4月16日(木)よる11:59
デートの帰り道、勢いではるにキスをしてしまった永冨。
相変わらずぎこちなさは残っているが、それをきっかけに、2人の距離は少しずつ縮まっていた。
「この人となら、うまくやっていけるかも……」
そう思い始めるはるだったが、デートをしていてもいつもあまりにも物分りがよすぎる永冨の態度に、少し物足りなさも感じてしまう。
「この人相手だと、言い合いにならない……」
頭に浮かんでくるのは、理一郎のことだ。理一郎となら、箸の持ち方一つでも大ゲンカになっていたのだ。かつては喧嘩の原因になっていたそのやかましさを、今では懐かしいと思ってしまうはる。その心はまだ揺れている。
一方の理一郎は、職場に訪ねてきたかすみを同僚に「友達」だと紹介してしまう。かすみは少し傷ついた様子で帰っていってしまった。理一郎の同僚ののぞみは、理一郎は女心が読めないと非難する。
「今のは、『わたしはあなたにとって何なのか口に出してはっきりさせてよ』っていうテストですよ! あれじゃ大失敗の答え」
理一郎は、はると付き合いだして間もない頃のことを思い出していた。
はるは、付き合って3ヶ月目のデートにいきなり妹のしず夏を連れて現れたのだ。それは長い間、小さなしこりになって、理一郎の胸に残っていた。いきなり、まだそこまで親しくなっていないのに、もう追い詰められている。そんな気がしたのだ。
だが、いきつけの小料理屋「花籠」の女将・江利はそれをはるなりの愛の表現なのだと言うのだった。
「好きかなって思った人に、自分はこういう人間で、こういう人たちと生きて来たんだって知ってもらって、もっと関係を深めたいって女の人、多いわよ」
はるが永冨に妹のしず夏を紹介するという話を聞かされ、理一郎は心中穏やかではない。「はるちゃんの愛情表現はじまっちゃった?」と冷やかす友人の海江田を置いて店を後にする理一郎。
「ほんとのとこ、あの二人……どうしたいんだろう?」
いぶかしむ海江田に、江利は答えた。
「本人たちにもわからないこと、わたしにはわかりません」
しず夏は、引き合わせた永冨に合格点を出してくれた。
「私は気に入ったよ。結婚したら愛してくれそう」
それは間違いなさそうだ。あとはもう、はるの気持ち次第なのだ。
だが、そんな折、はるは、ジムの水泳教室の生徒・喜多嶋から永冨が大財閥・永冨観光の御曹司だと知らされる。
「すごいじゃん。結婚したら一生安泰。悠々自適だよ?」
しず夏は大興奮だが、はるは戸惑いを隠せない。これまで通り永冨に接する自信がないと躊躇してしまうはるに、しず夏や大学時代のはるの先輩の小百合がアドバイスする。
「蛙に変身した王子様だ。心が綺麗な人にだけ正体を見せる」
「永冨さんが御曹司だって気づいたこと知らせちゃダメ! お金目当てじゃないって思わせないと」
だが、嘘をつけない性格のはるは、そのことを永冨に正直に告白してしまう。
「わたし、永冨さんのお家のことを知ってしまいました……」
そんなはるを、永冨は意外な言葉で受け止めるのだった。
そして、理一郎の家にはまた今夜も彩がやってきていた。幾つかの仕事をかけもちしているかすみは、夜の間、彩を頻繁に理一郎に預けるようになっていたのだ。
「今日も本を読むか?」
問いかける理一郎。だが、今日の彩はどうしてか機嫌が悪い。
「ばか! 男ってほんとばか!」突然かんしゃくを起こしたように彩が言った。
「6歳って意外と理解力あるぞ」という海江田の言葉が理一郎の脳裏によぎった。彩の言葉で理一郎はかすみの本当の気持ちを知る。
かすみに対する理一郎の気持ちが、静かに動きはじめていくのだった……。
第1話 2015年4月2日「運命の人と離婚…だけど好き」
第2話 2015年4月9日「離婚して初キス&ロールキャベツを作る女」
第4話 2015年4月23日「バツイチ女は…再婚相手の親が衝撃の一言」
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