原作
『64(ロクヨン)』は、横山秀夫による推理小説。『別册文藝春秋』(文藝春秋)にて、251号(2004年5月号)、253号 - 260号(2004年9月号 - 2005年11月号)、262号 - 263号(2006年3月号 - 5月号)まで連載された。『陰の季節』に始まる「D県警シリーズ」の第4作目にしてシリーズ初の長編。2005年に新潮社より刊行された『震度0』以来、7年ぶりとなる長編作品である。2004年から2006年にかけて連載された後、改稿作業を続け、2009年頃には発売日まで決まったものの納得がいかず、全面改稿の上、書き下ろしとして2012年10月に刊行された。
2016年に佐藤浩市主演で、2部作で映画化予定。
概要
2013年度「このミステリーがすごい!」年間ランキング1位にも選出された、作家・横山秀夫の同名小説をドラマ化。昭和64年と平成14年にまたがる2つの誘拐事件を、地方県警の広報官の視点から描くミステリー。横山秀夫作品のNHKでのドラマ化は、2005年に放送され、放送文化基金賞本賞、ギャラクシー賞優秀賞を受賞した「クライマーズ・ハイ」以来となる。
ピエール瀧が主人公の広報官・三上義信に扮し、県警広報室と記者クラブが加害者の匿名問題で対立する中、新たな誘拐事件に直面。2つの事件に翻ろうされながら、事件に隠された真相を探っていく。そのほか、木村佳乃、新井浩文、永山絢斗らが共演する。
ストーリー
D県警広報官の三上義信(ピエール瀧)は、ある重傷交通事故の加害者匿名発表問題で、記者クラブと対立していた。そんな中、県警上層部から時効が7日後に迫った未解決事件「翔子ちゃん誘拐殺人事件」の被害者遺族宅を警察庁長官が視察するとの通告を受け、遺族の了承を得るとともに、記者からの質問事項を事前に挙げるよう厳命される。
しかし、被害者の父に長官慰問を断られ、記者クラブには県警本部長に抗議文を提出すると詰め寄られる。組織の論理で動く上層部と記者クラブの間で板挟みになる三上は、実は数カ月前から一人娘・あゆみが行方不明になっており、家庭でも大きな問題を抱えていた。
キャスト
三上義信 - ピエール瀧
D県警の広報官。未解決事件「64」担当の元刑事。組織の論理で動く県警上層部の傲慢な命令のため、反発する記者クラブとの間で板挟みになる。家庭では一人娘のあゆみが消息不明になっている。
三上美那子 - 木村佳乃
義信の妻。元ミス県警に選ばれた美貌の持ち主。容姿に極度のコンプレックスを持つ一人娘のあゆみが行方不明になり、自宅で電話を待ち続ける。
諏訪尚人 - 新井浩文
D県警の広報室の係長。三上の部下。表向きは腰が低いが、警察の体面や組織の論理ばかりに目を向け、内心では記者たちをないがしろにしている。
秋川修次 - 永山絢斗
東洋新聞記者。県警記者クラブのキャップ。県警が加害者を匿名発表した事件で、三上と対立する。
美雲志織 - 山本美月
D県警の広報室のスタッフ。三上を慕う部下。東洋新聞の秋川から一方的に思いを寄せられている。
松岡勝俊 - 柴田恭兵
D県警の捜査一課長。三上のかつての上司。
三上 あゆみ - 入山杏奈
蔵前 高彦 - 永岡卓也
雨宮 芳男 - 段田安則
山科 道夫 - 辰巳智秋
高木 まどか - 梅舟惟永
宇津木 壮一 - 阿部翔平
漆原 悟士 - きたろう
松岡 郁江 - 斉藤とも子
柿沼 丈治 - 高橋和也
柿沼 芽生子 - 安藤玉恵
日吉 浩一郎 - 水澤紳吾
日吉 保子 - 佐藤直子
幸田 一樹 - 萩原聖人
望月 晴一 - 村上淳
村串 みずき(旧姓・鈴本) - 中村優子
辻内 欣司 - 古今亭菊之丞
赤間 光良 - 平岳大
石井 照行 - 小野了
二渡 真治 - 吉田栄作
荒木田 利也 - 中原丈雄
雪国の警察署長 - でんでん
目崎 正人 - 尾美としのり
スタッフ
原作 - 横山秀夫『64(ロクヨン)』
脚本 - 大森寿美男
音楽 - 大友良英
演出 - 井上剛
制作統括 - 屋敷陽太郎
各話あらすじ 平均視聴率 3.88%
第1話 2015年4月18日「窓」ラテ欄「昭和64年 未解決誘拐〜迫る時効 横山秀夫ミステリー」 視聴率 4.1%
2002(平成14)年。県警の広報官・三上(ピエール瀧)は、急きょ決まった警察庁長官視察を取り仕切るよう命じられる。県警内で‘ロクヨン’という符丁で呼ばれる、1989(昭和64)年の少女誘拐殺人事件の時効が迫る中、被害者の父親・雨宮(段田安則)を長官が慰問し解決への決意をアピールするための視察だが、記者クラブは長官会見への協力を拒否する。数日前、三上は加害者の匿名発表の件でクラブと激しく対立していた。
第2話 2015年4月25日「声」ラテ欄「消えた警官 隠された真実〜犯人の声」 視聴率 2.9%
‘ロクヨン’被害者の父親・雨宮(段田安則)は警察庁長官の慰問を拒否。三上(ピエール瀧)は雨宮が警察を嫌う理由を探るため、かつて自分も参加した‘ロクヨン’特捜本部の面々を訪ねるが、刑事部から警務部の広報に転身した三上に対し、捜査一課長・松岡(柴田恭兵)らは口を閉ざす。やがて三上は、初動捜査のミスを刑事部が隠蔽(いんぺい)していたと知る。一方、県警警務部の調査官・二渡(吉田栄作)も刑事部を嗅ぎ回り…。
第3話 2015年5月2日「首」ラテ欄「よみがえる誘拐犯!ホシはサトウ身代金2000万円再び・横山秀夫ミステリー」 視聴率 5.3%
警察庁長官の視察を控え‘ロクヨン’捜査ミスの隠蔽(いんぺい)を内部告発した元刑事・幸田(萩原聖人)が姿を消した。三上(ピエール瀧)は刑事部長・荒木田(中原丈雄)から、視察に込められた東京の官僚組織の真意を知らされる。古巣の刑事部は窮地に陥っていた。警務部の広報官の立場で葛藤する三上。ある決意を固めた三上は、長官視察での記者会見への協力をあらためて要請すべく、記者クラブに総会の招集を求める。
第4話 2015年5月9日「顔」ラテ欄「誘拐犯よみがえる!横山秀夫ミステリー」 視聴率 3.5%
雨宮(段田安則)と連絡が取れなくなったことを気にする三上(ピエール瀧)。同じころ、刑事部全員が庁舎の講堂に立てこもる事態が起きる。‘ロクヨン’に酷似した女子高生誘拐事件が発生したのだ。記者クラブとの報道協定の締結を求められる三上だったが、‘ロクヨン’を模倣した狂言事件の可能性があるため、刑事部は協定に不可欠な被害者の実名を明かさない。記者たちとの信頼関係を守るべく、三上は現場に乗り込み…。
最終話 2015年5月16日「指」ラテ欄「真実」 視聴率 3.6%
記者クラブとの報道協定を守るため、三上(ピエール瀧)は松岡(柴田恭兵)が指揮する誘拐事件の捜査車両に同乗。三上は再び‘被害者の父’が身代金を運ぶ車を追うことになる。今回、誘拐犯が被害者の父・目崎(尾美としのり)に指示した受け渡しのルートは、14年前の‘ロクヨン’と全く同じだった。一方、松岡は元警察官である三上の妻・美那子(木村佳乃)にも捜査への協力を依頼していた。美那子は現場である光景を目撃する。
番組公式サイト
(64(ロクヨン) - Wikipedia)
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