テレビドラマ版では、原作で架空の県警とされていた主人公の職場が警視庁と設定され、オリジナルキャラクターの追加、猪熊夕貴の血縁関係や主人公カップルが半同棲している設定になるなどの変更のほかに、原作漫画と違うオリジナルの結末が描かれる。また身体能力の高い主要人物たちによるアクションシーンも見どころの一部とされた。
原作
『サイレーン』は、山崎紗也夏による日本の漫画作品。『モーニング』(講談社)にて、2013年21・22合併号から2015年6号まで連載された。山崎紗也夏の1年ぶりとなる本格週刊掲載で、武蔵県警機動捜査隊でバディを組む1組のカップルの警察的日常と、彼らにつきまとう謎の女の暗躍を描いたサスペンス漫画。全7巻。
ドラマ概要
山崎紗也夏の人気同名コミックを基に、現代的な犯罪に挑む2人の機動捜査隊員の活躍と、正体不明の美女との対決をスピーディーな展開で描くクライム・ラブサスペンス。
機動捜査隊とは、24時間体制で事件と名の付くあらゆる問題の初動捜査を専門に担当する刑事たちの部隊。主人公の警視庁機動捜査隊員・里見偲役を民放ゴールデン・プライム帯の連続ドラマに初主演となる松坂桃李が務め、里見の相棒で、恋人でもある猪熊夕貴役を木村文乃、謎の美女・橘カラ役を菜々緒が演じる。ほか、北山宏光、要潤、山口紗弥加、光石研、大杉漣、船越英一郎らが脇を固める。
ストーリー
警視庁機動捜査隊、通称・キソウの里見偲(松坂桃李)と猪熊夕貴(木村文乃)は、仕事上ではコンビを組み、共に捜査一課を目指すライバル関係にあるが、実は恋人同士。職場で恋人関係がばれたら即異動となるため、2人だけの秘密にしている。
そんなある日、変死体発見現場で謎の美女・橘カラ(菜々緒)と出会い、2人の運命は大きく変わる。次々に起こる猟奇殺人、そしてその現場にいつも現れるカラ。徐々に2人は、警察をあざ笑うカラの狂気に翻弄されていく。
キャスト
里見 偲
演 - 松坂桃李
警視庁・本庁機動捜査隊所属。捜査一課への栄転を目指す。
猪熊 夕貴
演 - 木村文乃
同隊所属。里見の恋人。彼同様捜査一課行きを望んでいる。表向きは警視庁の寮に住んでいるが、実際は里見のアパートで暮らし半同棲の状態である。
橘 カラ
演 - 菜々緒
美貌のキャバクラ嬢。美容整形手術歴がある。高校時代に十和田 幸(とわだ さち)という友人がいたとされたが、実際はその友人である橘カラを殺し、戸籍を奪い顔もカラの顔に変えなりすまして生きている。
速水 翔(はやみ しょう)
演 - 北山宏光
ドラマオリジナルキャラクター。桜中央署刑事課所属。小柄なため通称・チビデカ。里見たち同様本庁捜査一課栄転を狙い、彼らをライバル視する。捜査のネタを求めてカラと接触したため、のちに夕貴失踪の謎の一端をつかむ。
徳永 大輔(とくなが だいすけ)
演 - 西尾宇宙
同署刑事課所属。
三宅 涼介(みやけ りょうすけ)
演 - 高田翔(ジャニーズJr.)
桜中央署池ノ橋交番巡査。夕貴の後輩にあたる。事件現場や被害者入院先の警備などにも出動する。
雨宮 ひかる(あまみや ひかる)
演 - 岡崎紗絵
桜中央署生活安全課婦警。
月本 圭(つきもと けい)
演 - 要潤
美容整形外科医。月本クリニック院長。
千歳 弘子(ちとせ ひろこ)
演 - 山口紗弥加
桜中央署生活安全課所属。
渡 公平(わたり こうへい)
演 - 光石研
デザイナー。たまたま里見の部屋が見えるマンションに住んでいたため、カラに誘導され彼女と同居する。
猪熊 三樹(いのくま みき)
演 - 藤吉久美子
夕貴の養母。元婦警。
猪熊 文一(いのくま ぶんいち)
演 - 大杉漣
夕貴の養父。警察官で機動捜査隊では里見の元上司。
娘の夕貴と両親に血縁がないのはドラマ独自の設定。
安藤 実(あんどう みのる)
演 - 船越英一郎
桜中央署刑事課長。警部。
スタッフ
原作 - 山崎紗也夏『サイレーン』(講談社モーニングKC刊)
脚本 - 佐藤嗣麻子
演出 - 本橋圭太、白木啓一郎、浜弘大
助監督 - 大内隆弘
音楽 - 住友紀人
オープニングナレーション - 赤平大
警察監修 - チーム五社
アクションコーディネート - 釼持誠
技術協力 - バル・エンタープライズ
美術協力 - テレビ朝日クリエイト
撮影 - 内山久光、石川男志
照明 - 森泉英男
編集 - 矢野数馬
オープニングタイトル - 熊本直樹、石向洋祐
美術制作 - 秋元博
デザイン - 杉本亮、我妻弘之
美術進行 - 野末晃子
スタイリスト - 百瀬豪(松坂・木村担当)/多木成美(菜々緒担当)
編成 - 南口博孝/藤井修(CX)
番組宣伝 - 豊増雄、前田香久
広告 - 宮内覚
プロデューサー - 三宅喜重、河西秀幸、平部隆明
ラインプロデューサー - 稲葉有也
製作協力 - ホリプロ
制作著作 - カンテレ
主題歌 - Anly「太陽に笑え」(Sony Music Records)
オープニング曲 - [Alexandros]「Girl A」(ユニバーサルJ / RX-RECORDS)
各話あらすじ(2015.10.20 - 2015.12.15)全9話 平均視聴率 8.81%
第1話 2015年10月20日「衝撃サスペンス初回2時間SPで今夜開幕相棒刑事は恋人…猟奇殺人現場に現れた完全悪女が僕の彼女を獲物にした…謎を追え!」※初回2時間スペシャル(21:00〜22:48)
警視庁機動捜査隊の里見(松坂桃李)と猪熊(木村文乃)は、仕事上のパートナーであり、恋人同士の関係。ある日、キャバクラ嬢の不審遺体が見つかり、所轄署の刑事は自殺と断定する。初動捜査で臨場した里見は納得できないが、機動捜査隊には捜査方針に口を出す権限はない。里見は被害者の同僚・カラ(菜々緒)が前夜、カラオケ店で見掛けた女性だと気付く。数日後、パトロール中の里見と猪熊に、カラが声を掛けてくる。
第2話 2015年10月27日「刑事VS美しき女殺人鬼…暴け黒幕の影」 ※「SMBC 日本シリーズ第3戦 東京ヤクルト×福岡ソフトバンク」が75分放送延長(18:00 〜 22:09 (249分))のため、開始時間変更(23:15 〜 0:09)
猪熊(木村文乃)は、全ての事件に関わるカラ(菜々緒)が自分をターゲットに定めたとも知らず、交流を続ける。里見(松坂桃李)は刑事課長・安藤(船越英一郎)の指示で、殺人事件の容疑者でその後、自殺とおぼしき遺体で見つかった乃花が、死の1週間後に予約を入れていた美容整形外科を訪問。院長の月本(要潤)から話を聞く。その一方で、猪熊と親しくするカラを警戒する里見は、客を装い彼女が勤務するキャバクラを訪ねる。
第3話 2015年11月3日「衝撃の新展開…美しき殺人鬼次の犠牲者」
里見(松坂桃李)は、整形外科医の月本(要潤)が事件の黒幕ではないかと疑い、尾行する。すると、月本は高級会員制クラブに入って行った。そこは裏で売春をしているとの噂がある店で、生活安全課もマークをしているという。一方の猪熊(木村文乃)は、里見の忠告に耳を貸さず、カラ(菜々緒)との付き合いを深めていく。そんな中、里見はIT関連の実業家に成り済まして例の会員制クラブに潜入し、店の女性たちに接触する。
第4話 2015年11月10日「急展開刑事反撃…完全悪女と熾烈な攻防」
警察は、姿を消した月本(要潤)を一連の事件の犯人と断定し、行方を追う。しかし、月本のクリニックにあるはずのカラ(菜々緒)のカルテがないことに気付いた里見(松坂桃李)は、カラに疑いの目を向ける。殺されたと思われた麻弥(三上紗弥)は、一命を取り留めたが、意識不明の状態が続く。主治医によると、麻弥は搬送時にうわ言を言っていたという。一方の猪熊(木村文乃)は、単独行動が続く里見に、不信感を募らせる。
第5話 2015年11月17日「悪女の棲家…遂に暴く正体」
カラ(菜々緒)の尾行を続ける里見(松坂桃李)は、猪熊(木村文乃)に彼女との浮気を疑われる。そんな中、念願の捜査一課への異動を打診された猪熊だが、里見との約束が引っ掛かり、返事を保留してしまう。単身での捜査に限界を感じた里見は、アイ(佐野ひなこ)とレナ(入山杏奈)に協力を依頼する。一方、里見との関係に悩む猪熊は、あらためて里見を知ろうと、彼がかつて手掛けた殺人事件について調べ始め、あることに気付く。
第6話 2015年11月24日「破滅への罠…あの女を絶対許さない」
カラ(菜々緒)は、里見(松坂桃李)と猪熊(木村文乃)が元恋人の事件を知っていることに気付き、新たな行動に出る。カラを自宅に住まわせている渡(光石研)は、彼女からストーカーだと教えられた里見を尾行。里見がレナ(入山杏奈)らと会っている現場を盗み撮りする。猪熊が捜査一課に異動する話があると知った里見は、約束通り結婚の話を進めようとする。だが、里見への不信感が募る猪熊は、素直になることができない。
第7話 2015年12月1日「悪女が恋人に牙をむく…驚愕禁断の過去」
猪熊(木村文乃)は、態度を一変させたカラ(菜々緒)により別荘の地下室に閉じ込められる。里見(松坂桃李)が疑っていた通り、カラこそが一連の事件の犯人だと知った猪熊は命の危険を感じる。一方の里見は、カラの郷里を訪ね家族や親友を捜すが、会うことができない。そんな中、里見にアイ(佐野ひなこ)からレナ(入山杏奈)と連絡が取れないと知らせが。さらに、娘を捜す猪熊の母親・三樹(藤吉久美子)からも電話が入る。
第8話 2015年12月8日「ついに死闘決着…悪女の終焉恋人を救え」
猪熊(木村文乃)の居場所を突き止めようと手掛かりを探す里見(松坂桃李)に、寮の管理人から彼女宛ての荷物が届いたと知らせが入る。それを確認しようとする矢先、里見はカラ(菜々緒)に操られる渡(光石研)の襲撃を受け、一命を取り留めたものの意識不明の重体に。一方、監禁された猪熊は、里見が病院に運ばれたと知らされ動揺。体力が奪われていく中で、猪熊が必死に話し掛けると、カラの口から意外な事実が明かされる。
最終話 2015年12月15日「遂に決着…刑事VS完全悪女震撼の真相」
渡(光石研)の別荘には、カラ(菜々緒)に監禁され、衰弱しきった猪熊(木村文乃)がいた。里見(松坂桃李)はようやく猪熊の元にたどり着き、助け出そうとする。ところが、2人の背後にはおのを持ったカラが迫っていた。猪熊は里見がベルトに差していた拳銃を抜き、発砲。胸を撃ち抜かれたカラは息絶え、事件は終わりを迎える。しかし、事件にまだ引っ掛かりを覚える里見は、カラの過去を洗い直すため、再び単独捜査を行うが…。
各話視聴率
番組公式サイト
(サイレーン (漫画) - Wikipedia)