概要
瀬戸内の島々を舞台に、医師がいない島を巡航する診療船に乗る医師と、地元の人々との交流を描いたヒューマンドラマ。
ストーリー
瀬戸内海の医師がいない島々を巡る海診丸に、新たに瀬崎航太(松田翔太)が赴任してくる。医療の腕は一流だが、診療にも真面目に取り組まず、その上女性好き。そんな瀬崎に対して、看護師の戸神眞子(武井咲)は筋が通っていないことが嫌いという性格から毎日いらだっていた。瀬崎は診療のために訪れる島々で女性に恋をし、彼女たちが抱えている問題解決のために全力を尽くしていく。
キャスト
海診丸
以下の説明では便宜上、海診丸を船として記載する。瀬戸内海の無医島へ出向き、遠く離れている本土に治療に行くことも困難な人たちを診療する巡回診療船。
瀬崎 航太(せざき こうた)〈29〉
演 - 松田翔太
年配者から若年層まで、あらゆる年代の女性に優しい態度を見せるフリーランスの医師。ある事情で自分を追い掛け続ける女性・輝から逃れようと、自身の嫁探しを兼ねて、離島での医療に携わろうと海診丸に着任した。的外れに見える診療や、治療に必要と思われる薬を出さない方針に、看護師の戸神からは着任早々医師としての資質に疑念を持たれる。それでも、医師として確かな知識と腕前を持つため、結果として患者の症状の治癒につながっている。
停泊する島々で診察などを通じて若く美しい独身女性(ドラマ上のマドンナ)と出会うたびに、「マドンナと結婚したい」との思いが強いあまり、他の乗員を前に「今日限りでこの船を降りて島で暮らします」と宣言してしまう。しかし、「マドンナ」に婚約者がいることが分かったり、さまざまな事情で「マドンナ」と別れたりすると、「もう船を降りるなんて言いません。これからは治療に専念します」と言いながら船内で激しく落ち込む。もっとも、そのような行動を繰り返すうちに、「海診丸にずっといたい」と思うようになっている。
戸神 眞子(とがみ まこ)〈23〉
演 - 武井咲
看護師。プリンが大の好物だが、怒らせると怖い。初対面で風呂上がりの姿をたまたま航太に見られたことから、彼に向っていきなり跳び蹴りを食らわすという「最初の最悪の出会い」を経験する。その後は、航太の突発的な意味不明な行動に振り回されながらも、事あるごとに彼の頭をスリッパではたいて諌めている。
内村 葵(うちむら あおい)〈39〉
演 - 藤原紀香
内科医。晃の妻で、夫のことを「晃君」と呼ぶ。日常の会話はもっぱら大阪弁。夫婦共通の趣味として、船内で社交ダンスを楽しんでいる。
三崎 昇(みさき のぼる)〈21〉
演 - 福士蒼汰
看護師。航太に海診丸のスタッフを紹介する手書きのメモを渡すなど、着任早々の航太に好意的に接する。
日内 晃(ひうち あきら)〈37〉
演 - 荒川良々
事務長で葵の夫。海診丸の最高責任者として、半年間の医師募集の末に着任した航太を引き留めようと手を尽くす。事あるごとに船内の経費の使い方などに目を光らせる一方で、海診丸を運営する病院の理事長には頭が上がらない。
山中カルロス洋平(やまなか カルロス ようへい)〈30〉
演 - 植野行雄(デニス)
ブラジル出身の航海士。宮母島への停泊中に、航太を追っていた輝と遭遇したことで、彼女に一目惚れしてしまう。
前島 邦宏(まえじま くにひろ)〈32〉
演 - 土屋裕一
機関長。仕事のかたわら、海診丸のブログを運営している。
海藤 剛(かいとう たけし)〈48〉
演 - 寺島進
船長兼料理長。「花園の暴走機関車」と呼ばれた元ラガーマンで、子だくさんの父親。航太が「今日限りでこの船を降ります」と口走るたびに、送別会を開こうとする。
その他
羽鳥 輝(はとり ひかる)〈年齢不詳〉
演 - 戸田恵梨香
かつて航太に求婚したとされる女性。婚約者だった真也と別れたばかりの頃に、東京都内の病院へ勤務していた航太と、会社の健康診断を通じて知り合う。やがて、航太と酒席を共にすると、真也との結婚を前提に署名した婚姻届を酒の勢いで航太に渡してしまう。しかし、そこで「自分は男性である」という嘘をついたために、嘘を真に受けた航太は輝から逃れようと職場を転々とする。
輝自身は、自分の前から逃げ回る航太の足取りを、さまざまな手段で追跡していた[注 2]。海診丸のブログを通じて、航太の現在の勤務先が海診丸であることを突き止めると、船を訪れて航太と再会[注 3]。自分が女性であることや、酒の勢いで求婚に至った事情を打ち明けたうえで、真也とよりを戻した。
瀬崎 玲子(せざき れいこ)〈49〉
演 - 麻生祐未
小料理屋の女将で、航太の母親。海診丸に乗船中の航太から、頻繁に手紙を送られている。ある事情から、2013年中に小料理屋を閉めようと決めている。
高瀬 信吉(たかせ しんきち)
演 - 倉科岳文
小料理屋の常連客。
スタッフ
脚本 - 徳永友一
音楽 - 神坂享輔
演出 - 中江功、谷村政樹、野舞、高橋貴司
構成協力 - 桑村さや香、高橋かづゆき
演出補 - 高橋貴司、田澤裕一、大畑真治、木村洋
音楽プロデュース - 千葉篤史
アニメーション - 鉄拳
ミュージックエディター - 小西善行
サウンドエディター - 伊東晃
CGプロデュース - 冨士川祐輔
CGディレクター - 三塚篤
VFX - 落合信人、Peco
フードコーディネーター - はらゆうこ
スタントコーディネーター - 田渕景也、釼持誠
太鼓指導 - 湯澤元一(第1話)
方言指導 - 西村奈歩(第3話)、中宅間敏彰(第5 - 6話)、藤沢美里、田中愛(第9話)、合田絢子、宇都宮一基、関清剛(第10話)
特殊メイク - 松井祐一(第9話)
ダンス監修 - StudioR六本木ヒルズ店
ダンス振付 - 武田まゆみ
船舶協力 - 木村尚和、天本壽人
医療監修 - 松本尚、原義明、増田幸子、新村核
医事取材協力 - 高田哲也、茨木保、荻田和秀
看護指導 - 石田喜代美
協力 - 瀬戸内海巡回診療事業推進事務所
プロデュース - 藤野良太、古屋建自
ラインプロデュース - 柴田圭子
プロデュース補 - 秋山八重子
制作著作 - フジテレビ
主題歌:太陽の女神/家入レオ(ビクターエンタテイメント)
各話あらすじ(2013.10.14 - 2013.12.23)全11話 平均視聴率 11.24%
第1話 2013年10月14日「瀬戸内海の美しい島々を巡る病院船の物語が今始まる」 初回15分拡大(21:00〜22:09)
瀬戸内海の島々を舞台に繰り広げられるヒューマンラブストーリー。優秀な医師でありながら、女性にほれやすい瀬崎航太(松田翔太)を中心に、医師や看護師の物語を島々にまつわるエピソードとともに描く。初回は時間を拡大しておくる。脚本・徳永友一、演出・中江功ほか。 瀬戸内海の無医島を巡り、医療サービスを行う診療船「海診丸」では、医師やスタッフが共同生活を送っていた。ある日、海診丸にフリーランスの総合診療医・航太(松田)がやって来ることに。看護師の真子(武井咲)、内科医の葵(藤原紀香)ら海診丸のスタッフは、航太の歓迎会を準備する。だが、約束の時間より大幅に遅れてきた航太は、風呂上がりの真子に出くわし、不審者と間違われて蹴り飛ばされてしまう。翌朝、あらためて自己紹介した航太は、早速、実務に就く。訪れた島で、航太は往診の帰りに、墓石の前で涙を流す美月(加藤あい)に心を奪われる。
第2話 2013年10月21日「ちいさな島の小学校・たった1人の生徒と先生の絆」
航太(松田翔太)がいる診療船・海診丸は、人口150人ほどの美沖島を訪れる。そこへ、島の教師・薫(篠田麻里子)が、たった1人の児童・遼(高木星来)を連れて検診にやって来る。薫は、島の小・中学校の教師だが、現在、中学校には生徒がいないため休校で、学校には10歳の遼だけが通っていた。以前は本土で教師をしていた薫は、持病のぜんそくが悪化して、教師を辞めるべきか悩んでいたところ、島の役場に勤める増田(八十田勇一)に声を掛けられて島に来たという。だが、空気が奇麗なこの島に来てからも、薫の病気は悪化する一方。村長で遼の祖父・憲造(勝部演之)は、授業や学校行事を休むことも多い薫に見切りを付け、別の教師を探すよう増田に命じていた。薫は、海診丸の待合室でも発作を起こして倒れてしまう。薫に一目ぼれした航太は、翌日の遠足に同行する。
第3話 2013年10月28日「瀬戸の花嫁」
浮之島を訪れた航太(松田翔太)と真子(武井咲)は、昨年、大腸がんの手術を受けていた千鶴(いしだあゆみ)を往診する。そこで出会った千鶴の娘・里花(夏帆)は、航太たちに、千鶴が認知症だと教える。里花は千鶴と折り合いが悪く、5年ぶりに帰郷したばかりで、ヘルパーから手術を受けたことと認知症のことを聞かされたという。その際、真子は、白無垢(むく)姿で渡し船に乗っている千鶴の写真に気付く。この辺りの島では、花嫁は白無垢姿で渡し船に乗り、嫁いでいく習わしがあるという。千鶴の検査結果を聞くため、航太たちと海診丸へ向かった里花は「結婚して母が夢見ていた白無垢姿を見せてあげたかった」とこぼす。航太は里花に「力になりたい」と申し出る。そして、検査結果を聞いた里花は航太を連れ出し、「私と結婚してください」と言う。
第4話 2013年11月4日「美人研修医は超ワガママお嬢様!?」
事務長の日内(荒川良々)の元に、海診丸を運営する本院から電話が入る。本院で研修医をしている理事長の娘みちる(瀧本美織)が、研修医生活最後の1カ月を、海診丸で過ごすことになったという。程なく、やって来たみちるは、いきなり船内の医療設備の不足を指摘。彼女はなぜか航太(松田翔太)に興味を示し、指導医を航太にしてほしいと日内に頼む。みちるに一目ぼれしてしまった航太は、診察中も彼女を意識。一方、みちるは、海診丸の活動を批判するような発言を繰り返し、真子(武井咲)の怒りを買っていた。真子は日内に詰め寄り、みちるが海診丸に来た本当の理由を聞き出す。
第5話 2013年11月11日「みかんがつなぐ家族の絆」
宮母島を訪れた航太(松田翔太)ら海診丸の面々は、東京のテレビ局から取材を受けることになる。番組は、フリーアナウンサーで宮母島出身の絵里子(安達祐実)がリポーターを務めていた。事務長の日内(荒川良々)は本院から、航太に取材を受けさせるよう指示されていたが、航太はなぜか了承しない。翌朝、やって来た絵里子は、航太を取材できないと知り落胆するが、風邪をひいているという彼の体調を気遣う。そんな絵里子に魅了された航太は、急に取材を受けると言いだす。航太たちが往診に行くと知った絵里子は、彼女の父・繁(田村亮)を診察する予定はあるかと尋ねる。繁は半年ほど前に脳梗塞で倒れて本土の病院に入院していた。だが、妻・芳江(浅田美代子)が医者は信用できないと言い、島に連れ帰ってしまったという。事情を知った航太は、真子(武井咲)と共に、絵里子の実家を訪れる。
第6話 2013年11月18日「元ヤン介護士、離島介護に懸ける夢」
鳴美島を訪れた海診丸に、介護士の泉(北乃きい)と萌絵(小林きな子)が勉強のためにやって来る。泉と萌絵は真子(武井咲)の友人で、もともと本土の介護施設で働いていたが、1年ほど前に泉が独立。鳴美島で会社を立ち上げたのだという。航太(松田翔太)と真子は、登美子(草村礼子)の家へ往診に行く。泉たちも、真子に頼んで同行するが、泉たちは登美子の前に顔を出さない。そこへ登美子の息子・和俊(菊池均也)が現れ、泉たちに気付くと、出ていけと怒鳴る。実は2週間ほど前、泉は訪問介護中に、登美子にやけどを負わせてしまったのだ。怒った和俊は、泉の会社との契約を解除し、登美子を施設に入れることにしたらしい。しかも、泉たちの会社の介護は乱暴だといううわさを島中に流したため、契約解除が相次いでいるという。
第7話 2013年11月25日「謎の女ついに登場!海診丸最大の危機」
航太(松田翔太)の行方を追い続けていた輝(戸田恵梨香)が、海診丸にやって来る。輝の姿を見た航太は慌てふためき、真子(武井咲)たちに事情を話して助けを求める。航太が輝と出会ったのは、ある企業の健康診断の時だった。勤務先の病院からその企業に派遣された航太は、診察中に逃げ出した輝のことが気になり、追い掛けた。輝が恋人と別れた直後だと知った航太は、慰めようと食事に誘い、意気投合。輝から結婚を申し込まれたという。航太は、結婚することを母・玲子(麻生祐未)に報告し、輝を紹介しようと、玲子の住む北海道へ向かった。だが、その道中、輝から衝撃の告白を受け、激しく混乱した航太は逃げ出したのだ。以来、航太は輝から逃れるために各地の病院を転々とし、海診丸にたどり着いたらしい。日内(荒川良々)は、航太と真子が交際していることにして、輝を諦めさせようと思い付く。
第8話 2013年12月2日「憧れの先輩と再会!看護師昇の恋!?」
航太(松田翔太)たちの海診丸は、伊久島を訪れる。そんな中、真子(武井咲)が風邪をひいて寝込んでしまい、航太は事務長の日内(荒川良々)から彼女の看病を命じられる。航太が真子を診察していると、そこへやって来た昇(福士蒼汰)は診察の様子を見て、二人がキスをしていると勘違いする。昇は大きなショックを受け、そのことを葵(藤原紀香)に打ち明ける。そんな昇の元に、学生時代のアルバイト仲間・亜希(佐々木希)が訪ねて来る。航太は、いつものように亜希に一目ぼれしてしまう。昇は、仕事が終わったら連絡をすると亜希に告げ、航太を引っ張って往診に出掛ける。往診が終わり、航太から早く亜希に連絡を取るように言われた昇は、亜希には婚約者がいることを航太に告げる。
第9話 2013年12月9日「母になる妹へ」
航太(松田翔太)たちの海診丸は、細女島を訪れる。その朝、航太たちは、日内(荒川良々)の様子がおかしいことに不審を抱く。こそこそとメールをしていた日内は、急用ができたといって、出掛けていく。真子(武井咲)に命じられ、航太と昇(福士蒼汰)は日内の後を追う。すると、日内は旅館で若い妊婦・巴(榮倉奈々)と密会していた。驚いた航太たちは、日内の妻・葵(藤原紀香)にうそをつこうとするが、結局、事情を知られてしまう。怒りに震えて旅館に乗り込んだ葵だったが、巴は葵の妹だった。巴は親元を飛び出して恋人の星野(石黒英雄)と同居し、妊娠したらしい。星野とけんかをして家を出た巴は、お金に困り日内に連絡したのだ。葵は巴を厳しく非難するが、巴は反発し、航太を味方に付ける。
第10話 2013年12月16日「ついに最終章!!Drコータの選んだ結末とは!?」
航太(松田翔太)は日内(荒川良々)から、「船を下ります」宣言を禁じられる。さらに日内は、海診丸のメンバーに徹底した経費削減を指示する。皆は混乱するが、日内はその理由を言わなかった。釈然としない中、航太と真子(武井咲)は、来年から海診丸の巡回ルートになる誉島の診療所を訪れる。海診丸が、この島の集団検診を受け持つことになり、患者の情報を共有するためだった。その診療所で、航太は研修医時代の指導医・晴子(水野美紀)と再会。誉島出身の晴子は、以前から故郷の島で診療所を開くことを夢見ていた。だが、医師としての腕を買われ、間もなく東京にある病院に赴任するという。それが原因で晴子は、両親を亡くしてから面倒を見てくれていた漁協長・久松(清水コウ治)から厳しく非難されていた。事情を知った航太は、晴子が東京の病院に戻ることに疑問を抱き、彼女に会いに行く。
最終話 2013年12月23日「聖夜に起こる海の上の奇跡!ついに感動のフィナーレ!」 ※「ソチオリンピック日本代表最終選考会(19:00〜21:45)」放送のため、開始時間変更(21:45〜22:39)。
航太(松田翔太)がいなくなり、海診丸は静まり返っていた。海診丸のメンバーは、それぞれ航太のことを心配するが、連絡も取れないままだった。そんな中、日内(荒川良々)の部屋から、葵(藤原紀香)が人事通達書を発見し、メンバーは一斉に日内を問い詰める。そして、日内が副理事長・真希(高橋ひとみ)の指示で、契約期間満了に伴い、航太を退去させたことが判明する。メンバーは口々に日内を非難し、真子(武井咲)は直接、真希と話をしたいと詰め寄る。だが日内は、海診丸の運営に反対な真希を刺激しては、存続さえ危ぶまれると語る。日内がメンバーの説得を試みていると、当の真希が乗り込んでくる。その頃、航太は、将来は海診丸の看護師として働きたいという少女・歩(須田琥珀)の家で、具合の悪い歩の祖父・典夫(中丸新将)の診察を行っていた。
各話視聴率
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(海の上の診療所 - Wikipedia)
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