第7話「あの男と一夜…激怒妻と対面初恋が再燃」
5月14日(木)よる0:09
はる(比嘉愛未)は誘われるままに喜多嶋(佐藤隆太)と行きつけの店「花籠」で飲み明かした。結婚に関してはプロの学者の喜多嶋だが、恋愛に関しては普通の男だった。酔いに任せ、あれこれと自分の正直な気持ちを打ち明けるはる。
そして朝。気がつくと2人ははるのマンションで雑魚寝をしていた。
「うわぁぁぁ!」
どうやら何もなかったようだが、最悪のタイミングで訪ねてきた妹のしず夏(松川星)にその現場を見られてしまう。
自分の指導教官と姉が一緒の部屋にいたことに、しず夏は動揺を隠せず、2人を問いただす。だが、喜多嶋の態度はまんざらでもないように見えた。
「わたし、先生はありだと思うけど」
「喜多嶋先生とはそういうのじゃないって」はるは慌てて否定するが、 「永冨さんと別れたの、じわじわ淋しくなってくる頃じゃないの?」と核心をつかれてしまう。
そして、しず夏から、かすみ(佐津川愛美)と娘の彩が理一郎の家から出て行った事を聞かされ、ますます混乱してしまうはる。
喜多嶋は恋愛対象じゃない。そう思いつつも、はるはまた救いを求めて父・銀一(大石吾朗)が担当するラジオ番組に電話をしてしまう。だがそこでも「あなたは、どうしたいんです?」と逆に質問されてしまうのだった。
一方、かすみが去っていった後の理一郎(満島真之介)の部屋では、友人の海江田(中尾明慶)がその荒れ放題の部屋を見て呆れた声をあげていた。息苦しさを感じたこともあったけれど、潔く身を引いたかすみの態度は理一郎の心に強い喪失感を与えていたのだ。海江田はそんなボロボロの理一郎を慰めるように「高校の同窓会に一緒に行こう」と誘う。だが、理一郎は余り乗り気にはなれなかった。
同窓会当日。とある料理学校では講師の織田多実子(芦名星)が熱心に書類の整理をしていた。通りかかった講師のさつきが声をかける。
「あれ? 今日お休みじゃなかったですっけ。高校の同窓会とかなんとか」
実は、多実子こそが銀一のラジオ番組に相談をした主だったのだ。4年間のイタリア行きを3ヶ月後に控えた多実子だったが、仕事一筋で生きてきた人生にほんの少し疲れを感じているのも事実だった。
「イタリアに行ったら、もうちょっとのんびり働いてくださいね」
さつきにそう言われるものの、心の中の小さな虚しさを晴らしてくれるものが何なのか、分からなかった。
そんな気持ちを抱えながら、多実子は同窓会の会場へと向かう。
会場近くの喫茶店では、理一郎が小説を読んでいた。どうにも顔を出す気持ちにはなれなかったのだ。海江田から「早く来いよ」と催促の電話がかかり、理一郎はようやく会場へと向かう。
会場の前で、理一郎は多実子にばったり遭遇した。理一郎はひと目で多実子を思い出した。多実子は理一郎の初恋の人だったのだ。2人は会場には入らずに、さっきまで理一郎がいた喫茶店に戻り、コーヒーを飲みながらお互いの近況を語り合った。多実子は理一郎に「結婚せず、仕事一筋に生きてきた」事を告げ、自分が勤める料理教室のパンフレットと名刺を渡した。
「男の人向けの教室とかもやってるから、興味があったら連絡して」
同じ頃、はるのマンションではしず夏がはると喜多嶋に長崎名物のちゃんぽんをふるまっていた。久しぶりの賑やかな食卓を楽しむはるは、喜多嶋と長崎の甘い醤油のことでもりあがる。
「……早勢とは、この醤油のことで随分喧嘩しました。早勢は東京の人だから、きりっとした濃口の醤油が好きなんです。味付けも濃い目で。……案外、結婚がうまく行かない理由って、こういうことかもしれませんね」
帰りがけ、喜多嶋ははるに言った。
「結婚は、うまく行けば人を外の世界から守る柵になります。でも、時としてその人の自由を奪う檻になってしまう。……好きな相手と、結婚してうまく行く相手は違う……そういうものだと思いますよ」
同窓会の翌日、理一郎は書店の同僚からはるが永冨と別れたことを聞かされる。驚いた理一郎ははるを「花籠」へ呼び出す。だが、はるの口から戻ってきた言葉は2人の間に出来てしまった距離を、確かに感じさせるものだった。
お互いまた新たな道を歩き出したように見えたはると理一郎。だが、思いもよらぬ事実が発覚して……。
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