原作
『流星ワゴン』(りゅうせいワゴン)は、重松清による長編小説。2001年1月号から12月号まで講談社の月刊小説誌『小説現代』に連載され、2002年2月8日に講談社から単行本が刊行された。直木賞受賞後初の長篇である。2002年度の本の雑誌年間ベスト1に輝いた。2005年2月15日には講談社文庫版が刊行された。
原作との相違点
原作では一雄、忠雄の故郷は「瀬戸内海に面したふるさとの町」と記述されており街の名前は不詳だが、監督の福澤克雄が瀬戸内海全ての海岸をロケハンし、広島県福山市鞆の浦を気に入り、二人の故郷として設定した。
一雄の年齢は、原作では38歳だがドラマでは43歳の設定である(演じる西島秀俊も放送当時は43歳である)。
ドラマ概要
物語の主人公で会社員の永田一雄(西島秀俊)が、一雄と同い年の姿で現れた父親・忠雄(香川照之)と、後悔だらけの人生をやり直すために過去の世界をドライブするヒューマンドラマ。 会社からリストラを宣告され、妻・美代子(井川遥)からは離婚を切り出され、息子の家庭内暴力に悩む一雄が、死んだはずの橋本義明(吉岡秀隆)が運転する時空を超えるワゴンカーに乗って、自身でも気付かなかった“人生の分岐点”に立ち戻っていく。
ストーリー
リストラを宣告された永田一雄(西島秀俊)は、家を出て離婚届けを送りつけてきた妻・美代子(井川遥)、家庭内暴力をふるう息子に耐え切れず、末期がんで死の床に伏した父・忠雄(香川照之)とも向き合えないまま、駅前のベンチで思い悩んでいた。するとそこに、1台のワゴンカーが現れる。
車には5年前に死んだはずの橋本義明(吉岡秀隆)とその息子・健太(高木星来)が乗っており、2人と共に、一雄が妻や息子とうまくいかなくなった“人生の分岐点”を巡ることになる。過去では、なぜか父・忠雄が自身と同じ年齢の姿で現れ、あれこれと口をはさんでくる。そんな忠雄に振り回されながらも、一雄にはこれまで気付かなかったことが見えてくる。
キャスト
2013年 - 2015年
永田 一雄 - 西島秀俊(幼少期:佐藤詩音)
中小企業の営業課長。自分勝手な父への嫌悪感から大きなことを望まず、保守的で真面目な性格に。父の仕事を継がなかったことから確執が決定的になり、妻や息子を連れて故郷に帰ることはほとんどなかった。
永田 忠雄 - 香川照之
一雄の父。血気盛んで他人にも自分にも厳しく、勝手な面もある亭主関白タイプ。一雄と同じ年だった43歳の時に金貸し業を起こし、事業を広げる。「わしら朋輩じゃ」が口ぐせ。
永田 美代子 - 井川遥
一雄の妻。家庭ではよき妻、よき母親を演じているが、実は内に不満をため込むタイプ。我に返ると激しい自己嫌悪に陥ることも。徐々に家を空けることが多くなっていく。
永田 智子 - 市川実和子(幼少期:梅垣日向子)
永田 澄江 - 倍賞美津子(若年期:渡辺真起子)
永田 伸之 - 高橋洋
千賀 和哉 - 入江甚儀
古閑 - 町田啓太
橋本 健太 - 高木星来
永田 広樹 - 横山幸汰
藤木 - 木下ほうか
内藤 翼 - 金田耀生
藤田 英明 - 本間翔
漁師 - 北別府学
5年前 ワゴン事故
橋本 義明 - 吉岡秀隆
ワゴンカーの運転手。5年前、ドライブ中に自らの不注意で息子・健太と共に事故死している。明るく前向きな性格だが、息子の命も奪ってしまったことに後悔の念を抱いている。
橋本 健太 - 高木星来
橋本 花織 - 中島ひろ子
伊藤 順平 - 須田邦裕
30年前 福山市鞆の浦
竹岡 - 山本亨
若い衆 - 小橋正佳、三宅十空、日笠圭、岩間天嗣
竹岡 光史 - 中澤準
高橋 - 天野勝弘
その他 - 柿辰丸(借金主)
スタッフ
原作 - 重松清『流星ワゴン』(講談社文庫刊)
脚本 - 八津弘幸、松田沙也
音楽 - 千住明
演出 - 福澤克雄、棚澤孝義、田中健太
脚本協力 - 松田沙也
撮影監督 - 淺野太郎
美術プロデューサー・デザイナー - 大西孝紀
タイトル - 井田久美子
選曲 - 御園雅也
医療指導 - 岩崎善毅
特殊メイク - 飯田文江
方言指導 - 日笠圭
特別協力 - SEIKO
プロデューサー - 伊與田英徳、川嶋龍太郎
製作著作 - TBS
主題歌 - サザンオールスターズ「イヤな事だらけの世の中で」(タイシタレーベル / ビクターエンタテインメント)
各話あらすじ(2015.1.18 - 2015.3.22)全10話 平均視聴率 10.21%
第1話 2015年1月18日「110万部のベストセラー小説初の映像化親と子の感動サクセスストーリー誕生!!父が自分の年齢の時この苦境をどう乗り越えただろうか!?涙のドタバタ展開!!※21:00 〜 22:48
永田一雄(西島秀俊)はこの半年間のうちに、リストラ宣告をされ、妻の美代子(井川遥)から離婚を切り出された。家には家庭内暴力が止まらない息子・広樹(横山幸汰)がいる。そんな一雄の心には、さらに末期癌の父親・忠雄(香川照之)との確執までが存在した。強かった父親とは、最後の最後まで向き合えないままだった。
第2話 2015年1月25日「笑って泣ける親子の新コンビ〜守れ家族」
一雄(西島秀俊)と忠雄(香川照之)は葬儀会場に到着。そこで、藤木常務(木下ほうか)に誘われる‘精進落とし’に参加すれば、一雄はリストラを免れる。しかし、忠雄がターニングポイントは会社ではなく家族だと言い出す。広樹(横山幸汰)が捨て犬を飼いたがっていると知り、それを認めた一雄は、実家の隣の中華料理店の息子・光史(中澤準)のことを思い出す。‘朋輩’を誓い合った彼との仲を裂いたのは、忠雄だった。
第3話 2015年2月1日「10分拡大スペシャル成功への道〜鉄棒感動物語!奇跡を起こせ」※10分拡大(21:00 〜 22:04)。
一雄(西島秀俊)と忠雄(香川照之)、付いてきた健太(高木星来)は、公園で異様な光景を目にする。広樹(横山幸汰)が‘処刑’と称し、教師らの名前を書いた人形をパチンコで倒しているのだ。ここまで追い詰められていたのかと衝撃を受ける一雄は、受験をやめないかと提案するが、広樹は受験すると譲らない。そこに、級友たちがサッカーをしようと誘いに来た。塾を理由に断る広樹を、一雄は気分転換になるからと送り出す。
第4話 2015年2月8日「夫の愛で妻を救え!妻の秘密?笑いと涙の家族愛!!」
広樹(横山幸汰)をいじめから救おうとする一雄(西島秀俊)は、転居を考えるが思うように運ばない。さらに、1カ月分の生活費や小遣いとして渡した金を、美代子(井川遥)が男(町田啓太)に差し出す場面を目撃してがくぜんとする。そんな中、広樹が貧血で倒れ、搬送された病院から連絡が入った。しかし、美代子とは連絡が取れず、一雄はやりきれない。一方、忠雄(香川照之)は、美代子と頻繁に会っている男の正体をつかむ。
第5話 2015年2月15日「ママを探しに大奮闘健太の願いを叶えろ」
橋本(吉岡秀隆)が一雄(西島秀俊)らを、自分たちの事故現場に案内。健太(高木星来)は妻の連れ子で、死ぬまで懐いてくれなかったと明かし、せめて成仏させてやりたいと話す。未練を断ち切り、死んだことを受け入れれば成仏できると知った忠雄(香川照之)は、車から降りようとしない健太を連れて来ようとする。しかし、健太は生き残った母・花織(中島ひろ子)に伝えたいことがあると言い出し、2人は母親捜しを手伝うことにする。
第6話 2015年2月22日「チュウさんVS忠さん頑固オヤジを倒せ!!」
‘現実’の世界で自分が余命わずかだと知った忠雄(香川照之)は運命を変えようと帰郷する。橋本(吉岡秀隆)から若い忠雄が現在の忠雄(香川=2役)に会えば、時間の流れにゆがみが生じ、やり直しの旅もなかったことになってしまうと忠告された一雄(西島秀俊)は後を追う。すると、忠雄が一雄に、現在の忠雄を説得して病院で検査を受けさせろと命じた。6年ぶりに実家に帰った一雄を、母の澄江(倍賞美津子)は温かく迎えるが…。
第7話 2015年3月1日「健太の別れは好かん吹雪の肩車で奇跡を」
健太(高木星来)が、もう一度、母の花織(中島ひろ子)に会って、自分のことを覚えているか確かめたいと言い出した。橋本(吉岡秀隆)は‘ジョーブツ’することを条件に認めるが、忠雄(香川照之)は橋本の本心は別だと気付く。忠雄からその件を聞いた一雄(西島秀俊)は、橋本が悩んだ末に出した答えなら、尊重すべきだと応じる。翌日、健太と共に花織の家を訪ねた一雄たちは、脚立を踏み外して庭で倒れている花織を発見する。
第8話 2015年3月8日「最終章!チュウさん流で大暴れ!!父の愛」
橋本(吉岡秀隆)から、次が最後の場所だと告げられた一雄(西島秀俊)がわれに返ると、そこは自宅だった。そして、美代子(井川遥)がギャンブルにのめり込むのは、自分との生活に嫌気が差した末の現実逃避だと初めて気付く。忠雄(香川照之)からこのままでは何も変わらないと指摘された一雄は、澄江(倍賞美津子)との電話の会話をヒントに、今回だけは忠雄のやり方を踏襲しようと決意。自ら辞表をたたきつけ、退職金を手にする。
第9話 2015年3月15日「最終回・前!妻の本音。君を愛してる!!」
橋本(吉岡秀隆)から旅の結末を聞いた一雄(西島秀俊)は、最期はありのままの自分で家族と向き合おうと決意。本命の学校の入試前日、広樹(横山幸汰)を誘ってデパートの屋上の観覧車に乗り込み、父親としての助言と愛情をストレートに伝える。翌日、美代子(井川遥)と神社に合格祈願に向かった一雄は、家族が今後どうなるかを話すが信じてもらえない。忠雄(香川照之)とのワゴンの旅の話に至ると、美代子は怒って立ち去る。
最終話 2015年3月22日「最終回〜俺は生きる!永遠に朋輩じゃ」
一雄(西島秀俊)が戻ってきたワゴンに、忠雄(香川照之)の姿はなかった。健太(高木星来)が泣いている。「時間切れです」と橋本(吉岡秀隆)は言った。現実世界の忠雄は、まだ死んではいないものの、その時がもう目前まで迫っており、生霊の忠雄も存在できなくなってしまったのだ。一雄は橋本から、忠雄の「とてつもなく大きな後悔」が、一雄を苦しみから救うこと、そして親子の絆をとりもどすことだったと知らされる。
各話視聴率
番組公式サイト
(流星ワゴン - Wikipedia)
タグ:流星ワゴン