概要
沢村一樹が主演を務める、“雇われ救世主”というユニークな職業を題材にした異色の人間ドラマ。沢村扮する明辺悠五は、期間限定で依頼主のいかなる無理難題もこなしていくという、新機軸のレンタルサービス「レンタル救世主」をやることになる。
明辺は、決してヒーローとしてあがめられるような人間ではなく、莫大な借金を抱えて妻子のために命懸けで救世主をさせられる、超絶お人好しな中年男性。ドラマでは、そんな明辺と共に雇われた救世主たちが、悪をくじいていくさまを痛快に描く。
ストーリー
飛び抜けてお人好しの中年男性・明辺悠五(沢村一樹)は、その性格が災いしてだまされ、いつの間にか莫大な借金を背負ってしまう。だが、愛する妻や子をその不幸に触れさせるわけにはいかないと、1人で金策に奔走していた。
そんなある日、偶然出会った男からスカウトされて「レンタル救世主」という謎のサービスに登録され、誰かを助ける仕事をすることになる。
なぜ自分が救世主を名乗らされているのか理解に苦しむ明辺だったが、自らも悲惨な状況下にあるため、さまざまな困難を抱える依頼者に感情移入。やがて明辺は、「助けて」と周りに伝えることのできない依頼者の気持ちを受け止めて、本物の救世主となっていく。
キャスト
「レンタル救世主」関係者
明辺 悠五(あかべ ゆうご)(49)
演 - 沢村一樹
大手商社の中堅サラリーマンだったが、お人好しの性格が災いし、会社の元同僚に騙され連帯保証人となってしまったため、多額の借金を抱えて懲戒解雇されてしまう。路頭に迷い、家族にも事実を言えない中、次の仕事を探すためハローワークで仕事探しをするが、自分に合った仕事がなかなか見つからず、たまたまハローワークの掲示板で見つけた「レンタル救世主」の求人張り紙を見て面接を受け「残りの人生を懸けてこの仕事をやります!」と絶叫し採用される。自身がお人好しでダメな分、声を出せない困った人たちを見過ごすことができず、依頼内容の領分を越えて全力で救おうとする。ネクタイの色は赤。
マンションの隣人・韮沢久志が「レンタル救世主」に相談にやって来た件を機に、家族に「転職」と「借金」の事を打ち明けた。
ラストコップ第7話にも後述のハイジと共に登場し、メイド喫茶の店長を務めている。
葵 伝二郎(あおい でんじろう)(23)
演 - 藤井流星(ジャニーズWEST)
「レンタル救世主」の従業員。ネクタイは青。常にカメラを所持し、セルフィー状態で自分の意見や依頼人を救助する様子をYouTubeに投稿する日々を送る自称スポットライト症候群でナルシストの若い男性。悠五とは反対に「仕事は仕事」と割り切るタイプで、依頼人からの依頼内容以外の事はしない性格。又格闘術(ルチャリブレ)に長けており、悠五が依頼人とともに敵に捕らわれている状態の時に大活躍する。因みに父親は世界で有名な覆面レスラー。
百地 零子(ももち れいこ)(23)
演 - 志田未来
資産家令嬢。他人に心を開かない性格の若い女性で家庭や学校で居場所を感じられなかった事から、人に対して「助けて」と言えずに閉じこもるタイプ。両親が資産家で兄は優秀。家出をし、兄には大企業で秘書をしていると嘘をついている。百貨店のお客様係に勤務しており、購入客のクレーム処理や土下座をする毎日。さらに会社の上司からセクハラをされ、耐えきれず思わず辞めてしまう。常に小声でブツブツ呟いていることから地蔵ちゃんとのあだ名を付けられているが本当はラップを呟いており、自分の思いをラップ調で話す。上司に拉致され、明辺や葵に救助された後レンタル救世主に入社する決心をする。
入社後は普通に会話しているが、感情が昂ぶった時などには、会話がラップ調になる。そのラップは相手の核心を的確に突くので相手の心を完全に折るのも間違いを気付かせるのも自由自在。
秦野 いろは(はたの いろは)(29)
演 - 中村アン
「レンタル救世主」会社秘書。何を考えているのか分からないミステリアスな性格。葵が動画を投稿したりする事等、何かと会社の宣伝になるかならないかを基準として考える事が多い。本業の他にカウンセラーの仕事もしているが、報酬は得ていない。
高校の時までは天真爛漫な明るい性格だったが、それが災いし、周囲からいじめを受けていた。そのことで親友に怪我をさせてしまったため、それ以来感情を表に出さなくなってしまったが、仲間たちに励まされ和解し、笑顔を取り戻す。
紀伊 ロイ(きい ロイ)(30)
演 - 勝地涼
「レンタル救世主」従業員。ネクタイの色は黄色。独特な明るいテンションと言葉遣いで話す。機械、パソコンに精通し、電気屋の様な恰好をしている事から、悠五には電気屋と勘違いされていた。
黒宇 幹太(くろう かんた)
演 - 大杉漣
「レンタル救世主」会社社長。感激屋で涙脆い。明辺を採用するに当たり、彼の債務を買い取った。
以前は、零子の兄が代表取締役を務めるIT企業「イカソリッシュ」の副社長であったが、経営コンサルタントと身分を偽っていたミス・ワタナベによる横領の濡れ衣を着せられ、会社を解雇された。その後、ボランティアに行き、困っている人々の姿を目の当たりにし、ネットを通じて援助を呼び掛けるも、偽善者扱いされて炎上した。しかしある時、「『仕事』として人助けをするのは許されることだ」と気づき、「レンタル救世主」を設立した。
その他
明辺 紫乃(あかべ しの)(44)
演 - 稲森いずみ
明辺の妻。家族でのハワイ旅行を楽しみにしている明るい性格。明辺が解雇されてからの様子の変化を気に掛けており、「困った事があれば何でも言って。いつでも働く準備は出来ているから。」と話す優しい性格。
明辺 彩芽(あかべ あやめ)
演 - 莉帝
明辺の娘。母と同じく、ハワイ旅行を楽しみにしている。又作文で父の色んな姿を書く等、父が好き。
葉石 りさ子(はいし りさこ)(18)
演 - 福原遥
葵をレンタル彼氏として依頼した女子高生。通称「ハイジ」。
零子の後輩にあたり、彼女の事を伝説として知っていた。
前述の通り、明辺と共に「ラストコップ」第7話に登場、メイド喫茶のメイドを務めている。
柿本 信也(かきもと しんや)(49)
演 - 梶原善
明辺の元同僚。チェーン店事業計画への出資を明辺に持ちかけ、出資金を持ってそのまま逃亡していたが、余命1年と診断されて死ぬ前にやりたい5つのことをかなえるためにレンタル救世主に依頼する。
薫
演 - 稲葉友
零子と一緒に拉致された若い男性。拉致された際、零子とほぼ同じ格好をしていたことから葵には女性と勘違いされていた。零子とは常にコインランドリーで出会い、なおかつ彼女を気に掛けるとともに近所に住んでいる事から謎の多い人物。又、男性が好きでオネエ口調で話すゲイでもある。
その正体は、「レンタル救世主」と関わりを持つ警察署長・碧山の息子で、本名は碧山 源太(みどりやま げんた)。父である碧山には、自分がゲイであり女装の趣味があることを秘密にしていたが、ある日、部屋に隠していた(女装用の)女性用の下着を見つけられてしまう。そこで咄嗟に「彼女の下着だ」と誤魔化し、急きょ零子を「彼女」として紹介するが、「薫」という仮名を使っている事を、ネットを通じて知り合った葉石がバラしてしまい、更に零子が彼女ではないことを見抜いた碧山から「本音で生きろ」と言われたことに反発する形で、自分が女装趣味のあるゲイである事を打ち明ける。
そして、父の「支配」から逃れるために旅に出ようとするが、ハイジの必死なプロポーズを受けて「自分も(父親から)逃げてばかりはいられない」として思いとどまる。
スタッフ
脚本 - 渡辺雄介
演出 - 菅原伸太郎、狩山俊輔、鈴木勇馬、西岡健太郎
音楽 - 松本晃彦
オープニングテーマ - ビゼー「アルルの女」第2組曲 第4曲「ファランドール」
主題歌 - JUJU feat. 明辺悠五「believe believe」(Sony Music Associated Records)
挿入歌 - ジャニーズWEST「one chance」(ジャニーズ・エンタテイメント)
ラップ監修 - 上鈴木伯周、上鈴木タカヒロ(P.O.P)
アクションコーディネーター - 諸鍛冶裕太
カースタント - タカハシレーシング
ロケ協力 - 横浜市、横浜フィルムコミッション
制作管理 - アバンズゲート
チーフプロデューサー - 伊藤響
プロデューサー - 福井雄太、難波利昭、岡宅真由美
制作協力 - AXON
製作著作 - 日本テレビ
各話あらすじ(2016.10.9 - 2016.12.11)全10話 平均視聴率 7.00%
第1話 2016年10月9日「どんな依頼も解決!何でもやります命がけ集団レンタルスタート生放送特別企画も!?」※初回90分スペシャル(22:00〜23:25)
明辺悠五(沢村一樹)は、勤めていた会社の元同期に騙されて1億円超えの借金を背負ってしまった。しかも、会社からは詐欺の片棒を担いだと誤解され、クビに。彼は、そのことを家族に言えないでいた。新しい就職先を見つけなければならない明辺は、ある会社の面接を受ける。その会社の職種は、“レンタル救世主”というものだった。人生崖っぷちの明辺は、面接で自身の悲惨な身の上と家族への愛を訴えて「残りの人生を懸けて御社で働きます!」と宣言。それが社長の黒宇寛太(大杉漣)に気に入られて、採用される。
第2話 2016年10月16日「Wストーカー!?命懸けの救出劇」
借金や再就職のことを家族に言えない明辺(沢村一樹)。一方、新たに「救世主」の仲間入りした零子(志田未来)は、葵(藤井流星)らの特技をうらやむ。そんな中、DJのヒロコ(森カンナ)からストーカーのプロデューサー・神保(遠藤章造)の退治依頼が入り、襲ってきた神保をヒロコにふんした葵が返り討ちに。ところが、神保のマンションに潜入していた明辺は警察に捕まって留置場行きになり、紫乃(稲森いずみ)に浮気を疑われる。
第3話 2016年10月23日「485円の願い!戻せ親子の愛」
9歳の陽太(田中奏生)が白い粉の入ったバッグを抱えて夜逃げした父・下川(甲本雅裕)を助けてと依頼に来た。陽太の所持金が485円だったため黒宇(大杉漣)が追い返すが、明辺(沢村一樹)は心配でならない。そこへ車椅子の徳田(佐戸井けん太)の横浜観光を300万円で手伝う依頼が入り、仕方なく明辺と零子(志田未来)は徳田が行きたいという米橋通りへ。一方、陽太の気持ちが分かるロイ(勝地涼)は、相手をすることにする。
第4話 2016年10月30日「秘密がバレた…。その時妻は」
明辺(沢村一樹)の隣人・韮沢(木下隆行)が、ミスワタナベ(千秋)の投資セミナーにはまった妻・清美(櫻井淳子)の洗脳解除を「レンタル救世主」に依頼に来た。顔色を変えた黒宇(大杉蓮)は詐欺だと憤り、セミナーつぶしを宣言。自分が転職して活躍する姿が韮沢を通じ紫乃(稲森いずみ)に伝わればと願う明辺も張り切る。そんな中、セミナー会場に潜入した零子(志田未来)は、清美が幹部として犯罪に加担していることに気付く。
第5話 2016年11月6日「24時間一発勝負!奇跡の依頼」
「24時間以内に猫舌になりたい」という近藤(賀来賢人)がやって来る。15年間弟子としてついたお笑い芸人・レタス(泉谷しげる)が引退を決め、その相方として24時間後に初舞台に立つことになった近藤。だが、熱さが平気な上、熱がる演技も下手で、師匠の熱々おでんを食べるネタを面白くできないという。同情した明辺(沢村一樹)は、絶対に行くと約束した彩芽(莉帝)の授業参観が翌日に控える中、近藤のため奔走する。
第6話 2016年11月13日「成功率0%!?悲しい恋の物語」
ある日ハイジ(福原遥)は‘くっつけさせ屋’をやってほしいと「レンタル救世主」に依頼し、作戦資料を渡す。相手とはインターネットで知り合い、偶然カフェで働いていることを知ったという。葵(藤井流星)は自分で告白しろと言うが、ハイジはネット動画で人気の自分が振られることを恐れていた。明辺(沢村一樹)らが相手を見に行くと、その彼は女装が趣味で恋愛対象が男性の薫(稲葉友)だとわかり、一同はハイジにも言えず悩む。
第7話 2016年11月20日「謎が謎呼ぶ女の涙!優しい嘘…」
秦野(中村アン)の高校の同級生である星子は、「横浜バーガー村」の移転問題で収賄を報じられている疑惑の市職員。星子は自分の罪を認めた上で「レンタル救世主」にある依頼を持ち込む。それは、高校のチアリーディング部で一緒だった秦野以外の残りの5人とも、逮捕される前に会いたいというもの。ところが、5人全員に断られた明辺(沢村一樹)たちは、その中の1人・愛乃から秦野や星子の思わぬ過去を聞き出す。
第8話 2016年11月27日「衝撃の裏切り」
「レンタル救世主」が大人気になる中、紫乃(稲森いずみ)に離婚を迫られたせいで様子がおかしい明辺(沢村一樹)。彼が退社すると、彩芽(莉帝)が現れて両親の離婚をやめさせてと依頼する。紫乃のカウンセリングをしていた秦野(中村アン)の話から、まだ間に合うと思った一同は依頼を引き受ける。そんな折、千太郎(小出恵介)が現れ、誰でも救世主になれるアプリをリリースするため、「レンタル救世主」は買収すると宣言する。
第9話 2016年12月4日「死ぬまでにしたい、5つの依頼」
千太郎(小出恵介)側に付いた黒宇(大杉漣)の裏切りにより、葵(藤井流星)らは逮捕され「レンタル救世主」は壊滅状態に。明辺(沢村一樹)は逮捕は免れたものの、離婚届を記入して家を出て、一人がんの手術に向かっていた。そんな中、零子(志田未来)が守るオフィスを、明辺に借金を負わせた張本人である柿本(梶原善)が訪ねてくる。余命宣告を受けた柿本は、死ぬ前にやり残した五つのことをやるのを手伝ってほしいと依頼する。
最終話 2016年12月11日「最後のレンタル。家族への手紙」
胃に腫瘍が見つかり、3ヵ月の余命宣告をされた明辺(沢村一樹)。彼は、いろは(中村アン)を呼び出して、紫乃(稲森いずみ)の様子を尋ねる。いろはによると、紫乃は明辺の借金返済のため、彩芽(莉帝)を連れて古いアパートに引っ越したという。自分が死んだら紫乃と彩芽はどうなってしまうのか、明辺は心配でならない。いろはは、明辺がレンタル救世主になった時に入った生命保険のことを思い出す。
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レンタル救世主 - Wikipedia
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