概要
原作はかつて映画化等の実写化(『夫婦善哉』)はされたが、連続ドラマ化されるのは今回が初めてで、2007年に発見された未映像化の続編「続夫婦善哉」を含めた新解釈を盛り込み、連続テレビ小説『ちりとてちん』・大河ドラマ『平清盛』などの執筆で知られる藤本有紀の脚本により制作される。
撮影は2013年4月中旬から6月下旬にかけ、NHK大阪放送局と関西近郊をロケ地として行われる。
ストーリー
連日のように借金取りが押しかける一銭天麩羅(てんぷら)屋の娘・蝶子(尾野真千子)は、貧乏な生活を嫌い、親の反対を押し切って曽根崎新地のお茶屋で女中奉公に出る。下積みを経て、いつしか陽気な蝶子のお座敷は評判を呼び、北新地の人気芸妓へ成長する。しかし、化粧品問屋の御曹司で放蕩(ほうとう)者の維康柳吉(森山未來)に惚れ込んでしまった蝶子は芸妓の道を捨て、柳吉と生きることを決意する。一方、柳吉は勘当されてしまい、ほとぼりが冷めるまでと向かった温泉宿で関東大震災に被災する。再び大阪に戻り、二流芸者として生活を支える蝶子だったが、柳吉はなけなしの貯金を一晩で散在してしまう。
登場人物
柳・蝶・種・藤・梅・桐・松・鶴・菊など花札に関連する文字を使った名前が多いが、その中には原作にはいない人物や、名前をつけられた登場人物もいる。
維康柳吉(これやす りゅうきち)
演:森山未來
本作の主人公。老舗化粧品問屋・維康商店の若旦那だが、放蕩の日々を送っている。
蝶子(ちょうこ)
演:尾野真千子
本作のもう一人の主人公。北新地の人気芸妓。貧乏が嫌いで陽気な性格。
種吉(たねきち)
演:火野正平
天ぷら屋を営む蝶子の父。
お辰(おたつ)
演:根岸季衣
蝶子の母。
信一(しんいち)
演:久野雅弘
蝶子の弟。
小河童(こがっぱ)
演:青木崇高
蝶子の幼馴染。材木屋の跡取り。
河童(かっぱ)
演:団時朗
「梅の屋」女将(うめのやおかみ)
演:山村紅葉
維康藤子(これやす ふじこ)
演:田畑智子
柳吉の妹。
金八(きんぱち)
演:佐藤江梨子
蝶子の同僚。
維康半兵衛(これやす はんべえ)
演:岸部一徳
柳吉の父。
桐介(とうすけ)
演:大東駿介
柳吉の妹・藤子の婿養子。
文子(あやこ)
演:青山美郷
柳吉の娘。
松川
演:茂山逸平
柳吉の問屋仲間。
鶴田
演:桂吉弥
柳吉の問屋仲間。
番頭
演:平田満
維康商店の番頭。放蕩三昧のぼん柳吉を蔑んでいる。
草楽(そうらく)
演:草刈正雄
売れない噺家。柳吉と蝶子に2階を間借りさせている。
おきん
演:麻生祐未
蝶子の元先輩芸妓で現在はヤトナ斡旋業をしている。
らっきょ
演:バッファロー吾郎A(第2話〜)
菊代
演:村川絵梨(第3話)
「玉初」女将
演:松田美由紀(最終話)
「ダンスホール」支配人
演:中原丈雄
千代太郎
演:若井みどり
矢橋屋
演:オール阪神(第1話)
法善寺横丁の八卦見(はっけみ)
演:オール巨人(第3話・最終話)
スタッフ
原作 - 織田作之助『夫婦善哉完全版』 雄松堂書店刊
作 - 藤本有紀
音楽 - 金子隆博
語り - 富司純子
制作統括 - 櫻井賢
演出 - 安達もじり
制作協力 - 東映太秦映画村
各話あらすじ 平均視聴率 7.35%
第1話 2013年8月24日「芸妓とぼんちが出会うて惚(ほ)れて ああしてこうしてこうなった」 ラテ欄
「あほな男女の踏んだり蹴ったり泣き笑い人情喜劇」 視聴率 6.2%
貧しい天ぷら店の種吉(火野正平)とお辰(根岸季衣)の娘・蝶子(尾野)は、親の反対を押し切り、憧れの芸者となったのもつかの間、化粧品問屋の息子・柳吉(森山)と出会い、恋に落ちる。柳吉は、日頃の道楽ぶりから、父・半兵衛(岸部一徳)に勘当を言い渡される。そして柳吉と蝶子は、駆け落ちする。柳吉に何度も裏切られ、踏んだり蹴ったりの人生だが、蝶子は愛と機転で乗り越えていく。駄目な男と、あほうな女の笑って泣ける流転人生が始まる。
第2話 2013年8月31日「親の愛でも手切れ金でも切れぬ心が仇(あだ)となる」 ラテ欄「あほな女が地獄で出会う親の愛あほな男に蝶子爆発」 視聴率 7.7%
蝶子(尾野真千子)と柳吉(森山未來)は、関東煮(かんとだき)店を始める。二人で精を出す毎日が蝶子は幸せだったが、柳吉は、妹の藤子(田畑智子)が婿養子・桐介(大東駿介)を迎え、父・半兵衛(岸部一徳)が完全に自分を切り捨てたことを知る。さらに、蝶子の母・お辰(根岸季衣)が倒れ、柳吉も腎臓を患い入院。手術代がかさみ、蝶子は店を売りに出す。母の死に目にも会えず、再びヤトナ(臨時の芸者)として働く蝶子の元に、父・種吉(火野正平)が現れる。
第3話 2013年9月7日「死んでも治らんあほな女が死んでも遂げたいあほな夢」ラテ欄「あほな男が夢見た楽しい我が家あほな女は地獄行き」 視聴率 8.1%
蝶子(尾野真千子)は、かつての同僚・金八(佐藤江梨子)の援助で「サロン蝶柳」という名の店を開き、柳吉(森山未來)も厨房(ちゅうぼう)で料理の腕を振るう。ある日、柳吉の妹・藤子(田畑智子)が、柳吉の娘・文子(青山美郷)を連れて店に現れる。喜ぶ蝶子は文子をもてなすが、従業員の菊代(村川絵梨)と客とのトラブルが起こり、最悪の展開になる。やがて、柳吉の父・半兵衛(岸部一徳)が危篤という知らせが届く。蝶子に最大の試練が訪れる。
最終話 2013年9月14日「めをとぜんざいひとりでふたつ あほは二人で一人前」 ラテ欄「新天地別府で蝶子また爆発!娘駆け落ち!あほな二人がついに破局!?」 視聴率 7.4%
大分・別府にやって来た蝶子(尾野真千子)と柳吉(森山未來)は、小さな化粧問屋「大阪屋」を開く。近所の貸席「玉初」の女将(松田美由紀)と親しくなり、町になじんできた蝶子は、いつか中心部に大商店を開き「日本一の夫婦になる」と夢を抱く。だが、やがて戦争が始まる。商売も傾き始め、柳吉は行き場のないむなしさを抱えていた。大阪では、柳吉の娘・文子(青山美郷)が、望まぬ結婚を拒み、恋に落ちた学生と駆け落ちする。
番組公式サイト
(夫婦善哉 (テレビドラマ) - Wikipedia)
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