原作
『婚活刑事』(こんかつデカ)は、安道やすみちが著した推理小説シリーズ。イラストは犬倉すみで、2014年8月に第1作が出版され、2015年6月現在2作目まで刊行されている。
概要
安道やすみちの小説「婚活刑事 花田米子の絶叫」を基にしたコメディーミステリー。主人公の女性刑事で究極の恋愛不適合者・花田米子を、民放の連続ドラマ初主演となる伊藤歩が演じる。
米子は両国署刑事課に配属されて以来、驚くほどの検挙率を誇るやり手刑事。実は彼女には「ほれた男が必ず罪を犯している」という特殊能力が備わっていたのだ。
恋愛の始まりが逮捕につながり、やがて別れが訪れる。負のスパイラルに陥っている米子が、自分の運命にあらがいながらも結婚を夢見て奮闘する姿が、軽妙かつ切なく描かれる。同僚のエリート警部・藤岡躑躅を小池徹平が演じるほか、升毅、森カンナ、川村エミコ、鈴木砂羽、大杉漣らが共演する。
ストーリー
大学を卒業して警視庁へ入った花田米子(伊藤歩)は、交番での勤務成績を認められ、6年前に両国署の刑事課に異動。以降3年間で、異常に高い検挙率を記録し、周囲から一目置かれる存在となっていた。だがその裏には、“米子レーダー”と呼ばれる彼女のある特殊能力の存在があった。
それは「ほれた男が必ず罪を犯している」というもの。刑事にはうってつけといえるこの力で、素晴らしい成績を挙げていた米子だが、恋愛を仕事に利用するつもりなど毛頭なく、自分の体質を呪っていた。「自分は絶対に結婚できないのだろうか」と悩みながらも、米子は“理想の善人”が現れることを信じて、恋に仕事に東奔西走していく。
キャスト
警視庁両国警察署刑事課
花田米子(はなだ よねこ)〈35〉
演 - 伊藤歩
刑事課巡査部長。恋をする相手がすべて犯罪者という本人にとっては不本意な体質のため、検挙率100パーセントを誇る。鳥取県の鳥取砂丘コナン空港側(第9話)出身で、時折方言の「だらず」(鳥取弁で「ばか」の意)が口に出る。高校時代は柔道部所属で(第1話)、犯人確保の場面では技を使う。料理は壊滅的に下手(第3話・第7話)。
アバンタイトルでは毎回、伊藤による婚活についての語りがある(第6話を除く)。
藤岡躑躅(ふじおか つつじ)
演 - 小池徹平
警部。本庁捜査一課からの異動で両国署刑事課に来たエリート刑事。米子より年下。異動の理由は過去に犯したミスのためで、それに関連して2年前、婚約者だった同僚の刑事・篠原沙織を交通事故で亡くしている。妹がおり、会った際に腕を組むなど親しい様子だったため、米子に恋人だと誤解される(第6話)。
躑躅が「婚活」をする第6話のみ、アバンタイトルの語りが小池に変更された。
宮谷博之
演 - 升毅
課長補佐(警部補)。元組織犯罪対策課所属(第10話)の叩き上げのベテラン刑事で、米子の犯罪者に恋する能力「米子レーダー」に期待を寄せるあまり、彼女のプライバシーにたびたび介入して怒りを買いセクハラと指摘されるが、娘のように大切に思ってもいる(第8話)。
滝田流星
演 - 栗山航
巡査。米子に思いを寄せているが、彼女の側では眼中にない存在。
村上高志
演 - 吉満寛人
鑑識係。
塚本 樹
演 - 鈴木砂羽
同課課長(警部)。事情聴取が得意で「落としの塚本」と称される(第4話)。私生活では既婚者で子供がいる(第7話)。警察内部の人間を疑う躑躅に対し「タブー」であるとして警告する(第8話)。
その他の両国署員
小西弥生(こにし やよい)
演 - 森カンナ
交通課巡査で署のアイドル的存在。米子の婚活仲間で、相手男性の収入に対し要求が厳しい。
剣崎一郎
演 - 加藤諒
地域課巡査。
「串焼き串升」の関係者
山下美香
演 - 川村エミコ(たんぽぽ)
串升に集う米子の飲み友達のひとり。不倫中。
安藤玲子
演 - 片岡明日香
同じく飲み友達。売れないピン芸人をヒモ同然の関係で養い交際中。
オトウサン
演 - 赤星昇一郎
串焼きメインの居酒屋「串升」の主人。5年前に妻を亡くした寡夫(第8話)。宮谷との間には因縁があり(第7話)、昔恋人にからんできたチンピラを死なせてしまい、その際に逃亡しようとしたのを説得され、真面目に罪を償い、出所を待ってくれた恋人と結婚する幸福を得た(第8話)。このため宮谷に対しては恩義を感じている。
その他
佐伯信二郎
演 - 大杉漣
警視庁警務部参事官(警視正)。異動した躑躅と連絡を取りあう。一方で、塚本に躑躅の行動を監視させている(第6話)。
ゲスト
複数回登場の場合は演者名の横に話数を表記する。
第1話
福田 潤平(ふくだ じゅんぺい)
演 - 和田正人
清掃会社経営者。米子の高校時代の同級生。
第2話
財田 一雄(たからだ かずお)
演 - 中村俊介
財田病院院長。
第3話
火野 隆也
演 - 徳山秀典
料理合コン参加者。実は麻薬の売人で、婚活イベントでターゲットとなる女性を物色している。
木原 雅良
演 - 坪倉由幸(我が家)
以下2名とともに料理合コン参加者。
水島 豊
演 - 杉山裕之(我が家)
土田 雄平
演 - 谷田部俊(我が家)
第4話
井上 崇史
演 - 阿部力
野菜販売詐欺を行う男。
第5話
来栖 光琳
演 - 深水元基
弥生の交際相手でワインバーのオーナー。
第6話
藤岡 イネ(ふじおか イネ)
演 - 赤座美代子
躑躅の祖母。
第7話
奥井 啓介(おくい けいすけ)
演 - 川口覚
システムエンジニアで翔の父。バツイチのシングルファーザー。
奥井 翔(おくい しょう)
演 - 鈴木福
啓介の一人息子。作中で10歳の誕生日を迎える。家事が得意で生意気な性格。
第8話
権堂 翔太(ごんどう しょうた)
演 - 阿部亮平
両国署組織犯罪対策課巡査。宮谷の弟子にあたる。
本村 正義
演 - 黄川田将也
同・巡査部長。
峰 龍介(みね りゅうすけ)
演 - 大口兼悟
危険ドラッグ売人のリーダー。
別府 幸一(べっぷ こういち)
演 - 中村繁之(第10話 - 最終話)
警視庁捜査一課警部。躑躅と連絡を取り合い極秘に捜査協力する。実は暴力団・銀竜会と関わり、沙織殺害の指示をした(第11話)。
第9話
小山 勉(こやま つとむ)
演 - 丸山智己
国会議員秘書。米子と同じ鳥取出身で、米子鬼太郎空港側に生まれ育つ。父親の地盤を継いでの選挙出馬を控える。いつも2番手の人生を歩んできたと語る。
ヒナコ
演 - 武田梨奈
キャバクラ「ブルー・プリンセス」No.1キャバ嬢。殺人被害者のキャバ嬢が死亡するまでは2番手だった。
第10話
深川 理絵(ふかがわ りえ)
演 - 岡元あつこ
ディスコイベントのオーガナイザー。「パピヨン」のハンドルネームでブログを運営しており、その名の通り胸に蝶のタトゥーがある。肉食系の妖艶な女性。
川端 純一(かわばた じゅんいち)
演 - 伊藤明賢
ディスコの客で米子を誘う。実は深川と共謀して美人局犯罪を行っている。
篠原 沙織(しのはら さおり)
演 - 高部あい(第11話 - 最終話)
躑躅の元婚約者で本庁警務部刑事。東北地方出身(第11話)。2年前にひき逃げ事故により死亡。米子と同じく、武術が得意な刑事だった。
スタッフ
原作 - 安道やすみち『婚活刑事シリーズ』(TO文庫刊)
脚本 - ますもとたくや、徳尾浩司、杉山嘉一、新井友香
音楽 - 出羽良彰、羽深由理
演出 - 遠藤光貴(ザ・ワークス)、青木達也(同)、阿部雅和、本田隆一
撮影 - 宮崎悟郎
照明 - 加藤賢也
編集 - こまたひろゆき
音響効果 - 滝野ますみ
OPタイトル - 齋藤竜
美術 - 池田正直
美術進行 - 小柳千尋
番組宣伝 - 小林杏奈、嶋岡良介(ytv)
ホームページ - 金澤みゆき(ytv)
アクションコーディネート - 高橋伸稔
技術協力 - アップサイド
美術協力 - テレビ朝日クリエイト、日映装飾美術
プロデューサー - 福田浩之(ytv)、菊池裕幸、渋谷英史(ザ・ワークス)
チーフプロデューサー - 木谷俊樹(ytv、途中まで)、中村泰規(ytv)
制作協力 - ザ・ワークス
制作著作 - 読売テレビ
主題歌 - 斉藤和義「傷口」(スピードスターレコーズ)
挿入歌 - No.6(シックス)「kotae」(avex trax)
各話あらすじ(2015.7.2 - 2015.9.17)全12話 平均視聴率 3.95%
第1話 2015年7月2日「好きな人は全員犯人!?」 視聴率4.9%
婚活で一目ぼれした男性が、目の前で警部の藤岡(小池徹平)に逮捕された米子(伊藤歩)。両国署の刑事・米子には「好きになった人は罪を犯している」というジンクスがあった。落胆しつつ会場を出た米子は、高校時代の同級生・潤平(和田正人)との再会に盛り上がる。同じころ、特殊な刃物で動脈を切られた老人の遺体が見つかった。その夜、潤平といい雰囲気になった米子。ところが翌日、事件の容疑者として潤平が浮上する。
第2話 2015年7月9日「目指せ!青年医師とのセレブ婚」 視聴率 2.8%
結婚相手として人気の職業・医師。医師との出会いのため、交通課の弥生(森カンナ)と医師向けのスポーツジムに行った米子(伊藤歩)は、プールに落ち、男性に救助される。男性はすぐに立ち去り、米子は名前も聞けなかったことを残念に思う。同日、米子は外科医の転落死について捜査するため、藤岡(小池徹平)と被害者の勤務先へ。そこで面会した院長・財田(中村俊介)こそプールの男性で、米子は再会に運命を感じる。
第3話 2015年7月16日「料理合コンに4人のイケメン!」 視聴率 4.3%
弥生(森カンナ)から「料理合コン」に誘われ、参加した米子(伊藤歩)。隣室では、その米子らの様子を藤岡(小池徹平)、宮谷(升毅)らがモニターでひそかに監視していた。ホテルで女性の遺体が発見された事件で、被害者と一緒にいた火野(徳山秀典)が、今回の合コンに参加していたのだ。被害者の体内からは麻薬物質が検出されていた。米子は、火野らタイプの違う4人の男性に目移りするが、そんな中、火野が突然死する。
第4話 2015年7月23日「イケメン詐欺師と愛の逃避行!?」 視聴率 3.3%
弥生(森カンナ)に勧められ、婚活アプリに登録した米子(伊藤歩)の元に、フリースクール主宰の井上(阿部力)から連絡が入る。井上が語る理念に感激した米子は、子どもたちが作ったという野菜の宅配の年間契約をするが、友人の玲子(片岡明日香)らからこれは詐欺だと言われ不安になる。同じころ、女性の溺死体が発見され、事故と自殺の両面から捜査が始まる。やがて、被害者が詐欺に遭っていた可能性が浮上して…。
第5話 2015年7月30日「ドロ沼!後輩の彼と一夜の過ち」 視聴率 5.7%
米子(伊藤歩)は、弥生(森カンナ)の恋人でワインバー経営者の来栖(深水元基)が気になって仕方がない。一方、管内ではここ数カ月の間に3人の女性が行方不明になり、直前に婚活サイトで知り合った平川(やべけんじ)と会っていたと判明する。そんな中、弥生に呼ばれた米子は、来栖のワインバーへ。ひょんなことから客として来ていた平川と飲んで、酔いつぶれてしまう。
第6話 2015年8月6日「結婚サギ純白ドレスで潜入捜査」 視聴率 3.4%
ついに婚活をやめた米子(伊藤歩)。一方、藤岡(小池徹平)の祖母・イネ(赤座美代子)が署を訪れ、藤岡に早く結婚しろと迫る。孫の交際相手を知りたいイネは、米子を巻き込み尾行を開始。藤岡が女性と結婚式場に入るところを目撃する。だが実は、その女性は式場絡みのある事件の被害者だった。式場への潜入捜査のため、米子と藤岡は嫌々ながらカップルを装うことになる。
第7話 2015年8月13日「母になるバツ1子持ち男に恋!」 視聴率 3.4%
婚活を再開した米子(伊藤歩)は、息子・翔(鈴木福)と暮らすバツイチの啓介(川口覚)から交際を申し込まれる。そんな中、父子の変死体が発見され、再婚したばかりの妻・友理恵(河井青葉)が犯行推定時刻に家から飛び出す姿が目撃される。殺された子どもは日常的に虐待を受けていた痕跡があった。一方、現場近くで偶然、啓介に会った米子は、彼の家を訪問。仕事で不在がちな啓介に代わり、翔の面倒を見るようになる。
第8話 2015年8月20日「後輩刑事裏切りのお姫様抱っこ」 視聴率 4.0%
危険ドラッグの取り締まりのため、本村(黄川田将也)や権堂(阿部亮平)ら組織犯罪対策課と刑事課は合同捜査を開始。捜査の中で、米子(伊藤歩)は年下でこわもての権堂に一目ぼれされてしまう。そんな中、大きな取引があるとの情報が入るが、踏み込んだ現場では物証は出なかった。トイレに流された微量のドラッグを発見した藤岡(小池徹平)は、署内に内通者の存在を疑う。
第9話 2015年8月27日「米子結婚ファーストレディに!?」 視聴率 4.2%
殺人事件の捜査のため、米子(伊藤歩)はキャバクラに潜入。慣れない接客で、米子は常連の小山(丸山智己)に飲み物をこぼしてしまい、店の人気キャバクラ嬢・ヒナコ(武田梨奈)から罵倒される。その後、小山から食事に誘われた米子は、小山が国会議員である父親の秘書をしていることを知る。同郷の2人は意気投合。小山から同伴出勤したいと言われた米子は舞い上がる。だが、それを聞いた宮谷(升毅)は、小山を疑う。
第10話 2015年9月3日「藤岡刑事初デートで米子緊縛」 視聴率 3.9%
米子(伊藤歩)は藤岡(小池徹平)からデートに誘われ、どきどきしながら付いていくが、藤岡はなぜかクラブへ。そして戸惑う米子をよそに他の女性たちと踊った後、理絵(岡元あつこ)と別室に消えてしまう。姿の見えない藤岡を捜す米子は、川端(伊藤明賢)の案内で別室へ。そこで気絶した藤岡を発見した瞬間、頭部を殴られ意識を失う。実は藤岡はある事件について探っていて…。
第11話 2015年9月10日「ついにキス!涙の最終章始まる」 視聴率 3.7%
行方不明の藤岡(小池徹平)が緊急手配される。彼の無実を信じる米子(伊藤歩)は、宮谷(升毅)と藤岡の自宅を捜索。そこで亡き婚約者・沙織(高部あい)の部屋を発見する。そこには「結婚日記」と題されたノートがあり、沙織が追っていたある事件の手掛かりが書かれていた。そのころ、廃屋に潜む藤岡は、警部の別府(中村繁之)をひそかに呼び出していた。藤岡は、沙織が死んだひき逃げ事故の現場の画像を別府に見せる。
最終話 2015年9月17日「最後の告白米子レーダー暴走」 視聴率 3.8%
米子(伊藤歩)は沙織(高部あい)の日記をたどり、彼女が麻薬密売の取引現場を押さえる計画‘サクラプロジェクト’の真実をつかんでいたことを知る。一方、留置場の藤岡(小池徹平)は塚本(鈴木砂羽)に、サクラプロジェクトについて尋ねていた。米子と宮谷(升毅)らは、事件の手掛かりとなる倉庫の1億円を持ち出していたが、金を狙う銀竜会組員に追われる羽目に。警察内部の内通者を警戒し、本庁に持ち込むこともできない。
番組公式サイト
(婚活刑事 - Wikipedia)
タグ:婚活刑事