1950年代の東京を舞台に描かれる。主演は浅野忠信で、デビュー26年にして初の連続ドラマ主演となる。
キャッチコピーは「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ。」
原作
『長いお別れ』(ながいおわかれ、The Long Goodbye)は、アメリカの作家レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説。1953年に刊行された、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする長編シリーズの第6作目。
『ロング・グッドバイ』のタイトルで、1973年、ロバート・アルトマン監督により映画化。2014年にも日本でテレビドラマ化された。
概要
デビュー25年目を迎える俳優・浅野忠信の連続ドラマ初主演となる今作は、ハードボイルド小説の最高傑作と呼ばれるレイモンド・チャンドラーの「ロング・グッドバイ」。舞台を戦後復興期の東京に移し、“自殺”したとされる親友の事件の裏に潜む、政界進出をもくろむメディア王に立ち向かう孤高の探偵・増沢磐二を演じる。
脚本は、連続テレビ小説「カーネーション」などで知られる渡辺あやが手掛ける。親友・原田保役の綾野剛、事件の鍵を握る絶世の美女・上井戸亜以子役の小雪など豪華キャストで、混沌とした時代における、現代にも通じる揺るがない真の価値観を描くエンターテインメント。
キャスト
増沢 磐二(ますざわ ばんじ)
演 - 浅野忠信
増沢磐二探偵事務所私立探偵。雨の中で妻に捨てられ路上に行き倒れていた保を助けたことが切っ掛けで、何度か酒を酌み交わす仲になっていく。
原作のフィリップ・マーロウに当たる。
原田家
原田 保(はらだ たもつ)
演 - 綾野剛(少年期:柾木玲弥)
旧姓:城崎。本名:松井 誠一(まつい せいいち)。キャバレーローズの支配人をしていた頃に客で来店していた志津香と出会い、彼女に見初められ婿養子に入る。その後、妻を殺害したと書き記した遺書を残して逃亡先の台湾にあるホテルの一室で命を絶つ。
原作のテリー・レノックスに当たる。
原田 志津香(はらだ しずか)
演 - 太田莉菜
保の妻。女優で有名な実業家の娘。幼少期に父から凄惨な虐待を受けていた。鈍器で頭部を数回殴打された後に拳銃で殺される。遺作の主演映画は『闇夜の包帯娘』。
原作のシルヴィア・レノックスに当たる。
高村 世志乃(たかむら よしの)
演 - 冨永愛
旧姓:原田。志津香の姉。高村医師の妻。
原作のリンダ・ローリングに当たる。
原田 平蔵(はらだ へいぞう)
演 - 柄本明
実業家。志津香の父。
原作のハーラン・ポッターに当たる。
遠藤(えんどう)
演 - 吉田鋼太郎
原田家の顧問弁護士。
原作のスーウェル・エンディコットに当たる。
風間(かざま)
演 - 徳井優
志津香に仕える使用人。
原作の運転手・エイモスに当たる。
秘書
演 - 大西武志
警察関係者
岸田(きしだ)
演 - 遠藤憲一
捜査官。階級は警部補。磐二とは旧知の仲。
原作のバーニー・オールズとグリーンを合成した人物。
権田(ごんだ)
演 - 高橋努
捜査官。手荒な捜査をする岸田の部下。
原作のデイトンとグレゴリアスを合成した人物。
上井戸家
上井戸 亜以子(かみいど あいこ)
演 - 小雪(少女期:中村ゆりか)
譲治の妻。
原作のアイリーン・ウェイドに当たる。
上井戸 譲治(かみいど じょうじ)
演 - 古田新太
ベストセラー作家。亜以子の夫。代表的な著書は『背徳の踊り子』『美女と黒蜥蜴』。
原作のロジャー・ウェイドに当たる。
金田 章介(かねだ しょうすけ)
演 - 泉澤祐希
譲治の身の回りの世話などをする書生。
原作のキャンディーに当たる。
その他
羽丘(はねおか)
演 - 田口トモロヲ
出版社社長。譲治の担当編集者。アルコール依存症に陥る夫を救ってほしいという妻・亜以子の依頼を増沢に連絡を取り、仲介する。
原作のハワード・スペンサーに当たる。
森田(もりた)
演 - 滝藤賢一
志津香殺害事件を取材する東亜タイムスの記者。
原作のロニー・モーガンに当たる。
リリー
演 - 福島リラ
キャバレー紅夢のステージで唄う歌姫。
高村 肇(たかむら はじめ)
演 - 堀部圭亮
亜以子の主治医で世志乃の夫。高村記念病院院長兼精神科主任部長。
原作のエドワード・ローリングに当たる。
正岡 虎一(まさおか とらいち)
演 - やべきょうすけ
通称:正虎(まさとら)。本名:木村 丸男(きむら まるお)。戦後に闇市、現在は賭場やキャバレーを取り仕切る元締。独立第361国境守備隊に徴兵されていた頃、同じ部隊に所属していた保に命を救われる。
原作のメンディー・メネンデスに当たる。
財前(ざいぜん)
演 - 岩松了
譲治に麻薬を売っている医師。
原作のヴェリンジャーに当たる。
六郎(ろくろう)
演 - 渡辺大知
廃墟と化した財前病院に棲みつき、門番だと名乗る男。
原作のアールに当たる。
バーテン
演 - 中嶋しゅう
バーヴィクターズのバーテン。
闇医者
演 - でんでん
増沢と繋がりがある非合法な医師。
中年女
演 - 石田えり
増沢に夫の浮気調査を依頼する。
ゲスト
複数話・単話登場の場合は演者名の横の括弧()内に表記。
第1話
北岡(きたおか)
演 - 國本鐘建(第3話 - 最終話)
キャバレー紅夢の支配人。
第2話
瀬々(ぜぜ)
演 - 小籔千豊
麻薬を客に売り捌いていると噂されている医師。
原作のレスター・ヴュカニックに当たる。
看護師1
演 - エド・はるみ
真面目な看護師。
看護師2
演 - 安藤玉恵
男あさりが趣味の看護師。
正虎の子分
演 - レイザーラモンHG(最終話)
正虎の用心棒。
原作のチック・アゴスティーノに当たる。
第4話
元隊員2
演 - 三浦誠己
元隊員1
演 - 水澤紳吾
上記2名は保や正岡と同じ独立第361国境守備隊に所属していた元兵隊。
歌手
演 - TAIGA
失踪したリリーの代わりにキャバレー紅夢の舞台に立つ。
佐々木
演 - 望月章男
捜査員。岸田の部下。
最終話
中年男
演 - 春海四方
浮気をしている中年女の夫。
スタッフ
原作 - レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』
脚本 - 渡辺あや
音楽 - 大友良英
演出 - 堀切園健太郎(NHKエンタープライズ)
語り - 滝藤賢一
脚本協力 - 小川真司
タイトルバック写真 - 長谷井宏紀
編集 - 大庭弘之
美術 - 山口類児、伊達美貴子
スタイリスト - 北村道子
アクション指導 - 下村勇二
バーテンダー指導 - 高坂壮一
台湾語指導 - 鄭文逸
制作統括 - 城谷厚司(NHKエンタープライズ)、谷口卓敬(NHK)
制作 - NHKエンタープライズ
制作著作 - NHK
各話あらすじ(2014.4.19 - 2014.5.17)全5話 平均視聴率 4.90%
第1話 2014年4月19日「色男死す」 ラテ欄「ミステリーの金字塔初ドラマ化」 視聴率 7.6%
1950年代半ばの東京。戦後復興からの大転換期に、人々の価値観が大きく変化していく激流の中で、真に正しい道だけを選び生きていく私立探偵・増沢磐二(浅野忠信)の姿を描くミステリー。原作レイモンド・チャンドラー、脚本・渡辺あや、演出・堀切園健太郎。 私立探偵・磐二(浅野)は、酔っぱらって倒れていた保(綾野剛)を助けて以来、バーで酒を酌み交わす仲になる。ある夜、ピストルを手にした保が、磐二の事務所に現れた。言われるままに台湾行きの船が出る港まで保を送った磐二は、翌日、警察に連行される。妻殺害の容疑の掛かった保の逃亡を手助けしたと疑われたのだ。
第2話 2014年4月26日「女が階段を上る時」 視聴率 5.6%
私立探偵の磐二(浅野忠信)は釈放された。女優・志津香(太田莉菜)殺害事件は、犯人と疑われた保(綾野剛)の自殺でピリオドが打たれた。ふに落ちない磐二だったが、弁護士や保の戦友から、この事件から手を引けと脅され、ますます保の死に疑念を抱く。そんな折、事務所に仕事の依頼が来る。依頼人はベストセラー作家・上井戸(古田新太)の妻・亜以子(小雪)で、酒浸りの夫が行方不明なので捜し出してほしいという。
第3話 2014年5月3日「妹の愛人」ラテ欄「作家夫婦に衝撃の事実発覚、美女の誘惑に磐二は?」 視聴率 4.0%
私立探偵の磐二(浅野忠信)は、志津香(太田莉菜)の姉・世志乃(冨永愛)とバーで出会う。世志乃は、友をかばって口を割らなかった磐二の誠実さに一目置いていた。その後、磐二と世志乃は、小説家の譲治(古田新太)の文学賞受賞パーティーで再会する。そこで、殺害された志津香の男性関係を知った磐二は、事件の糸口をつかむ。そんな折、震えた声の譲治から電話が入り、磐二は駆け付ける。
第4話 2014年5月10日「墓穴にて」ラテ欄「ついに直接対決!新たな殺人事件、磐二が容疑者に」 視聴率 3.6%
磐二(浅野忠信)は、殺された志津香の父親でマスコミを牛耳る実業家の平蔵(柄本明)と面会する。選挙に出馬を予定する平蔵は、磐二に事件から手を引くよう迫るが、磐二は引き下がらない。そんなある日、磐二の事務所に譲治(古田新太)から「事件の全容を知っている」という電話が入る。磐二は急いで上井戸家に向かい譲治と対面するが、わずかな隙に譲治は殺される。泣き崩れる亜以子(小雪)は、磐二を犯人だと言い出す。
最終話 2014年5月17日「早過ぎる」ラテ欄「今夜全てが明らかに、孤高の探偵磐二の友情の行方は…」 ※「プロ野球 読売ジャイアンツ×広島東洋カープ〜東京ドーム」(延長のとき、以降変更の場合あり 19:30〜21:15)が放送のため、開始時間変更(21:30〜22:30) 視聴率 3.7%
私立探偵の磐二(浅野忠信)は、志津香(太田莉菜)を殺害した犯人を割り出す。磐二は調査した事実を基に、ぎりぎりまで犯人を追い詰めるが、うまくかわされてしまう。しかし翌日、犯人は遺書を置いて自殺し、それには生々しい事件の真実が書かれてあった。そうして一連の事件が結末を迎えた頃、磐二に会いたいという人が現れる。
番組公式サイト
(長いお別れ - Wikipedia)
タグ:ロング・グッドバイ