原作
『まんまこと』は、畠中恵による時代小説の短編小説。江戸の町名主の跡取り息子を主人公とする。
シリーズ累計発行部数は75万部を超え、テレビドラマ化の発表後は100万部を突破した。
概要
人気作家・畠中恵による小説が原作の、江戸の下町を舞台にした人情ミステリードラマ。福士誠治演じる町名主の跡取り息子・高橋麻之助が、幼なじみの八木清十郎(桐山漣)、相馬吉五郎(趙a和)とともに、さまざまな謎やもめ事と対峙して、人の心の奥底に隠れている真実(まんまこと)を引き出していく。
ストーリー
町奉行では裁けない町内の民事事件を裁定する役割を担う“町名主”の跡取り息子・高橋麻之助(福士誠治)と、隣町の町名主の跡取りで、色男の八木清十郎(桐山漣)、腕の立つ同心見習い・相馬吉五郎(趙a和)は、幼なじみの親友同士。麻之助は16歳までは真面目で優秀な少年だったが、ある時を境にお気楽な遊び人となる。
普段は頼りにならない麻之助だが、実は並外れた推理力を秘めており、麻のように乱れて解きほぐしがたい事件も、思いもつかない方法で解決していく。そんな麻之助の元には、毎回、切った張ったの殺伐とした事件ではなく、江戸の庶民が抱えるささいなもめ事が持ち込まれることになる。
キャスト
高橋麻之助 - 福士誠治
神田の町名主・高橋宗右衛門の跡取り息子。もともとは勤勉な少年だったが、とある理由でお気楽な遊び人になってしまい、幼なじみの悪友・清十郎と遊びほうけている。頼まれると断れず、もめ事に首を突っ込んでしまうが、見事な推理力で人の心の奥底の真実(まんまこと)を引き出していく。
お寿ず - 南沢奈央
吉五郎のまたいとこ。明るく聡明だが、思ったことを口に出さずにはいられない性格。女性特有の勘で、麻之助の謎解きに協力する。
お由有 - 市川由衣
清十郎の父・八木源兵衛の後妻。芯は強いが、あまり気持ちを表に出さない女性。麻之助にとっては幼なじみで、実は初恋の人。
八木清十郎 - 桐山漣
神田の町名主・八木源兵衛の跡取り息子。麻之助の幼なじみ。美しい容姿の色男で、絶えず複数の女性と付き合っている。ばくちもケンカも強い。
相馬吉五郎 - 趙a和
同心見習い。実直な性格だが、融通の利かない石頭。幼なじみの麻之助、清十郎とは真逆の性格だが、なぜかうまが合う。
おさん - 竹下景子
麻之助の母。腰痛に悩まされ、かんしゃくを起こす夫・宗右衛門をうまく受け流す。しなやかで肝の据わった女性。
高橋宗右衛門 - 高橋英樹
神田で八つの町の町名主を兼務する麻之助の父。自他共に厳しく、真面目が取り柄の男。男女の機微にも疎く、ふらふらとしている麻之助をいつも叱り飛ばす。
巳之助 - えなりかずき
おと吉 - 桧山うめ吉
八木源兵衛 - 石橋蓮司
火消しの頭取 - 伊吹吾郎
宗匠 - 市川左團次
語り - 柳家小さん
スタッフ
原作 - 畠中恵 『まんまこと』『こいしり』『こいわすれ』
脚本 - 吉田紀子
音楽 - 大島ミチル
演出 - 黛りんたろう、榎戸崇泰、岡田健(NHKエンタープライズ)
制作統括 - 銭谷雅義(NHKエンタープライズ)、原林麻奈(NHK)
俳句 ― 井上泰至
各話あらすじ(2015.7.16 - 2015.10.1)全10話 平均視聴率 5.81%
第1話 2015年7月16日「恋、一途」 視聴率 6.8%
町名主の跡取りだが気楽な遊び人の麻之助(福士誠治)は、町娘・おのぶ(荒井萌)のおなかの子の父親を捜し、裁定することに。友人の清十郎(桐山漣)と吉五郎(趙a和)は、麻之助の計略を聞いて仰天する。「堅いことで有名な跡取り息子が裁定を取り仕切るらしい。名乗り出なかった子の父親には厳しい裁定が下るだろう」との噂を流そうというのだ。やがて、麻之助の計略は功を奏し、子どもの父親が現れて賄賂を差し出す。
第2話 2015年7月23日「万年、青いやつ」 視聴率 6.1%
麻之助(福士誠治)は、万年青(おもと)の持ち主をめぐる裁定をすることに。2人の男がわれこそは万年青の苗の持ち主だと譲らない。一方、吉五郎(趙a和)の口利きで、麻之助に縁談が持ち上がる。お寿ず(南沢奈央)という武家の娘で、訳あって行き遅れているが良い娘なので、ぜひとももらってくれという。ひそかに心に思う人がいる麻之助は渋るが、翌日、お寿ず本人が押し掛けてきて、さる旗本の次男坊に会ってくれと頼む。
第3話 2015年7月30日「こけ未練」 視聴率 5.2%
麻之助(福士誠治)はお寿ず(南沢奈央)から、病床の又四郎(松田悟志)が会いたがっていると聞き、高値のようかんを買って清十郎(桐山漣)と見舞いに出掛ける。麻之助は途中、迷い犬の狆(ちん)と家出した町娘・おしん(田辺桃子)の世話にかまけてなかなか又四郎の家に行き着かない。そのころ、奉行所では「こりん様」という姫が行方不明になったとの報がもたらされ、捜索に大わらわ。おしんは岡っ引きにこりん様と間違われる。
※2015年8月6日は「NHKスペシャル「きのこ雲の下で何が起きていたのか」」(19:30 〜 20:35)が放送のため、休止。
第4話 2015年8月13日「静心なく」 視聴率 4.4%
麻之助(福士誠治)はお寿ず(南沢奈央)から、長く患っていた又四郎(松田悟志)が亡くなったと聞く。お寿ずは、約束通り麻之助との縁談をなかったことにするという。そんな時、お由有(市川由衣)の息子・幸太(菊井凛人)が誘拐され、衝撃を受けた源兵衛(石橋蓮司)は卒中で倒れてしまう。お寿ずは、お由有の身代わりになって身代金を届けることを申し出る。麻之助は源兵衛の過去の裁定に恨みを持つ者の犯行ではないかと推理する。
第5話 2015年8月20日「こいしり」 視聴率5.2%
麻之助(福士誠治)とお寿ず(南沢奈央)の婚礼の日、仲人の源兵衛(石橋蓮司)が卒中で再び倒れ、婚礼は日延べになる。源兵衛は、昔世話をしたお伊代(黒沢あすか)を捜し出し、幸せに暮らしているか確かめたいと言う。麻之助や清十郎(桐山漣)たちは、お由有(市川由衣)に内緒でその行方を捜すが、見つけ出したお伊代は源兵衛を覚えていないという。事情を知らないお寿ずは、麻之助らが自分との縁談を断る相談をしていると誤解する。
第6話 2015年8月27日「清十郎の問い」 視聴率7.7% ※19:30-20:13
父・宗右衛門(高橋英樹)と母・おさん(竹下景子)の留守を預かることになった麻之助(福士誠治)は、やっかいなもめごとに巻き込まれる。お寿ず(南沢奈央)の知り合いの娘がいいなずけからもらったお守りをなくし、その一方、お由有(市川由衣)の実家の番頭が、お由有の父・角右衛門(村井國男)からもらったお守りをなくした。ところが、自身番に届けられたお守りは一つだけだという。どちらが落とし主なのか、板挟みになる麻之助だが…。
第7話 2015年9月3日「せなかあわせ」 視聴率 4.6%
お寿ず(南沢奈央)から突然、「三くだり半をください」と告げられ、麻之助(福士誠治)は驚く。原因は、八木家の幸太(菊井凛人)が手習い所のほごから持ち帰った恋文だ。お寿ずは、麻之助がお由有(市川由衣)に書いた恋文なのではないかと誤解していた。麻之助はお寿ずを連れて八木家を訪ね、その疑いを晴らす。そして、一緒に恋文の謎を解こうとお寿ずに持ち掛ける。麻之助とお寿ずの関係は、この一件を通して深まっていく。
※災害報道 ニュース「栃木・茨城に大雨特別警報」関連のため放送日時が順延となりました。
第8話 2015年9月17日「おさかなばなし」 視聴率 6.3%
本所の置いてけ堀にかっぱが出るという噂が立って程なく、清十郎(桐山漣)が堀に落ちる。麻之助(福士誠治)と吉五郎(趙a和)は見舞いに行き、堀に落ちた理由を聞くが、清十郎は足を滑らせただけと多くを語らない。不審に思った2人は置いてけ堀へ行ってみる。麻之助がふざけてかっぱに呼び掛けると、不意に男(津田寛治)が現れ、かっぱの話を教えてくれと麻之助に詰め寄る。後ずさりした麻之助は、堀に落ちてしまう。
第9話 2015年9月24日「鬼神のお告げ」 視聴率 5.2%
麻之助(福士誠治)の家の手代・巳之助(えなりかずき)が、富くじで一等賞の600両を当てる。庚申(こうしん)の夜に眠ると体からはい出して天帝にその人の悪行を告げるという「三尸(さんし)の虫」を捕まえて、当たり札の番号を聞き出したという。巳之助のお告げを求める人々が、高橋家に押し掛ける。やがて、麻之助は巳之助からある告白を聞く。お告げに、富くじ興行関係者の誰かが死ぬ、というものがあったと言う。
最終話 2015年10月1日「朝を覚えず」 視聴率 6.6%
西節という医者が作った眠り薬を飲んで二人の町人が死んだ。薬の名は甘夢仁散といい、酒と一緒に飲むと危ないらしい。麻之助(福士誠治)は清十郎(桐山漣)、吉五郎(趙a和)とともに薬の謎を追う。長崎帰りの医者に調べてもらうと、オランダ渡来の薬らしいが処方を知る医者は少ないという。西節は薬の適量を確かめるために人体実験をしたのではないか? 麻之助は無謀にも自ら酒と一緒に薬を飲み、効き目を試めしてみることにする...。
番組公式サイト
(まんまこと - Wikipedia)