4月23日(木)よる11:59
永冨の両親から「香港旅行のお土産」と称して淡水パールのネックレスを貰うはる。「花籠」の女将、江利はそのお土産を「両親の計算」だと言う。
「上海って淡水パールの産地だから、お土産として言い訳は立つ。で、他の宝石より値は張らないから貰う方も受け取りやすい。でも、身に着けるものを上げるってことは、『わたしたち、そのくらい親しいわよね〜』ってさりげなーいプレッシャーを与えてるわけ」
そんな永冨の両親の行動に「術中にはまった」と感じてしまうはる。
「これは直接会ってお礼を言わないとね」。
若干のプレッシャーを感じながらもはるは永冨の両親と食事をすることに。
花籠ではるの話を聞いていた理一郎の友人・海江田はさっそく一部始終を理一郎に報告する。
「これはもう結婚間近じゃない?」
「早すぎるだろ? 結婚詐欺とかじゃないのか?」
猜疑心から思わずそんな言葉が出てしまったが、海江田は永冨がホテル王の御曹司だと説明する。はるが幸せになるならそれでいい……。そう思いながらも、理一郎の心はどこかすっきりとしない。勤務先の本屋に現れたはるにもわざとそっけなく接してしまうのだった。
永冨に外堀を埋められているように感じたはるは、また父・銀一のラジオ番組に匿名で電話をかけてしまう。だが、銀一は無責任に 「会っちゃえ、会っちゃえ」などとけしかけてくる始末。
「無責任な……」
仕事場で不機嫌に掃除をしていると、喜多嶋が現れた。いつもプールで会っているので水着姿しか見たことがなかったが、今日はスーツを着こなしている。
「昼間泳ぎにいらっしゃるから……自由業だと思ってました。スーツなんですね……お仕事用?」
「僕は案外、あなたと関係の深い人間ですよ」
意味深な言葉を残し、喜多嶋は去っていく。
理一郎は、かすみと一緒に出かけるようになっていた。だが、いつも彩が一緒だ。
「今度、2人でどこかにいかないか?」とかすみと対話しようとする理一郎。
だが、男性と向き合って話した経験がないかすみは、その誘いをはぐらかしてしまう。
はるが永冨の両親と会う日がやってきた。気になるのは、はるの「バツイチ」という経歴だ。永冨家のような家系にはふさわしくないだろうか……。はるは、恐る恐る切り出した。
「あの、わたし……バツイチなんです」
永冨の両親ははるの離婚歴は気にしていないようだった。その態度をうれしく思うはる。だが、永冨の両親はこう続けた。
「息子がバツイチの人と結婚するのを許すんだから、わたしたちは進歩的な考え方だってアピール出来るわ」
「バツイチ、大いに結構」
余りにもかけ離れた永冨の両親の考えに、はるは動揺を隠せない。
その頃、理一郎のマンションにはかすみが大荷物で現れていた。
「今日からここに住みます。もう決めました」
突然のことに驚く理一郎。
「待って。まだ、何も話し合ってないよね」
「私、話すとかそういうの、苦手なんです……。結婚はわかるけど、恋愛はわからない」
予想外の急展開に唖然とする理一郎。
食事の席の両親の発言がきっかけで、はるの気持ちは永冨から離れかけていた。
「永冨さんのご両親にとって、わたしは『衛藤はる』じゃなくて、『バツイチの女』って存在なんだなって……思いました」
だが、永冨はあきらめずはるに懇願する。
「両親と僕の考えは違います。もう一度チャンスをください」
「花籠」で待っていると言い残して去っていった永冨。その様子をみていた喜多嶋がはるの前に現れた。妹・しず夏が喜多嶋の大学の教え子だと聞かされ、唖然とするはる。
その夜、永冨と待ち合わせた「花籠」に赴いたはる。だが、そこにはすでに先客として理一郎とかすみが座っていて……
第1話 2015年4月2日「運命の人と離婚…だけど好き」
第2話 2015年4月9日「離婚して初キス&ロールキャベツを作る女」
第3話 2015年4月16日「キス相手はホテル王?娘も私も抱きしめて」
第5話 2015年4月30日「涙の別れでも楽しかった…元夫は特別キス」
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