主演は船越英一郎で、映画版の主演を務めた父・船越英二の当たり役を自ら熱望して実現となった。脚本はバカリズムが手がけ、主人公・風松吉がテレビ局プロデューサーで10股をしていること以外、原作の映画版とはほぼ違う内容となっている。
映画版
『黒い十人の女』(くろいじゅうにんのおんな)は、1961年に公開された。
和田夏十のオリジナル脚本、監督は市川崑。製作・配給は大映(東京撮影所)。1997年にはリバイバル再上映され、2002年9月21日には市川によるテレビドラマ(単発)としてセルフリメイクされた。2011年には劇団ナイロン100℃により舞台作品として上演された。
概要
故・市川崑監督が手掛けた名作映画を大胆にリメークしたブラックコメディー。映画版の主演は、当時大スターだった船越英二が務め、当たり役となったが、今回は息子の英一郎が自ら熱望して、父が演じた役柄に初チャレンジする。
同ドラマで船越が演じるのは、プレーボーイのテレビプロデューサー・風松吉。9人の愛人を持つ風が、女たちの嫉妬や思惑が渦巻く、泥沼の恋愛模様を繰り広げる。
脚本は、芸人としてだけでなく、近年は脚本家としても活躍しているバカリズムが担当。バカリズムならではのユーモアをふんだんに盛り込み、新たな「黒い十人の女」を構築する。
ストーリー
ドラマプロデューサーの風松吉(船越英一郎)と不倫をしているテレビ局の受付嬢・神田久未(成海璃子)は、ある日、見知らぬ電話番号からの着信を受けて呼び出される。そこに現れた舞台女優・如野佳代(水野美紀)から衝撃の事実を知らされるが、久未は驚く間もなく、偶然居合わせた風の部下でアシスタントプロデューサーの弥上美羽(佐藤仁美)と佳代の壮絶な女のバトルに巻き込まれる。
さらに、風が新ドラマにキャスティングする若手女優・相葉志乃(トリンドル玲奈)も風との間にある秘密を抱えていたことから、泥沼の恋愛模様が幕を開ける。
キャスト(2016年版)
風 松吉(かぜ まつきち)〈49〉
演 - 船越英一郎
東西テレビ編成制作局ドラマ制作センタードラマ班プロデューサー。既婚者だが、9人の愛人がいる。浦上や真衣から不倫関係を問いただされたり、久未から別れを切り出されたり、美羽から他の愛人と別れてほしいと言われても、その都度のらりくらりとかわしてやり過ごしている。睦と愛人たちが集まっていたところに帰宅した際、愛人全員との関係を終わりにすると告げたことで愛人たちの怒りを買い、殺害計画に反対していた久未たちが賛成へと翻し、計画が実行される結果を招いた。
神田 久未(かんだ くみ)〈23→24〉
演 - 成海璃子
東西テレビ受付。風との愛人歴は7ヶ月。不倫を終わらせようと悩んでいるが、なかなか抜け出せずにいる。
相葉 志乃(あいば しの)〈25〉
演 - トリンドル玲奈
若手女優。風との愛人歴は1年。風がプロデュースを手がけた『恋人たちの食生活』に出演した他、『淡い三人の男』にもメインキャストの鳥出玲奈役で出演。
弥上 美羽(やがみ みわ)〈34〉
演 - 佐藤仁美
東西テレビ編成制作局ドラマ制作センタードラマ班アシスタントプロデューサー。風の部下で、愛人歴は5年。風に他の愛人たちと別れさせて、独り占めしようと暗躍していたが、実際には結婚していないにもかかわらず「夫とは5年前に死別し、中学生の息子を女手一つで育ててきた」と嘘をついていた。
如野 佳代(ゆきの かよ)〈38→39〉
演 - 水野美紀
劇団「絞り汁」所属の舞台女優。高知県出身。実家は病院で、父親に買ってもらったマンションで暮らし、仕送りをもらっている。風との愛人歴は8年で、一番長い。劇団公演では主演を務めているが、映画やドラマといった映像作品では、なかなかオーディションに合格できず、役名もつかない端役での出演にとどまっている。『淡い三人の男』のオーディションも不合格だったが、セリフが一言だけの店員B役で出演が決まる。特技はダンスと空手。愛人たちに対する嫉妬を通り越し、悪いのは10股をしている風だから、愛人同士でいがみ合っても仕方がないと全員と仲良くやっていこうと考えており、Facebookを活用して、久未・夏希・真衣の誕生日にはサプライズのお祝いをセッティングしたり、久未と彩乃の乱闘や、美羽と志乃・夢・冴英との対立の仲裁に入った。
風 睦(かぜ むつみ)〈45〉
演 - 若村麻由美(特別出演、第3話 -)
風の妻。レストラン「カチューシャ」オーナー。夫に9人の愛人がいることは知っている。風を殺すための薬を動悸に効く薬と称して、最後に飲ませたと思われていたが、実際には佳代が発案した風の殺害計画に賛成するふりをした。
風にかかわる女性たち
文坂 彩乃(ふみさか あやの)〈23〉
演 - 佐野ひなこ
久未の友人。アロママッサージ店勤務。風との愛人歴は1年半。真衣が経営するアロママッサージ店に勤務していた頃、真衣に自分の客を取られた嫉妬から、再三口説かれていた風からの誘いに乗り、交際を始めた。久未から風との不倫について相談された際、同じ男性の愛人だと知られぬようにし、ライバルを減らすために不倫をやめるようにアドバイスを続けていた。
皐山 夏希(こうやま なつき)〈38→39〉
演 - MEGUMI
脚本家。風との愛人歴は3年半。代表作は風がプロデュースを手がけた『恋人たちの食生活』。東西テレビの新作ドラマ『淡い三人の男』を執筆したが、低視聴率のため8話で打ち切りとなった。
水川 夢(みずかわ ゆめ)
演 - 平山あや(第3話 -)
志乃担当のヘアメイク。風との愛人歴は3年。
卯野 真衣(うの まい)〈35→36〉
演 - 白羽ゆり(第4話 -)
アロママッサージ店経営。施術師歴8年。風との愛人歴は4年。旧姓で仕事をしているため、風には火山の妻だということを知られていなかったが、既に夫婦関係は冷めており、夫の不倫にも気づいていた。
長谷川 冴英(はせがわ さえ)
演 - ちすん
志乃のマネージャー。風との愛人歴は9ヶ月。
カフェwhite
春江(はるえ)
演 - 寺田御子
「カフェwhite」店員。冬樹と不倫していたが、新たに好きな独身男性ができたため別れを告げる。
夏美(なつみ)
演 - 森田涼花
「カフェwhite」店員。来店した風の愛人たちの動向に興味津々で、情報をまとめたノートを作っている。
秋子(あきこ)
演 - 松本穂香
「カフェwhite」店員。
冬樹(ふゆき)
演 - 中山祐一朗
「カフェwhite」店長。既婚者で、春江と不倫していたが、別れを告げられる。
その他
池上 穂花(いけがみ ほのか)
演 - 新田祐里子
久未の友人。銀行員。会社経営者の恋人ができた。
浦上 紀章(うらがみ のりあき)〈34〉
演 - 水上剣星
東西テレビバラエティ班プロデューサーで、『ふざけんなTV』を担当している。風の後輩で、以前はドラマ班に在籍していた。既婚者であることを隠しつつ、好意を持っている志乃以外に、睦をはじめとする9人の愛人と付き合っていた。
火山 梅人(ひやま うめと)〈43〉
演 - 山田純大
昭和48年2月14日生まれ。東西テレビ編成制作局ドラマ制作センタードラマ班キャスティング担当。真衣の夫→元夫。既に夫婦関係は冷めており、若い女性と不倫していた。美羽から風と真衣の不倫を知らされたのを機に離婚を告げる。
林(はやし)
演 - 大堀こういち
東西テレビドラマ班監督。
我修院 麗子(がしゅういん れいこ)
演 - 西崎あや
東西テレビ受付。久未の同僚。
スタッフ(2016年版)
原作 - 和田夏十(映画『黒い十人の女』監督:市川崑)
脚本 - バカリズム(第1・3・7話では声の出演兼務)
脚本協力 - オークラ
演出 - 渡部亮平(チーフ演出)、瑠東東一郎、山本大輔、豊島圭介
音楽 - 兼松衆
技術協力 - 東通
VFX - キュー・テック
企画協力 - 崑プロ、KADOKAWA
プロデューサー - 汐口武史(ytv)、河野美里(ホリプロ)
チーフプロデューサー - 中村泰規(ytv)
制作協力 - ホリプロ
制作著作 - 読売テレビ
主題歌 - CIVILIAN「愛/憎」
各話あらすじ(2016.9.29 - 2016.12.2 )全10話 平均視聴率 3.53%
第1話 2016年9月29日「愛と狂乱のカフェラテ」ラテ欄「バカリ脚本クズ女不倫コメディ」 視聴率 3.1%
風(船越英一郎)はテレビ局のドラマプロデューサー。局の受付で働く久未(成海璃子)は半年前から、風と不倫関係にある。そんなある日、風の妻と思われる人物に電話で呼び出された久未は、おびえながら指定されたカフェへ。ところが、待っていたのは、風の8年来の愛人だという舞台女優の佳代(水野美紀)で、居合わせた美羽(佐藤仁美)も風の部下にして、愛人だった。2人から、自分が9人目の愛人だと知らされた久未は、混乱する。
第2話 2016年10月6日「クズ女ども、嵐の一夜」ラテ欄「バカリ脚本ダメ女の嵐 船越英一郎10股不倫」 視聴率 3.9%
ドラマPの風松吉(船越英一郎)には妻のほかに、なんと9人の愛人がいた。受付嬢の神田久未(成海璃子)、若手女優の相葉志乃(トリンドル玲奈)、APの弥上美羽(佐藤仁美)、舞台女優・如野佳代(水野美紀)。不倫から抜け出そうと新たな恋を見つけた久未だったが、思いもよらぬ驚きの展開に…
第3話 2016年10月13日「本妻VSクズ女〜顔合わせは崩壊の始まり」ラテ欄「ついに妻が!愛人集結動き出す独占欲と嫉妬」 視聴率 3.8%
風(船越英一郎)の5年越しの愛人・美羽(佐藤仁美)が、久未(成海璃子)をカフェに呼び出す。最初の愛人・佳代(水野美紀)は、後輩愛人を集めて自分の居場所をつくろうとしているようだが、風との結婚を望む美羽は同じ思いの久未に「2人で本妻の元に乗り込んで、愛人が9人いることをばらそう」と提案する。一方、志乃(トリンドル玲奈)はメーク担当の夢(平山あや)に、風との関係は伏せて、浦上(水上剣星)とのことを打ち明ける。
第4話 2016年10月20日「愛人たちの晩餐会」ラテ欄「愛人集結!嵐の食事会ぶっかけ」 視聴率 2.5%
久未(成海璃子)は美羽(佐藤仁美)と、佳代(水野美紀)の舞台を見に行く。風(船越英一郎)も夏希(MEGUMI)とやって来た。終演後、久未は美羽と食事。美羽は浦上(水上剣星)とも付き合う志乃(トリンドル玲奈)を愛人の座から引きずり降ろすべくこの場に呼ぼうと提案する。折しも、夢(平山あや)から美羽のことを聞いた志乃は反撃をもくろむ。一方、佳代は夏希を食事に誘う。
第5話 2016年10月27日「十人の女、全員、現る」ラテ欄「全愛人現る不倫は悪?風の危機」 視聴率 3.6%
浦上(水上剣星)は風(船越英一郎)に、志乃(トリンドル玲奈)と別れてほしいと直談判するが、言い負かされてしまう。佳代(水野美紀)は睦(若村麻由美)から入手した愛人9人の名前を、美羽(佐藤仁美)にも教える。一方、不倫からの卒業を決意した久未(成海璃子)は、風に直接伝えることに。そんな中、美羽は志乃のマネジャー・沙英(ちすん)に、志乃と風が不倫関係だと明かす。そして、驚く沙英に、新たな話題で追い打ちを掛ける。
第6話 2016年11月3日「おんなの肉弾戦」ラテ欄「衝撃、不倫女の肉弾戦伝説の夜」 視聴率 3.7%
久未(成海璃子)は佳代(水野美紀)に呼び出されてバーへ。そこに現れた風(船越英一郎)の愛人を見て絶句。佳代の前で、2人は文字通り体を張ったバトルを繰り広げる。一方、志乃(トリンドル玲奈)は夢(平山あや)から、美羽(佐藤仁美)がマネジャー・沙英(ちすん)に接近していると聞かされ、先手を打つことに。そんな中、真衣(白羽ゆり)は火山(山田純大)から離婚を言い渡され、自分と風の関係を告げ口したのが美羽だと知る。
第7話 2016年11月10日「愛人集結へ秘めた目的テレビ界のタブー連発」ラテ欄「不倫女が奇跡の集結!あと視聴率って何?」 視聴率 3.4%
志乃(トリンドル玲奈)が出演するドラマは、初回から低視聴率。風(船越英一郎)は夏希(MEGUMI)に脚本のテコ入れを要請し、志乃は浦上(水上剣星)が担当するバラエティー番組に出て、番宣をすることに。一方、‘愛人みな仲良く’をモットーにする佳代(水野美紀)は、初対面の真衣(白羽ゆり)をカフェに誘い、風には9人の愛人がいると明かす。そこに久未(成海璃子)、続いて久未と約束していた彩乃(佐野ひなこ)がやって来る。
第8話 2016年11月17日「黒い十人のティーパーティ」ラテ欄「夜の茶会、衝撃の提案狂った議論と情念の極」 視聴率 3.0%
佳代(水野美紀)の呼び掛けに応じ、風(船越英一郎)の愛人9人がついに集合。しかも、会場は風の妻・睦(若村麻由美)が営むカフェだった。自己紹介を提案した佳代は、自ら先陣を切り、やむなく他のメンバーもそれに従う。さらに「10人は運命共同体だ」と断言する佳代は、いら立つ美羽(佐藤仁美)から早く用件を話せと促され、誰もが耳を疑う計画を口にする。そして、久未(成海璃子)たちが混乱する中、突然、風が顔を出す。
第9話 2016年11月24日「さよなら風松吉」ラテ欄「さよなら10股不倫男女たちの狂気と殺意…」 視聴率 4.2%
風(船越英一郎)の想定外の一言により久未(成海璃子)も賛成に回り、佳代(水野美紀)の計画を全員が受け入れた。その方法は、10錠で致死量に至る錠剤を各自1錠ずつ飲ませるというものだ。タイムリミットは最初の任務完了から12時間。まず、真衣(白羽ゆり)がマッサージの後、飲み物に入れて渡した。スタジオでは美羽(佐藤仁美)や志乃(トリンドル玲奈)らが待っていて…。
最終話 2016年12月1日「さよなら黒い十人の女」ラテ欄「10股不倫の果てに…幸せになりたい、だけ」※『NEWS ZERO』の10分後拡大のため(23:00〜24:09)、10分繰り下げ(0:09 - 1:04) 視聴率 4.1%
風(船越英一郎)の死から2週間。久未(成海璃子)や佳代(水野美紀)たちはやっと風を諦めることができ、平穏な日々を取り戻していた。しかし夏希(MEGUMI)は、テレビ局から訃報が届かないことを不審に思う。美羽(佐藤仁美)に確認すると、あの日の翌日、局には睦(若村麻由美)から「過労で倒れたので休ませる」と電話があり、混乱を避けての配慮だろうという。それでも納得がいかない夏希は、睦の店を訪ねてみることにする。
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