原作
『Nのために』(エヌのために)は、湊かなえによる日本の推理小説作品。2010年1月29日に単行本が東京創元社から出版され、2014年8月23日に双葉文庫版が刊行された。
概要
イニシャル“N”の登場人物たちが、殺人事件に関わっていく湊かなえ原作の純愛ミステリー。暗い過去を持つ主人公・杉下希美を榮倉奈々が演じるほか、共演には窪田正孝、賀来賢人、小出恵介ら若手実力派やベテランの三浦友和が顔をそろえる。
セレブ夫婦殺人事件の現場に居合わせた希美、成瀬慎司(窪田)、安藤望(賀来)、西崎真人(小出)ら“Nたち”が、どのように出会い、誰を愛し、どんな罪を犯したのかが明かされていく。現在と過去が交差して描かれながら、瀬戸内海の島で育った希美と成瀬を知る元警察官の高野茂(三浦)が事件の真相を追う。
ストーリー
高級マンションの一室で、大手商社勤務の野口貴弘とその妻・奈央子が殺害され、現場には大学生の杉下希美(榮倉奈々)、希美の高校時代の同級生・成瀬慎司(窪田正孝)、希美と同じアパートに住む安藤望(賀来賢人)と西崎真人(小出恵介)の4人が居合わせる。その場で犯行を自供した西崎が逮捕され、事件は終わったかに見えた。
それから10年後、瀬戸内海にある青景島で育った希美と慎司を知る元警察官の高野(三浦友和)は、事件当時現場に居合わせたのは偶然だと証言する2人が、15年前の夏に地元で起こした“とある事件”からつながっていると確信していた。
キャスト
杉下 希美 - 榮倉奈々
香川県の青景島出身。高校2年の秋に父が愛人を家に連れ込み、家庭が崩壊。つらく厳しい生活を強いられる中、同級生の慎司だけに心を許す。大学進学を機に上京。ボロアパート・野バラ荘に住み、ビル清掃のアルバイトをしながら学費を捻出している苦労人。
成瀬 慎司 - 窪田正孝
希美の同級生。高校時代に実家の料亭「さざなみ」が放火で焼失し、奨学金で東京の大学に進学する。自堕落な生活を送る中、希美と再会し、人気レストランでアルバイトを始める。22歳の時、希美を助けるために「ある計画」に関わる。
安藤 望 - 賀来賢人
長崎県千早島出身。野バラ荘で知り合った希美の合理主義と上昇志向に共感し、兄妹のような間柄に。大学卒業後は、大手商社に勤める。
西崎 真人 - 小出恵介(少年期:若山耀人)
小説家志望の野バラ荘の住人。大学にも行かず自室にこもり小説を書いていたが、希美や安藤と出会い少しずつ外の世界に目を向ける。夫からDVを受けている奈央子と出会い恋に落ち、やがて、希美や成瀬らと「ある計画」を立てる。
高野 茂 - 三浦友和
香川県青景島の駐在所の警察官。料亭「さざなみ」が火事になった時に不在で、代わりに駆け付けた妻が煙に巻かれ、それ以来声が出せなくなる。放火犯は希美か成瀬ではないかと考えている。野口夫婦殺害事件の現場にも2人が居合わせたと知り、事件の真相を追う。
高野 夏恵 - 原日出子
宮本 由妃 - 柴本幸
成瀬 周平 - モロ師岡
成瀬 瑞穂 - 美保純
桐野 繭子 - 伊藤裕子
池園 和幸 - 山中崇
広田 公之 - 福田転球
西崎 寛 - 神崎孝一郎
杉下 洋介 - 葉山奨之
磯野 友子 - 梨木まい
杉下 晋 - 光石研
杉下 早苗 - 山本未來
野原 兼文 - 織本順吉
西崎 美雪 - 中越典子
多田 - 財前直見(特別出演)
野口 貴弘 - 徳井義実
野口 奈央子 - 小西真奈美
スタッフ
原作 - 湊かなえ『Nのために』(双葉文庫)
脚本 - 奥寺佐渡子
音楽 - 横山克
演出 - 塚原あゆ子、山本剛義、阿南昭宏
プロデュース - 新井順子(ドリマックス)
製作著作 - ドリマックス、TBS
主題歌 - 家入レオ「Silly」(JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)
挿入歌 - 五阿弥瑠奈(Ajysytz)
各話あらすじ(2014.10.17 - 2014.12.19)全10話 平均視聴率 8.94%
第1話 2014年10月17日「セレブ夫婦殺人事件…15年前に隠された秘密」
高層マンションに住む、野口貴弘(徳井義実)・奈央子(小西真奈美)夫妻が殺害された。“ある計画”を立てた、大学生の希美(榮倉奈々)、成瀬(窪田正孝)、安藤(賀来賢人)、西崎(小出恵介)は、その殺人現場に居合わせてしまい、西崎が逮捕される。10年後、この事件に疑いを抱く元警察官・高野(三浦友和)は、殺人事件の真相を追い始める。この事件は15年前の夏、希美と成瀬が起こした“ある事件”から始まっていた。15年前、瀬戸内海に浮かぶ青景島。高校生の希美は、ある日、東京から愛人の宮下由妃(柴本幸)を連れて帰ってきた父・晋(光石研)に、母・早苗(山本未來)ともども家を追い出されてしまい・・・。
第2話 2014年10月24日「放火事件の謎…許されない罪の共有」
2000年、瀬戸内海・青景島。東京の大学を目指す希美(榮倉奈々)は、新聞配達のアルバイトを続けていた。一方、成瀬(窪田正孝)は父・周平(モロ師岡)から代々続いた料亭を売りに出すと聞いて、進路変更を余儀なくされる。そんな中、希美の母・早苗(山本未來)が「あの家に帰りたい」と半狂乱に。希美は、父・晋(光石研)と愛人・由妃(柴本幸)が暮らす家がなくなれば、早苗が前向きになれるのではないかと思い詰めて…。
第3話 2014年10月31日「反撃開始舞台は東京へ!運命の出会い」
「野口夫妻殺害事件」の真相を追う高野(三浦友和)は、希美(榮倉奈々)が勤務先を最近、理由も言わずに辞めたと知る。そして、成瀬(窪田正孝)の実家の放火事件は、時効まで1年を切っていた。さかのぼること14年前、高野は放火事件直後の成瀬と希美の様子から、2人が何か隠しているとにらむ。そんな中、成瀬が希美が申し込むはずだった奨学金の審査に受かる。一方、希美は父・晋(光石研)に、進学費用の借金を頼み込む。
第4話 2014年11月7日「被害者Nと出会った日…すれ違う2人」
高野(三浦友和)は、西崎(小出恵介)の弁護人だった津嘉山(渡辺憲吉)を訪ね、当時の資料に目を通す。そのころ希美(榮倉奈々)は10年ぶりに安藤(賀来賢人)と会う。2002年。大学生の希美は、居酒屋と清掃のアルバイトを掛け持ちしていた。そしてアパートの大家・野原(織本順吉)には、不動産業者が土地を売るようしつこく迫っていた。ある日、希美は高校の同窓会のため帰郷。折しも、成瀬(窪田正孝)の父・周平(モロ師岡)が亡くなる。
第5話 2014年11月14日「沖縄の夜新たな恋から歯車が狂い出す」
2003年、希美(榮倉奈々)と安藤(賀来賢人)は、野口(徳井義実)に接触するため、沖縄でボランティア活動に参加。2人は‘将棋’で野口の目を引き、その妻でダイビング初心者の奈央子(小西真奈美)が、海中でパニックになるのを救出。一気に野口の信頼を得る。その夜、2人は食事に招待され、自宅にも遊びに来るよう誘われた。その経緯を聞き、西崎(小出恵介)も満足する。そのころ、成瀬(窪田正孝)は悪事に手を染めていた。
第6話 2014年11月21日「許されぬ愛…罪人たちの悲しい告白」
2003年。西崎(小出恵介)は希美(榮倉奈々)を訪ねてきた奈央子(小西真奈美)と初めて会う。希美は留守で、雨に濡れた奈央子にタオルを貸した西崎は、部屋で待っていてもいいと告げ、野原(織本順吉)の元へ。その間に奈央子は西崎の原稿を読み、ある事実を確信した。一方、オレオレ詐欺で警察に捕まった成瀬(窪田正孝)は、身元引受人として高野(三浦友和)の名前を出す。翌年、社会人になる安藤(賀来賢人)はアパートを引き払う。
第7話 2014年11月28日「語られる事件の悲劇…歪んだ愛の代償」
2004年、希美(榮倉奈々)と安藤(賀来賢人)は、野口(徳井義実)が奈央子(小西真奈美)を軟禁していると知って驚く。野口によれば、流産した奈央子が情緒不安定となり、やむを得ないのだという。帰宅後、奈央子に不倫の噂があると安藤から聞かされた希美に、西崎(小出恵介)がその相手は自分だと打ち明ける。そんな中、友人の結婚式のため帰郷した希美は、退学した成瀬(窪田正孝)が都内の有名レストランで働いていると知る。
第8話 2014年12月5日「エリート夫の嘘と罠…炎に消えた真実」
2014年、高野(三浦友和)は夏恵(原日出子)と島を訪れ、再会した成瀬(窪田正孝)に希美(榮倉奈々)の携帯電話の番号を教える。2004年、希美を訪ねた成瀬に、初対面の西崎(小出恵介)が、レストランの出張サービスを利用して奈央子(小西真奈美)を連れ出したいと協力を求めた。成瀬は断ったものの、クリスマスイブの予約がキャンセルになったことから、協力を思い立つ。希美は野口(徳井義実)に予約が可能だと持ち掛ける。
第9話 2014年12月12日「最終章〜前編〜今夜事件の幕が開く!」
東京に戻るためフェリーを待っていた成瀬(窪田正孝)に、高野(三浦友和)が姿を消した夏恵(原日出子)の置き手紙を見せる。そこには、 14年前に起きた成瀬の実家の放火事件の真相が記されていた。一方、希美(榮倉奈々)が病気であることを知らない安藤(賀来賢人)は、元気がないのを心配してバーベキューに誘う。そんな中、安藤と会った西崎(小出恵介)はその病状を切り出そうとするが、希美のある言葉が頭をよぎり、思いとどまる。
最終話 2014年12月19日「明かされる事件の真実…N達の未来」
2004年、事件当日。西崎(小出恵介)は生花店の配達人を装い、野口夫婦のマンションへと向かう。西崎の到着を待つ希美(榮倉奈々)は、計画どおり野口(徳井義実)と将棋盤を挟んでいた。一方、早めに着いた安藤(賀来賢人)は、1階で西崎と遭遇。そして、西崎と希美、成瀬(窪田正孝)が何かたくらんでいると察する。その5分後、成瀬が到着するが、野口家からの応答はない。2014年、島に戻ることにした成瀬は、希美を訪ねる。
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(Nのために - Wikipedia)
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