2016年2月25日 第8話「結婚してから詐欺!?」
魚住貞雄(皆川猿時)は妻、町子(原幹恵)の浪費癖に困っていた。町子は貞雄のカードを勝手に使い、服やバッグにと散財し放題。貞雄が結婚前から貯めていた1000万円もの貯金も結婚後1年半ですっかり使い果たしてしまった。貞雄が注意をすると「文句言うなら離婚するわよ」と町子。町子に惚れている貞雄は、困り果ててしまう。
その貞雄に、昔のバイトの後輩だった竹内茂(小籔千豊)が助け舟を出し、「アンヘラ」に連れて来る。だが、頼みの綱の菅原円(葵わかな)は、事情があってしばらくバイトに来ないと言う。「そんな!円さんがいないと困ります」という茂に、「何言ってるの、大丈夫。金銭トラブルの窓口は私よ!」と栗原理佐(片瀬那奈)、必死に法律の参考書をめくりながら貞雄の相談に乗る。
「奥さんの浪費癖ね…。夫婦には『日常家事債務』というのがあって…」と理佐、民法上、日常家事の範囲の出費については、夫婦互いに支払いの義務を負うが、それ以外については支払い義務はないと言う。「だから、奥さんが浪費した分は奥さん自身が支払わなければならないんです」と理佐。とりあえず貞雄に、これまで町子が使ったお金の総額を把握するようアドバイス。
貞雄が、町子の部屋をこっそり探ると、想像以上に高額のカード明細や見たことのない高級ブランド品が次々出てくる。その上、身に覚えのない貞雄名義の車の購入・売却契約書までが見つかる。車は売り払われてすでになく、貞雄名義のローン200万円だけが残っていた。そこに町子が帰ってきて、何をコソコソ探ってるのかと怒る。貞雄は、理佐に教わった通り、「『日常家事債務』を超える浪費については、君が払わなきゃいけないんだぞ!」と言うが、「何言ってるの?使ったカードの名義はすべてあなたのものよ。車のローンだってそう、あなたに支払い義務があるわ」と町子に言い返される。
驚いた貞雄が、理佐の元に駆けつけると、「確かに…。奥さんの言う通りです」と理佐。町子の浪費でも、貞雄名義のカードを使われてしまうと支払い義務を負うのは貞雄になってしまうと言う。「話が違うじゃないですか!」と貞雄。
貞雄が、家に戻ると、町子が離婚の協議をしたいと言い、弁護士の殿村賢一郎(竹中直人)を呼んでいた。「奥さんは、セックスレスを理由に離婚をしたいと言っています。慰謝料も請求します」と殿村。「セックスレス? その責任は俺じゃない!」と貞雄。だが、殿村は一週間以内の返答を求めて去ってしまう。セックスを結婚前も結婚後も拒み続けていたのは町子の方だった。困った貞雄は再び理佐たちの元へ。
理佐が「セックスレスについては、どちらの責任か立証するのは難しいんです」と言うと、「…やっぱり、こんなとこじゃなくて、ちゃんとした弁護士に頼むべきだった!」と貞雄。見かねた茂が「円さんに電話して聞いた方が…」と言いだす。「それはできない」と理佐、円は今、父親を捜しに福井に行っていると言う。「お父さん?」と茂。その円の父親こそ、弁護士でもないが法律に詳しく、無償で人助けをしていた人だった。理佐もかつて、元夫から法外な慰謝料を請求されていたところを円の父に助けてもらったのだと言う。だが、その円の父親は今、行方不明になっていて、それを円は探しているのだった。「そんな円ちゃんの邪魔はできない。それに、円ちゃんのお父さんが言ってた。弁護士かどうかよりも、目の前にいるその人を助けたい、その気持ちが強い方が勝つんだって」と理佐は、貞雄のために必死に対策を考える。
その折、井上アリス(矢倉楓子)が、町子には離婚歴があったという情報を得る。「そんなはずありません!」と貞雄、町子は初婚だと言っていたし、戸籍にも離婚歴の記載はなかったと言う。町子は、離婚歴を戸籍から故意に消していたのだった。「戸籍謄本で離婚歴を消しても、『除籍謄本』を見れば分かりますから」と理佐、貞雄に言って町子の除籍謄本を取り寄せる。すると町子はこの8年間に3回離婚していることが判明。その上、その間にいくつかマンションを購入していたこともわかり…。
「おそらく今までの旦那さんと貞雄さんの貯金を使って購入したのね。これは夫の財産を狙って結婚を繰り返す『結婚してから詐欺』よ!」と理佐、町子の一連の行動は「詐欺」「横領」に値すると言うが、刑法244条で親族間の犯罪については、その刑が免除されることになっている。「ええ?じゃお金は取り返せないんですか!」と貞雄。「いいえ、それでも打つ手はあります」と理佐。
理佐と貞雄は、町子の元へ乗り込む。理佐が町子に「結婚・離婚を繰り返して夫の金を奪うなんて『結婚してから詐欺』だ」と言うと、「何が悪いの?そうよ、最初の夫から1400万、次が1700万円、その次が1500万、貞雄さんが1000万円。あなたたちみたいな不細工が私と結婚できたことを考えたら安いもん」と開き直る町子。
その言葉を録音する理佐。「録音したって妻は詐欺の罪に問われないのよ」と町子。「ええ、確かに。でも私たちはあなたを刑務所に入れたいんじゃありません。お金を返してほしいんです」と理佐、この録音を証拠に損害賠償事件の民事訴訟を起こすと言う。「えっ?」と驚く町子。「それに、あなたが離婚歴を隠していたことは離婚原因にもなりますからその慰謝料も請求しますね」と理佐。「そんな!」と町子、観念せざるを得なくなり…。無事、貞雄は町子からお金を取り返すことになった。
事件が解決した頃、「アンヘラ」に円が戻ってくる。父親は見つからなかったと言う。「そうですか…。それにしても、今回、店長すごかったんですよ!一人で必死に頑張って」と茂。「大変なら相談してくれたらよかったのに。夜は暇だったんで」と円。「ええ? 一応、気を使ったつもりだったんだけどな…」と拍子抜けする理佐で……。
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