2020年10月19日より同年12月21日まで、毎週月曜 24:55〜25:25にフジテレビで放送された。全10話。
各話あらすじ(2020年10月19日 - 12月21日)全10話
第1話 2020年10月19日「謎の妊婦」
2015年のある冬の夜、今泉菜央(森田望智)が勤務する新生病院に、所持品も何も無い身元不明の妊婦(小倉優香)が救急搬送される。この妊婦は臨月間近で、しかも自殺未遂を試みた形跡があり、この事で病院内は得も言われぬ不穏な空気が流れ始める―――。一命を取り留めた謎の妊婦を、献身的に看護する菜央ではあるが、謎の妊婦は一切、何も語ろうとしない。新生病院の看護師長で、現院長(羽場裕一)の一人娘の美恵(芦名星)は、時に不吉な笑みをうかべる謎の妊婦に対し、次第に拒否反応を示すようになり、病院から追い出そうとする・・・。
第2話 2020年10月26日「私は幽霊なのに…」
謎の妊婦(小倉優香)は、院長の潤一郎(羽場裕一)と約20年前に愛人関係にあった芙美子(泉はる)が生んだ子どもだった。認知もせず関係を続ける潤一郎に業を煮やした芙美子は姿を消し、計画的に自殺未遂を企て新生病院に救急搬送される。そして、芙美子が潤一郎の愛人であることを知った妻の和代(山下容莉枝)は、嫉妬から芙美子を手に掛ける…。
第3話 2020年11月2日「憎しみの膨張」
謎の妊婦・英子(小倉優香)は一向に心を閉ざしたままで、以前にも増して病室には不穏な空気が漂っていた。献身的に接する菜央(森田望智)に対し、ますます憎悪を増していく美恵(芦名星)は、夫で産婦人科医の秀明(市川九團次)が英子と何かしらの関係があるのではないかと疑い始める。
第4話 2020年11月9日「代理出産」
英子(小倉優香)に対し疑心暗鬼な気持ちが増していく美恵(芦名星)は、子宮に先天的な病気があり、子どもができにくい身体だった。不妊治療でつらい思いをしていたある日、父親で院長の潤一郎(羽場裕一)と夫の秀明(市川九團次)から、思いがけない提案を受ける。
第5話 2020年11月16日「私を忘れないで 」
出産間近だった英子(小倉優香)のおなかの中の胎児が、突如として死亡。ショックを隠せない英子に対し、美恵(芦名星)は天罰が下ったとののしる。希望を失った英子は、彼女の身を案じる菜央(森田望智)に「私を忘れないで」と、まるで自分の死期を悟ったかのように告げ、その場に倒れる。
第6話 2020年11月23日「動き出した悪夢 」
2020年。あれから5年の月日がたち、菜央(森田望智)と勇馬(松本大志)は結婚、菜央のおなかの中には新しい命が宿っていた。しかし、菜央は毎夜悪夢にうなされるように。胎児の発育も思わしくなく、さらに幻覚や幻聴にも悩まされ、菜央は心身ともに疲弊していく。
第7話 2020年11月30日「事の真相」
相変わらず悪夢に悩まされ続けている菜央(森田望智)。悪夢の原因を究明しようと聞き込みをする勇馬(松本大志)は、当時、看護部長をしていた佐和子(おぞねせいこ)から、新生病院に関する重要な証言を聞き出す。また時を同じくして、週刊誌記者(西洋亮)から、亡くなった英子の葬儀時の写真が見つかったと連絡が入る。
第8話 2020年12月7日「幼き日の英子」
英子(小倉優香)の幼少期の事情を聴いた勇馬(松本大志)は、菜央(森田望智)の悪夢は英子が原因であるとたどりつく。幼少期の英子は和代(山下容莉枝)から軟禁生活を強いられており、英子と美恵(芦名星)が母親違いの姉妹ということから、和代は将来、英子を美恵の身代わりにしようとしていたのだった。
第9話 2020年12月14日「あの子を探して」
悪夢や幻覚幻聴が日を追うごとに激しくなり、菜央(森田望智)は心身ともに限界を迎えようとしていた。懸命に英子の呪いを調べる勇馬(松本大志)は、新生病院の中に秘密があると踏み閉鎖した病院へ向かう。そして、まるで何かに導かれるかのように勇馬は病院の中へ。その頃、目を覚ました菜央は突如破水してしまう。
最終話 2020年12月21日「あの子が生まれる 」
危険な状態の菜央(森田望智)の前に助産師として働く佐和子(おぞねせいこ)が現れ、菜央の出産に尽力する。一方、勇馬(松本大志)は、英子が見つけてほしいモノを探すため、閉院した新生病院の中を探索。果たして、勇馬は英子の呪いの秘密を見つけることができるのか。
概要
ジャパニーズホラーの代名詞となった、映画「リング」「貞子」シリーズの原作者・鈴木光司の書き下ろし作品を映像化。郊外の総合病院を舞台に、ある出来事から歯車が狂い始め、昭和、平成、令和と三つの時代にわたって繰り広げられる一族の人間模様が複雑に絡み合い、崩壊へと進んで行くさまを描く。
ストーリー
2015年。郊外にある総合病院・新生病院の産婦人科で働く看護師の今泉菜央(森田望智)の勤務中に、故意に救急車にひかれた妊婦(小倉優香)が緊急搬送されてくる。その妊婦は、手首を自傷していた上、所持品もない身元不明患者だった。院長の婿で産婦人科医の河本秀明(市川九團次)は、治療のために救急処置室に入るが、運ばれてきた妊婦の顔を見た瞬間、表情を固くする。
母子共に大事には至らず、状態が落ち着くまで入院することになった妊婦は、一言も話さず不気味な笑みを浮かべるだけ。院長の娘で秀明の妻である看護師長の美恵(芦名星)は、そのあざ笑うような態度に腹を立て、妊婦を追い出そうとする。
キャスト
今泉菜央(いまいずみ・なお)
演 - 森田望智
新生病院の看護師。高校時代に同級生の自殺を救えなかったという思い出したくない過去を抱える。新生病院閉鎖後に結婚しており、結婚後は汐月菜央名義。
英子(えいこ)
演 - 小倉優香 少女期 - 永野絵梨奈 幼少期 - 一瀬千尋
身元不明患者として運ばれてきた謎の女性。303号室に入院。実は河本潤一郎と芙美子の間に生まれた戸籍を持たない婚外子であり、幼いころに輝子に預けられた。2008年、輝子が入院の際、半ば強引に河本家に引き取られ、河本秀明と河本美恵夫妻の代理母として子供を身ごもる。出産のタイミングで河本美恵により殺害される。
汐月勇馬(しおつき・ゆうま)
演 - 松本大志
2015年時点では菜央の彼氏。2020年時点では菜央と結婚しており、悪夢に悩ませられる菜央を救うため、5年前新生病院に担ぎ込まれた謎の女性の素性を追う。実は河本潤一郎と新沼佐和子との息子であるが養子に出されているため、当人も知らない。
河本秀明(こうもと・ひであき)
演 - 市川九團次
美恵の夫。婿養子である。妻との間に子ができず、跡取り問題で義理の両親からプレッシャーをかけられているが、代理母に選んだ英子との間に子供ができてしまう。新生病因閉鎖後は離婚しており、別の女性と質素な暮らしを送っている。
河本和代(こうもと・かずよ)
演 - 山下容莉枝
院長夫人で麻酔科医。娘の美恵を溺愛する。夫の不倫相手である芙美子を殺害。その娘である英子を叔母の輝子に預け育てさせ、中学生程度の年齢に達した2008年、美恵の「身代わりの臓器になれる生命」として強引に引き取った。英子に折檻を繰り返していたが、英子に筋弛緩剤を点滴として打たれ殺害される。死亡後も美恵の夢の中に現れ、度々アドバイスを送る。
河本美恵(こうもと・みえ)
演 - 芦名星
院長の娘。看護師。妊娠中。しかし大きなお腹は世間体を考え、代理母が出産するまでのダミーであった。代理母が夫の浮気相手でもある英子だと知り逆上する。
河本潤一郎(こうもと・じゅんいちろう)
演 - 羽場裕一
新生病院の二代目院長。美恵の父であると同時に、実は英子の実父であり、勇馬の実父。新生病院閉鎖後は妻に介護されている。
芙美子(ふみこ)
演 - 泉はる
潤一郎の愛人。英子の母。子供を出産するものの、認知を断られ、自殺未遂を起こす。しかし運び込まれた新生病院で和代に真相を知られたため、診療事故を装い殺される。
新沼佐和子
演 - おぞねせいこ
看護部長。ナースステーションの看護師たちから信頼を寄せられる快活な人物。ただしかつて潤一郎と愛人関係にあり、娘の美恵には「人殺し」とまで呼ばれており、よく思われていない。
輝子
演 - 赤座美代子
幼少期の英子を育てた、母のような存在。群馬在住。
矢野奈々子
演 - 手塚真生
新生病院の看護師。噂好き。病院閉鎖後は平穏な主婦生活を送る。
桜井幸子
演 - 安田聖愛
新生病院の看護師。奈々子とと同じく噂好き。病院閉鎖後は水商売に就く。
田辺和香
演 - 嶋本詩織
菜央の高校時代の同級生。目立たない存在であったが、交際していた男性の子を身ごもり、いじめの対象となり自殺する。
柏木徹
演 - 西洋亮
週刊誌記者。廃院となった新生病院がある地元の記者であり、勇馬の依頼を受け、英子の謎を追う。
ホームレス
演 - 満利江
英子が持っていた人形と同じような人形を持つ女。2015年時点では英子が病院を抜け出した際に出会っており、2020年時点では廃院した病院内を寝床にしている。
河本又一
演 - 鈴木光司(特別出演)
7話に出演。
ゲスト
平嶋夏海、加藤絵莉、杉浦檸檬、須藤未悠(9話)
スタッフ
原作・脚本:鈴木光司
脚本:久保幸湖、井上櫻子、谷井美佳
音楽:宮井英俊
企画・プロデュース:清水一幸
プロデューサー:齋藤浩司、若山佑介、山口誠
監督:山内大輔、小野寺昭洋
制作プロダクション:ヒューマックスシネマ
制作協力:47style
制作著作:フジテレビジョン
主題歌 - eill「Night D」(SPACE SHOWER MUSIC)
番組公式サイト
あの子が生まれる… - Wikipedia