2014年中野―――
柳クリーニングでは、いまだぎこちなさが取れない柳健太が、常連客相手にやりこめられ、古株のパート・ヤンに助け舟を出されている。健太は3年前に離婚し、これまで勤めていた大手化学メーカーも辞めて親に頭を下げて実家のクリーニング店を継いでいたのだ。
日々人様の汚れ物を洗う毎日。そんなある日、中学校の同窓会の案内が届く。25年ぶりの同窓会、当時わずかな期間ながら付き合っていた同級生のあけひに会えるかもしれない、という淡い期待を抱いて健太は出席を決める。
会場の中野サンプラザには、予想以上に多くの同窓生たちが集まっていた。女子から絶大な人気を誇っていた桜井遼介が声をかけてきたが、あっという間に女子に囲まれてしまう。そんな遼介の今も変わらぬ人気ぶりに目を細めつつ会場を回っていると、同じクラスで成績優秀だった広野薫子がおり、健太は声をかける。しかし同じ3年D組の仲間たちが集まっていても、そこにはあけひの姿は見当たらない。
会場内に当時の写真がモニターに映し出されていくのを見ながら、25年の歳月に思いを馳せる健太。クリーニング屋を継ぎたくなくて猛勉強をし、そのためにあけひとも別れてしまい、希望通り大手企業に就職もし、結婚、子どもも誕生して幸せだったはずなのに、どうして今こうなってしまったのか―――。
何気ないあけひのいたずらが甘く胸をついているところに、当時とまったく同じいたずらをしかけられ、振り向いたところにあけひが笑顔で立っていた。
遼介に2次会に誘われ、健太は指定された店に行くが、そこにはまだあけひしか来ていない。何となく気まずい思いでいると薫子、続いて言いだしっぺの遼介がやってくるが他のクラスメートたちが集まってくる気配はない。興味のあるメンバーだけで話したいと、この3人にしか声をかけていなかったというのだ。
そこで改めて現状の説明をするために自己紹介をしようという遼介。遼介は実家が病院にも関わらず医者にはならず、大手建設会社のエリートコースを歩んでおり、お受験を控えた娘がいるという。なれなれしくちょっかいをかけてくる遼介にイラつきながらも薫子はいまだ独身で、高円寺で薬剤師をしていると話す。健太は離婚し、会社も辞めて家業のクリーニング屋を継いで現在、中野に住んでいるということを話すと、あけひも薫子も驚く。あけひはカリスマ美容師の夫と結婚し、自分も美容師として働いており、夫の連れ子を含む3人の子どももいて幸せだと笑顔を見せる。しかし、健太が離婚するならば待っていればよかったと言い出し、健太はあわててしまう。
遼介の提案でこの4人は名前で呼び合い、元担任の鮫島の喜寿の祝いとクラス会の幹事をしようということになり、二次会はお開きになる。健太は遼介に誘われるまま、二人で飲みにいくが、そこで「40歳」という年齢についての話になる。40歳というのはまだリセットが出来る年齢なのか、もし出来るとしてもラストチャンスなのではないか…そう話す遼介は「本当の愛」が欲しいと言い出す。プレイボーイで遊ぶ相手に不自由はなくても、本当の、人生を変えるような恋をしたいという遼介は、あけひの健太への気持ちはきっと本物で、健太にとって初恋であった中学時代のあけひ、2度目の恋の結婚相手・冴子、そして三度目の恋は初恋のあけひになるのだろうと予言めいたことを言う。健太は「それはあけひにとって不倫だ」と否定するが…
あけひが家に帰ると、まだ店の明かりがついている。常連客でモデルの蛯原友里が突然予約を入れてきたというのだ。仕事を終えた太郎が部屋に戻ってくるが、あけひの帰宅が遅いと不機嫌で、さっさとバスルームへ向かってしまう。
ひと心地ついたあけひが中学3年のときのアルバムを開いていると、バスルームから出てきた太郎はあけひを寝室へといざなう。
同窓会が終わり、それぞれの生活が戻ってくる中、あけひが突然「柳クリーニング」にやってくる。わざわざ洗濯物を持って電車に乗ってきたというあけひに健太は驚くが、中学校を見に行こうと誘われ、とまどいながらも同行する。
同じ頃、薫子が勤める薬局に遼介がやってくる。調子のいい遼介に反感を抱く薫子だが、客と言われては対応をせざると得ない。しかし突然キスをされ、頬をはたくものの笑顔で去る遼介に薫子は呆然となる。
中学校にやってきて懐かしさにはしゃぐあけひ、かつて同じようにはしゃぎながら花壇の縁石を歩き、誕生日にキスをねだってきたことを思い出す健太。25年たった今、その願いを叶えて欲しいというあけひの肩に一度は手をかけるが、結婚している以上、そういうことは良くないとあけひの肩を押し戻す。
あけひは冗談だと言うが、その真意はわからない。そして一体何が起こって何が起こらなかったのか、もはや健太にはわからなくなっていた―――。
第2話 2014年7月17日「2cmのキョリ」
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