主演は原田知世で2011年度の連続テレビ小説『おひさま』以来のNHKドラマ出演となり、病弱だが優しく美しいヒロインの母親役から一転して今作ではある出会いをきっかけにパート先の銀行から1億円を着服して海外に逃亡してしまうという役どころに挑戦する。脚本は同局のドラマ『胡桃の部屋』や『眠れる森の熟女』を手掛けた篠崎絵里子。全5回。
キャッチコピーは「一億円横領。41歳主婦。」
概要
1億円もの金を横領し海外逃亡した主婦・梅澤梨花を、かつて清純派女優として席巻した原田知世が演じる連続ドラマ「紙の月」。
比較的裕福な家庭で育ち、金銭的に不自由のない暮らしをしていた主婦が、誰かに必要とされたいという心の渇きから、借金を抱えた青年のために堕ちていく様を、異常なまでの倹約家の岡崎木綿子、買い物依存症の中条亜紀という2人の友人の視点も交えながら赤裸々に描き出す。
梨花の複雑な心理を、見事な表情で演じる原田の熱演が光る。原作は、直木賞作家・角田光代の同名小説。
原作
『紙の月』(かみのつき)は、角田光代による日本のサスペンス小説。学芸通信社の配信により『静岡新聞』2007年9月から2008年4月まで連載され、『河北新報』『函館新聞』『大分合同新聞』など地方紙に順次連載された。2012年、第25回柴田錬三郎賞を受賞。
キャスト
梅沢梨花 - 原田知世
夫の何気ない言動に傷つけられてきた主婦。銀行へパートに出ることで居場所を見つけ、次々と顧客から信頼を得ていく。大金持ちの顧客の孫ながら借金を抱える光太と出会い、役に立ちたい一心で顧客の金に手を付け始める。
梅沢正文 - 光石研
梨花の夫。裕福だった梨花の実家にコンプレックスを持つ。無神経さと無理解から妻を傷つける言動をとる。
岡崎木綿子 - 水野真紀
梨花の高校時代の友人。異常なまでの倹約家で、それが原因で夫や娘とうまくいかなくなる。
中条亜紀 - 西田尚美
梨花の高校時代の友人。買い物依存症が原因で離婚、一人娘の親権も失っている。
平林孝三 - ミッキー・カーチス
銀行の上得意の大地主。親族には一切お金を渡さないが、梨花の気を引こうと大金を預けていく。
平林光太 - 満島真之介
孝三の孫。自主制作映画にのめり込む学生。梨花に惹かれる一方で、多額の借金に苦しむ。
名護たま江 - 富士真奈美
梨花の顧客。梨花に全幅の信頼を寄せる一方で、実の娘が自分のお金を狙っていると被害妄想を抱いている。
スタッフ
脚本 - 篠崎絵里子
音楽 - 住友紀人
演出 - 黛りんたろう、一色隆司
制作 - 近藤晋(Shin企画)、遠藤理史(NHK)、海辺潔(NHKエンタープライズ)
プロデューサー - 大越大士(Shin企画)
製作著作 - NHK
主題歌 - マイア・ヒラサワ「子守唄」(ビクターエンターテイメント)
各話あらすじ 平均視聴率 6.78%
第1話 2014年1月7日「名前のない金」ラテ欄「まじめな主婦がなぜ一億円を横領したのか?」 視聴率 6.5%
女子高の同窓会で再会した木綿子(水野)と亜紀(西田)は、二人の親友だった梨花(原田)が起こした事件を信じられずにいた。梨花はパート先の銀行から1億円を横領し、海外に逃亡中だったのだ。会社員の夫・正文(光石研)との二人暮らしを穏やかに過ごしていた主婦が、なぜ他人の金に手をつけたのか。それは梨花が担当する顧客・平林(ミッキーカーチス)の家で、平林の孫・光太(満島真之介)と出会ったのがきっかけだった。
第2話 2014年1月14日「満たされた渇き」 ラテ欄「一途な若者との出会いが主婦を変えていく」 視聴率 6.2%
梨花(原田知世)は銀行の資格試験に合格し、フルタイムで働き始める。その給料でペアウオッチを買い、夫・正文(光石研)にプレゼントするが、何かにつけて梨花を見下す夫は、さりげなく腕時計をけなす。一方、梨花への憧れをストレートに表現する光太(満島真之介)から食事に誘われ、梨花が何げなく「変わりたい」と口にすると、光太は強い口調で「そのままの梨花さんでいて」と言う。それは、梨花が心から欲していた言葉だった。
第3話 2014年1月21日「清らかな罪」ラテ欄「愛が金銭感覚をマヒさせて」 視聴率 8.0%
借金を肩代わりしたことに光太(満島真之介)が後ろめたさを感じないよう、金持ちの演技を続ける梨花(原田知世)は、ゴールデンウイークを、光太と高級ホテルで過ごすことにした。だが、横領が明るみに出るかもしれないという恐怖から、顧客に異変がないか確かめなくてはと、居ても立ってもいられず、ゆっくり休むことも許されない。そんな中、自宅で預金証書を偽造しているところに突然、上海に単身赴任中の正文(光石研)が帰宅する。
第4話 2014年1月28日「楽園の終わり」ラテ欄「誰を裏切り、誰に裏切られたのか…?」 視聴率 5.6%
高級ホテルでのあいびきに慣れた光太(満島真之介)から「梨花(原田知世)さんと普通の時間を過ごしたい」と言われ、梨花は光太と住むためのマンションを新たに借りる。夫・正文(光石研)とは決して持てなかった、平凡な時間に充足感を覚える梨花だが、「お金のために、あくせく働くなんて、ばからしい」とつぶやく光太に心がざわつく。一方、正文から帰国後の話を切り出された梨花は、もはや正文との未来が想像できないことを自覚する。
最終話 2014年2月4日「誰のための愛」ラテ欄「主婦が求めたものは…」 視聴率 7.6%
光太(満島真之介)に若い恋人がいると知った後も、梨花(原田知世)はそのことを告げずに関係を続けていた。そんな折、正文(光石研)が上海での単身赴任を終え帰国することに。もはや正文との生活を想像できない梨花は光太との将来を相談したいと願うが、光太に会うことを拒否され、がくぜんとする。そして、銀行に監査が入ることが決まった。10日間の休みを命じられた梨花は、全ての記録を燃やし、海外逃亡を企てる。
番組公式サイト
(紙の月 - Wikipedia)
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