2015年04月24日

恋愛時代 第5話

第5話「涙の別れでも楽しかった…元夫は特別キス」
4月30日(木)よる11:59

はるは辛い記憶を思い出していた。
理一郎との子供を失った記憶だ。あの日、言い出せなかった言葉が今でも胸の中に澱のように残っている。
ジムのプールにやってきた彩は、はるに「早勢のおじさんをとらないで」と頼む。
「お姉ちゃんは、早勢のおじさんに怒ってることがあるの。だから取らないよ」
「喧嘩したの?」という彩の問いに戸惑うはる。
そう、あの時はるは怒っていた。絶望した。だけど、ついに理一郎にその言葉を言い出せなかったのだ。


もやもやした気持ちを抱えたまま喜多嶋の研究室を訪ねるはる。家族社会学を研究している喜多嶋ははるの深層心理をえぐるようなことを言う。だが、結婚を「システム」と呼ぶ喜多嶋に腹が立って、部屋を飛び出してしまう。


永冨と「花籠」で会ったはるは将来の夢をたずねられる。「赤ちゃんの水泳教室をやってみたい」と答えると、永冨は何やらそれを手帳にメモしていた。


その頃、理一郎は自分の家があっという間にかすみと彩の色に染められていることに息苦しさを感じていた。もっと早くやめてくれというべきだったのかもしれない。だが、理一郎はそれをはっきりと言える性格ではないのだ。
友人の海江田は「もういっそ結婚しちゃえば?」などと他人事のような態度だ。


はるは永冨と一緒に、永冨家が所有するロイヤルホテルを訪れていた。
以前「花籠」で書いていたメモを取り出す永冨。それは永冨が色々な自分の夢を書き出しているメモだったのだ。
「ここに、はるさんと一緒に家庭を築くという夢を書き足してもいいですか」
それは、永冨からの正式なプロポーズだった。


理一郎は、家でかすみの荒れた手を見て、その仕事の大変さを気遣っていた。かすみは理一郎が自分に気を使ってくれたことに感謝しつつ、「花籠」ではるにやきもちを焼いたことを正直に告げる。
「私もあんな風に……誰かに想って欲しい」
理一郎は、かすみの結婚生活の話をはじめて聞かされる。それは、かすみにとってお世辞にも幸せといえるものではなかった。
「わたし……今度は恋愛がしたい。私のこと、好きになって」
理一郎にキスするかすみ。


はるは先輩の小百合に「永冨との結婚を決めようと思う」とうちあける。
離婚してから、ずっとぐずぐずしていたけれど、これで前にすすめる。
ラジオ越しの父・銀一の声がはるの脳裏によみがえる。


「今こんなことになっているのは、過去の自分の決断のせいじゃないか。あの時、違う行動をしていたらもっといい現在が待っていたんじゃないか、そう考えてしまいますよね。だからこそ、今を受け入れてこの先に進むために、『全ては神のご意思』と考えるのも方便ですよ」


はるは、理一郎のもとへ赴いた。きちんと過去に決別するためだ。
久しぶりに訪れたマンションは、もうすでにかすみと彩の生活の気配がしている。はるは理一郎に切り出した。あの日、どうしても言えなかった言葉を、口にするために……。


その頃「花籠」では理一郎の友人の海江田と小百合が顔を合わせ、名刺を交換していた。
2人は友人として、はると理一郎の幸せも不幸も、すべてを見てきている同志だ。
「俺たち、あの2人のこと、見届ける必要がありますよね」
海江田の話を聞いている小百合もまた、ある決断をする。


はるが出て行ったあと、理一郎は彩に「いい子にするからママを捨てないで」と懇願される。
理一郎は得意料理のパエリアを彩と一緒に作ってかすみを迎え入れるのだった。
「ママ。お姫様みたい」理一郎に大事にされるかすみを見て喜ぶ彩。
かすみの顔にも、ようやく笑顔が浮かんだ。


はるは、また永冨とロイヤルホテルを訪れていた。ホテルの中のチャペルに赴く2人。ここはかつてはるが理一郎と式をした場所だ。


はるの表情には、ゆるぎない決意の色がみてとれた。
はるは、大きな決断をくだしていたのだ……。

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Tracked: 2015-05-01 10:26
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