どしゃ降りの雨の中、緊急呼び出しを受けた内科研修医の佐藤育生(向井理)は見舞いの花や果物で彩られた豪華な個室へ向かう。そこには胸を掻きむしって苦しむ患者の河村龍太郎(伊東四朗)の姿が。そして龍太郎の長女・陽子(余貴美子)、次女の矢幡月子(室井滋)、三女の凜子(板谷由夏)、そして月子の一人息子・正春(鈴木浩介)が、心配そうな表情を浮かべながら様子を見守っていた。
そこに駆け込んできたボーイッシュな装いの女性。彼女の名は河村楓(榮倉奈々)−−−−現在ベッドの上で深刻な状況にある龍太郎が溺愛する孫娘、そして葬儀業界大手のカワムラメモリアルのひとり娘だった。
「覚悟しておいた方が良さそうだな」
葬儀の仕事を終え、病室へやって来た陽子の夫・河村恒三(岸部一徳)は、ひと言そう呟く。
恒三は河村家に婿入りし、家業である葬祭業を継いで代表取締役に就いていた。数年前に、社名を“河村商会”から“カワムラメモリアル”に変更。様々な近代的な葬儀を提案し、業界大手まで登りつめ、業界では“死神”と恐れられるやり手経営者となっていた。
恒三のひと言を「縁起でもない」と一蹴する凜子ら。だがその実、河村家の面々は龍太郎の死後、遺産がどう配分されるのかに大いなる関心を寄せていた。
しかしそんな家族たちをあざ笑うかのように、龍太郎の容態は持ち直してしまう。
ほっとした様子を見せつつ、的確な治療を施した育生をいまいましそうに見送る河村家の面々だったが…?
そんな育生と病院の屋上で密かに会う楓。ふたりは龍太郎の病室で出会い、ひそかに交際をスタートさせていたのだ。
「おじいさんが退院したら、挨拶に行く」
育生はそこで、楓との結婚を申し込みに行く決意をしたことを明かす。
若いふたりの希望に満ちたスタート…に見えるこの姿だが、実はこの結婚がこれから起こる大きな争いの火種になろうとは、このときふたりは知る由もなかった…。
数日後、龍太郎はすっかり元気になり、退院していく。
そしてその晩、河村家で退院祝いが開かれることに…。楓はそこで、家族に育生をあらためて紹介しようと考える。
突然の育生の登場に驚きを隠せない一同。さらにそこで育生の医師としての“闘わない”生き方を聞かされ、微妙な空気が生まれてしまう…。
「万事休す」と思ったその時、恒三からある提案が。日を改め、育生の母・華子(岸本加世子)も一緒に食事をしようという恒三の言葉に喜ぶ楓たちだったが、恒三は何かを企むような顔を…。
その企みは、後日の食事会で明らかになる。
なんと恒三は育生を河村家の婿として迎えたいと申し出たのだ! 思いもよらぬ申し出に育生も華子も唖然…! 幸せを目前にした育生と楓は、とてつもない高い壁に阻まれることとなり…。
第2話 2015年10月29日「金は一円もいりません!…無欲なムコの正体」
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