日曜劇場での池井戸潤原作作品は、『半沢直樹』(2013年)『ルーズヴェルト・ゲーム』(2014年)に次いで3作目で、前2作と共通したスタッフで制作される。
2018年版
2018年10月14日からTBS系の「日曜劇場」(毎週日曜 21:00〜21:54)で、『下町ロケット ゴースト』を原作にした続編が放送。
原作
『下町ロケット』(したまちロケット)は、池井戸潤の小説。
小学館刊の『週刊ポスト』に2008年4月18日号から2009年5月22日号まで連載され、加筆・訂正の後、2010年11月24日に単行本が小学館より刊行された、2013年12月21日には小学館文庫版が刊行された。第145回(2011年上半期)直木三十五賞受賞作品、および、第24回山本周五郎賞候補作品。
2011年にWOWOWの連続ドラマWでテレビドラマ化された。また、2015年10月にはTBSテレビの日曜劇場でもテレビドラマ化される。10月から朝日新聞で新連載される続編が、後半5話で映像化され、新聞・テレビ同時進行型で描かれる予定である。
2012年3月20日に、TBSラジオでもドラマスペシャルとしてラジオドラマ化された。
概要
第145回直木賞を受賞した池井戸潤の同名小説をドラマ化。元宇宙科学開発機構の研究員で、父親が残した工場の経営を引き継いだ佃航平を、5年ぶりのTBS連続ドラマ出演となる阿部寛が演じる。また、佃の娘・利菜を、NHK連続テレビ小説「まれ」の好演が記憶に新しい土屋太鳳が務めるのも話題となっている。
脚本は「半沢直樹」「流星ワゴン」(共に同系)を手掛けた八津弘幸が務め、同作を共に作り上げた福澤克雄が演出を担当する。
10月から朝日新聞朝刊で「下町ロケット2」の連載も始まり、ドラマ前半は「下町ロケット」を、後半は「下町ロケット2」を原作に映像化。物語後半からは、ドラマと新聞連載が同時進行する試みも決定している。
ストーリー
元宇宙科学開発機構の研究員・佃航平(阿部寛)は、父親が残した下町の工場「佃製作所」で、経営者として第二の人生を送っていた。娘の利菜(土屋太鳳)との仲は多少ギスギスしているが、経営は順調で次第に業績も上がっていた。しかし、あきらめきれない自分の夢であるロケットエンジンの開発に力を入れすぎ、少しずつ業績は下降気味に。
ある日、大手取引先の「京浜マシナリー」から突然取引中止を宣告される。さらに、ライバル企業の「ナカシマ工業」から理不尽な特許侵害で訴えられ、じわじわと経営体力を奪われてしまう。
そんな中、日本を代表する大企業「帝国重工」から「佃製作所」の特許を20億円で買い取りたいとの話が持ち上がる。
キャスト
佃製作所
佃 航平
演 - 阿部寛
「佃製作所」の2代目社長。元宇宙開発機構の研究員で、ロケット打ち上げ失敗の責任を取り退職した。父親が残した町工場を継ぐが、宇宙への夢を捨てきれず、ロケットエンジンの開発を続ける。
殿村 直弘
演 - 立川談春
経理部部長。元白水銀行から出向。
山崎 光彦
演 - 安田顕
技術開発部部長。
津野 薫
演 - 中本賢
営業第一部部長。
唐木田 篤
演 - 谷田歩
営業第二部部長。
江原 春樹
演 - 和田聰宏
営業第二部係長。
迫田 滋
演 - 今野浩喜
経理部係長。
埜村 耕助
演 - 阿部進之介
技術開発部技術主任。
立花 洋介
演 - 竹内涼真
技術開発部技術者。
川本 浩司
演 - 佐野岳
技術開発部技術者。
鈴木 健児
演 - 堀井新太
技術開発部技術者。
加納 アキ
演 - 朝倉あき
技術開発部技術者。
仁科 美咲
演 - ぼくもとさきこ
事務員。
佃製作所の関係者
神谷 修一
演 - 恵俊彰
弁護士。神谷・坂井法律事務所代表。
帝国重工
財前 道生
演 - 吉川晃司
宇宙航空部部長。
富山 敬治
演 - 新井浩文
宇宙航空部宇宙開発グループ主任。
水原 重治
演 - 木下ほうか
宇宙航空部本部長。
石坂 宗典
演 - 石井一孝
宇宙航空部調達グループ部長。
安東 仁
演 - 國本鍾建
ヘルス開発部門グループ部長。
溝口
演 - 六角慎司
生産管理部主任。富山の同期。
田村
演 - 戸次重幸
審査部主任。富山の同期。
近田
演 - 近藤公園
宇宙開発事業部。
浅木 捷平
演 - 中村倫也
宇宙航空部技術者。
藤間 秀樹
演 - 杉良太郎
社長。
ナカシマ工業の関係者
三田 公康
演 - 橋本さとし
事業企画部法務グループマネージャー。
中川 京一
演 - 池畑慎之介
顧問弁護士。田村・大川法律事務所所属。
白水銀行
柳井 哲二
演 - 春風亭昇太
蒲田支店融資課長。
根木 節生
演 - 東国原英夫
蒲田支店支店長。
佃家の関係者
佃 利菜
演 - 土屋太鳳
航平の娘。高校2年生 → 大学2年生。大学は慶應義塾大学理工学部に進学。のちに帝国重工に就職。
佃 和枝
演 - 倍賞美津子
航平の母。
和泉 沙耶
演 - 真矢ミキ
航平の元妻。JAXS研究員。
JAXS
三上 孝
演 - 吉見一豊
航平の元同僚。JAXS研究員。
北陸医科大学
一村 隼人
演 - 今田耕司
北陸医科大教授。心臓外科医。
真野 賢作
演 - 山崎育三郎
佃製作所技術開発部技術者 → 北陸医科大研究員。
高橋 圭太
演 - 高橋曽良
一村教授の患者。小学生。
中島 聖人
演 - 庵原匠悟
一村教授の患者。小学生。
桜田経編
桜田 章
演 - 石倉三郎
株式会社サクラダ社長。
桜田 結
演 - 吉田美優(ami〜gas)
章の娘。故人。
桜田 努
演 - 永澤俊矢
桜田経編社長。章の弟。
アジア医科大学
貴船 恒広
演 - 世良公則
アジア医科大教授。心臓外科部長。「コアハート」プロジェクトに携わる。
巻田 真介
演 - 横田栄司
アジア医科大心臓外科医。
葛西
演 - 中村歌昇
アジア医科大研修医。
サヤマ製作所
椎名 直之
演 - 小泉孝太郎
株式会社サヤマ製作所社長。NASA出身。
中里 淳
演 - 高橋光臣
佃製作所技術開発部技術者 → サヤマ製作所開発部技術者。
横田 信生
演 - バカリズム
開発部技術者。
月島 尚人
演 - 福田転球
開発部マネージャー。
日本クライン
久坂 寛之
演 - 平岳大
日本クライン製造部長。
藤堂 保
演 - 瀧川英次
日本クライン製造部企画チームマネージャー。
PMEA
滝川 信二
演 - 篠井英介
独立行政法人医薬品医療器具総合機構(PMEA)の審査員。
山野辺 敏
演 - 大鷹明良
PMEAの審査リーダー。
その他
咲間 倫子
演 - 高島彩
フリージャーナリスト。
ゲスト
第1話
田辺弁護士
演 - 阿藤快
先代の頃からの佃製作所の顧問弁護士。
徳田
演 - ルー大柴
京浜マシナリーの調達部長。
大場
演 - 大石吾朗
慶應義塾大学理工学部教授。航平の恩師。
村田
演 - 小松利昌
裁判官。佃製作所がナカシマ工業から訴訟されたステラエンジン訴訟を担当。
第2話
田端
演 - 上杉祥三
裁判官。佃製作所がナカシマ工業へ逆訴訟したステラエンジンの特許侵害訴訟を担当。
高瀬
演 - 成河
毎朝新聞の記者。
大泉
演 - 大河内浩
ナカシマ工業部長。三田の上司。
第3話
財前 信生
演 - 田村泰二郎
財前の実父。「財前化工」を経営していた。
青山 洋貴
演 - 金剛地武志
「タカモリ電工」人事課社員。
第8話
小西 悟
演 - 児島功一
コア・ハートの被験者。
第10話
椎名 直久
演 - 吉田類
椎名の父。
飯塚
演 - 天野勝弘
週刊ポスト編集長。
スタッフ
原作 - 池井戸潤『下町ロケット』(小学館文庫刊)、『下町ロケット2 ガウディ計画』(小学館刊)
脚本 - 八津弘幸、稲葉一広
脚本協力 - 稲葉一広(ロケット編)
ナレーション - 松平定知、古谷有美(特別篇のみ)
メインテーマ - 服部隆之
音楽 - 兼松衆、田渕夏海、中村巴奈重
演出補 - 大内舞子
プロデューサー補 - 青山貴洋
プロデューサー - 伊與田英徳、川嶋龍太郎
演出 - 福澤克雄、棚澤孝義、田中健太
製作著作 - TBSテレビ
各話あらすじ(2015.10.18 - 2015.12.20)全10話 平均視聴率 18.64%
第1話 2015年10月18日「ジャパン・ドリーム感動物語の誕生!!中小企業が大企業に勝負!涙…!夢とプライド」※初回2時間スペシャル(21:00〜22:48)
佃(阿部寛)は、かつては宇宙科学開発機構の研究員で、現在は亡父が残した佃製作所の経営者。利益の一部を、夢だったロケットエンジン開発につぎ込んでいたことや、景気悪化の影響などもあり、好調だった業績にも次第に陰りが見え始めていた。そんな中、大手取引先からの取引終了宣告や、メーンバンク・白水銀行の融資拒否、佃製作所の技術を狙うナカシマ工業による特許侵害裁判など、次々と難題が立ちはだかる。
第2話 2015年10月25日「池井戸潤・直木賞受賞作〜娘の愛で20億買収の危機を救えるか15分枠大SP」※15分拡大(21:00〜22:09)
佃(阿部寛)は弁護士・神谷(恵俊彰)の提案で、ナカシマ工業への逆訴訟に打って出る。だが、今回の裁判を、大企業擁護派として有名な裁判官の田端(上杉祥三)が担当することになり、先行きに暗雲が立ち込める。そんな中、帝国重工の宇宙航空部部長・財前(吉川晃司)が佃製作所を訪問。佃が持つバルブシステムの特許を20億円で譲ってほしいと頭を下げる。この資金があれば、裁判を継続することができ、佃は頭を悩ませる。
第3話 2015年11月1日「池井戸潤・直木賞受賞作〜新たな敵・帝国重工が牙をむく!」
財前(吉川晃司)は、佃(阿部寛)たちの技術力と志の高さに感動し、部品供給の検討を決断。本部長・水原(木下ほうか)にその意志を伝える。だが、水原は富山(新井浩文)と共謀し、不当に厳しい審査を佃製作所に課して、部品供給を諦めさせる作戦に打って出る。事情を知らない佃は、しぶしぶ審査を了承。社内で今後の方針を発表するが、従業員たちは反発する。そんな中、佃はかつての同僚・三上(吉見一豊)から呼び出される。
第4話 2015年11月8日「池井戸潤・直木賞受賞作〜反撃開始!下請けの屈辱をはらせ!!」
財前(吉川晃司)は、佃(阿部寛)たちの技術力と志の高さに感動し、部品供給の検討を決断。本部長・水原(木下ほうか)にその意志を伝える。だが、水原は富山(新井浩文)と共謀し、不当に厳しい審査を佃製作所に課して、部品供給を諦めさせる作戦に打って出る。事情を知らない佃は、しぶしぶ審査を了承。社内で今後の方針を発表するが、従業員たちは反発する。そんな中、佃はかつての同僚・三上(吉見一豊)から呼び出される。
第5話 2015年11月15日「池井戸潤・直木賞受賞作〜ロケット編完結涙と感動の打ち上げ」※「世界野球プレミア12 「日本×ベネズエラ」が放送延長(18:30 〜 22:35)のため、開始時間95分繰り下げ(22:35 〜 23:29)
佃(阿部寛)たちの努力が実を結び、部品供給のための最終テストは、燃焼試験を残すのみとなった。そんな中、製品テスト用の部品をすり替えた真野(山崎育三郎)が辞職を申し出る。一方、佃は利菜(土屋太鳳)と正面から向き合うことに。試験当日。財前(吉川晃司)は佃に、最後の壁として、完全内製化に強い思いを抱く社長・藤間(杉良太郎)の説得が残っていると明かす。そして、最終試験に合格すれば必ず藤間を説得すると約束する。
第6話 2015年11月22日「池井戸潤・直木賞受賞作続編〜NASAからの刺客!医療編へ」
ロケット打ち上げ成功から3年。佃製作所は大幅に業績を伸ばしてきた。そんなある日、佃(阿部)は財前(吉川晃司)から、次回からバルブシステムはコンペで決定すると知らされる。ライバルとなるサヤマ製作所の社長・椎名(小泉孝太郎)は、米航空宇宙局(NASA)の出身。確かな技術を持つが、強引な手法で仕事を横取りすると悪評も伝わる人物だ。気合を入れる佃たちに、大手精密機器メーカーから新規の依頼が舞い込む。
第7話 2015年11月29日「池井戸潤・直木賞受賞作続編〜反撃開始!!町工場VS医療の野望 」
一村(今田耕司)や桜田(石倉三郎)の熱意に打たれた佃(阿部寛)は、心臓手術用の新型人工弁を開発する「ガウディ計画」への参加を決意。間近に迫った人工弁の審査の事前面談に向けて動きだす。一方、一村の前に、かつての師で日本の心臓外科医の重鎮・貴船(世良公則)が現れ、人工弁の共同開発を持ち掛ける。だが、以前アイデアを盗用された一村は協力を拒否。怒った貴船は、ガウディ計画を阻止しようと裏で手を回す。
第8話 2015年12月6日「佃&財前、まさかの敗北…逆襲を狙え!!」
医療機器の審査担当官・滝川(篠井英介)から、大企業の支援なくして医療機器開発はできないと突き放されてしまった佃(阿部寛)らは、支援してくれる企業探しに動く。そんな中、帝国重工で行われる燃焼試験が1週間早まった。椎名(小泉孝太郎)が帝国側にバルブシステムの共同開発を持ち掛け、佃が不利になるよう仕向けたのだ。佃製作所の社員たちは一丸となって、コンペに勝つために新型バルブの開発に奔走する。
第9話 2015年12月13日「最終回前15分拡大!!財前失脚…佃vs椎名!技術は嘘をつかない」 ※15分拡大(21:00 〜 22:09)
いよいよ臨床試験をスタートさせる段階にまでこぎ着けた人工心臓「コアハート」。ところが、その記念すべき1人目の被験者の容体が急変し、死亡してしまう。遺族側は病院に対し、調査委員会を設けるよう要求するが、貴船(世良公則)は病院側に落ち度はなかったとしてこれを拒否する。そんなある日、フリージャーナリストの咲間(高島彩)が佃(阿部寛)の元を訪れ、関係者しか知り得ないコアハートのことについて話し始める。
最終話 2015年12月20日「裏切り者は許さない日本プライドを持て!ロケットの夢・人工弁の夢を打ち上げろ!!」※25分拡大(21:00 〜 22:19)
フリージャーナリスト・咲間(高島彩)の協力を得て、滝川(篠井英介)と貴船(世良公則)の癒着を暴いた佃(阿部寛)。滝川は審査官を降ろされ、ガウディ計画はまた一歩進展する。さらに、山崎(安田顕)の設計図を無許可で流用し、不完全なバルブを納入して医療事故を引き起こした椎名(小泉孝太郎)も追及。責任を認めない椎名に対し、佃らは証拠を調べあげ、両者の対立はついに決着の時を迎える。
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