2014年04月02日

アリスの棘 TOP

『アリスの棘』(アリスのとげ)は、2014年4月11日から同年6月13日まで、毎週金曜日22:00 - 22:54にTBS系列の「金曜ドラマ」枠で放送された。(初回のみ 22:00〜23:09)全10話。

主演の上野樹里はTBS連続ドラマにおよそ7年ぶりに出演し、父を死に追いやった医師たちに冷酷な復讐を遂げるダークヒロインを演じる。

キャッチコピーは「復讐と恋愛においては、女は男よりも野蛮である。」


概要
大学病院の医師だった亡き父の死に疑問を持った水野明日美(上野)が、苦難の半生を経て、医師として病院に入り込み復讐を遂げようとするサスペンス。偽情報で父の薬剤横流しの記事を書いてしまった記者の西門優介(オダギリジョー)の支援を受けながら、病院に巣食う闇を暴く姿を描く。
オリジナル脚本は、ドラマ「美男ですね」などで知られる脚本家の高橋麻紀らが手掛け、シリーズ監修は、脚本家の西田征史が担当する。


ストーリー
 私立聖林大学付属病院の小児科外科教授・小山内孝夫を父に持つ明日美(上野樹里)は、幼いころに母と死別し父と暮らしていたが、ある日、孝夫が突然倒れて緊急手術の最中に死亡。その後、養護施設で暮らしていた明日美のもとに差出人不明の手紙が届き、孝夫が医療ミスで死亡したのではないかと疑いを持つようになる。
復讐を決意した明日美は、やがて、聖林大学付属病院の消化器外科医となって勤務することに。そして、当時、父・孝夫の手術の執刀をした伊達理沙(藤原紀香)のチームに配属される。


キャスト
聖林大学附属病院
消化器外科
水野 明日美 / 小山内 明日美
演 - 上野樹里(14歳の明日美:菊池和澄)
消化器外科新人医師。母を早くに亡くしてから父・孝夫と2人で暮らしきた。14歳の時に医師だった父は医療過誤で死亡し、冤罪を着せた医師たちへの復讐と真相解明の為に医師となり、聖林大学附属病院へ潜入する。

蛭子を取り込み、伊達、千原を医師活動不能に追い込み、日向を失脚させ順調に復讐を果たしていくも、磐台の復讐に手間取り、さらに味方だと思っていた有馬にも裏切られるなど失敗が続き、次第に復讐の意味について考えるようになる。一時は復讐を辞めることや自殺を考えていたが西門に止められ、真の復讐を果たすべく邁進していく。

また、当初は悠真や萩原など、利用できる物は例え命が犠牲になっても利用しようとしていたが、孝夫の言葉や悠真の死をきっかけに、なるべく無関係の人物への被害を出さないような復讐方法に変わっていく。

千原 淳一
演 - 田中直樹
准教授。臨床より研究を優先し、医学論文で教授の座を狙う。伊達とは先輩後輩の関係でライバルであり公然と皮肉を言い合っており、彼女の事は「切り裂くだけの手術馬鹿」と評している。持論は「医者は患者とメスに縛られているほど暇じゃない」。

小山内の手術時の指導医で伊達が腹腔鏡手術の続行が困難だと判断し開腹手術への切り替えを提案した時も「今から切れば評価が下がる」と言ってなかなか開腹手術へ移行しなかったため死亡した。実は緊張時に視野が狭くなる網膜色素変性症を患っており、手術は他の医師に丸投げしている。研究と一人娘のことにしか頭になく看護師たちの評価は悪い。伊達の退職後次期教授の最有力候補になり磐台から任された織部の手術の直前に明日美に娘を誘拐したと脅迫され、一人で執刀することを命令されるが病気の症状で視野が狭くなり手術を放棄する。

また、「私にも家族がいる、根拠のない言いがかりで評価が下がったら困るんだ。」と明日美に吐き捨てた言葉と同じ言葉を織部に言うように明日美から強要される。その後明日美にその映像をネットで流せば娘はどこへ行っても迫害を受けると脅迫されたことで医者を辞め、田舎へと帰った。明日美が命名した標的名はチェシャ猫。

伊達 理沙
演 - 藤原紀香(特別出演)
講師。野心家で消化器外科のエースであり、大学初の女性教授の座を狙っている。持論は「医者は三人殺してからが一人前」。磐台からも期待されており「伊達教授」と呼ばれていた。

小山内は彼女が手術で出来もしない腹腔鏡手術に拘ったため死亡した。オペで死んだ患者のことをいちいち覚えていないと言っておりその性格も明日美に利用される。

自身の栄誉のために最新医療を使った手術を強行するためCT画像をすり替えていたことを公開カンファレンスで暴露され、磐台からも切り捨てられ婚約者・葛城にも見捨てられた。そして明日美が彼女の腹部に父のイニシャルを彫ったことにより発狂、依願退職した。その後は早乙女クリニックで整形外科医をしていると西門に打ち明けるが、実際には早乙女クリニックには在籍しておらず、ひどく荒れた生活を送っており、マンションの住民からクレームが来ていた。

また、明日美への復讐の機会をうかがっており、磐台が主催するパーティー会場で彼女を刃物で刺そうとするも、明日美を庇った悠真を刺してしまう。

その後服毒自殺を図り、意識不明に。明日美が命名した標的名はハートの女王。

磐台 修一
演 - 岩城滉一
教授。院内で絶大な権力を持ち、伊達と親密な関係にあったが、彼女が資料を改竄していた事を暴露され切り捨てる。その後千原に目を掛けるが織部の手術に失敗したことにより伊達と同様に切り捨てる。記者会見にて日向が小山内の無実を証明する旨の発言をし、その内容が磐台を裏切るような内容だったため手を切るも、後日日向に15年前の事件をネタに強請られ、河口湖にある別荘を買い取った。

悠真の死亡後、共謀していた有馬と仲違いし、「裏ルート」の臓器移植に加担したことを西門にリークしようとするが、待ち合わせ場所に向かう途中で何者かに襲われ死亡した。明日美が命名した標的名はアオムシ。

岡村 圭吾
演 - 今井隆文

谷 宏之
演 - 白石朋也

矢吹 徹
演 - 上ノ原正義

高木 哲也
演 - 諒太郎

蛭子 雅人
演 - 六平直政
看護師長。小山内の手術ではオペ看護師を担当し、医療過誤が公にならないように手術資料を改竄していた。持論は「バカと患者は使いよう」。

明日美が一番最初のターゲットとして目をつけ彼を脅迫した。それにより明日美への絶対服従を誓わされる。その後伊達と千原失脚のために明日美の命令で工作を行う。明日美が命名した標的名はハンプティ・ダンプティ。

星野 美羽
演 - 栗山千明
看護師。明るく気だてが良い性格。悠真に惹かれている。明日美と悠真の関係を誤解し、明日美と対立。明日美の過去を調査し磐台に知らせ、明日美と磐台の直接対決の原因となった。しかし、ボイスレコーダーに入っていた会話から誤解が解け、明日美に謝罪した上で、明日美に協力するようになる。

遠藤 由香
演 - 藤井武美

樋口 杏奈
演 - 福吉真璃奈

安達 さやか
演 - 横地尚子

新田 早苗
演 - 羽村純子
オペ看護師器械出し。

その他病院関係者
小山内 孝夫
演 - 眞島秀和
明日美の実父。元小児科教授。伊達の執刀による腹腔鏡下胃全摘術が執り行われるが、執刀する医師は腹腔鏡下の手術経験がなく、腹部内で大量出血しても直ぐに開腹術を行なわなかったために止血が間に合わず術中死する。死亡後、薬剤を横領していたという汚職問題が報じられ、医師としてのキャリアが失墜する。

磐台 悠真
演 - 中村蒼
小児科の研修医で、磐台の息子。院内では数少ない裏表のない優しい性格。明日美に惹かれる。明日美を刺そうとした伊達から彼女を庇い、刺殺される。

西門 優介
演 - オダギリジョー(23歳:安西慎太郎)
毎朝新聞医療部記者。妹の死に疑問を持ち、小山内の汚職を報じた。結果的に嘘を報じた件については明日美には謝罪をし、小山内への償いとして彼女の復讐の手助けをする。

西門 結衣
演 - 庵原涼香
優介の妹。幼少期より重度の肝臓疾患を患い、子供らしい日常生活が送れないまま病気は根治せず病状が悪化していき、9歳のときに他界。

水野 和史
演 - 中村梅雀
孝夫の友人で彼の死後明日美の養父となった、スペイン風バル「バルカンパーナ」店主。店を開く前は、聖林大学附属病院で麻酔科医をしていた。また、これらの事件の黒幕である。孝夫の手術で麻酔を担当していたが、明日美宛てに送られて来た手術看護記録には、名前が載っていなかった。磐台や有馬を殺し、明日美に手術看護記録を送りつけた。また、なお、明日美が養子に引き取ってほしいと言われた時から明日美が復讐しようとしていた事に気付いていた。また、鈴の実父である。

有馬 毅
演 - 國村隼
移植外科教授。医師と患者から信頼を勝ち取っており次期院長の座を狙い、磐台と争う。明日美に目を付けており、彼女に消化器外科医局内の監視をさせている。

娘・鈴の難易度の高い腎移植のため、適合する腎臓を持つ患者を医療ミスに見せかけてわざと殺し、その腎臓を移植するという医者として最大のタブーを犯していた。西門の妹である結衣を殺し、その腎臓を鈴に移植。数多くの患者を手掛けていたのもあくまで「鈴に適合する腎臓を持つ人間を探していた」だけにすぎなかった。西門からは妹の死亡時から怪しいと睨まれており、明日美が有馬に全ての事実を話そうとした際は強硬に止めていた。孝夫の死に関しても磐台とは利害が一致しており、明日美が入手したメールの情報を改竄し、彼女に嘘のメールデータを渡した。

磐台の死亡後最大の復讐相手として対峙。明日美を健太から離し、投薬量を減らしてわざと危篤状態にし、手術によるミスから殺害、その後腎臓を鈴に移植しようとしたが、寸でのところで明日美が阻止。すかさず明日美を日向、磐台の殺人犯に仕立て上げようとするが、その時の様子が監視カメラで院内中に知れ渡ってしまい、計画は頓挫した。また、娘である鈴は、実際には和史から引き取った養女である。尚、有馬夫妻には実の娘がいたが、火事により、亡くなっている。明日美が命名した標的名は白の王。

峰岸 健太
演 - 竹場龍生
重篤な心臓病を患う悠真の担当患者。悠真と明日美に対し仲良くなるが、悠真が死に、明日美も一旦は病院を離れようとした時に一気に体調を崩してしまう。鈴に適合する腎臓を持つ患者であり、有馬から命を狙われていた。

日向 誠
演 - 尾美としのり
聖林大学付属病院顧問弁護士。病院内の医療ミスなどを世間から隠す手伝いをしている。15年前に西門に嘘の情報を掴ませたのも日向の仕業。明日美からのメールにより、15年前の小山内の術中死について彼が記者会見で小山内の死に関して無実だと証明させられたが、磐台と西門を裏切る内容だった。後日西門が書いた記事によって、日向が4人の高齢者の資産家を騙した資産横領疑惑が報じられた。その後磐台と食事をしていた飲食店にて変死体で発見される。明日美が命名した標的名は帽子屋。

田崎 絢芽
演 - 霧島れいか
手塚製薬のMR。磐台とは癒着している。15年前の小山内の医療ミスについて、彼が生前、磐台と言い争っていたという事を西門に証言した。

ゲスト
複数話・単話登場の場合は演者名の横の括弧()内に表記。

第1話
葛城 圭一
演 - 前川泰之
理沙の婚約者。会社経営者。
理沙とは祖父の手術を担当してもらったことが縁で交際していたが、患者を物扱いする彼女の裏の顔を知り、公開カンファレンスで理沙の不正を糾弾し別れを告げて去っていった。

米山 きぬ
演 - 池田道枝
食道狭窄を患う。ナノサージェリーロボット「NOA」の臨床実験に利用される。

第2話
千原 典子
演 - 森谷ふみ

千原 美久
演 - 矢崎由紗
上記2名は千原の家族たち。

織部 紘一
演 - 浜田晃
聖林大学附属病院に多額の寄付をする織部建設社長。千原執刀で胃粘膜下腫瘍切除術のオペを受ける。
しかし千原が手術を放棄したために激怒し、また千原の発言もあって聖林大学附属病院への寄付を一切打ち切ると宣言したが磐台の取り成しでことなきを得る。

第3話
里中 絵梨
演 - 遠野なぎこ
日向の元愛人で日向法律事務所元アルバイト事務員。過去に妊娠していたが、堕ろされた。日向への復讐で明日美と手を組むが、最終的に仲間割れをし、自身でデジタルカメラに記録された動画をネタに日向を脅し、お金を受け取る。

日向 智子
演 - ちはる
日向の妻。

小野 和恵
演 - 高仁和絵
夫・浩平が術後縫合不全に陥り、死亡する。医療過誤があったとして聖林大学附属病院に対して訴えを起こす。

第4話
萩原 光一
演 - 榎木孝明
ヒマラヤ山脈キュンガリ踏破を日本人で初めて成功した登山家。出身は北海道。主治医の磐台とは昔からの知り合い。

山根 勝
演 - おかやまはじめ
治験に参加する患者。進行性胃がんに対する再発を軽減する新薬RX-1を萩原に投薬する前に安全性を確認する目的で実験体として選ばれる。

星野 伸二
演 - 野添義弘
美羽の父。星野フラワー店主。

星野 大輝
演 - 土師野隆之介
美羽の弟で星野家次男。

第5話
横山 重雄
演 - 深水三章
30年前は大手建設会社の建築作業員として従事していたが、アスベスト健康被害に遭ってから体調が悪化していき、建設現場では働けなくなり聖林大学附属病院の清掃員として転職する。主治医は磐台。15年前に小山内が大量吐血し倒れる前に院内の図書室で磐台と会っていたことを西門に証言する。

第6話
三浦 直子
演 - 山本未來(第7話)
聖林大学附属病院看護部手術室主任。15年前に夫が事故で植物状態になり、看病するために小児科から残業がほとんどない手術室に転属する。腕は優れているが人前では決して笑わないことから、周りからは「鉄の女」と呼ばれている。

三浦 幸彦
演 - 加瀬信行
直子の夫。小山内が倒れる半年前に妻と共にエレベーター落下事故に巻き込まれ、その事故によって遷延性意識障害に陥り、15年6か月の間意識が戻らず聖林大学附属病院に入院している。

第7話
有馬 鈴
演 - 藤原令子(第8話 - 最終話)(幼少期:鎌田英怜奈)
有馬の娘。巣状糸球体硬化症を患い、聖林大学附属病院に入院している。実際には、有馬に引き取られた養女であり、実父は水野和史。有馬の死後、人工透析に定評がある病院に転院した。

第9話
有馬 晴子
演 - あめくみちこ(最終話)
有馬の妻で鈴の養母。有馬の死後、実の娘のことを明日美に話した。

スタッフ
シリーズ監修 - 西田征史
脚本 - 橋麻紀、池田奈津子
音楽 - 横山克
演出 - 塚原あゆ子、渡瀬暁彦、平野俊一
演出補 - 八木一介
サウンドデザイン - 石井和之
タイトル - 稲生諭
スタント - 大道寺俊典
特殊造形 - 松井祐一
医療監修 - 岩野歩三
医療指導 - 矢島和人、今井光穂、小林奈々
治験指導 - 吉川史恵
編成 - 時松隆吉
プロデューサー - 高橋正尚、高成麻畝子
協力プロデューサー - 森嶋正也、都築歩
製作著作 - TBS

主題歌:高橋優「太陽と花」(ワーナーミュージック・ジャパン)

各話あらすじ(2014.4.11 - 2014.6.13)全10話 平均視聴率 11.02%
第1話 2014年4月11日「禁断の医療サスペンス!父を殺した医者は誰!?壮絶な復讐が始まる」 ※(22:00 〜 23:09)
 大学病院にやって来た新人外科医・明日美(上野)は、そこで正義感あふれる看護師・美羽(栗山千明)、心優しい小児科医・悠真(中村蒼)、患者本位の治療を第一に考える教授・有馬(國村隼)と出会う。しかし、患者に寄り添う彼らのようなスタッフがいる一方で、この大学病院には「ある闇」があった。それは、患者を出世や研究の道具としてしか見ない医師やスタッフたちとその体質だった。患者はマウスと言ってはばからない理沙(藤原紀香)、患者より研究第一の千原(田中直樹)、そんな彼らの上に王者のように君臨し采配するのは教授・磐台(岩城滉一)だった。明日美は、彼らを冷静に鋭く観察する。そんな明日美には、ある秘密があった。それは15年前、優しかった父親(真島秀和)を手術中に亡くしていたことだった。病院側は医療ミスではないと主張したが、明日美の元に何者かによって父親の手術看護記録が送られてきた。それは2枚あり、1枚は明らかに偽造されたものだった。そして、その病院こそが、この大学病院だったのだ。

第2話 2014年4月18日「野心家に悲しみの報復を」
 明日美(上野樹里)の父親の手術のとき、指導医をしていた千原(田中直樹)は、医局で次期教授候補として頭角を現していた。しかし看護師や他の医師からの、千原の評判は最悪なものだった。千原は、3カ月も通院している患者でさえ経過観察の判断しか下さず、入院中の患者の急変にも時間外だからと構おうとしなかった。また、手術経験が乏しいと思われないように、最初の皮膚切開だけを行い、後は助手に任せるという一面も持ち合わせていた。そんな彼の頭の中は出世と研究、そして溺愛している娘のことだけだった。そんな折、千原の元に教授・磐台(岩城滉一)直々の手術要請が入る。千原に大きな手術実績がないことを危惧した磐台は、大学病院に多額の寄付をしている特別患者の手術を千原に任せる。だがその手術前日、千原の元へ「娘を誘拐した」という電話が入る。

第3話 2014年4月25日「復讐崩壊裏切りと禁断の罠」
 病院の顧問弁護士・日向(尾美としのり)は、愛妻家で弱者の味方と賞賛される敏腕弁護士で、都知事選への立候補も取り沙汰されていた。だが、日向は孝夫(眞島秀和)への医療ミス隠しを医師たちに指示した上、薬の横流しという冤罪(えんざい)までなすりつけた男。彼の出馬が許せない明日美(上野樹里)は、日向をべた褒めする記事を書いた西門(オダギリジョー)には相談できず、日向の元愛人・絵梨(遠野なぎこ)を使い復讐に挑むことにする。

第4話 2014年5月2日「復讐完結禁断の新薬実験」
 教授・磐台(岩城滉一)は、胃がんの再発予防に画期的な新治療を発表したことにより、医薬情報担当者(MR)たちの間で話題になっていた。自社の薬を売り込もうとするMRたちに対して、磐台は耳を貸さなかったが、唯一、製薬会社の田崎(霧島れいか)だけは特別視していた。一方、西門(オダギリジョー)は、15年前明日美(上野樹里)の父・小山内(真島秀和)が死亡したのは医療ミスではないのかと磐台に尋ねる。しかし磐台は「証拠がなければ事実はないのと同じ」とはぐらかす。その態度から、磐台こそ黒幕だと確信した西門は、そのことを明日美に伝えると、彼女は磐台の息子で研修医の悠真(中村蒼)から情報を聞き出すと言う。そんな折、製薬会社による治験のミーティングで、田崎は進行胃がんの術後再発リスクを抑える「RX−1」という新薬の治験を行うため、条件に適合する患者をできるだけ多く集めてほしいと医局員たちに依頼する。また、その席で磐台が、自分の患者である登山家・萩原(榎木孝明)も治験に参加させると伝えた。その言葉に、新薬を投与するにはデータ不足だと意見するスタッフもいたが、そこで磐台は、ある指示を出す。

第5話 2014年5月9日「暴かれる父の死のすべて」
 西門(オダギリジョー)は、明日美(上野樹里)の父・小山内(真島秀和)が亡くなる数日前、小山内と磐台(岩城滉一)が言い争っていた事実をつかんだ。小山内が亡くなった日のことを詳しく明日美に聞くと、命に別状のない胃潰瘍の診断だったが、緊急手術をすることになり、その手術は当時ではかなり難易度の高い腹腔(ふくくう)鏡を使ったものだったと答える。何か引っ掛かりを感じる西門は、当時のことを聞けそうな人はいないか明日美に尋ねると、彼女は蛭子(六平直政)を呼び出し、15年前の父親の手術のことを聞き出す。さらに明日美は、事実を探るため磐台の息子・悠真(中村蒼)に接近する。

第6話 2014年5月16日「冷酷非情父を殺した、鉄の女」
 明日美(上野樹里)は、磐台(岩城滉一)の別荘で手に入れた手掛かりを元に、直子(山本未来)という看護師に近づく。しかし磐台と裏でつながっている可能性があるため、西門(オダギリジョー)は明日美に警戒を促す。直子は手術専門の看護師で、器械出しの腕は一流だが、人付き合いを嫌い、病院で寝泊まりし、患者にさえ笑顔を見せない人物だった。やがて明日美は、直子の夫が植物状態で、長期にわたって大学病院に入院している事実に行き当たる。一方、磐台は、明日美が磐台の息子・悠真(中村蒼)と一緒に別荘を訪れていたことと、これまで病院内で起こった数々の事件から、それらに明日美が関わっているのではないかと疑う。そこで磐台は、彼女と仲の良い看護師・美羽(栗山千明)を呼び出し、明日美のことを聞く。それを不審に思った美羽はその理由を磐台に尋ねると、磐台は「息子の嫁としてふさわしいかどうか見極めたい」と語る。それを聞いた美羽は、自分の気持ちを知りながら悠真に近づく明日美に怒りを覚える。

第7話 2014年5月23日「蘇る女!復讐には復讐を」
 教授・磐台(岩城滉一)に正体を知られて焦りを隠せない明日美(上野樹里)は、改ざんされた父親の手術看護記録を教授・有馬(國村隼)に渡す、と西門(オダギリジョー)に伝える。簡単に病院側の人間を信用するなと忠告する西門の言葉を聞き入れず、二人は対立してしまう。その夜、西門は、あるバーで女性に声を掛けられる。その女性は伊達(藤原紀香)だった。伊達は、今は美容外科で医師をしていると話す。そんな折、明日美の元に悠真(中村蒼)から連絡が入る。磐台からの伝言で、ゆっくり話がしたいから夕食に招待したいということだった。一方、西門の元に伊達から呼び出しの電話が入る。

第8話 2014年5月30日「復讐の女再び…狂気のオペ計画始動」
 教授・磐台(岩城滉一)たちの懸命な救命にも関わらず、悠真(中村蒼)は帰らぬ人となった。力なく手術室から出てきた磐台とショックを隠せない美羽(栗山千明)から、明日美(上野樹里)は責められ、言葉が出ない。ぼうぜん自失で自宅へ帰ると、悠真を巻き込んでしまった自責の念に駆られ部屋に閉じこもってしまう。そんな明日美を心配する水野(中村梅雀)だが、どう接していいか分からず、手をこまねいていた。一方、明日美を心配する西門(オダギリジョー)が病院を訪れると、有馬(國村隼)の娘・鈴(藤原令子)から声を掛けられる。

第9話 2014年6月6日「最終決戦屈辱・裏切り・逆転!そして希望の明日」
 教授・磐台(岩城滉一)の亡き後、消化器外科の教授も兼務することになった有馬(國村隼)は、健太(竹場龍生)の手術を行うことを発表した。有馬は、岡村(今井隆文)に健太の執刀医を頼みたいと告げる。そして、有馬自身はシンガポールの大学に客員教授として招かれることになったことを伝える。一方、有馬が健太の腎臓を狙っていると確信する明日美(上野樹里)と西門(オダギリジョー)は、健太の手術を阻止するすべを考え悩んでいた。恐らく、15年前に有馬が娘・鈴に移植した臓器は、娘の移植手術当日に亡くなった患者のものだと推測する明日美の言葉を受けて、西門は、手術が行われた日を聞き出すために鈴(藤原令子)を訪ねる。だが、調べ始めた西門は、意外な事実を知ることになる。

最終話 2014年6月13日「真実の残酷な棘−それぞれの光」
 西門(オダギリジョー)から「君を裏切ろうとしている」という電話を受けた明日美(上野樹里)は、西門が有馬(國村隼)を追って向かっている空港へ急ぐ。しかし、明日美が到着した時、空港は思いも寄らぬ事態になっていた。この事件を裏で操っている「黒幕」を暴くことが、全ての謎を解き明かす鍵になる。たくさんの人の人生を混乱させ、一人のうのうと生きている人間を必ず追い詰めると宣言する明日美は、緻密な計画の下、ついに動きだす。「父を殺害したのは、誰だ」その疑問が明らかになったとき、明日美の15年間の復讐(ふくしゅう)計画が、ついに終わりを迎える。

各話視聴率


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