概要
社長命令で翌檜(あすなろ)大学に社会人入学させられた50歳のサラリーマンが、存続の危機にある応援団に入団。熱意あふれるOBたちに厳しく指導されながら「とにかく」「ひたすら」「懸命にやる」という応援の哲学を学ぶ姿を描く。
原作は人気作家・重松清による同名小説。主人公を演じるのは、数多くのドラマ、映画で名演技を見せ続けている柳葉敏郎。「リング〜最終章〜」以来、約15年ぶりとなる地上波ドラマ主演を務める。
また、男社会に嫌悪感を抱く女子大生を剛力彩芽、体育会系のノリが染み付いた応援団OBを反町隆史、主人公に命じられて応援団に入部する今どきの大学生を風間俊介が演じる。
原作
『あすなろ三三七拍子』(あすなろさんさんななびょうし)は、重松清による小説。2005年2月から2006年4月まで『サンデー毎日』(毎日新聞社)に連載された。
45歳の中年サラリーマン・藤巻大介が、廃部の危機に陥った翌檜(あすなろ)大学の応援団団長に同大学OBの社長からの命令で就任、応援団の再建に賭けた悪戦苦闘を描く青春群像劇。
書籍情報
単行本:毎日新聞社刊 2010年3月15日発行 ISBN 978-4620107547
文庫本:講談社文庫 いずれも2014年1月15日発行。
上巻 ISBN 978-4062777377
下巻 ISBN 978-4062777384
ストーリー
舞台は、現役大学生の中に応援団員がいなくなり、まさに存続の危機にある翌檜(あすなろ)大学応援団。OBたちが集まる会合で幹事長から発表されたのは、“ある男”を社会人入学させ、応援団長にしてしまおうという苦肉の策だった。
それは、OB会幹事長が社長を務める会社の社員の藤巻大介(柳葉敏郎)。リストラの代わりに応援団に入部することになった大介は「常に学ラン着用」「返事は“押忍!”」「先輩の言うことは絶対」という、前近代的な基本精神が掲げられた応援団の中で、さまざまな成長を遂げていく。
キャスト
翌檜大学応援団
世田谷商科大学応援団 → 翌檜大学応援団
藤巻 大介
演 - 柳葉敏郎
エール物産出向第58代団長。元エール物産総務部課長。学生時代は松山千春研究会に所属していた。
松下 沙耶
演 - 剛力彩芽
団員。フェミニズム論研究室のゼミ生でフィールドワークの一環として団に入部する。
保阪 翔
演 - 風間俊介
団員。美紀の彼氏。家庭の事情で学費や生活費を捻出するため、工事現場と新聞配達のアルバイトを掛け持ちでしている。
野口 健太
演 - 大内田悠平
団員。文理学部1年生。
葉月 玲奈
演 - 高畑充希
第58代副団長。チアリーダー部部長。
小泉 紫乃
演 - 長谷川ニイナ
チアリーダー部サブリーダー。
園田 善彦
演 - 山本涼介
第58代副団長。吹奏楽部部長。
原 智子
演 - 森口瑤子
顧問。フェミニズム論研究室准教授。
齊藤 裕一
演 - 反町隆史
応援団OBで大介の指導係。第38代団長。三つ葉社営業部社員。
山下 正人
演 - ほんこん
応援団OBで大介の指導係。第38代副団長。サニー損保営業所所長。
荒川 剛
演 - 西田敏行(特別出演)
OB会幹事長で第15代団長。エール物産社長。
その他
藤巻 美紀
演 - 飯豊まりえ
大介の娘。翌檜大学の付属高校の生徒。
藤巻 広子
演 - 菊池桃子
大介の妻。
真由美
演 - 内藤理沙
広子のパート仲間。
江本 慎也
演 - 塩野瑛久
京浜学院大学応援団副団長。
渡辺 啓治
演 - 一ノ瀬ワタル
京浜学院大学応援団団長。
ゲスト
キャスト名横の表記は出演回。
権田 勝利
演 - ミッキー・カーチス(第1・6話)
世田谷商科大学応援団OBをまとめる重鎮。
中村
演 - 掛田誠(第3話 - 第4話)
世田谷商科大学応援団OB。
野口 景子
演 - 高橋かおり(第4話 - 第6話)
健太の母。
野口 康夫
演 - 三浦誠己(第4話 - 第5話)
健太の父。世田谷商科大学野球部OBで元エース投手。
村田 守
演 - 布施紀行(第4・6話)
翌檜大学野球部主将。
星川
演 - 渡辺道子(第5話)
原と同じ考えを持つ大学教授。
森田 幸作
演 - 長谷川初範(第7話 - 第8話)
京浜学院大学応援団名誉顧問。原のライバル教授。
若者
演 - 白洲迅(第8話)
ちなつ
演 - 吉田怜菜(第8話)
翌檜大学ラクロス部部員。
スタッフ
原作 - 重松清『あすなろ三三七拍子』(講談社文庫刊)
脚本 - 吉田紀子、ふじきみつ彦
音楽 - 大友良英
演出 - 土方政人、植田泰史、山内大典
演出補 - 山内大典、倉木義典
編曲 - 江藤直子
CG・タイトルバック - 鈴木鉄平
方言指導 - いわいのふ健
ドックトレーナー - 横浜山口ドッグスクール
フードコーディネート - 住川啓子
スタントコーディネート - 釼持誠
応援団指導 - 岡崎幸治、小山太輝、足立貴之、車田優太
チア監修 - チアクリエーション
チア協力 - スターチアーズ
チア指導 - ちこ
チア振付 - 本多桜子、宍戸梨乃
指揮指導 - 渡辺大地
吹奏楽協力 - 東京工科大学吹奏楽団
スケジュール - 徳市敏之
編成企画 - 水野綾子
プロデュース - 小林宙
プロデュース補 - 関本純一
制作 - フジテレビ
制作著作 - 共同テレビ
主題歌 - スピッツ「愛のことば-2014mix-」(UNIVERSAL J)
劇中歌 - Sachiko M
各話あらすじ(2014.7.15 - 2014.9.9)全9話 平均視聴率 5.10%
第1話 2014年7月15日「重松清の名作ついにドラマ化!中年会社員応援団に出向の悲劇」 ※初回15分拡大(21:00〜22:09)
商社に勤務する大介(柳葉)は、休日に娘・美紀(飯豊まりえ)の恋人と会うことになるが、現れた翔(風間俊介)が金髪にピアス姿で、敬語も使えない様子に腹を立てる。数日後、大介は社長の荒川(西田敏行)に呼び出され、荒川の母校・翌檜(あすなろ)大学に社会人入学をして廃部寸前の応援団を立て直してほしいと頼まれる。その応援団は荒川もOBだが、10年前に女子大学と合併して以来、衰退の一途をたどっているという。リストラの話をちらつかせる荒川の出向命令に逆らえず、翌檜大学に入学した大介は、応援団室でチアリーダー部部長の玲奈(高畑充希)と出会う。そこへ荒川と同じ応援団OBの斉藤(反町隆史)と山下(ほんこん)が現れ、大介を河原へ連れ出す。大介は土手を学生服姿で走らされ、応援団の特訓を受ける羽目に。その姿を女子大生の沙耶(剛力彩芽)が遠くから観察していた。
第2話 2014年7月22日「娘の彼氏を応援団の道連れにしてやる!」
大学の応援団長となった大介(柳葉敏郎)は、新入生歓迎のステージでOBの斉藤(反町隆史)、山下(ほんこん)と共にエールを披露する。団室に戻ると、1年生の野口(大内田悠平)と3年生の沙耶(剛力彩芽)がやって来て、入団を希望する。女性の入団希望者に斉藤と山下は戸惑うが、部員を増やした方がいいという大介の提案で沙耶の入団は許可される。そんな中、大介は帰宅中に、娘・美紀(飯豊まりえ)の頬に恋人の翔(風間俊介)がキスするところを目撃する。激怒した大介は翔に対し、美紀と付き合う条件として応援団に入るよう言い渡す。その後、大介は応援団の顧問で准教授の原(森口瑤子)に呼び出される。応援団に否定的な立場を取る原を大介は団室に案内するが、団室では、斉藤が翔のいでたちに怒り、翔に馬乗りになっていた。そこへ、別の大学の応援団から恒例の定期戦に向けた顔合わせに関する電話が入る。斉藤は、その大学が永遠のライバル校だと話し、顔合わせに向けた特訓を始めると言いだす。
第3話 2014年7月29日「理不尽で厳しすぎる合宿…その意味を教えてくれ」
連休に応援団の合宿が行われることになり、大介(柳葉敏郎)、沙耶(剛力彩芽)、翔(風間俊介)、健太(大内田悠平)、そしてOBの斉藤(反町隆史)が古びた山荘にやって来る。早速、斉藤による厳しい特訓が始まる。声出しの練習では、健太の太鼓をたたくリズムが悪いからと、斉藤は全員に腹筋を命じ、健太は責任を感じる。翌日も斉藤の駄目出しが飛ぶ中、エールの練習が何時間も行われる。駄目なのは自分のせいだと思い込んだ健太は斉藤に、罰の腕立て伏せを一人でやると申し出る。だが、斉藤は「団は家族だ」として受け付けない。その夜、大介は、責任を感じて眠れないでいた健太を励ますが、翌朝、健太は姿をくらましてしまう。
第4話 2014年8月5日「娘の前で怒鳴られた情けない団長の自分」
斉藤(反町隆史)は、健太(大内田悠平)が斉藤と同期で野球部のエースだった野口(三浦誠己)の息子であることを思い出す。健太から母子家庭だと聞いていた大介(柳葉敏郎)は不思議に思うが、直後、大介は極度の疲労が原因で腰を痛め、動けなくなる。翌日、団室に電話がかかってくる。大介からだと思いながら電話を取った翔(風間俊介)は、相手がライバル大学の応援団副団長・江本(塩野瑛久)だと分かると、驚いて思わず電話を切ってしまう。一方、病院に来ていた大介は偶然、看護師から名前を呼ばれていた入院中の野口を見掛け、声を掛ける。帰宅した大介は、健太に父親に会いに行くよう勧めるが、健太は拒否する。そんな中、沙耶(剛力彩芽)、翔、健太は電話の件を謝罪するためライバル校の応援団室を訪れる。だが、そこで沙耶がトラブルを起こし、江本から野球部の定期戦をボイコットすると宣言されてしまう。
第5話 2014年8月12日「死にゆく仲間へ最期のエール」
野球部の定期戦が近づく中、健太(大内田悠平)は、病気で余命いくばくもないと診断された父・康夫(三浦誠己)に付き添い、沙耶(剛力彩芽)は、顧問の原(森口瑤子)の公開授業の手伝いで地方の大学へ向かうことになる。そのため、大介(柳葉敏郎)と翔(風間俊介)は、二人だけで定期戦の準備に追われる。だが、翔は遅刻や早退を繰り返し、大介をあきれさせる。また、大介は、斉藤(反町隆史)と山下(ほんこん)に康夫の病状を伝える。大学時代、野球部のエースだった康夫にスタンドからエールを送っていた斉藤たちは、病気と闘う康夫の「マウンド」には足を踏み入れてはいけないと、病院へ駆け付けたい思いを必死で抑える。そんな中、チアリーダー部の部長・玲奈(高畑充希)が大介に、定期戦にチア部は参加できないと告げる。不安になる大介を励まそうとして言った翔の、心ない発言を聞き、大介は翔に応援団をやめるよう言い渡す。そして定期戦前日、大介の元に健太から、康夫が危篤状態だという連絡が入る。
第6話 2014年8月19日「情けなさすぎる初陣 情けなさすぎる団長」
定期戦当日、大介(柳葉敏郎)の家へやって来た翔(風間俊介)は、高熱を出し玄関で倒れ込んでしまう。翔は応援団に入ったことで、学費を稼ぐためのアルバイトでかなり無理をしていた。それを知った大介は、定期戦に行こうとする翔を引き留め、一人で球場へ向かう。応援団のOBが集まってきた球場で、沙耶(剛力彩芽)と二人だけで応援することになった大介は、斉藤(反町隆史)と山下(ほんこん)に応援に加わってほしいと頼む。だが「正式な試合でOBが応援するわけにいかない」と一蹴されてしまう。そんな中、様子を見にきた顧問の原(森口瑤子)は、閑散としたスタンドの様子にあきれて帰ろうとする。しかしそこへ、翔と健太(大内田悠平)が現れる。必死の思いで駆け付けた二人に胸を熱くした大介は「初陣」を見てほしいと、原に頭を下げる。
第7話 2014年8月26日「応援団は家族を不幸にします!…なぜ?」
大介(柳葉敏郎)と応援団のことでけんかをした広子(菊池桃子)が家を出ていった。一方、顧問の原(森口瑤子)からゼミ合宿への出席を促された沙耶(剛力彩芽)は、応援団の夏合宿と日程が重なっていることを理由に不参加を告げ、その場から逃げるように立ち去る。団室にやって来た沙耶は、大介と翔(風間俊介)の会話から広子が家出したことを知る。そして、応援団が原因だと聞くと、激しく動揺する。そんな中、出版社に勤める斉藤(反町隆史)は、担当する作家・森田(長谷川初範)に会うため京浜学院大学を訪れていた。その帰り道、斉藤は、無言で後をつけてきた京浜学院大学の応援団団長・渡辺(一ノ瀬ワタル)に物陰に引っ張り込まれる。その後、斉藤は、大介、沙耶らがいる団室に渡辺を連れてやって来る。渡辺は沙耶に話があるというのだ。
第8話 2014年9月2日「さよなら山下先輩…“連れ”とは何か?」
応援に行った大会で自校の野球部が勝ち、大介(柳葉敏郎)ら応援団員は上機嫌で団室に戻ってくる。そこで大介は、斉藤(反町隆史)と山下(ほんこん)の間に何やら険悪な空気が漂っていることに気付く。後日、山下に誘われ、居酒屋に行った大介は山下から、具合の悪い母親の面倒を見るため故郷の大阪へ帰ることを決めたと明かされる。斉藤は、山下が早く相談に来なかったことに怒っていたのだ。大事な「連れ」だからこそ言いだせなかったという山下のために、大介は送別会を開いて二人を仲直りさせようとする。しかし、それを聞いた斉藤に「行かない」と一蹴される。そんな中、チアリーダー部の練習中に、紫乃(長谷川ニイナ)を支えようとした玲奈(高畑充希)が、けがをしてしまう。玲奈は「自分が悪い」と言い続けるが、紫乃は、いつも自分だけで責任を取ろうとする玲奈の態度は仲間として寂しいと告白する。一方、山下の帰郷を翌日に控え、大介は斉藤と直接話をしようと、彼が仕事で担当する作家・森田(長谷川初範)の新刊書のイベント会場を訪ねる。
最終話 2014年9月9日「人を応援できる人は人からも応援される」
野球部の大会で、翌檜(あすなろ)大学と京浜学院大学の対決が決まり、大介(柳葉敏郎)たち応援団の練習にも、ますます力が入る。そんな中、顧問・原(森口瑤子)のゼミを辞める決意をしていた沙耶(剛力彩芽)は、大介と共に原に呼び出され、インターネットに掲載されたある写真を見せられる。その写真は、街で大介が不良に絡まれた時のもので、事情を聴かれた大介は、その乱闘騒ぎが事実であることを認める。数日後、大介の一件により応援団に無期限の活動停止処分が下る。野球部の応援ができないどころか、事実上の廃部に等しい処分に、沙耶、翔(風間俊介)、健太(大内田悠平)は激しく落ち込む。大介と斉藤(反町隆史)は、処分のことを荒川(西田敏行)に報告に行く。しかし、荒川は翌檜大学野球部が勝ち進んでいることに上機嫌で、二人は言いだしづらくなる。
各話視聴率
番組公式サイト
(あすなろ三三七拍子 - Wikipedia)
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