品の契約解除も可能ですが…相手はなかなか正体を掴ませないでしょうね」と言う。困り果てるサダと杏奈に、茂が「弱みに付け込む人間は許せません!私が捕まえてみせます!」と言い出す。茂は、杏奈に一目惚れし、張り切って協力を申し出るのだった。
茂は、サダの家に住み込み、悪徳業者を捕まえるまで居座ることにする。杏奈の留守中、訪問販売員の高瀬(小西キス)がやって来ると、茂は高瀬の巧妙な話術に引き込まれ、怪しい健康ドリンクを買いかけてしまう。だが、そこへ円が現れ、怪しい商品説明や契約書の不備を指摘し、高瀬を追い払うのだった。
円は、サダに騙されないための対処法をいくつか提案する。「とにかく訪問販売員を家に入れない、話をしないことが大事です」と円。見知らぬ人の訪問を避けるため、チャイムが3回連続なった時にしか玄関を開けないというルールも提案した。
翌日、杏奈や茂が外出した隙に、チャイムが3回鳴り、サダが玄関を開けると、訪問販売員の下村が立っていた。再び大量の商品を購入してしまうサダ。驚いた円は、「チャイムは…?」と尋ねるが、「3回鳴ったから開けたんだよ」としょげているサダ。
円は、訪問販売員が、サダの身内しか知らないチャイムの合図を知っていたことや、茂も杏奈もいないたった30分の間にタイミングよく現れたことを不審に思い、「身内の仕業かもしれません」と言う。理佐も「そういえば…」と、あの後、真治たちが遺産相続の件で殿村のところを訪れていたと言う。「お金を狙って息子夫妻が何か企んでいるのかもしれないわね」と理佐。
円たちは、真治夫妻にトラップを仕掛ける。茂を使って真治夫妻に「今日の2時〜4時の間、サダさんが一人になるので監視をお願いしたい」と伝えるが、「忙しい」とそれを断る真治夫妻。そして杏奈と茂の留守を狙って、真治夫妻が訪問販売員を派遣してくるかと待ち構える円と茂だが、結局、その日は誰も現れず、空振りに終わった。
数日後、杏奈は、サダと公園を散歩していると、金持ち風の老紳士、田村善造(村松利史)が現れ、気さくに声をかけてくる。善造が近くの豪邸に住む一人暮らしの老人だと知る杏奈。
その夜、杏奈は、ある喫茶店で下村と会っていた。杏奈は下村とグルになって、サダを騙していたのだ。「次のカモが見つかったんだけど」と善造のことを下村に伝える杏奈。
早速、下村は翌日、善造を騙して商品を売りつけていた。善造宅から帰ろうとすると、そこに円、井上アリス(矢倉楓子)、華子が現れる。「今のは立派な詐欺罪です。一緒に警察へ行きましょう」と円。抵抗する下村だが、「動かぬ証拠があるんです」と円。
同じ頃、サダの家では、茂が真治夫妻に再びトラップをしかけ、杏奈とともに見張っていた。すると美奈子が現れ、「あれ?」と茂。「何驚いてるのよ。おばあちゃんが一人だから来いって言ったのはあんたでしょ?これでも心配してんのよ」と美奈子。「…美奈子さんはグルではないのかもしれません」と茂。だが、「でも疑いがまだ晴れたわけでは……」と杏奈。
そこに理佐が現れる。「嬉しいニュースよ。さっき下村が罪を認めて警察に出頭したって」と理佐。「どういうこと?」と驚く杏奈に、「田村善造さんって人を騙したのよ。それを手引きしたのはあなたでしょう?」と理佐。田村善造は偽名で、アリスの声掛けで協力してくれた元劇団員だと言う。「田村善造という存在を知っているのは、私たちとサダさん、杏奈さんだけ。それなのに下村はそれを知っていた。これがあなたと下村がグルである証拠よ」と理佐。あ然とする杏奈。
サダは薄々気付いていたようで、落ち着いている。「……サダさんは気付いていたんですね。気付いて騙されていたんですね」と理佐。否定しないサダ。「え?どうして?」と杏奈。「きっと、息子さん夫婦に遺産を残すより、杏奈さんに残してあげたいと思ったんじゃないかしら。いつか正直にごめんなさいと言ってくれることを期待しながら」と理佐。杏奈は、自分を思ってくれるサダの気持ちを裏切ってしまったことを後悔し、「……ごめんなさい」と頭を下げるのだった。
後日。奪われたお金は、賠償請求の民事訴訟を起こして取り返すことになった。杏奈も反省しており、ほぼ全額返してもらえる気配。無事に解決して安堵する理佐たちだが、店の隅では、杏奈に失恋して落ち込む茂がいて……。
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