7月17日23:59〜放送
ある日、日菜子(吉本実憂)は、ねぎまの散歩中、サングラスをかけた謎の美女(笛木優子)に声をかけられる。
「私のイメージにぴったり! CMに出てくれないかな?」。高城江里子というその女性は有名広告代理店のディレクターで、商品イメージに合うキャラクターを探していたのだ。
てっきり自分がスカウトされたかと思う日菜子だったが、 江里子の視線の先はなんとねぎま! ねぎまの持つ可愛さとふてぶさしさのバランスが絶妙で「一目ぼれした」と江里子は目を輝かせる。
この事態に、健太郎(陣内孝則)は断固反対の姿勢。ただでさえ暑さに弱いブルドックが、CM撮影で強いライトを当てられ続けるのはもってのほかだ、動物虐待だとまくしたてる。しかし、江里子が美人だと分かるやいなや態度を一変させる。「ねぎまを世界のスターにしてやってください!」。その浅はかさにあきれ果てる日菜子だった。
こうしてねぎまのCMデビューの日がやってきた。仕事現場での江里子はいかにも敏腕ディレクターらしくバリバリ働く。しかし、一方で他人の意見を聞かず、部下の努力を認めないワンマンぶりで、健太郎と日菜子を圧倒させる。アシスタントの谷本勉三(山崎樹範)が必死でフォローして回るも、江里子にはどこ吹く風。まるで他人と信頼関係を結ぶことには一切興味がない様子だった。
江里子の唯一の心のよりどころは、一緒に暮らす二匹のミニチュアダックス・グミとチョコ。その夜、仕事を終えて帰宅した江里子は、グミが血を流してぐったりと倒れているのを発見し、たちまちパニックに陥る。そしてスリッパのままグミを抱いてシバケンの元に駆け込んだ。「お願いです! グミを助けて下さい!」。診療の結果、幸い何かにぶつけて鼻血を出しただけだと分かるが、冷房を切って出かけたため、今度は留守番をしていたチョコもまた体調を壊してしまう。早朝、江里子は再びパニックに陥り、寝ていた健太郎を叩き起こす始末。
「なんだか別人みたい……」。昼間の厳しくも毅然とした敏腕ディレクターの顔とはあまりにもギャップがある。英恵(野際陽子)は江里子のことを「ペット依存症」ではないかと心配する。
事実、江里子は異様なまでに愛犬にすべてを注いでいた。部屋にはいたるところに愛犬の写真が飾られ、その異常性が見て取れた。「淋しい女だって思ってるんでしょう?」。犬の診察を終えたシバケンに、江里子が切り出す。「でもね、私は今の生活で充分満足なんです」。人間は腹の中では何を考えているか分からないから、信用できない。その点、動物は喋らないからいいと江里子は言う。そしてこのマンションで、結婚もせず、ずっと愛犬と生きて行くつもりらしい。「私、一人で生きて行くって決めたんです」。二匹の犬を撫でる江里子を見て、シバケンは彼女の心の闇を感じ取る。
「江里子さん、昔何かあったのかな」――翌日、シバケンは江里子のアシスタント・谷本に探りを入れる。「ボクは彼女の愛犬の主治医だから、動物を診るにはまず、飼い主のことをよーく知らなければならない」。そう主張するも、谷本は相手にしない。「だったら自分で聞いてみればいいじゃないですか」。
実はこの谷本、10年間アシスタントとして江里子に尽くし続けてきたが、ずっと抱えているある想いがあった。
そしてその日、決定的な事件が起きる。雷鳴による停電をきっかけに、江里子は再びパニック状態に。「冷房が切れたら部屋の中はものすごい暑さよ。それにあの子たち、雷をすごく怖がるの」。代わりに見てくると言う谷本を制し、江里子は仕事を放り出して帰宅してしまう。見かねたシバケンは、ついに江里子にシビアな現実をぶつける。
「ミニチュアダックスの平均寿命は大体15年。あなたの方が遥かに長生きする。この子たちが亡くなっても、やっていけますか?」。痛いところを突かれ、思わず言葉につまる江里子。「ペットを可愛がるのはおおいに結構。でもね、人を信じることができないっていうのは、哀しいことですよね」。シバケンに諭され、ようやく江里子は重い口を開く。江里子は5年前、結婚式当日に新郎に逃げられたと言う。江里子を捨てたその男は、元上司で今や売れっ子CMプランナーの磯崎(敦士)。当時、磯崎は撮影で知り合った女優と恋仲になり、土壇場で江里子を捨てて逃亡したのだ。「一緒に独立してCMを作って行こうって、甘い夢、見てたな……」。公私ともに生涯のパートナーだと信じていた男に裏切られ、以来、すっかり人が信じられなくなったのだ。
「その気持ちはよーく分かる」――シバケンは思わず江里子の手を取る。何をかくそう、シバケンもまた同じように人生のパートナーを目の前で奪われた経験があったのだ! ただ、シバケンの場合は、新しい恋を求めてやまないという真逆の結果を生んでいた。共通の傷を持っていると知り、すっかり江里子に運命を感じたシバケンは、もはや彼女を救えるのは自分だけだと豪語し、ある作戦を立てる。その作戦とは、ねぎまのCM撮影が終わった時、その場で江里子にプロポーズし、「風のようにかっさらう」という荒唐無稽なものだった。
一方、谷本は、江里子を傷つけた張本人・磯崎からミラノでの大きな仕事のチャンスを与えられていた。10年来、江里子に尽くし続けてきた彼は、ひそかに引き止められるのを期待するが、江里子は顔色一つ変えず受諾。それどころか、谷本がしてきたアシスタントの仕事について「そんなの、誰だってできるわよ」と言い放つ。空しさを覚えた谷本は、江里子の元を離れる決意をするのだった。そして最後の仕事として、CMの撮影場所にある教会を選ぶ。それは5年前、江里子が磯崎に捨てられた場所だった。「もう吹っ切るべきなんだよ。ヤツのことは」――谷本は何としても江里子に傷を克服してほしいと願っていた。
シバケンは、江里子を想いながらも煮え切らない谷本に苛立つと同時に、「やっぱり江里子さんに一番必要なのは、俺だな」とさらに燃え上がる始末。
――そして訪れた運命のCM撮影日、因縁の教会に、意味もなく白いタキシード姿でさっそうと現れたシバケンは、江里子の目を見据えて言う。「もう一度、人を信じる心の素晴らしさをわかってもらいたい」。
果たしてシバケンの熱い想いは江里子に届くのか!?
第1話 2014年7月3日「陣内孝則が人助け」
第2話 2014年7月10日「愛犬に遺産20億の鬼姑」
第4話 2014年7月24日「冷酷父が絶縁娘に感涙」
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