原作概要
『この世界の片隅に』(このせかいのかたすみに)は、こうの史代による漫画作品。『漫画アクション』(双葉社)にて2007年1月23日号 - 2009年1月20日号まで連載された。単行本は、同社より2008年から2009年に上・中・下巻の形式と、2011年に前編・後編の形式で発売された。(書誌情報参照)
2011年8月5日に日本テレビ系でテレビドラマ化(単発)された。
2016年11月12日には、片渕須直監督による同名の劇場アニメーション映画が全国公開された。
ドラマ概要
累計120万部を超えるこうの史代の同名漫画を初めて連続ドラマ化。のんびりしているが他人を思いやる心にあふれ、国中に暗雲立ち込める時代でも前を向き、明るく生きようとするヒロイン・すず役は、オーディションにより約3000人の中から松本穂香が抜てきされ、松坂桃李と夫婦役を演じる。そのほか、村上虹郎、二階堂ふみ、尾野真千子、伊藤蘭、宮本信子らが共演。戦時下でもささやかな幸せを見つけて、“普通の暮らし”を営もうとひたむきに生きる姿を丹念に描く。
ストーリー
太平洋戦争の最中、呉の海軍に勤務する北條周作(松坂桃李)は、幼い頃に出会った浦野すず(松本穂香)を思い出し、嫁にしたいとすずの実家を訪ねてくる。すずは周作のことを覚えていなかったが、そのまま縁談は進んでいき、すずは広島の江波から呉に嫁ぐことになる。
北條家で新たな生活を始めたすずだが、次第に戦争は泥沼化。物資は不足し、家族や友人たちが戦場に送られてしまう。そんな中、すずは不安と戦いながらも前向きに、そしてけなげに日々の暮らしを生きようとしていた。
キャスト
北條(浦野)すず - 松本穂香(幼少期:新井美羽)
周作の妻。広島・江波で海苔すきを営む家に生まれ育ち、呉の北條家に嫁ぐ。のんびりした性格だが、思いやりの心にあふれている。戦時中でも前を向き、明るく生きていこうとする。
北條周作 - 松坂桃李
すずの夫。呉鎮守府の海軍勤務。物静かだが、秘めた情熱と優しい心を持ち合わせている。
水原哲 - 村上虹郎
すずの幼なじみ。亡くなった兄の遺志を継いで海軍兵学校に入隊する。すずとはお互いに淡い恋心を抱く。
刈谷幸子 - 伊藤沙莉
堂本志野 - 土村芳
浦野十郎 - ドロンズ石本
浦野すみ - 久保田紗友(幼少期:野澤しおり)
黒村晴美 - 稲垣来泉
白木リン - 二階堂ふみ
呉にある朝日遊郭の遊女。買い物帰りに道に迷ったすずと偶然知り合い、友人となる。
黒村径子 - 尾野真千子
刈谷タキ - 木野花
堂本安次郎 - 塩見三省
北條円太郎 - 田口トモロヲ
浦野キセノ - 仙道敦子
浦野要一 - 土屋慶太
北條サン - 伊藤蘭
周作と径子の母。足を悪くして夫の円太郎に助けてもらっている。新たな家族となったすずを温かく迎え入れる。
森田イト - 宮本信子
すずの祖母。幼い頃から孫のすずを温かく見守り、不器用なすずの優しさを誰よりも理解している。
スタッフ
原作 - こうの史代『この世界の片隅に』(双葉社刊、『漫画アクション』連載)
脚本 - 岡田惠和
音楽 - 久石譲
劇中歌 - 「山の向こうへ」(作詞:岡田惠和、作曲・編曲:久石譲)
special thanks - 映画『この世界の片隅に』製作委員会
撮影 - 花村也寸志
時代考証 - 山田順子
方言指導 - 小豆畑雅一、沖田愛
海軍考証 - 相原謙次、国本康文
劇中イラスト - 中谷友香
手旗指導 - 岡浩
海苔すき指導 - 落合政美、楠本健司、和田美仁
藁草履指導 - 中島安啓
演出 - 土井裕泰、吉田健
プロデュース - 佐野亜裕美
製作著作 - TBS
各話あらすじ(2018年7月15日 - 9月16日)全9話 平均視聴率 9.74%
第1話 2018年7月15日「昭和の戦争のさなか懸命に生きた家族の愛と命の感動物語!」 ※初回25分拡大(21:00 - 22:19)
昭和9年のある日、広島県広島市江波に住む少女・浦野すず(幼少期:新井美羽、大人時代:松本穂香)はお使いに出た帰り道、川原で絵を描いていたところを人攫いに捕まってしまう。しかし、先に捕まっていた少年・周作(幼少期:浅川大治、大人時代:松坂桃李)の機転で逃げ出すことに成功する。無事自宅に帰りついたすずだが、今日の出来事が夢のように思えて…。
第2話 2018年7月22日「小姑襲来!戦時下の広島波乱の新婚生活が幕を開ける!」 ※15分拡大(21:00 - 22:09)
すず(松本穂香)が北條周作(松坂桃李)のもとに嫁いで数日。山の上に建つ北條家には水道が通っておらず、共同井戸まで水を汲みにいくのがすずの日課となった。近所のことなら隣に住む刈谷タキ(木野花)が何でも教えてくれる。隣保の住民たちとも徐々に馴染みになってきた。
第3話 2018年7月29日「初めての逢引、交錯する4つの運命」
1944(昭和19)年6月、広島・呉に初めて空襲警報が鳴り響く。情勢が緊迫する一方で、周作(松坂桃李)に恋をしているすず(松本穂香)はでれでれするばかりで緊張感が全くない。娘の晴美(稲垣来泉)を連れて出戻っている周作の姉・径子(尾野真千子)は、そんなすずにいら立ち、余計な一言をつぶやく。そんな折、すずが砂糖つぼを水がめの中に落としてしまう。砂糖を買うため闇市を訪れたすずは、遊郭で働くリン(二階堂ふみ)と知り合う。
第4話 2018年8月5日「りんどうの秘密、知られざる過去」
絵を描いていたすず(松本穂香)は、憲兵から間諜の疑いを掛けられる。疑惑はすぐに晴れるものの、すずは倒れてしまう。その夜、話を聞いた円太郎(田口トモロヲ)は、すずが倒れたのは周作(松坂桃李)との子を身ごもったからではと言い出す。婦人科で検査を受けたすずは、病院の帰り道でリン(二階堂ふみ)と再会し、子どもの事などを語り合う。一方、径子(尾野真千子)の元を、婚家に残してきた息子・久夫(大山蓮斗)が訪ねてくる。
第5話 2018年8月12日「空襲来る…さよなら初恋の人」
井戸端を訪れたすず(松本穂香)は、水兵になった幼なじみ・哲(村上虹郎)と再会する。「おまえに会いに来た」と笑顔で水くみを手伝う哲にすずは違和感を覚える。北條家までついて来た哲は、一晩泊まらせてほしいと言い出す。すず達が困惑する中、周作(松坂桃李)が帰宅する。ひとまず哲を迎え入れるが、はしゃいでいる哲と不機嫌な周作に、すずは気が気でない。一方、径子(尾野真千子)とサン(伊藤蘭)はその状況を楽しんでおり…。
第6話 2018年8月19日「昭和20年夏、きたる運命の日!」 ※『アジア大会2018ジャカルタ』(18:30 - 22:20)放送のため80分繰り下げ(22:20 - 23:14)。
呉の空を覆い尽くすほどの敵機が現れた。初めて空襲に遭ったすず(松本穂香)達は無事だったものの、戦争がついに呉にもやって来たと痛感する。1945年4月。北條家一同は幸子(伊藤沙莉)を伴い花見へ。周作(松坂桃李)は幸子を同僚・成瀬(篠原篤)に紹介する。一方、すずは少し離れた場所で美しい着物姿のリン(二階堂ふみ)と再会。リンに話し掛けられるが、周作とリンの関係が気になり、うまく言葉を返すことができない。
※2018年8月26日は『アジア大会2018ジャカルタ』(18:30 - 23:45)放送のため休止。
第7話 2018年9月2日「昭和20年8月広島…失った笑顔、絶望の先」
周作(松坂桃李)が不在の中、すず(松本穂香)と晴美(稲垣来泉)が不発弾の爆発に巻き込まれてしまった。意識が混濁したまま北條家で横になっていたすずは、ようやく目を覚まして現実を理解する。径子(尾野真千子)は、幸子(伊藤沙莉)と志野(土村芳)にすずを支えるよう頼む。浦野家では、キセノ(仙道敦子)らがサン(伊藤蘭)からの手紙ですずの現状を知り、心配していた。そんな折、再び空襲が始まり、北條家に焼夷弾が落ちてくる。
第8話 2018年9月9日「最終章前編!戦争が終わる…さよなら親友」
すず(松本穂香)達は広島の方角に巨大なきのこ雲を目撃。実家の家族を心配するすずだが、医療経験がないため救助トラックに乗せてもらえない。そんな折、すず達は空から降ってきたビラ「伝単」を拾う。そこには降伏勧告の文言が書かれており、すずは怒りをあらわにする。そして1945(昭和20)年8月15日。ラジオの前に集まった一同は終戦を告げる玉音放送を耳にする。日本の敗戦を知ったすずは納得できず取り乱す。
最終話 2018年9月16日「完結〜原爆後の広島で出会った愛の奇跡」
1945(昭和20)年11月。周作(松坂桃李)が任務で長らく不在の中、物資不足で闇市に行ったすず(松本穂香)は、途中で会った径子(尾野真千子)と米兵から食べ物の施しを受け、なんともいえない気持ちに。そんなある日、すずに祖母・イト(宮本信子)から手紙が届く。そこには実家である浦野家の苦況が記されていた。家族を心配するすずはサン(伊藤蘭)達の許可を得て、久しぶりに帰郷。今はイトの家で暮らす妹・すみ(久保田紗友)と再会する。
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この世界の片隅に - Wikipedia