概要
江戸時代の浄瑠璃作家・近松門左衛門が「曽根崎心中」を生み出した舞台裏を大胆に創作して描く人情喜劇。謎の渡世人・万吉を青木崇高、万吉に振り回される近松門左衛門を松尾スズキが演じる。
“ちかえもん”こと冴えない中年の作家・近松門左衛門が、スランプから抜け出せずに酒を飲んでばかりいるなか、情に厚い渡世人の万吉と出会い、災難に巻き込まれていく。脚本は、連続テレビ小説「ちりとてちん」、大河ドラマ「平清盛」(ともにNHK)などを手掛けた藤本有紀の書き下ろし。
ストーリー
江戸時代の大ヒット作となった人形浄瑠璃「曾根崎心中」を生み出した近松門左衛門(松尾スズキ)。しかし、その傑作誕生の半年前まで、近松は妻に逃げられ、母にあきれられ、超スランプに陥っていた冴えない中年男だった。
大坂堂島新地の「天満屋」に入り浸り、年増遊女のお袖(優香)相手にちびちび酒を飲んでいた近松の前に、謎の渡世人・万吉(青木崇高)が姿を現し、いつしかやっかい事に巻き込まれてしまう。わけあり遊女のお初(早見あかり)や、商家の道楽息子・徳兵衛(小池徹平)らの騒動を万吉と解決することになった近松は、もめ事の中に、“人間の生きるたくましさ”と“本物の愛”を発見していく。
キャスト
近松門左衛門
演 - 松尾スズキ
本作の主人公である文学者。万吉からは「ちかえもん」と呼ばれている。毎回劇中でフォークソングの替え歌を歌う。
万吉
演 - 青木崇高
不孝糖を売り歩いて生計を立てる渡世人。堂島新地の遊郭「天満屋」にて勘定を押し付けられ払えず、居残りとして働く。
お袖
演 - 優香
「天満屋」の年増の遊女。
平野屋徳兵衛
演 - 小池徹平
豪商の放蕩息子で、お初に入れ込む。
お初
演 - 早見あかり
「天満屋」の新入り遊女。島原から流れてきた。
黒田家久平次
演 - 山崎銀之丞
油問屋。
喜助
演 - 徳井優
「平野屋」の番頭。
天満屋吉兵衛
演 - 佐川満男
「天満屋」の主人。
竹本義太夫
演 - 北村有起哉
道頓堀の竹本座座元。
お玉
演 - 高岡早紀
「天満屋」の女将。
忠右衛門
演 - 岸部一徳
豪商「平野屋」の大旦那。
喜里
演 - 富司純子
近松の母。
スタッフ
脚本 - 藤本有紀
音楽 - 宮川彬良
制作統括 - 櫻井賢
プロデューサー - 木村明広
演出 - 梶原登城、川野秀昭
義太夫節指導・三味線 - 竹澤團七
人形遣い・監修 - 桐竹勘十郎
劇中アニメーション - 岡江真一郎
撮影協力 - 国立文楽劇場、文楽協会
各話あらすじ 平均視聴率 4.99%
第1話 2016年1月14日「近松優柔不断極(ちかまつゆうじゅうふだんのきわみ)」
ラテ欄「誰も知らないスランプ作家・近松門左衛門 傑作誕生秘話」 視聴率 5.3%
大坂道頓堀で人形浄瑠璃「曾根崎心中」が空前の人気となった元禄16年。その半年前、作者・近松門左衛門(松尾スズキ)は大スランプに陥っていた。座主の竹本義太夫(北村有起哉)から怒られ母・喜里(富司純子)にもあきれられた近松は茶屋に入り浸り、年増遊女・お袖(優香)に愚痴をこぼしながら酒を飲んで現実逃避。そんな彼の前に渡世人・万吉(青木崇高)が現れた。一方、油問屋の黒田屋九平次(山崎銀之丞)が近松に接近する。
第2話 2016年1月21日「厄介者初、井守黒焼(やっかいものはつといもりのくろやき)」
ラテ欄「厄介な遊女お初を巡る恋愛騒動!」 視聴率 5.7%
万吉(青木崇高)は堂島新地の茶屋に現れた愛想のない新人遊女・お初(早見あかり)に恋をし、近松(松尾スズキ)にどうすれば彼女と結ばれるか相談する。近松は適当に「恋にはイモリの黒焼きが効く」と答えるが、これを真に受けた万吉はイモリ探しに乗り出す。しかし、お初を喜ばせようとする万吉の振る舞いが、大座敷にいた豪商の道楽息子・徳兵衛(小池徹平)を怒らせる。この騒動に近松も巻き込まれて、作家生命まで危うくなる。
第3話 2016年1月28日「放蕩息子徳兵衛(あほぼんとくべえ)」
ラテ欄「恋に破れた万吉、おほぼんと対決」 視聴率 5.0%
徳兵衛(小池徹平)とお初(早見あかり)が仲むつまじい間柄となる。失恋のショックで落ち込む万吉(青木崇高)は、近松(松尾スズキ)を連れ出して徳兵衛の実家に乗り込む。そこで万吉は、どんな意図があるのか、いきなり徳兵衛を自分の商いである‘不孝糖売り’に誘い出す。万吉と徳兵衛はなぜか意気投合するが、そんな2人の様子を知った徳兵衛の父・忠右衛門(岸部一徳)は激怒。近松と万吉は、忠右衛門と徳兵衛の間にある確執を知る。
第4話 2016年2月4日「善悪不明九平次(ぜんかあくかくへいじ)」
ラテ欄「九平次は47人目の赤穂義士!?」 視聴率 4.8%
近松(松尾スズキ)はスランプを脱しようと、赤穂藩士を題材にした新作に取り掛かるが、万吉(青木崇高)から駄目出しされる始末。そんな中、謎の商人・黒田屋九平次(山崎銀之丞)が「消えた47人目の赤穂義士・寺坂吉右衛門」だと思い至った近松は、九平次の正体を探り出し、寺坂の物語を書こうと奔走する。一方、徳兵衛(小池徹平)が不孝糖売りをとがめられ、奉行所に捕らえられる。そして、九平次はお初(早見あかり)に接近して…。
第5話 2016年2月11日「標的、忠右衛門(ターゲットはちゅうえもん)」
ラテ欄「あだ討ちダヨ全員集合」 視聴率 3.6%
九平次(山崎銀之丞)は忠右衛門(岸部一徳)の利権を狙い、彼との間に隠された過去があるお初(早見あかり)を利用しようとする。一方、徳兵衛(小池徹平)は強引に縁談を進める忠右衛門に反発し、お初を身請けすると言い放つ。相変わらずスランプ状態の近松(松尾スズキ)は、偶然お初と忠右衛門の因縁を知る。近松は衝撃を受けつつも、お初を題材に物語を書こうと考える。その構想メモを見た万吉(青木崇高)は忠右衛門の元に乗り込む。
第6話 2016年2月18日「義太夫些少活躍(ぎだゆうわりとかつやく)」
ラテ欄「義太夫節だよ人生は!」 視聴率 5.1%
万吉(青木崇高)は忠右衛門(岸部一徳)を呼び、お初(早見あかり)にあだ討ちさせようとする。近松(松尾スズキ)とお袖(優香)は気もそぞろだが、その場に見届け人と称して立ち会う万吉は押し黙っている。そんな時、何も知らない徳兵衛(小池徹平)がお初を訪ねてくる。近松とお袖は、徳兵衛を退けようとするが失敗。徳兵衛は父がお初を身請けしようとしていると勘違いしてしまう。
第7話 2016年2月25日「賢母喜里潔決断(ははうえきっぱりけつだん)」
ラテ欄「母ヨ恋人ヨそばにいて!心中前夜」 視聴率 4.9%
徳兵衛(小池徹平)は、お初(早見あかり)との恋を捨てて商売に精を出す。だが、九平次(山崎銀之丞)が平野屋つぶしに暗躍していた。一方、近松(松尾スズキ)は喜里(富司純子)に心ない言葉を浴びせ、その上、お袖(優香)にも振られる。喜里は越前に帰ることを決める。そんな中、平野屋に危機を招いてしまった徳兵衛は、万吉(青木崇高)の仲介でお初と再会。2人の恋心は再燃し…。
最終話 2016年3月3日「曽根崎心中万吉心中(そねざきしんじゅうとまんきちのおもい)」
ラテ欄「傑作誕生万吉心中!?」 視聴率 5.5%
お初(早見あかり)と徳兵衛(小池徹平)は心中を決意する。近松(松尾スズキ)は2人を止めなかった万吉(青木崇高)を責める。そして近松は、忠右衛門(岸部一徳)と共に天神の森へ向かう。すると、そこには2人の遺体が横たわっていた。近松は、お初と徳兵衛の無念を浄瑠璃「曽根崎心中」に書きつづる。その前に、全てを失った九平次(山崎銀之丞)が恨みを晴らすために現れる。ところが、近松が全く予期しないような結末が待ち受けていた。
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