概要
堤幸彦ワールドが炸裂する、温泉場を舞台にしたコミカルミステリー。主人公の朝永蘭丸を向井理が演じ、連続ドラマで堤と初タッグを組む。2時間サスペンスドラママニアの甕棺墓光役に木村文乃、暴走しがちな2人を鋭いツッコミでまとめる宮沢寛治役で佐藤二朗が共演。3人は謎の温泉芸者・ミヤビを探し求めて旅をする。
行く先々で巻き込まれる事件を、舌に乗せたものを分析する蘭丸の能力で解決していく姿が見どころ。ドラマ「ケイゾク」「SPEC」(ともにTBS系)、映画「20世紀少年」シリーズなどで知られる堤が演出を務め、脚本はドラマ「ATARU」(TBS系)、「相棒」(テレビ朝日系)シリーズなどを手掛けた櫻井武晴が担当する。
ストーリー
あらゆる物質を舌で味わうだけでその詳細な化学成分を言い当てる能力を身に付けた大学院生・朝永蘭丸は、祖父の通夜の席に現れた芸者・ミヤビを運命の相手と感じ、偶然知り合い彼に思いを寄せる古物商の甕棺墓 光と、宮沢賢治を愛する男・宮沢寛治とともに日本全国の温泉地で彼女を追いかける。だがミヤビは行く先々で蘭丸から逃げまどい、各温泉地ではそのたびに不審な人の死が発生する。三人組は蘭丸が祖父から受け継いだ三助の仕事で宿代を稼ぎながら、その舌の能力と、2時間サスペンスマニアの光による、素人探偵気取りで事件現場に踏み込む図々しさによって事件に関わり、次々とそれらの謎を解決する。
映画
ドラマ最終回終了直後、映画化が発表された。正式タイトルは、『RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー! 略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編』で略称は『RANMARU 神の舌を持つ男』。
キャスト
朝永 蘭丸(ともなが らんまる)
演 - 向井理(幼少期:櫻井優輝)
京都大学薬学部在学中の大学院生。滋賀県伊吹山で父と研究をしつつ三助である祖父の弟子となり、その高い技術を引き継いだ上に優れた容姿を持つ三助として業界で知られており、一行との旅では宿泊先で宿代代わりに三助として働く。あらゆる物質を舌で味わうことで瞬時にその成分を分析できる能力の持ち主で、この能力は幼少時から父にさまざまな薬草などを食べさせられる児童虐待まがいの英才教育で身に付いた。しかしそのために子供の頃から体調を崩し、学校にろくに通えなかったため小学校中退状態で、父に教育を受け大学院に進んだが、コミュニケーション能力が身に付かず大人になり、就職も失敗するため父を恨んでいる。キスの相手の口内成分が分かってしまうため恋愛相手探しに苦労しているが、唯一「何も感じなかった」相手のミヤビを理想の女性と思い行方を追う。
甕棺墓 光(かめかんぼ ひかる)
演 - 木村文乃
古物商。商売で暇を持て余すうち視ていた2時間サスペンスドラマ(通称「2サス」)のマニアとなり、事件現場に無理やり踏み込み探偵気取りの言動をして捜査に関わろうとしたり、2サス主題歌「聖母たちのララバイ」を歌いはじめ寛治に止められている。大量の現金を見ると我を忘れる金の亡者。蘭丸を「丸ちゃん」と呼び、好意を寄せるが、無理やり奪ったキスの味が「黄金虫の体液の成分」と評されたため、相手にされていない。大量の骨董品を載せた緑色のワンボックスカーを所持し、この車で蘭丸たちと旅をする。
宮沢 寛治(みやざわ かんじ)
演 - 佐藤二朗
蘭丸と光の旅に同行する男。宮沢賢治を愛好し、毎回賢治の作品を朗読したりその生涯に関するうんちくを語る。光に性的関係を迫るが相手にされない。蘭丸の三助の仕事場に入り、女性客と戯れるおこぼれに預かっている。蘭丸とは物語開始の2週間前に知り合ったばかりで、彼や光もその素性を詳しく知らない。
三人組の中では常識人であり、周囲(特に蘭丸や光)の不可解、もしくは天然な言動に小声でツッコミを入れ、蘭丸が事件の謎解きをする際の「僕をナメないで(甘く見ないで)もらおう」や「僕をナメてますね?」という台詞に対しては、「(証拠品等を)舐めたのはお前(蘭丸)だ」と突っ込む。
朝永家
朝永 平助(ともなが へいすけ)
演 - 火野正平
蘭丸の祖父。物語開始時には故人で回想に登場する。滋賀県大津温泉にいた伝説の三助で「大津のヘースケ」として知られる。垢すり、肩もみなどで客を天にも昇る心地にするような技術の持ち主で、その技術を弟子でもある蘭丸に受け継いだ。
朝永 竜助(ともなが りゅうすけ)
演 - 宅麻伸
蘭丸の父。京大薬学部教授。蘭丸を天才にすべくあらゆる薬草を食べさせて育てたが、彼が思うように育たなかったため失望している。第九話にて、警察から「平助の通夜で香典を盗んだ人物を逮捕した」という連絡を受けて蘭丸達がいる旅館を訪れ、蘭丸を京都に連れ戻そうとする。蘭丸の「神の舌」についても「非科学的だ」として信じていない。
その他
ミヤビ
演 - 広末涼子
各地の温泉を転々とする芸者。平助の通夜に訪れ、蘭丸の唇を奪った相手。和装に手ぬぐいを被り、第4話まで顔は映されずクレジットでも名を伏せられたシークレットキャストだった。能面と三味線を背負っている。芸を売るだけでなく、客を相手に売春行為をする「だるま芸者」であると噂されている。免疫力が弱まるため処方薬の自己注射が必要なグラン・ギニョール氏病にかかり、その治療のため多額の費用を必要としている。このため追いつめられて平助の通夜で香典泥棒を犯し、それに気付かれたと思い、蘭丸から逃げ回っていた(蘭丸にキスをしたのは、あくまでも香典を盗んだのを誤魔化そうと無意識に行ったことであるが、これが蘭丸から追われる原因となり、ミヤビ自身も「あの時(蘭丸に口づけをした時)はどうかしていた」と語っていた)。ミヤビは源氏名で、本名は平良カマドメガ(たいら カマドメガ)。
ゲスト
第1話
高藤 美鈴
演 - 片平なぎさ
温泉宿「上屋敷」女将。
板倉 肇
演 - 石倉三郎
町長。
石原 宗明
演 - 大河内浩
温泉組合長。
高藤 茂
演 - 菅原大吉
温泉宿「上屋敷」支配人。美鈴の夫。
水沼 健一
演 - 飯田基祐
観光課長。
渡 文夫
演 - 池田大
「湯西川のホタルを守る会」リーダー。
犬養 孝
演 - 佐伯新
刑事。
益子
演 ‐ 生島勇輝
若手刑事。
門倉 太一
演 - 吉永秀平
環境省調査員。
第2話
津村 順子
演 - 山村紅葉
鐡友(てつとも)温泉の宿「南出田楼」(なんでだろう)女将。
津村 重吉
演 - 徳井優
「南出田楼」の湯守。順子の夫。
津村 天童
演 - 中尾明慶
順子と重吉の長男。
芳井 一
演 - 志賀廣太郎
「南出田楼」の番頭。
五月女 悦子
演 - 江口のりこ
「南出田楼」の仲居頭。
嶋村 弘雅
演 - 屋良学
温泉マニア。被害者。
牧野 太郎
演 - 越村友一
温泉マニア。
茶城
演 - 松澤一之
刑事。
若井
演 - 森岡龍
若手刑事。
目黒 昭
演 - 斉木しげる
町長。
新垣
演 - 比佐仁
町長の秘書。
第3話
堀 裕子
演 - 森脇英理子
天空温泉「ホテルまんげつ伊豆」の女将。
堀 丈夫
演 - 東根作寿英
「ホテルまんげつ伊豆」の支配人。裕子の夫。
石破 大善
演 - 谷田歩
裕子の元恋人。被害者。
仲居 祐実
演 - 宍戸美和公
「ホテルまんげつ伊豆」の仲居。
伊東 アキ
演 - 凜カオリ
「ホテルまんげつ伊豆」の仲居。
脇田 正
演 - 古舘寛治
刑事。
棟平 洋司
演 - 淵上泰史
刑事。
第4、5話
赤池 慎太郎
演 - きたろう
「毛増村」村長、「波外ノ湯」主人。
赤池 栄子
演 - 真飛聖
「波外ノ湯」の女将、慎太郎の妻。
赤池 辰也
演 - 柄本時生
慎太郎と栄子の息子。
金田市 久
演 - 多田木亮佑
「波外ノ湯」の客。
金田市 春代
演 - 村岡希美
「波外ノ湯」の客、久の妻。
老婆
演 - 松金よね子、田岡美也子
「波外ノ湯」の仲居。
神村 精進
演 - 石橋蓮司
「雷神寺」の住職。
神村 里子
演 - 松岡恵望子
精進の長女。
神村 町子
演 - 臼田あさ美
精進の次女。
神村 都
演 - 徳永えり
精進の三女。
木村 常吉
演 - 野添義弘
駐在警官。
藪 勘造
演 - 赤星昇一郎
医師。
第6話
金子 忠
演 - 宅間孝行
危険な男、殺人容疑者。
加茂 陽子
演 - 神楽坂恵
被害者。
徳沢
演 - 加藤虎ノ介
刑事。
二若
演 - 岡山天音
若手刑事。
岡田 磯吉
演 - 利重剛
煙草屋の主人。
山石 早苗
演 - 平栗あつみ
コマ屋の女将。
香川 マスノ
演 - 平田敦子
土産物屋の女将。
スタッフ
脚本 - 櫻井武晴
原案 - 堤幸彦
音楽 - 荻野清子
プロデュース - 植田博樹、楠千亜紀(オフィスクレッシェンド)
演出 - 堤幸彦、伊藤雄介、加藤新
制作協力 - オフィスクレッシェンド
製作著作 - TBS
主題歌 - 坂本冬美「女は抱かれて鮎になる」(ユニバーサルミュージック)
各話あらすじ(2016.07.08 - 2016.09.09)全10話 平均視聴率 5.60%
第1話 2016年7月7日「螢の秘湯に怪死体!!絶対舌感が完全犯罪のトリックを打ち砕く」 視聴率 6.4%
蘭丸(向井理)は舌に乗せた物の成分を瞬時に解析できる‘絶対舌感’の持ち主。流しの温泉芸者・ミヤビに恋する蘭丸は古物商・光(木村文乃)、知り合った寛治(佐藤二朗)と共に彼女を捜す旅をしていた。栃木の温泉宿に出向いた3人は、ミヤビをあと一歩のところで見失う。無一文の彼らは、女将・美鈴(片平なぎさ)に頼み、蘭丸が客の背中を流す‘三助’として働くことを条件に宿泊。そんな時、近くの川で遺体が発見される。
第2話 2016年7月15日「湯煙りに霞んだ親子の情!!間欠泉に掛かる母の涙よ届け」 視聴率 6.2%
蘭丸(向井理)一行はミヤビがいるという寂れた温泉街の宿を訪れるが、入れ違いに。そこで、宿の女将・順子(山村紅葉)にただで泊めてほしいと交渉していると、順子の息子・天童(中尾明慶)が10年ぶりに帰省する。一行は天童の口添えで、従業員として1泊世話になることが決定。喜んだのもつかの間、天童と宿の主人で父親・重吉(徳井優)とのいさかいに巻き込まれる。そんな中、山の麓から女性の悲鳴が響いてくる。
第3話 2016年7月22日「天空の密室に鉄壁のアリバイ!?今夜は倒叙のミステリを」 視聴率 5.7%
蘭丸(向井理)一行は、ミヤビを追って山梨のホテルを訪れるが、またしても擦れ違いになる。無一文の一行は、いつものように1日だけ雇ってもらおうと交渉を開始。蘭丸が伝説の‘三助’である平助(火野正平)の弟子だと知った女将・裕子(森脇英理子)は、翌日1日三助を務める条件で、宿泊を許可する。翌日の早朝、一番風呂を楽しもうと温泉へ向かった蘭丸たちは、湯船の中で、宿泊客・石破(谷田歩)の遺体を見つける。
第4話 2016年7月29日「今夜は横溝系!!呪いの数え唄が招く連続殺人」 視聴率 5.3%
寂れた温泉郷を訪れた蘭丸(向井理)らは、その道中でミヤビを発見。直後、土砂崩れが起きて彼女を見失う。土砂からは数体の白骨遺体が出てきた。寛治(佐藤二朗)が土砂崩れから間一髪助けた町子(臼田あさ美)の案内で、蘭丸らは村唯一の温泉宿に到着。宿の主人で村長の慎太郎(きたろう)らに白骨遺体について聞くが、慎太郎はそんなものはないと言い張る。一方、村はこの時期、刃物を持ち込んではいけない風習があり…。
第5話 2016年8月5日「今夜も横溝系完結編!呪い唄に隠された秘密!!」 視聴率 5.3%
蘭丸(向井理)らは村で起きた連続殺人事件の犯人だと疑われるが、住職の娘・町子(臼田あさ美)や村長・慎太郎(きたろう)の尽力で難を逃れる。3人は町子から、村のたたりの正体について聞く。それは、かつて村で起きた悲惨な事件が背景にあり、土砂の中の白骨遺体もその時に死んだ人たちの可能性が高いという。話を聞いた光(木村文乃)は、村に伝わる歌に着目。そんな中、慎太郎の息子・辰也(柄本時生)が姿を消す。
第6話 2016年8月12日「愛する人の秘密を救え!!鍵のかかった温泉殺人」 視聴率 3.8%
蘭丸(向井理)らはミヤビ(広末涼子)のいる温泉旅館に到着。だが、彼女は迎えに来た男と出て行ったという。蘭丸たちは土産物店のマスノ(平田敦子)から、ミヤビを捜していた男(宅間孝行)を教えてもらう。男は鍵付きの共同湯に入っていった。男の後で共同湯に入った蘭丸らは女性の遺体を発見。金子というその男が容疑者として浮上する。金子はミヤビの携帯電話の番号を教える代わりに、蘭丸に容疑を晴らすよう依頼する。
第7話 2016年8月19日「湯けむりバスツアー連続殺人!乗客全員容疑者」 視聴率 6.3%
蘭丸(向井理)一行がミヤビ(広末涼子)のいる駅を突き止め、車を走らせる途中、燃料が切れてしまう。そんな時、駅の近くを通過予定の観光バスと遭遇。蘭丸はバスガイド・さくら(片瀬那奈)に、駅まで乗せてほしいと頼み込む。ツアー参加者である樹奈(松岡依都美)とその友人・真琴(上野なつひ)の口添えで乗車許可が下り、駅方面へ向かう道中、元々車酔いに苦しんでいた真琴の体調が急変し、死亡。乗客の中に真琴を殺した犯人がいる可能性が浮上する。そして、乗客たちは怪しい人物だらけで…。
第8話 2016年8月26日「殺人バスツアー解決編!過去は未来に復讐する」 視聴率 6.4%
ミヤビ(広末涼子)と遭遇した蘭丸(向井理)は、彼女を追うが逃げられてしまう。一方、殺された真琴(上野なつひ)の過去を調べていたツアー参加者でフリーライターの見城(和田聰宏)の他殺体が見つかる。遺体のそばには「O」と書かれた血文字があった。犯人が見つかるまでツアーの一行と蘭丸たちは旅館で待機することに。そこへミヤビが現れる。観念した彼女は蘭丸に、今夜の仕事が終わったら全てを語ると約束する。
第9話 2016年9月2日「ミヤビの正体見たり、天城越え!殺人は初恋味」 視聴率 5.8%
蘭丸(向井理)一行は静岡・天城峠で、男性から金をもらうミヤビ(広末涼子)を発見。蘭丸に気付いたミヤビは、その男性と逃走する。その後、一行はミヤビが仕事で訪れる予定の温泉旅館に到着。女将の華子(烏丸せつこ)、夫で支配人の建造(不破万作)と交渉し、‘三助’として働く代わりにただで宿泊させてもらう。その旅館で、蘭丸はミヤビと共に逃げた男性・高木(岩尾万太郎)と遭遇。高木は、ミヤビの婚約者だと名乗る。
最終話 2016年9月9日「最愛の人の秘密!そして感動の最終回+朗報」 視聴率 4.8%
蘭丸(向井理)は父・竜助(宅麻伸)を前にして、舌で物の成分を分析する能力を失う。そこへ、ミヤビ(広末涼子)が殺人を自白したとの知らせが入り、蘭丸は動揺を隠せない。その夜、蘭丸は寛治(佐藤二朗)と光(木村文乃)に、自分の舌の秘密を竜助に隠していた理由を明かす。翌日、蘭丸らは現場検証のために警察と同行中のミヤビと接触を試みるが失敗。さらに、凶器の「帯締め」を勝手になめたことで、蘭丸が警察に拘束されてしまう。
番組公式サイト
(神の舌を持つ男 - Wikipedia)
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