世界的名画の愛好家の有働グループの前会長宅からロメールのアジュール3部作の1枚が盗まれ、犯人と遭遇した管理人がナイフで刺された事件を捜査することになった桜木泉(上戸彩)ら捜査班。監視カメラの映像により、事件数日前に偽名を使って有働コレクションを見学に来た男(市川訓睦)がいたことと、その男が有名な洋画家・椎名清剛(石黒賢)と接触していたことがわかった。
泉は椎名の家にハウスキーパーとして潜入し、あらゆる場所に小型カメラを設置していく。
そんな中、椎名宅に映像の男が訪ねてきた。調べた結果、男は上原画廊で椎名の作品を担当している職員の内山和生だと判明した。上原画廊の責任者・上原秀典(井上肇)は画廊以外にも裏で盗品の買取りなど際どいビジネスをしている噂もある人物だ。また、事件当日に有働前会長の娘の三奈子(霧島れいか)が急に予定を変更して、犯人との遭遇を免れていたこともわかった。
瀧河信次郎(桐谷健太)と白石晋太郎(中原丈雄)が客を装い上原に接触。瀧河は隙をみて社長室に潜入し、フランス語で書かれた書類を見つけた。それはヨーロッパのオークション情報で椎名が上原画廊にアジュール3部作を探すよう依頼したものだった。
一方、椎名宅に潜入中の泉は、物置を捜索するため鍵を探して書斎に忍び込んでいた。そこで裏に2つの日付が書かれた椎名の絵を見つけ、さらに物置でアジュールと同じ大きさの荷物を発見するが中身までは確認できなかった。そんな中、椎名が上原に絵を売るように脅迫されていて、上原はフランス人の闇ブローカーとつながっていることが確認された。国外に売られる前にアジュールを取り戻すべく捜査員たちに気合いが入る。
椎名とは接点がないと話していた三奈子が、3年前に前会長と共に椎名と会っていた証拠が見つかった。三奈子に事情を聞くと、椎名の個展に来たとこや椎名と会ったことは誰にも言わないように父親から口止めされたという。また、前会長がアジュールを手に入れたのが20年前のマルセイユであることがわかった。泉が椎名の家で見つけた絵画はマルセイユの風景画で、日付の1つは前会長がアジュールを手に入れた日付けと一致していた。
泉が椎名を外に連れ出し、水道管工事を装った瀧河と磯村亮平(小林高鹿)が家に侵入。物置にある絵画を特殊なカメラで撮影して分析班に送った。そんなある日、上原と内山、フランス人の闇ブローカー、そして物置から絵を持ちだした椎名がそれぞれ一斉に動き出した。椎名は上原に絵画らしき荷物を渡すと、そのままどこかへ行ってしまい、上原と内山はそのまま取引が行われる場所へ向う。
白石ら捜査員や突入班が隠れる中、上原たちの取引が始まった。取引されたのは椎名が手渡した絵画だが、それは強奪された1枚ではなく、残されて本物と認定され美術館に厳重に保管されているはずの2枚のアジュールであることに驚く捜査員たち。
椎名宅に残っていた泉から強奪されたアジュールが物置にあると報告があり、ほぼ同時に以前送られた映像から絵画を分析していた竹林匠(木村了)が厚く塗り重ねられた油絵の下に椎名のサインを発見。つまり強奪された絵画は椎名が描いた贋作であることがわかった。取引への突入を止める指示を出す長嶋秀夫(北大路欣也)。
同じ頃、椎名家に三奈子が訪ねてきた。三奈子は父親からと大きな荷物を渡すと帰っていく。
荷物の中身は、強奪したはずのアジュールの絵だった。椎名はそれと自分が所持していたアジュールを並べると、泉に20年前のことを話し出した。無名だった椎名は通訳として前会長の絵の買い付けに立ち会っていた。買ったのは椎名が描いた贋作であったが、本物として交渉は成立。その際、前会長に自分の作品を"ロメールの猿真似"を評された椎名。
それから17年後、椎名の個展にやってきた前会長は素直に椎名を認めた。その日から前会長を騙した後悔にさいなまれた椎名は、本物のアジュールを渡そうと必死で探したが1枚だけ入手できないまま前会長が亡くなってしまったのだ。それでも本物を渡そうと、上原に本物を偽物に入れ替えると嘘をついて協力させて、手に入れた本物の2枚だけ差し替えたのだった。
三奈子が持ってきたアジュールには前会長から椎名への手紙が付いていた。前会長は、20年前のこともすべて覚えていて、贋作とわかっていながら椎名の才能を信じて買っていたのだ。さらに1枚の本物も入手していて、それを椎名に贈ってきたのだった。手紙を読んだ椎名は自首を決意。椎名の自供から、上原と内山も逮捕となった。
深沢ユウキ(丸山智己)から長嶋に、塚本を殺害して逃げた畑山昭子(堀内敬子)の捜査報告が入った。目撃情報をもとに近くの監視カメラを探したところ街中を歩く姿が映っていた。畑山の映像を確認した泉たちは…。
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