原作
『わたしをみつけて』は、中脇初枝による小説。書き下ろし。第27回山本周五郎賞候補作。
2012年に刊行された『きみはいい子』と同じ桜が丘という町を舞台に、児童養護施設で育った准看護師の主人公が、家族や医療の問題につまづきながらも自分の本当の居場所を見つけていく姿を描く。
概要
中脇初枝の同名小説を原作に、生まれてすぐに親に捨てられ孤独を抱えながら生きる准看護師が、病院での出会いを通じて自分の殻を破り、本当の“わたし”を見つけていく姿を描く。
病院の准看護師としての居場所を失うことを恐れて、葛藤がありながらも“いい子”であり続けようとする主人公・山本弥生を瀧本美織が、弥生の心に影響を与え、その生き方に大きな変化をもたらす看護師長・藤堂優子を鈴木保奈美が演じる。
病院の内外で起こる家族間の問題に加え、誤診やその事実の隠ぺいという医療問題にも切り込んだストーリー。溝端淳平、本田博太郎、古谷一行らが共演する。
ストーリー
星美ヶ丘病院に勤務する准看護師・山本弥生(瀧本美織)は手際のいい仕事ぶりが高く評価されていたが、同僚たちとは深く付き合わず、仕事が終わると一人きりで過ごす毎日を送っていた。生みの親に捨てられ、里親からも突き放された経験のある弥生は、誰にも言えない孤独な思いを抱えていたのだ。
ある日、新しい看護師長の藤堂優子(鈴木保奈美)が病院に赴任してくる。患者やその家族が抱える問題を即座に見抜き指摘するなど、秀でた観察眼を持つ藤堂は、患者の数値データを完璧に記憶している弥生の能力に驚き、その秘めた可能性に着目する。そんな中、院長が虫垂炎の手術をした患者が、翌日に亡くなってしまう。
キャスト
山本弥生(やまもと やよい)〈26〉
演 - 瀧本美織(少女時代:田中里念)
星美ヶ丘病院の准看護師。平成元年3月1日に桧山産婦人科の前に捨てられ、その後は養護施設で育った。
藤堂優子(とうどう ゆうこ)〈48〉
演 - 鈴木保奈美
星美ヶ丘病院の新任看護師長。救急看護認定と緩和ケアの認定看護師。元は県立病院の看護部長だったが、しばらく現場から遠ざかっていたのを事務長の雅之が交渉して連れてきた。
後藤啓一郎(ごとう けいいちろう)
演 - 本田博太郎
星美ヶ丘病院の院長。外科医。50年前に父親が病床数60からスタートした星美ヶ丘病院を継ぎ、130床にまで増やした自負がある。雅之が医師になって跡を継いでくれなかったことを苦々しく思っている。
後藤雅之(ごとう まさゆき)
演 - 溝端淳平
星美ヶ丘病院の事務長。啓一郎の息子。医学部に入ったが、家族の期待や圧力、そして元々血を見ることが苦手で臨床実験にどうしても耐えられずドロップアウトした。
神田恵美子(かんだ えみこ)
演 - 初音映莉子
星美ヶ丘病院の正看護師。シングルマザー。
五十嵐奈菜(いがらし なな)
演 - 奥村佳恵
星美ヶ丘病院の正看護師。関西弁で話す。
関美千代(せき みちよ)
演 - 野村麻純
星美ヶ丘病院の正看護師。
飯野七海(いいの ななみ)
演 - 志保
星美ヶ丘病院の新人准看護師。
菊地勇(きくち いさむ)
演 - 古谷一行
星美ヶ丘地区に住む津軽出身の男性。ボランティアで近所の小学校の登下校の見守りをしている。
大腸がんの疑いで星美ヶ丘病院に入院してくる。
菊地勇樹(きくち ゆうき)
演 - 宮ア航平(第2回 - )
勇の孫。九九の練習をしている。
楠山幸一(くすやま こういち)
演 - 木内義一(第1回)
星美ヶ丘病院の入院患者。院長に化膿性虫垂炎と診断されてオペを受けるが、2日後に急変して亡くなる。
坂本(さかもと)
演 - 佐川満男(第1回)
星美ヶ丘病院の入院患者。
一宮シメ(いちのみや しめ)
演 - 佐々木すみ江(第1 - 2回)
星美ヶ丘病院の238号室の入院患者。認知症と肺炎を患っている。毎日見舞いに来る
娘より、息子の武史(たけし)が来ることを切望している。
一宮幸子(いちのみや さちこ)
演 - 根岸季衣(第1 - 2回)
シメの娘。毎日のように見舞いに訪れるが、シメにいつも罵られる。
早川京子(はやかわ きょうこ)〈42〉
演 - 福田里加(第2 - 3回)
入院患者。院長に蜂窩織炎性の虫垂炎と診断され手術を受けるが、オペ後もみぞおちあたりの痛みが収まらず、弥生と師長によって面山(おもてやま)病院に搬送される。
神田雄太(かんだ ゆうた)
演 - 岡田篤哉(第3回)
恵美子の息子。
柏木 達也
演 - 中村嘉宏(第1,3回)
恵美子に金をせびりに病院までやって来たり、恵美子と雄太に暴力をふるう。
スタッフ
原作 - 中脇初枝『わたしをみつけて』
脚本 - 森脇京子(1回、3回)、坂口理子(2回、最終回)
音楽 - 澁江夏奈
医事監修 - 大口善郎、大道道大
看護指導 - 鳥井美由季
医事指導 - 田秀穂、上池渉、岡空達夫
津軽ことば指導 - 工藤恭造
大阪ことば指導 - 一木美貴子
制作統括 - 三鬼一希
プロデューサー - 山本晃久
美術 - 荒川大輔
技術 - 森本祐二、向井進
音響効果 - 佐藤あい、嶋野聡
撮影 - 西鍵真治、清水昇一郎
照明 - 笠原竜二、松崎隆志
音声 - 大成友二、惣田睦弘
映像技術 - 岩岡良和、備中正幸
VFX - 峯田俊介
記録・編集 - 藤澤加奈子
演出 - 野田雄介
制作・著作 - NHK大阪放送局
主題歌 - androp「Kokoro」(unBORDE / ワーナーミュージック・ジャパン)
各話あらすじ (2015.11.24 - 2015.12.15)全4話 平均視聴率 5.33%
第1話 2015年11月24日「ずっと、泣きたかった」ラテ欄「准看護師の山本弥生医療事故について藤堂に詰問され心揺らぐ」 視聴率 5.7%
星美ヶ丘病院の准看護師・弥生(瀧本美織)は手際のいい仕事ぶりで高評価を得ているが、どこか影のある存在だ。ある日、新しい看護師長として藤堂(鈴木保奈美)が赴任する。藤堂は弥生が入院患者の数値データを完璧に記憶していることに驚き、それをきっかけに弥生に注目するように。そんな中、手術後の患者が亡くなる事件が起こる。執刀医は病院長の後藤(本田博太郎)で、後藤による誤診の可能性を感じた藤堂は、弥生を詰問する。
第2話 2015年12月1日「もう嘘(うそ)はつかない」 視聴率 5.5%
入院患者のシメ(佐々木すみ江)が亡くなる。藤堂(鈴木保奈美)は、シメにののしられても看病を続けた娘(根岸季衣)を案じ、「シメさんはあなたに感謝していた」とうそをつく。だが、弥生(瀧本美織)はそれでシメの娘が救われたと思えず、藤堂に反論する。ある日、弥生は初老の菊地(古谷一行)と出会う。アパートから子どもの泣き声と怒声が聞こえたと、見知らぬ住人を心配する菊地が弥生は理解できない。その菊地が入院してくる。
第3話 2015年12月8日「いい子じゃなくてもいい」 視聴率 5.1%
弥生(瀧本美織)と藤堂(鈴木保奈美)は星美ヶ丘病院に救急搬送された患者に対する後藤(本田博太郎)の診断結果に疑問を抱く。そして2人は、院長に無断で患者を別の病院に転院させる。転院先で患者は助かり、弥生は自分の行動によって人の命が救われたことに喜びを感じる。転院を知った後藤は弥生と藤堂を院長室に呼び、厳しく叱る。藤堂は「院長は誤診をした」と反論するが、そのことで彼女の病院での立場が危うくなってしまう。
最終話 2015年12月15日「わたしがいる場所」 視聴率 5.0%
菊地(古谷一行)が児童虐待を懸念していたアパートの住人・神田(初音映莉子)に、弥生(瀧本美織)は親から捨てられた過去を打ち明け、母親として息子を守るよう訴える。数日後、菊地にそれを報告した弥生は、彼に心から感謝される。一方、後藤(本田博太郎)に無断で患者を転院させたのが原因で星美ヶ丘病院を去ることになった藤堂(鈴木保奈美)は、部下たちへ看護師としてあるべき姿を説く。そして、後藤が執刀する菊地の手術日がやって来る。
番組公式サイト
わたしをみつけて(わたしをみつけて - Wikipedia)
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