『遺留捜査』(いりゅうそうさ)第1シリーズは、テレビ朝日系列で2011年4月13日から同年6月22日まで放送された。放送時間は毎週水曜日21:00。原作はなく、脚本家によるオリジナル脚本である。全11話。
2012年7月12日から同年9月6日まで、第2シリーズが放送された。これまでの水曜21時台から木曜21時台の「木曜ドラマ」枠での放送となり、かつ同枠としては異例の東映制作枠となる。全8話。初回2時間スペシャル(20:00〜21:48)。
2013年4月17日から同年6月12日まで、第3シリーズが水曜21時台に戻って放送された。なお、舞台は変わらずに月島中央署のままである。全9話。
2013年11月10日と2014年8月9日と2014年10月19日にドラマスペシャルが放送。
2017年7月13日から9月14日まで連続ドラマとしては4年ぶりとなる第4シリーズが、「木曜ミステリー」枠にて放送された。月島中央署から京都府警捜査一課特別捜査対策室に糸村が赴任するという設定となる。
2018年11月11日にて日曜プライムでスペシャルドラマとして放送。
概要
“遺留品”が持つ意味を探り、亡くなった人物が伝えたかったメッセージを代弁して遺族の心情をも救う優しさと、マイペースで空気を読まない不思議なキャラクターで人気の刑事・糸村聡の活躍を描く、上川隆也主演ドラマの第5シーズン。2017年7月の第4シーズンでは、平均視聴率11.0%、最高視聴率は13.1%を記録。また東京から京都へと舞台を移し、そのノスタルジックな情景と作品の核となる人間ドラマの融合が高く評価された。
ストーリー
昨年、東京・警視庁から京都府警に異動となった糸村聡(上川隆也)。糸村が着任したのは京都府警の中でも特殊な事情の案件を優先的に任されるチーム“特別捜査対策室”、通称・特対だ。
難事件を鮮やかに処理し、他府県との合同捜査や隠密捜査も担当する“火消し”とも呼ばれているこのプロフェッショナル集団には、個性豊かな人材が集まっている。糸村とバディを組む神崎莉緒(栗山千明)は、性格的には合わないものの、彼の遺留品に対する姿勢と信念を認め、徐々にコンビらしくなってきている。
そんな中、新たに捜査一課から転属となった、たたき上げの刑事・岩田信之(梶原善)も加わり、数々の難事件に挑んでいく。
キャスト
上川隆也
糸村聡 役
京都府警捜査一課特別捜査対策室刑事。鋭い鑑識眼と偏執的ともいえるこだわりを持ち、事件現場に残された“遺留品”や被害者が残した“被害品”をもとに、事件を徹底的に追及する。遺留品からくみ取った、容疑者の動機や被害者の最期の思いを浮き彫りにする。空気を読まないマイペースな性格で、周囲から変人扱いされている。
栗山千明
神崎莉緒 役
京都府警捜査一課特別捜査対策室刑事。糸村とバディを組まされ、そのマイペースぶりにうんざりしながらも、遺留品にこだわる彼の信念を認めるようになってきた。曲がったことが大嫌いな性格から、上司や同僚と衝突することも多い。スリムなスタイルからは想像もできないほどの大食い。
永井大
雨宮宏 役
京都府警捜査一課特別捜査対策室刑事。文武両道を地で行くタイプで、極めて高い身体能力と優れた逮捕術も併せ持つ。一見完璧だが、本番に弱いという一面も。一歩引いた距離感で糸村を観察するが、その空気を読まないマイペースぶりに、いつの間にか巻き込まれることも。
宮崎香蓮
滝沢綾子 役
京都府警の科捜研研究員。人材交流で派遣されてきた村木の科学捜査の手際に感心していたが、糸村に振り回されてばかりの村木のためになかなか自分の仕事が進められず困っている。
梶原善
岩田信之 役
京都府警捜査一課特別捜査対策室刑事。生来の疑り深い性格と粘り強い捜査で捜査一課の名物刑事だったが、新たに特別捜査対策室に引き抜かれた。室長代理に抜てきされた路花にライバル意識を持ち、出しゃばろうとして空回りすることも。
甲本雅裕
村木繁 役
糸村と腐れ縁の警視庁科学捜査研究所係官。どんなに仕事が立て込んでいても、平然と別の鑑定を依頼してくる糸村にあきれながらも応じてしまう。1年の期限で、京都府警の科捜研に人材交流で派遣されたはずが、2年目の今年も残留することになる。
戸田恵子
佐倉路花 役
京都府警捜査一課特別捜査対策室刑事。京都生まれの京都育ち。父は太秦で有名な大部屋俳優で、“人たらし”と呼ばれた人物。その血を受け継いだのか、人の懐にスッと入り込む術を持ち、処世術や人間観察力に長けている。警察庁に出向となった桧山の後任として、特対の室長代理に抜てきされた。
スタッフ
脚本:大石哲也
脚本:真部千晶
演出:兼崎涼介、長谷川康、濱龍也
プロデューサー:三輪祐見子、佐藤凉一、藤崎絵三、丸山真哉
主題歌
小田和正 「やさしい風が吹いたら」/「小さな風景」(アリオラジャパン)
※やさしい風が吹いたら - 第1話・第4話・第6話・第8話 / 小さな風景 - 第2話・第3話・第5話・第7話・最終話
各話あらすじ(2018年7月12日 - 9月13日)全9話 平均視聴率 11.33%
第1話 2018年7月12日「あの風変わりな刑事が帰ってくる!!5億円の仏像を巡る連続殺人疑惑の住職vs謎の鑑定士!?断崖絶壁のカラビナに3分間の涙!」 ※初回2時間拡大スペシャル(20:00 〜 21:48)
文化庁職員で‘文化財Gメン’の涼子(遊井亮子)が転落死。涼子は1カ月前、山登り中に現場の崖のほこらで古い仏像を発見。仏像は有名な仏師の作と認定され、5億円は下らないといわれていた。涼子は個人として所有権を主張。だが、山を所有する電子部品会社とほこらを管理する寺の住職・大野(平泉成)も所有権を訴えていた。京都府警の糸村(上川隆也)は現場に出向き、涼子のとは違う種類のカラビナを見つける。
第2話 2018年7月19日「赤い風鈴〜25年間騙され続けたサギ師」
人気チョコレート店が集まるイベントを企画していた会社の社長・山田(村田雄浩)が毒殺された。同社で働く鈴木(畠山U輔)らによると、前夜、出店者が山田を訪ねてくることになっていたという。糸村(上川隆也)は、現場の事務所の窓辺にあった懐かしいアニメキャラクターの短冊を下げた風鈴が気になる。やがて、毒殺に使われたチっzョコレートドリンクの成分からショコラティエ―ルの友子(谷村美月)が捜査線上に浮かぶ。
第3話 2018年7月26日「赤目のカブト虫〜父になれなかった男!?」
人材派遣会社社長の桑原(増田修一朗)が自宅で殺され、現場から元従業員の野口(黄川田将也)の指紋や毛髪が見つかる。捜査で元恋人・千鶴(乙葉)が産んだ野口の娘・美晴(牧芽依奈)が急性白血病で入院中と判明。路花(戸田恵子)は入院患者になりすまし、骨髄移植のドナー適合検査に現れるはずの野口を待ち伏せする。一方の糸村(上川隆也)は、桑原が趣味で飼っていたカブトムシの1匹だけが赤い目をしていたことが気になる。
第4話 2018年8月2日「修正ペン〜美人歯科医が消した白骨の謎」
科捜研の村木(甲本雅裕)が川で釣りをしている最中、会社社長・加藤(松澤一之)の遺体を発見する。頭に傷があるが、事故か他殺かは不明。糸村(上川隆也)は遺体の袖口に引っ掛かっていた修正ペンが気になる。ペンは人気歯科医の真里(中山忍)が患者に配っているものだった。しかし真里は、加藤は患者ではなく面識もないと話す。捜査が進む中、4年前に加藤の会社がある女性からの融資で倒産を免れていたと分かる。
※2018年8月9日は「パンパシ水泳東京2018競泳国別対抗戦 決勝第1日」(19:00 〜 21:00 )中継のため休止。
第5話 2018年8月16日「花嫁の父の殺人告白捨てた形見の秘密!?」
撮影中の映画で衣装を担当していたデザイナーの井波(斉藤陽一郎)が殺された。井波の首には絞めた指の痕があり、頭部には血がにじんでいた。糸村(上川隆也)は現場の自宅アトリエで棒状のやすりを見つける。やがて、撮影現場でトラブルになっていた美術監督の山野辺(小野武彦)が捜査線に浮上。特注品と分かったやすりの注文主も山野辺で、指紋も検出される。取り調べた路花(戸田恵子)らに対し、山野辺は犯行を自供する。
第6話 2018年8月23日「5億円遺産争い!!お取り寄せの石と疑惑の鬼嫁の正体」
旧家・鴻上家の未亡人・美沙子(銀粉蝶)が殺された。糸村(上川隆也)は凶器の石が気になる。美沙子の亡き息子の妻で第一発見者の紀香(櫻井淳子)によると、石は美沙子が取り寄せたというが、用途は分からない。遺産は鴻上家の人間ではない美沙子の妹・夏江(久世星佳)と亡弟の子・清(石田佳央)が相続することに。金に困っていたその2人と美沙子と仲が悪かった紀香に容疑がかかる中、凶器の石が砥石(といし)と分かる。
第7話 2018年8月30日「幻の金メダル〜空のお守り袋に母の秘密」
水泳選手の宇多田(崎本大海)の他殺体が見つかる。日本代表入りも確実視された宇多田だがドーピング検査で違反成分を検出。本人は否定するも、失望したコーチの横山(森岡豊)に冷遇されていた。糸村(上川隆也)は、所持品の小さな布の袋が気になる。母親の里美(藤真利子)も袋には見覚えがないという。やがて宇多田が独立を計画していたと分かり、横山の他、所属スポーツクラブの社長・友梨(黒田福美)も容疑者に浮上する。
第8話 2018年9月6日「歌う空き缶!?消えた夏休みの宿題と過去からの殺人者」
糸村(上川隆也)は拾った銀紙をきっかけに玄関が開いた空き家に入り、他殺体を見つける。無断でそこに住んでいた被害者の指紋が、30年前の未解決強盗殺人事件の犯人が現場に残した指紋と一致する。糸村らは、30年前の事件で両親を殺された雄司(玉置玲央)に話を聞きに行く。一方で、糸村は現場にあった古い空き缶が作られた工場を捜し出し、被害者がかつて工場でアルバイトしていた久世(入江崇史)だと突き止める。
最終話 2018年9月13日「糸村、最後の事件!!特対VS.1000億の発明を狙う爆弾犯!カラフルな魚の鱗に美人科学者の秘密…二重三重の罠で糸村ついに殉職!?」 ※最終回2時間スペシャル(20:00 〜 21:48)
大学准教授・裕子(観月ありさ)の受賞記念パーティーが行われたホテルの客室で爆破事件が発生。死亡したのは裕子に資金援助する会社の社長で、農水大臣・冨樫(大和田伸也)の息子・一規(尾崎右宗)だった。一規は研究の実用化を巡り、裕子や学部長・和久井(小松和重)ともめていたと分かる。一方、糸村(上川隆也)が現場で拾ったものがチョウザメのうろこと判明。糸村はチョウザメの飼育員・高橋(三浦涼介)から話を聞く。
各話視聴率
遺留捜査スペシャル「あの風変わりな刑事が帰ってきた〜山深い限界集落に眠る700億円!?滝壺に降って来た山伏の死体の謎とは!?天狗の羽うちわに父子40年の涙の秘密!!」 2018年11月11日(日)21:00 〜 23:05
糸村vs天狗vs天才ハッカー!?謎の修験道者が殺害された。遺留品の鳥の羽から、糸村は天狗伝説が生きる山村に辿り着くが、そこでさらなる悲劇が!?難事件の衝撃の真相とは…!?
番組公式サイト
遺留捜査 - Wikipedia