概要
「火の粉」「真昼の悪魔」(共に同系)に続く、「オトナの土ドラ」枠の心理サスペンス最新作は、過去の幻想を追い求め、狂気に駆られた男の情熱と悲哀を描くオリジナルストーリー。かつて夢のニュータウンと呼ばれた団地を舞台に、「人に必要とされたい」「孫娘のためならどんな犠牲もいとわない」という思いから暴走する最狂老人が、惨劇を巻き起こす。
ストーリー
都内郊外に建つ「あやめ町団地」。1970年代に建てられた当時は庶民の憧れでもあったが、今は住人の数も減り、人も建物も老朽化の一途をたどっている。そんな団地に、初老の男性・寺内誠司(佐野史郎)が、6歳の孫娘・穂乃花(渡邊詩)と引っ越してきた。
「なぜ今さら」と不思議に思う住人たちに、「息子夫婦を1年前に火事で亡くし、孫娘を引き取ることに。自分が幼少期に過ごしたあやめ町団地で暮らすことが孫娘のために良い」と語る寺内。寺内の家には、俗にいう「老老介護」をしている高齢の父親・仁(山谷初男)も同居していた。寺内たち3人の移住をきっかけに、よどんでいた団地の空気が動き始める。
キャスト
寺内 誠司
演 - 佐野史郎
「あやめ町団地」に引っ越してきた初老の男性。家事を完璧にこなし、孫娘の穂乃花と、高齢の父・仁の面倒をきちんと見ている。妻の遺産と、火災により死亡した息子夫婦の保険金で、食べていくのには困っていない。子供のように純粋で、思い込みが激しく一途な性格。他人に尽くす人生を送ってきたため、“必要とされる”ことに生きがいを感じている。穂乃花のためならどんな犠牲もいとわない。
桜井 江理子
演 - 足立梨花
寺内の隣人。6歳の息子を持つ専業主婦。自己主張が苦手で、主婦仲間からはいじめに近い扱いを受けている。夫・高志の不倫に薄々気付きながら何も言えないでいる。最初は寺内の態度に戸惑いを感じるが、その献身的な姿に好感を持ち、家族ぐるみの付き合いをするようになる。
桜井 高志
演 - 迫田孝也
江理子の夫で、忙しく働くサラリーマン。一回り年下の江理子とは倦怠期だが、息子のことはかわいがっている。団地から早く出たいと考えていたが、建て替えのうわさがあるのを知り、補助金狙いで引っ越しを遅らせている。
金田 哲平
演 - 山崎樹範
団地の住人で、フリーター。昼間からスウェット姿で団地内を歩きタバコするような、無気力な男。周囲から押し付けられる形で、誰もやりたがらない自治会長の役目を押し付けられている。自分の利益になることなら、なんでもする小悪党。
寺内 穂乃花
演 - 渡邊詩
寺内 仁
演 - 山谷初男
菊池 史代
演 - 朝加真由美
寺内の息子の妻の母親で、穂乃花の祖母。娘が結婚し、特に穂乃花が生まれてから、寺内の言動にどこか異常なものを感じていた。娘夫婦が死亡した火災に、寺内が関与していたと疑っている。病気のため余命はいくばくもなく、寺内への復讐のためだけに生きるようになる。
東 加代子
演 - 江波杏子
団地の住人で、ゴミ屋敷のような部屋に住む老女。めったに言葉を発することはなく、団地内を徘徊している。その様相と行動から、他の住人に気味悪がられているが、なぜか寺内には心を開く。
スタッフ
脚本 - 香坂隆史
演出 - 湯浅典子、千葉行利
音楽 - 田渕夏海、中村巳奈重、櫻井美希
企画 - 横田誠(東海テレビ)
プロデュース - 遠山圭介(東海テレビ)、高橋史典(ケイファクトリー)、馬場三輝(ケイファクトリー)
制作著作 - ケイファクトリー
制作 - 東海テレビ
各話あらすじ 平均視聴率 3.13%
第1話 2018年6月2日「団地にやってきた最狂のおじいちゃん」 視聴率 3.8%
1年前に息子夫婦を火事で亡くした寺内(佐野史郎)は、孫・穂乃花(渡邊詩)、父・仁(山谷初男)と共に、自身が子どもの頃に住んでいた「あやめ町団地」に引っ越す。団地は1970年代に建てられ、当時は活気があったが、今は寂れていた。寺内は早速、隣に住む江理子(足立梨花)・高志(迫田孝也)夫婦の家など1軒ずつ挨拶回りをする。さらに寺内は自治会の会合に顔を出し、団地内の交流を画策。だが、無気力な自治会長・金田(山崎樹範)をはじめ、ルールや挨拶を無視する住人らがおり、思うようにいかない。
第2話 2018年6月9日「団地はしんせいなところです。」 視聴率 2.3%
寺内(佐野史郎)は以前の良き団地を取り戻そうと、回覧板の復活、敷地内のごみ拾いなどを住民に提案。江理子(足立梨花)はそんな寺内に賛同するようになるが、高志(迫田孝也)は彼の不審な行動に気付き、違和感を抱き始める。そんなある日、寺内は団地の住人で小学校のPTA会長を務める女性が日用雑貨の配達員と不倫をしているのを目撃する。自治会長の金田(山崎樹範)は面白がるが、寺内は聖域である団地で許せないと憤慨する。
※2018年6月16日は放送休止。
第3話 2018年6月23日「自分をぎせいにするおじいちゃん」 視聴率 3.3%
寺内(佐野史郎)が引っ越してきた一番の理由は、古くから知る住人・加代子(江波杏子)の情報を得て、江理子(足立梨花)を穂乃花(渡邊詩)の母親として見初めたからだった。一方、当の江理子は高志(迫田孝也)の不倫に悩んでいた。高志の不倫疑惑を調べ始めた寺内は、彼に江理子を大事にするよう直接忠告する。その際の寺内の異様な表情に恐怖を覚えた高志は、以前、団地にやって来た史代(朝加真由美)に会い、彼の素性を聞き出そうとする。
第4話 2018年6月30日「おじいちゃんと加代子さんのひみつ」
高志(迫田孝也)が家を出て行き、江理子(足立梨花)はますます寺内(佐野史郎)の家族と交流を深めるようになる。江理子と楽しそうに接する穂乃花(渡邊詩)や、結束が固まりつつある団地自治会に寺内は満足する。だが、寺内を怪しむ金田(山崎樹範)は彼をひそかに監視する。一方、江理子は、ごみ屋敷と化した部屋に住み、住民から疎んじられる加代子(江波杏子)が気になっていた。そんなある日、江理子の部屋に衝撃的な内容の手紙が届く。
第5話 2018年7月7日「行け! ダンチマン!」
47年前、寺内(佐野史郎)が加代子(江波杏子)の夫を殺害したことを江理子(足立梨花)に手紙で告発したのは仁(山谷初男)だった。口外しないと約束した仁の裏切りに、寺内は激怒する。仁は、団地で起きた不審な事件の数々は悪魔の心が蘇った寺内の仕業と気付き、悪行を止めようと江理子の家に手紙を投函したのだ。警察に自首することを望む仁に対し、寺内は不敵な笑みを浮かべ、団地住人で作る文集に名作を書くよう脅迫する。
第6話 2018年7月14日「おじいちゃんのこくはく」
あやめ町団地が老朽化したため取り壊されると聞いた寺内(佐野史郎)は、反対の署名運動を始める。取り壊し事業の担当者は、江理子(足立梨花)の高校時代の先輩でもある二宮(郭智博)で、寺内は二宮への敵意をむき出しにする。そんな中、穂乃花(渡邊詩)が、亡き両親に話し掛けるそぶりを見せた後、一言も話さなくなる。江理子を母親と認識すれば元に戻ると寺内に説得され、江理子は穂乃花の母親役を引き受けることになる。
第7話 2018年7月21日「仕上げはおじい〜ちゃん」
殺人を告白した寺内(佐野史郎)から逃げるように団地を出た江理子(足立梨花)はホテルに潜伏。だが、寺内は江理子の息子・颯斗(前田虎徹)を巧みに操り、彼女に手紙を渡す。そこには、団地住人と最後の親睦会を開き、‘一団心中’するとの内容が書かれていた。一方で、寺内が進める団地取り壊しの反対運動に対し、きちんと引っ越しできるように考えるべきだという住民達が署名を拒否し始める。逆上した寺内は強権を発動し…。
最終話 2018年7月28日「さらばダンチマン」
寺内(佐野史郎)に復讐するため団地に戻ってきた高志(迫田孝也)は、穂乃花(渡邊詩)を拉致する。だが、寺内は壁をたたき壊して桜井家に侵入し、穂乃花を奪還する。この一件に江理子(足立梨花)が協力していたことを知った寺内は、彼女に心を入れ替えるようさらに強く迫る。団地の取り壊しを間近に控え、寺内は住人達を前に改めて団地存続を熱弁する。感動した住人達が寺内に同調して盛り上がる中、江理子は機械的に拍手を送る。
番組公式サイト
限界団地 (テレビドラマ) - Wikipedia