概要
男社会で理不尽な目に遭った主人公が、問題を抱えた女性たちとゲイによるビストロレストランを開店し、ライバルの男性たちに勝負を挑む「女性応援コメディ」としている。坂元裕二脚本、同枠で2013年放送の『最高の離婚』と同スタッフによるオリジナルドラマ作品。
ストーリー
理不尽な男社会に嫌気がさした田中たま子(真木よう子)は、会社を辞めて裏原宿の屋上で女性だけで手作りのレストランを始める。学生時代に食べたポトフの味を再現し、ポトフだけのメニューで勝負を賭ける。
ともに店を盛り上げようとするのは、問題だらけの女性たち。まるで気の合わない者同士が始めたレストランは問題のあるレストランとなってしまうが、彼女たちは“男”という共通の敵を持つことによって一致団結し、自分たちなりの勝利の道を模索していく。
キャスト
ビストロ フー
田中 たま子(たなか たまこ)〈32〉
演 - 真木よう子(高校時代:大橋澪乃)
店主。福井県立宝山高校出身。芯が強く仕事熱心な性格で、弁当仕出し会社から「ライクダイニングサービス」に転職し、全国展開を見据えた店舗「シンフォニック」の立上げに参加していた。「シンフォニック表参道」オープン間近に同僚で高校時代からの親友・藤村五月の汚名をすすぐためにセクハラを働いた社員たちに氷水を浴びせ、警察沙汰になり退職。
女性の差別や勤務環境を軽視する元職場を見返す目的もあり、五月から託されたレシピをもとに「シンフォニック表参道」のすぐそばに「ビストロ フー」開店を決める。「ビストロ フー」は屋外店舗であり雨天時は休業する。彼女自身も寒がりでダウンジャケットを制服として支給している。
新田 結実(にった ゆみ)〈23〉
演 - 二階堂ふみ(幼少期:吉澤梨里花)
東京大学出身。元ライクダイニングサービス社員で就職活動中。常に黒い服装であることから、ハイジが「喪服ちゃん」とあだ名をつける。
エリート意識が強いが、口先ばかりで融通が利かない性格。「ビストロ フー」のゼネラルプロデューサー(ゼネP)を自称し、経営にかかる原価率や採算を即座に計算する才覚を持つ。幼少より女子同士の競争には適わないと思い、恋愛もせずに勉強に没頭してきた。ベンチャー企業のパートナーとして誘われた星野に好意を寄せたが、融資相談先で裏切りに会い失恋。
川奈 藍里(かわな あいり)〈26〉
演 - 高畑充希
元ライクダイニングサービス本社事業部社員。男性に狙いを付けた時や何かを思い付いた時、髪を耳にかける癖があることから、ハイジが「ミミ」とあだ名をつける。また奈々美からは「きらきら巻き髪量産型女子」と評される。
常に男性受けを気にする恋愛依存症で、かつては門司へ一方的に恋人を自称し、上司のセクハラも無理に抵抗せず受け流していた。今まで付き合ってきた彼氏にも暴力を振るわれ、頭部が部分的に禿げるほど何回もオブジェで怪我をしてきた過去から、オブジェに恐怖心を持っている。 同僚の池辺からのストーカー行為の末に殴られた事件を機に退職し「ビストロ フー」に鞍替えする。店ではウェイトレスおよび自称・広報部長。
結実に対しては挑発したり何かと敵対したが、根本では互いに似た気質を持っており、少しずつ仲間意識が芽生える。
雨木 千佳(あめき ちか)〈20〉
演 - 松岡茉優(8歳:曽我夏美 / 10歳:本川みのり)
シェフ。極度の対人恐怖症で常にフード付きパーカーを着ていることから、ハイジが「パーカーちゃん」とあだ名をつける。家庭崩壊の要因である父・雨木太郎を憎む。 たま子たちと初対面時は金髪にマスクをして口を利かず、スマホを使い筆談していた。
父の女性関係で心を病んだ母・奏子が自室に7年間も引きこもっている間、食事を摂らない母が栄養失調にならないよう幼少時代より美味しいご飯を作れるよう工夫し、自分がいないときに自殺することも気がかりで学校に通うこともままならなかった。しかしその努力の結果、たま子が思い描くレシピの完成形を再現できる程の料理の腕を習得する。再婚する母から、共に北海道で暮らすことを勧められるが、「ビストロ フー」に自分の居場所ができたことを理由に断る。
森村 鏡子(もりむら きょうこ) → 三千院鏡子(さんぜんいん きょうこ)〈32〉
演 - 臼田あさ美(高校時代:木村友紀)
副シェフ。たま子とは福井県立宝山高校剣道部時代からの親友。シングルマザーで現在夫と離婚調停中。日光が眩しいとくしゃみが出る体質。天然ボケでズレた言動が多く、特技がなく家事も満足にできない専業主婦だった自分に自信を持てずにいたが、本来持っていた料理の腕をたま子に評価される。
烏森 奈々美(からすもり ななみ)〈46〉
演 - YOU
ソムリエール。仕出し会社勤務時のたま子の同僚。過去に様々な仕事を経験していた模様。たびたび昭和時代の話を周囲に振る。10年前まで弁護士をしており、五月の事件について雨木への提訴を引き受ける。
几 ハイジ(おしまづき ハイジ)〈39〉
演 - 安田顕
パティシエ。女装が好きなゲイで、そのために職が得られないでいる。パリで修行経験があり、たま子からの誘いを受け「シンフォニック表参道」の立上げを手伝っていた。人の心には機敏で繊細な感性を持つ。自分と同じような珍しい苗字の名刺をコレクションしている。
ライクダイニングサービス
シンフォニック表参道
門司 誠人(もんじ まこと)〈26〉
演 - 東出昌大
パリのコンテストで賞を取りながらもシェフとしては未経験なバーテンダーだったが、「シンフォニック」の立上げ時、たま子が料理の腕を見込みスカウトする。たま子とはかつて恋人関係でもあった。
不遜で自己中心的な性格。ぶっきらぼうな口調だが、かつてたま子に「料理に心がない」と言われた事を気にしており、「ビストロ フー」と同じ五月レシピのフォンを使うことを取りやめ、自分で新たなフォンのレシピを開拓しようと対抗する。雨木の謝罪が上辺だけであった事に激怒して彼を殴り、解雇される。
星野 大智(ほしの だいち)〈22〉
演 - 菅田将暉
シェフ見習い。一見優しげだが言動は軽薄な「チャラ男」。職場では先輩たちから陰で殴られている。自分を介抱してくれた結実に急接近するが、既に同棲している恋人がおり、その恋人から多額の借金をし、結実にも金をせびっていた。独立してベンチャー企業を立ち上げるとして結実を誘うが、融資相談に訪れた先で結実を置き去りにして逃げる。
本社
雨木 太郎(あめき たろう)〈50〉
演 - 杉本哲太
社長。千佳の実父。たびたび雑誌やテレビに紹介される知名度とカリスマ性を持つが、実態は食に興味はなく金が全てと考え、パワハラを常習する最低な経営者。元妻の奏子や娘の千佳と会った際も心ない発言をしたり、たま子に愛人にならないかと持ちかけたりしている。五月へのパワハラを巡り訴訟を起こされ、会社に乗り込んだたま子の前で謝罪をするが、それは上辺だけであった。
土田 数雄(つちだ かずお)〈48〉
演 - 吹越満
事業部部長。たま子の直属の元上司。傲慢な性格だが社長の雨木には言いなり。
「シンフォニック表参道」の不振により、妻・娘の目の前で雨木からパワハラを受けた上、担当を外される。
西脇 太一(にしわき たいち)〈57〉
演 - 田山涼成
社員。藍里や他の女子社員に対するセクハラを常習する。
スタッフ
脚本 - 坂元裕二
音楽 - 出羽良彰、羽深由理
演出 - 並木道子、加藤裕将
料理指導 - 石井剛、宮本英也
フードコーディネーター - 住川啓子、山ア千裕、矢作繭子、エレディタート香織
アクション監督 - 大内貴仁
スタントコーディネート - 鈴村正樹
プロデュース - 清水一幸
ラインプロデュース - 柴田圭子
制作著作 - フジテレビドラマ制作センター
主題歌 - きゃりーぱみゅぱみゅ「もんだいガール」(ワーナーミュージック・ジャパン / unBORDE)
各話あらすじ(2015.1.15 - 2015.3.19)全10話 平均視聴率 9.29%
第1話 2015年1月15日「セクハラパワハラに負けるな女たち」※15分拡大(22:00 〜 23:09)。
東京・裏原宿にたたずむビルの屋上に、年齢も境遇も異なる4人の女性と、女装の男性・ハイジ(安田顕)がやって来た。それぞれ問題を抱える彼らは、食べることが大好きなOL・たま子(真木よう子)と会う約束をしていたが、当人は姿を見せない。高校の同級生で子連れの鏡子(臼田あさ美)はたま子に関するある噂を口にする。たま子と同じ会社で働いていた結実(二階堂ふみ)は、彼女がセクハラやパワハラに苦悩していたと話す。
第2話 2015年1月22日「夢への一歩!開店は前途多難」
たま子(真木よう子)は裏原宿のビルの屋上にビストロを開く準備を進めるが、彼女の呼び掛けに残った友人は、パティシエのハイジ(安田顕)とシェフの千佳(松岡茉優)のみ。鏡子(臼田あさ美)は離婚調停中の夫・森村(丸山智己)から駄目人間だと言われ続けて自信を失い、奈々美(YOU)は楽に金が稼ぎたいらしい。様子を見に来て嫌みを言い放つ門司(東出昌大)や元上司の土田(吹越満)に、たま子はここにビストロを開くと宣言する。
第3話 2015年1月29日「開店!問題のあるレストラン」
父親の雨木(杉本哲太)を憎む千佳(松岡茉優)が突然、荷物をまとめて獅子丸ビルから出て行こうとする。たま子(真木よう子)が引き留めても、千佳は全てが面倒くさいと吐き捨て、たま子が用意していたコックコートも切り裂いて姿を消す。そんな中、調理器具などを買い揃えに出掛けたたま子たちは、卸売市場で門司(東出昌大)や藍里(高畑充希)たちと遭遇。結実(二階堂ふみ)と藍里が対抗心をむき出しにする中、たま子は門司に呼び出される。
第4話 2015年2月5日「憎きライバル店をぶっ潰せ!」
たま子(真木よう子)らは店を一時休業し、千佳(松岡茉優)の指導でメニュー変更と特訓を始める。一方、原宿文化を代表する人物・伊達(銀粉蝶)から「ポトフがもう少しあったかいといいんだけど」と言われた門司(東出昌大)は顔色を変える。やがて店は再オープンを迎えるが、悪天候で客が来ない。チラシ配りに出た結実(二階堂ふみ)は藍里(高畑充希)に誘われ合コンへ。一方、偶然来店した伊達は千佳のスープがあたたかいとほめる。
第5話 2015年2月12日「バレンタイン決戦で奇跡が!」
門司(東出昌大)のポトフが好評で「シンフォニック表参道」には行列が。たま子(真木よう子)は「ビストロ フー」も認知度を上げようと、ランチボックスを売ることに。ある日、雨木(杉本哲太)が千佳(松岡茉優)の様子を見るため土田(吹越満)を連れて来店。たま子は自分に愛人になれと言い放つ失礼な雨木を追い返す。一方、藍里(高畑充希)は池辺(川口覚)に対する恐怖を誰にも相談できずにいた。そんな中、ランチボックスが売れ出すが…。
第6話 2015年2月19日「遂に全員集合!恋も新展開!?」
門司(東出昌大)の身勝手だが真っすぐな言動にあきれながらも心揺れるたま子(真木よう子)。近所の飲食店ではネズミが出没し、店内を調べたたま子らは、お経が書かれた怪しいしゃもじを発見する。その後、風呂が壊れ、互いの臭いが大丈夫か確認しながら仕事をする一同。そんな中、星野(菅田将暉)に連れられ怪しいパーティーに参加した結実(二階堂ふみ)が店に戻ってきた。そこへパーティーの参加者・米田(加藤慶祐)が現れ…。
第7話 2015年2月26日「完全勝利!女たちの決断は… 」
たま子(真木よう子)たちの共同生活に加わった藍里(高畑充希)は、広報部長として張り切る。店も1週間連続で黒字になり、たま子は勝負に出ようと宣言。そこで藍里は調理の様子を撮影し、レシピも動画サイトで公開する。一方の「シンフォニック表参道」は客足が落ちるが、門司(東出昌大)は本社が指示した新メニューを無視する。そんな中、千佳(松岡茉優)は再婚する母・奏子(堀内敬子)から一緒に北海道で暮らそうと誘われる。
第8話 2015年3月5日「イケメンシェフ、引き抜き!?」
五月(菊池亜希子)と恋人・高村の幸せそうな姿に涙するたま子(真木よう子)と鏡子(臼田あさ美)。だが、五月は会社を辞めた事情を高村に話しておらず、そのせいで彼のプロポーズも受け入れられずにいた。一方、ハイジ(安田顕)は唯一の肉親である弟・恭平(矢野聖人)の結婚を祝うため、最高のウエディングケーキを作ることに。そんな中、五月の母・静子(藤田弓子)も店に現れ、五月に対し高村との結婚をせっつくが…。
第9話 2015年3月12日「衝撃急展開!ライバル解雇!?」
五月(菊池亜希子)の代理人になった奈々美(YOU)から内容証明の通知書を受け取った雨木(杉本哲太)は、法務部に対応を任せる。一方、雨木と会社相手の裁判を覚悟する五月を助けるため、たま子(真木よう子)は店を休んで証人捜しを開始。鏡子(臼田あさ美)も離婚調停で休み、残された結実(二階堂ふみ)らは慣れない仕事でてんてこ舞いに。裁判になるかどうかの期限が迫る中、土田(吹越満)と会ったたま子は、証人になってほしいと頼む。
最終話 2015年3月19日「衝撃急展開!ライバル解雇!?」
スプーンの落下事故により、「ビストロフー」に警察が来てから2週間後。店はにぎわっているが、あれから多くの苦情が寄せられており、伊達(銀粉蝶)の仲裁がかなわなければこの日をもって閉店という事態に陥っていた。一方、雨木(杉本哲太)が社長を辞任し、門司(東出昌大)の勤めるレストランも休業の危機にあった。たま子(真木よう子)から事情を聞いた門司は「一緒に店をやろう」と切り出すが、たま子はそれをはぐらかし…。
各話視聴率
番組公式サイト
(問題のあるレストラン - Wikipedia)
タグ:問題のあるレストラン