原作
『ナオミとカナコ』は、奥田英朗の小説。幻冬舎が発行する月刊PR小説誌『ポンツーン』にて2012年11月号から2014年7月号まで連載され、2014年11月12日に幻冬舎から単行本が刊行された。
概要
数々の文学賞受賞歴を持つベストセラー作家・奥田英朗の同名小説を連続ドラマ化。連続ドラマ主演は約1年ぶりとなる広末涼子が、内田有紀と初共演する。受け入れがたい現実に直面している2人の女性の“暴力夫の殺害”という究極の選択から始まる、日本版「テルマ&ルイーズ」とも言うべき、手に汗握るエンターテインメント・サスペンス。
勝ち気なキャリアウーマンの主人公・小田直美を広末が、直美の同級生で夫のドメスティック・バイオレンスに苦しむ控えめな性格の主婦・服部加奈子を内田が演じるほか、吉田羊、高畑淳子、佐藤隆太ら演技派が脇を固める。
ストーリー
百貨店の外商部で働く小田直美(広末涼子)は、顧客対応やさまざまな雑用をこなす日々を送っていた。ある日、直美が大学時代の親友・服部加奈子(内田有紀)のマンションを訪ねると、加奈子の顔にはくっきりとあざが浮かんでいた。エリート銀行員の夫・達郎(佐藤隆太)が、仕事のストレスから加奈子へ暴力をふるっていたのだ。話を聞き離婚を勧める直美だが、復讐を恐れる加奈子は首を縦に振らない。
そんな中、顧客向けの販売会で高級腕時計が紛失する事件が起き、それをきっかけに直美は中国食品輸入業を営む李朱美(高畑淳子)と出会う。そして、そこで働く中国人密航者が達郎にうり二つであることから、ある計画を思いつく。
キャスト
小田 直美
演 - 広末涼子
葵百貨店外商部第2課勤務。加奈子とは大学時代の同級生であり親友。新潟県出身。キュレーターの資格を持っており、葵美術館への異動希望を出しているが、受け入れてもらえない。
親友の加奈子が達郎からDVを受けていることを知り、加奈子を救うために殺害を計画する。
一人暮らしだが、知り合いから預かった『ダイスケ』という名前のゴールデンレトリバー犬を飼っている。
服部 加奈子
演 - 内田有紀
専業主婦。直美とは大学時代の同級生であり親友。石川県出身。
夫の達郎からDVを受け悩んでおり、直美と結託して夫の殺害計画を実行に移す。
夫に瓜二つの林の優しさに触れ、次第に彼に惹かれていく。
お腹の中には、死んだ夫との間の子供が宿っていることが発覚した。
服部 達郎
演 - 佐藤隆太(2役)
加奈子の夫。有名な大学の出身でことぶき銀行・ファイナンシャル営業勤務しているエリート社員。加奈子とは、合コンで知り合った。普段は、誠実で爽やかな好青年だが、気に入らないことがあると逆上し、妻の加奈子に暴力を振るう攻撃性を持っている。一方で、元々真面目な性格の為、自分の命が狙われていることを察した時は怯えていた。その後、直美と加奈子により、首を絞められ殺害される。遺体は山奥に遺棄された。
過去に付き合っていた女性にも、同じように暴力を振るっていた。
服部 陽子
演 - 吉田羊
達郎の実姉で加奈子の義姉。「東央不動産レジデンシャル」企画開発部課長。直美の優秀さに目をつけ、葵百貨店との共同プロジェクトを企画する。
達郎の死後は、弟の失踪の真相を暴くために奔走し、直美の家に盗聴器を仕掛ける等の強行的な手段にも出ていた。同時に直美と加奈子に敵意を剥きだす様になる。
内藤 伸吾
演 - 宮川一朗太
葵百貨店外商部・課長。直美の直属の上司。
浅井 信之
演 - 山路和弘
葵百貨店外商部・部長。
手塚 快晴
演 - 犬飼貴丈
葵百貨店外商部・新入社員。
青木 亮一
演 - 湯田宗登
葵百貨店外商部社員。
斎藤 順子
演 - 富司純子
葵百貨店外商部の顧客。担当者の直美に全幅の信頼を寄せている。3年前に夫を亡くし、一軒家で一人暮らしをしている。娘は夫についてシンガポール、息子は病院の経営が忙しく実家を訪れる様子は無い。
李 朱美
演 - 高畑淳子
池袋で中国食品の輸入会社・李商会を経営している。語尾に「〜ノコトデスヨ」がつく、独特な片言の日本語を喋る。
見た目も言動もインパクトがあり、直美から知り合いがDVに苦しんでいると相談された際には「殺してしまいなさい」と平然と言ってのけた。偏屈な性格だが、根は優しく、直美の理解者になる。
林 竜輝
演 - 佐藤隆太(2役)
達郎と瓜二つの中国人。中国から密入国した不法滞在者のため、パスポートを持っていない。その事を理由に直美と加奈子の達郎への殺害計画に利用される。
暴力を振るう達郎とは対照的に、とても穏やかな性格の優しい青年である。
一旦は直美らの手引きで上海へ渡ったが、惚れた加奈子にもう一度会うために、パスポートを取得した上で再来日した。しかし、直美に脅迫された為、仕方なく上海に帰ることになった。
山本 芳樹
演 - 近藤公園
達郎の同僚。
スタッフ
原作 - 奥田英朗『ナオミとカナコ』(幻冬舎刊)
脚本 - 浜田秀哉
音楽 - ガブリエル・ロベルト
演出 - 金井紘、葉山浩樹、品田俊介
技術プロデュース - 友部節子
撮影 - 大鋸恵太
照明 - 鈴木敏雄
VE/カラリスト - 阿部友幸
録音 - 池谷鉄兵
編集 - 岸野由佳子
ライン編集 - 杉山英希
MIX - 市村聡雄
MA - 本田彩音
音楽プロデュース - 茂木英興
選曲 - 泉清二
音響効果 - 岩尾亮太
美術プロデュース - 宮アかおる
VFX - 菅原悦史
広報 - 佐藤未郷
中国語指導 - 周来友
プロデュース - 長部聡介、大木綾子
制作 - フジテレビドラマ制作センター
主題歌 - EXILE ATSUSHI + AI「No more」(rhythm zone)
各話あらすじ(2016.1.14 - 2016.3.17)全10話 平均視聴率 7.54%
第1話 2016年1月14日「いっそ二人で殺そうか、あんたの旦那…女達の完全犯罪が始動」 ※初回15分拡大(22:00〜23:09)
大手百貨店の外商部に勤める直美(広末涼子)は、顧客の対応に追われる日々を送っている。ある日、同じ沿線に引っ越してきた親友・加奈子(内田有紀)の新居を訪れた直美は、エリート銀行マンの夫・達郎(佐藤隆太)や彼の姉・陽子(吉田羊)とも会い、幸せそうな加奈子をまぶしく感じる。ところが後日、加奈子の顔に浮かぶどす黒いあざを見た直美は驚く。加奈子は夫婦げんかだと言うが、実は達郎からの暴力に苦しめられていた。
第2話 2016年1月21日「わたし、見つけたよあんたの旦那を殺しても捕まらない方法…」 ※15分拡大(22:00〜23:09)
直美(広末涼子)が口走った言葉に動揺する加奈子(内田有紀)は、達郎(佐藤隆太)から子づくりのため病院に行こうと迫られ、ますます追い詰められる。同じく動揺する直美だが、平気な顔で自分に顧客の紹介を頼む達郎に憤る。その一方、直美は新たに引き継いだ顧客の女性の元を訪れ、彼女の言動に不審を抱く。そんな中、直美からDVシェルターの資料を渡された加奈子は、4日後の結婚記念日に達郎と一度話し合うと約束する。
第3話 2016年1月28日「これって運命だね…今動き出す完全犯罪」
直美(広末涼子)は、達郎(佐藤隆太)とそっくりの不法滞在中国人・林(佐藤=2役)の姿を加奈子(内田有紀)に見せ、達郎の殺害計画を明かす。それは達郎の遺体をどこかに隠した後、林を達郎のパスポートで中国に行かせ、ただの失踪を装うというものだった。さらに林を呼び出した直美は、報酬200万円で他人に成り済まし、そのパスポートを使って帰国してほしいと依頼する。戸惑う林に、直美はそれで加奈子が救われるのだと話す。
第4話 2016年2月4日「私たち今日から親友で共犯者…」
不法滞在の中国人たちが警察に連行される中、林(佐藤隆太)の身を心配した直美(広末涼子)と加奈子(内田有紀)は、アパートに隠れる彼をホテルにかくまい、1週間後の金曜日に犯行を実行すると決意。翌日から直美と加奈子は準備を進め、遺体を運ぶ練習もする。そして犯行予定日の前日。達郎(佐藤=2役)を連れて順子(富司純子)の家を訪れた直美は、順子の口座を操作して達郎が1千万円を横領して失踪するように見せ掛ける。
第5話 2016年2月11日「夫殺したこと驚くほど後悔してない」
ついに直美(広末涼子)と加奈子(内田有紀)は達郎(佐藤隆太)を殺害。その時、陽子(吉田羊)から達郎の携帯電話に連絡があり、留守番電話には「殺されないように」と吹き込まれていた。直美と加奈子は青ざめるが、計画通り、車で遺体を運び、森の中に掘っておいた穴に埋める。朝日が昇る中、夫を殺したことを後悔していないと笑顔で直美に話す加奈子。そして午後、直美と加奈子は達郎になりきった林(佐藤=2役)を中国に送り出す。
第6話 2016年2月18日「お義姉さん、何かに気づいてる」
直美(広末涼子)は達郎(佐藤隆太)と同期の銀行員・山本(近藤公園)らに対し、達郎が認知症の順子(富司純子)の口座を操作して失踪したと思わせる。一方の加奈子(内田有紀)は、昇進が決まった達郎がその翌日に失踪するはずがないと陽子(吉田羊)に断言される。そんな中、達郎の実家で銀行側の最終調査結果が報告され、出国記録もあるので達郎が中国に逃亡したという結論に。安心した加奈子は、直美と帰省の名目で旅行に出る。
第7話 2016年2月25日「どうして警察が…だまされた女」
達郎(佐藤隆太)の失踪を信じない陽子(吉田羊)の追及をぎりぎりでかわした直美(広末涼子)と加奈子(内田有紀)は、犯罪の証拠が映っている防犯カメラの映像の保存期間が切れる10日後を祈るような思いで待つしかない。が、新しい人生を歩もうと決めた加奈子は、朱美(高畑淳子)の会社の面接を受け、契約社員として働き始める。一方、興信所の所長・三枝(前川泰之)から失踪の理由は女ではと指摘された陽子は山本(近藤公園)に連絡する。
第8話 2016年3月3日「私がバカだった…あなたとの共犯関係はもう終わりよ」※15分拡大(22:00 〜 23:09)
林(佐藤隆太)が日本に舞い戻ってしまった。その林を見掛け、達郎(佐藤=2役)だと思った陽子(吉田羊)は、直美(広末涼子)と達郎の関係を誤解して、直美に達郎の行方を問いただす。朱美(高畑淳子)に窮地を救われたものの、林が日本にいると知り混乱する直美は彼に帰国を迫り、もし帰らないなら非常手段に出る覚悟を加奈子(内田有紀)に話す。ところが加奈子は、朱美の力を借りて居場所を捜す直美には何も言い出せず、林をかくまう。
第9話 2016年3月10日「あなたが死ねば、都合がいいの」
林(佐藤隆太)をかくまっていたのが加奈子(内田有紀)だと知った直美(広末涼子)は、思わぬ裏切りに激怒し、携帯電話から彼女の連絡先を削除する。翌日、林を呼び出した直美は、加奈子を苦しめるぐらいなら帰国すると言う彼のため飛行機のチケットを取る。一方、直美に謝罪もできず苦悩する加奈子は、病院である診察結果を告げられていた。そんな中、三枝(前川泰之)の調査で林の存在に気付いた陽子(吉田羊)に、何者かの影が迫る。
最終話 2016年3月17日「後悔してない!!絶対逃げ切るよ」
加奈子(内田有紀)が達郎(佐藤隆太)の失踪の件で警察に呼ばれ、事情聴取を受けることになった。動揺する直美(広末涼子)に対し、陽子(吉田羊)は警察に証拠を提出し、林(佐藤=2役)という替え玉の存在も話したと告げる。警察では、達郎に暴力を振るわれていた事実やマンションの防犯カメラの画像を突き付けられた加奈子が追い詰められていく。そんな中、直美は朱美(高畑淳子)の元に駆け込み、全てをさらけだして助けを求める。
各話視聴率
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(ナオミとカナコ - Wikipedia)
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