各話あらすじ
第1話 2023年1月20日
郊外にある児童精神科、さやま・こどもクリニックの院長・佐山卓(山崎育三郎)は、臨床心理士の向山和樹(栗山千明)とともに、発達障害など心に生きづらさを抱える子どもとその家族たちの診察を行い、向き合う日々。同じころ、大学病院の小児科で研修を受けていたドジな研修医・遠野志保(松本穂香)は、またしても遅刻をしてしまい、教授に呼び出される。そこで遅刻したことを怒られるかと思いきや、実は志保が重大な医療ミスにつながり兼ねないミスを犯していたことが判明。教授から医者になることを諦めろと告げられてしまう。
ショックでがく然とする志保は、気づけばある場所へ向かっていた…。そこはかつて幼い頃に住んでいた郊外にある小児科・心療内科の「りえ・こども診療所」。怪我をしては親には内緒で訪れて院長の佐山りえ(風吹ジュン)に優しく対応してもらっていたのだ。ところが志保がたどり着いた先は、「さやま・こどもクリニック」となっていて…。
第2話 2023年1月27日
院長・佐山卓(山崎育三郎)のもと、遠野志保(松本穂香)は「さやま・こどもクリニック」で研修することになり、向山和樹(栗山千明)や産休明けで戻ってきた受付担当の市川渚(是永瞳)も揃ってクリニックは賑やかに。そんなある日、川島雅紀(戸塚純貴)が佐山のもとに相談にやってくる。川島が訪問介護を行っているうつ病患者の滝川治(岡田義徳)は小学4年生の娘・悠里(浅田芭路)と2人で暮らしているのだが、どうやら悠里は学校に行っていないようで、また発達障害の疑いもあるという。
佐山の指示で、川島とともに滝川の家を訪ねることになった志保は、そこで衝撃の光景を目にする。家の中はゴミで溢れかえっており、その中で悠里がひとりご飯を作っていたのだ。さらに、万年床から出てきた様子の治はボサボサの髪に無精ひげを生やして、お世辞にも清潔とは言い難い。悠里は人懐っこく明るい印象ながらも、多動傾向が見受けられたこともあり、志保はなんとか治を説得してクリニックの予約を取り付ける。
第3話 2023年2月3日
遠野志保(松本穂香)は佐山卓(山崎育三郎)から、診察する前に患者が来院した経緯などを聞き取る予診を任される。やってきたのは6歳の女の子・柿崎希(沢田優乃)。希は誰彼構わず話しかけては、一方的に話し続けてしまう傾向があり、後日、志保は診断の結果、ASD・自閉スペクトラム症であることを伝え、さらに支援学級の話にも触れると、母の柿崎貴子(黒川智花)は激しく動揺して、通常学級に入れるつもりだと言い切って診断書を断る。そんな貴子の様子を見ていた佐山は、まずは療育を受けることを提案する。
療育を担当する言語聴覚士・堀凛(志田未来)を紹介された志保は、普段はロリータファッションに身を包んだ見た目とはかけ離れたその強気な性格に一瞬怯むが、志保も一緒に希の療育に立ち会うことに。凛は希に、ボールを使ってゲーム感覚で人の話を聞きながら話をすることを教え始めると、徐々に成果が出てくる。志保や凛に褒められて嬉しかった希は、ある日、貴子が目を離した隙にボールを持ってひとりで公園へ遊びに行ってしまい、そこで見ず知らずの小学生の子どもたちにいきなりボールでの会話遊びをしようと誘う。嬉々として話しかける希だったが、小学生たちからは相手にされないどころか、邪魔だと突き飛ばされてしまい…。
第4話 2023年2月10日
過度なダイエットをしていた女子高生・古川朱里(片岡凜)が、自宅で倒れてしまう。内科からの紹介でさやま・こどもクリニックにやってきた朱里に、佐山卓(山崎育三郎)は摂食障害の疑いがあることを伝えるが、朱里は、自分はむしろ太っていると言い張り、ダイエットをやめることも治療を受けることも拒否する。
実は朱里は高校受験に失敗しており、そのことをきっかけにダイエットを開始。ダイエットをすることで数字にハッキリと成果が現れるため、一度は失った自信を取り戻していた。さらに、痩せたことで同級生のしずく(鈴木梨央)たちに声を掛けられ、友達が増えたことにも喜びを感じていたのだ。そのため、頑なに治療を拒む朱里に、佐山は食べたものの記録だけでもしてほしいと約束する。
朱里はしずくたち友達の前ではダイエットをしていることを隠し、一緒にケーキを食べて楽しんでいる様子を見せるが、内心は太ることに恐怖を感じていた。そんな中、朱里はついにある行動に出てしまう…。
一方、遠野志保(松本穂香)は学生時代にアルバイトをしていた映画館が閉館することになり、久しぶりにアルバイトの仲間たちと集まることに。志保はそこで発達障害であることをカミングアウトしようと思っていることを、佐山と向山和樹(栗山千明)に相談する。
当時、たくさん迷惑をかけてしまったのに、温かく受け入れてくれたアルバイト仲間たちにきちんと伝えておきたいという志保の思いを聞くが、佐山と向山は心配の表情を浮かべる。当日、発達障害であることを伝えた志保は、皆からの思いもよらぬ反応に戸惑い…。
第5話 2023年2月17日
向山和樹(栗山千明)は、佐山卓(山崎育三郎)のもと「さやま・こどもクリニック」で働くかたわら、小学校でスクールカウンセラーを務めている。
向山は、ある日の教師たちとの会議の席で、6年生の足立茜(古川凛)の話を聞く。担任によると、茜は脳梗塞で右半身に麻痺が残ってしまった母・足立由香(奥菜恵)をひとりで面倒を見ており、もともと成績は良かったのだが、塾にも通えなくなり受験に失敗してしまったという。ヘルパーさんには毎日来てもらっていることや、茜がしっかりした子だということで、教師たちはあまり気に留めないが、向山は茜との面談を申し出る。
しかし、いざ面談をしても、茜は自分がヤングケアラーだという認識はなく、特に困っていることはないと言って、そそくさと切り上げてしまう。学校側は家庭にあまり立ち入ることができないという理由で放置のスタンスだが、向山は気がかりだということを遠野志保(松本穂香)に話していたところ、それを聞いていた佐山から後押しされ、茜との面談を継続することを決意。
向山がこれだけ茜のことを気にかけるのには、スクールカウンセラーとしてだけではなく、向山のある過去にも関係していた――。
第6話 2023年2月24日
「さやま・こどもクリニック」で佐山卓(山崎育三郎)が遠野志保(松本穂香)たちと昼食を取っている時に、佐山は堀凛(志田未来)から従姉の宮内春香(山田真歩)のことで相談を受ける。子連れ同士で再婚した春香は、新たに息子となった優太(石塚陸翔)との接し方に悩んでいた。
さらに佐山が診察や検査を行った結果から、優太は読み書きが苦手なSLD・限局性学習症であることが分かる。凛から教わった方法で優太はトレーニングを始め、少しずつ効果が出てきたものの、それでも学校の授業にはついていけず…。そこで、佐山からタブレットを活用する方法を提案された春香は、早速学校にタブレット使用を相談するが、許可は下りなかった。そんな中、優太は、散々なテスト結果を同級生にからかわれたことで、喧嘩に発展してしまう…。
一方、佐山が往診で不在にする中、「さやま・こどもクリニック」にひとりのイケメン男性(塩野瑛久)が佐山を訪ねてくる。対応した志保に「秀が来たとお伝えください」とだけ言い残し去っていってしまい…。はたして、この男性は一体誰なのか。やがて、この一件が「さやま・こどもクリニック」を大きく揺るがすことに――!?
第7話 2023年3月3日
「佐山記念総合病院」で行われた症例検討会に、佐山卓(山崎育三郎)とともに参加した遠野志保(松本穂香)は、そこで佐山から同病院での後期研修を勧められ、突然のことに戸惑う。そこは、佐山の父が経営する総合病院だった。佐山は弟の佐山秀(塩野瑛久)に呼び止められ、院長の父が院長室で待っていると言って連れて行かれてしまう。
クリニックに戻った志保は、向山和樹(栗山千明)の話から、佐山の父が佐山を「佐山記念総合病院」に新設する児童精神科の医長として迎えようと計画をしていることを知る。志保は、クリニックがなくなってしまうのではないかと心配になり…。
そんな中クリニックへ、ASD(自閉スペクトラム症)の少女・丸山優実(加藤柚凪)と父・丸山浩之(三浦貴大)がやってくる。優実は3ヶ月前に母を交通事故で亡くしていて、浩之は優実がそのことを理解しているのかわからないという。そう語る浩之も、慣れない子育てや妻を亡くした悲しみで憔悴している様子。佐山はクリニックで行っている、同じような境遇の人たちが集って自由に話したり交流する『グリーフケア』への参加を提案する。
また佐山は浩之に、自分自身がASDを抱えながら、優実と同じように幼い頃に母を亡くした経験を語る。それを聞いていた志保は、佐山が過去に何があったのか、なぜ叔母の佐山りえ(風吹ジュン)の元で育ったかを知る。
それぞれの想いと葛藤が交差する、運命の最終章――!
最終話 2023年3月10日
ASD(自閉スペクトラム症)の少女・丸山優実(加藤柚凪)が家からいなくなってしまったと、父・浩之(三浦貴大)から連絡を受けた佐山卓(山崎育三郎)や遠野志保(松本穂香)は、後日、優実が亡き母に会えると思い込んで遊園地に向かっていたところ保護されたと知る。
浩之は、なぜ優実が遊園地で母に会えると思ったのか心当たりはないというが、同じころ、別室で優実と一緒に過ごしていた向山和樹(栗山千明)は、優実の話から遊園地へ向かった理由を知る。そのとある理由を聞いた佐山は、かつて自分が母を亡くした頃に叔母・佐山りえ(風吹ジュン)と交わした会話の記憶がよみがえり、その経験から、優実に母の死をきちんと伝えるべきではと浩之を諭す。
一方、クリニックの佐山を訪ねて、父・佐山高志(小日向文世)が突然やって来る。過去の出来事から確執を抱える佐山に、高志は、佐山記念総合病院に新設する児童精神科の医長として佐山を迎え入れる計画の返事を迫るが…。
はたして、佐山が出した答えとは。そして、志保や向山たちの運命も左右する「さやま・こどもクリニック」存続の行方は。リエゾンチームが示す感動のラスト――。
原作概要
『リエゾン -こどものこころ診療所-』は、原作・漫画:ヨンチャン、原作:竹村優作による漫画作品。『モーニング』(講談社)にて、2020年14号から連載中。
ドラマ概要
原作&漫画・ヨンチャン、原作・竹村優作による同名漫画を吉田紀子の脚本で連続ドラマ化。児童精神科クリニックを舞台に、自らも発達障害がある院長と研修医が、さまざまな生きづらさを抱える子どもとその家族に真っすぐ向き合い寄り添っていく姿を描く。
ストーリー
児童精神科「さやま・こどもクリニック」の院長・佐山卓(山崎育三郎)は、総合病院を実家に持ちながら叔母が営んでいた小さなクリニックを引き継いだことから、一族からは変わり者扱いされている。だがその裏には、自らも発達障害・ASDを抱え、誰よりもその苦悩を理解する佐山の、患者やその家族と触れ合う時間を大切にしたいという信念があった。
一方、寝坊・遅刻・忘れ物は日常茶飯事の研修医・遠野志保(松本穂香)は、大学病院で小児科の研修を受けていた際、重大な事故につながりかねない失敗をしてしまい、教授から医師になることを諦めろと言われてしまう。失意の中、志保はあることを確かめるために向かった先で、佐山と出会う。
キャスト
佐山卓(さやま たく)
演 - 山崎育三郎
児童精神科「さやま・こどもクリニック」の院長。実家は大病院だが、叔母が経営していたクリニックを引き継いだため、一族の間では変わり者と捉えられている。自身も発達障害で、“さやま体操”と呼ばれる風変わりな体操など、毎朝決まったルーティンをこなす。患者やその家族と触れ合う時間を大切にしたいという信念がある。趣味はチェロ。
遠野志保(とおの しほ)
演 - 松本穂香
研修医。寝坊・遅刻・忘れ物は日常茶飯事で、大学病院での小児科研修時にミスを連発した上、重大な事故につながりかねない失敗をし、教授から医師になることは諦めるよう言われてしまう。そんな中、自身が発達障害・ADHDであると知り、一度は医師になることを断念しようとするが、佐山との出会いで背中を押される。
さやま・こどもクリニック
卓の運営する小児科クリニック。
向山和樹(むかいやま かずき)
演 - 栗山千明
「さやま・こどもクリニック」に勤務する臨床心理士。小学校でスクールカウンセラーも務める。佐山の独特な行動やペースにも動じることなく、常に冷静沈着。一見クールだが、誰よりも優しい心を持っている。佐山のよき理解者で、女房役としてクリニックを支えている。
市川渚(いちかわ なぎさ)
演 - 是永瞳
受付。一人息子を持つシングルマザー。
その他
堀凛(ほり りん)
演 - 志田未来
言語聴覚士。「さやま・こどもクリニック」などに出向いている。
川島雅紀(かわしま まさき)
演 - 戸塚純貴
「富士見坂訪問看護ステーション」の看護師。
佐山りえ(さやま りえ)
演 - 風吹ジュン
卓の亡き叔母。生前は小児科・心療内科「りえ・こども診療所」を営んでいた。
さやま・こどもクリニックの患者
鈴木梨央、浅田芭路、川原瑛都、佐藤恋和、沢田優乃
スタッフ
原作 - ヨンチャン(原作・漫画)、竹村優作(原作)『リエゾン -こどものこころ診療所-』(講談社『モーニング』連載)
脚本 - 吉田紀子
音楽 - 得田真裕
主題歌 - コブクロ「エンベロープ」(ワーナーミュージック・ジャパン)
挿入歌 - MOMO SANA MINA from TWICE「Bouquet」(ワーナーミュージック・ジャパン)
演出 - Yuki Saito、小松隆志、竹園元(テレビ朝日)
チーフプロデューサー - 五十嵐文郎(テレビ朝日)
プロデューサー - 浜田壮瑛(テレビ朝日)、木曽貴美子(MMJ)、村山太郎(MMJ)
協力プロデューサー - 中込卓也(テレビ朝日)
制作 - テレビ朝日、MMJ
番組公式サイト
リエゾン -こどものこころ診療所- - Wikipedia