2013年7月12日より同年9月27日まで、テレビ東京系列の「ドラマ24」枠(毎週金曜 24:12〜24:52)で、桜庭ななみ主演で放送された。全12話。
原作
『別冊フレンド』(講談社)にて2009年11月号から2011年10月号まで連載された。単行本は全6巻。
ストーリー
高校2年生の今野水希(桜庭ななみ)は、勉強もメイクもそつなくこなし、クラスの中心グループに所属して要領よく学校生活を送っていた。しかし、クラスの交流キャンプに出掛けた際、バスが山中の崖から転落したのを機に運命は一変する。水希を含めて数人の生徒が生き残ったが、修羅場にさらされたことにより、日常の力関係は崩壊。協力し合うどころから、生き残りを懸けた壮絶な駆け引きと戦いが始まってしまう。
原作との相違点
水希が複雑な家庭環境で生活していたことになっている。
神矢が車の事故で両親を亡くしており、日向と同じ中学出身という設定になっている。
神矢の兄弟が5人から4人に変更されている。また、兄弟の名前も明かされている。
盛重がタロットカードを使った占いが趣味という設定が特になされていない。また、口調が時折男っぽいものになるなど、より狂気じみた側面が強調されている。
盛重が「虐待された後にプレゼントを貰う」という設定が飴に集約されており、飴に激しいトラウマを抱いている。
さくらの威圧で薄井と友達がバスの座席を変えてしまうなど、彼女の権威がより強調されている。
ハルはストレスから過食症を患っており、さくらから貰ったシュシュを大切にしているという設定が追加されている。
原作では日向が初登場したのは事故が起きてからだが、ドラマでは物語の序盤から既に登場している。
水希の担任の名前は原作では「済田」だが、ドラマでは「竹田」。
水希の中学時代や、盛重に対するいじめがより間接的に過激なものとなっている。
原作にあった盛重が神矢に土下座させる場面がなく、彼女を評価している側面が強い。また薄井には原作とは違い、暴言を罵ったりこきを使ったりと、危害を加えることが多くなっている。
水希の姉は原作では妹の生存を母に宥めたりしているが、ドラマでは妹の失踪よりも記者の仕事を優先にしている。
水希が日向に再会したのは、原作では川に溺れていた所を助けられたのが切っ掛けだが、ドラマでは火事の中食料の確保をしに行った際に日向に助けられている。
魚を採ったのは原作では水希、神矢、ハルの3人だが、ドラマは日向が加わっている。
キャスト
神奈川県立陽乃高等学校
2年4組
今野 水希(こんの みずき)
演 - 桜庭ななみ(少女期:宮永柚葵)
さくらの親友。父と離れて暮らす。過去にいじめられた経験を持つが、さくら達が行ういじめには口を出せずにいる。
神矢 知恵子(かみや ちえこ)
演 - 土屋太鳳
4人兄弟の長女。正義感が強い。咄嗟の判断力にも優れていて、当初から観光バスの運転手の異変に気づいていた。
市ノ瀬 ハル(いちのせ ハル)
演 - 工藤綾乃
さくら、水希の親友。さくらと水希の関係に嫉妬し、劣等感を募らせ、ストレスから過食症を患う。さくらと一緒に盛重をいじめている。
盛重 亜梨紗(もりしげ ありさ)
演 - 山下リオ
漫画を書くのが趣味。通称「モリコ」。いつも意地悪をしてくるさくらグループや両親に愛されている薄井を憎んでいる。家庭環境は裕福だったが、父親からの日常的な暴力に怯えていた。
薄井 千影(うすい ちかげ)
演 - 増田有華
気弱な性格。余計な争いごとに巻きこまれないよう、クラスの中で存在感を消していた。
姫澤 さくら(ひめさわ さくら)
演 - 高田里穂
さくらグループの中心人物。成績優秀で教師や親受けもいいが、影で盛重をいじめている。観光バスの転落事故で命を落とす。
日向 晴明(ひなた はるあき)
演 - 鈴木勝大
水希に好意を抱くが、彼女の自分に対する態度を気にしていた。実は転落事故で生存しており、途中から今野たちの仲間に加わる。
竹田 絵里加(たけだ えりか)
演 - 森谷ふみ
担任。交流キャンプ最終日の大掃除に使用する鎌を学校から持参する。転落事故によって死亡。
五十嵐 亘(いがらし わたる)
演 - 窪田正孝
ドラマオリジナルキャラクター。副担任。体調不良で交流キャンプの引率が出来なくなり、山崎(演:黒田浩史)に代わってもらい学校に残る。
仇名は「イガピー」。生徒のことをよく考える教師だが、電話の聞き間違いにより、バス失踪の対応の遅れを招いてしまう。
学校関係者
光岡 百合子
演 - 山本裕子
2学年主任。生徒と共にバスが失踪した事実を隠蔽しようとする学校側に代わり、生徒たちが失踪したことを警察に伝える。
馬淵
演 - 大石吾朗
校長。生徒の安否よりも学校側の対面を気にして、真っ先に教育委員会の指示を仰ぎ、事態の把握が遅れた事実をもみ消そうとした。
生徒の家族
今野 博和(こんの ひろかず)
演 - 渡辺いっけい
ドラマオリジナルキャラクター。水希の父親。突然仕事をやめ、現在はプラネタリウムに勤務しているがそのことが原因で妻と離婚してしまった。
今野 寿美代
演 - 舟木幸
水希の母親。
今野 遥
演 - 滝裕可里
水希の姉。東都新聞社社会部記者。 水希の安否を心配しているが、突然舞い込んできた記者としてのチャンスに喜びを感じる一面を持つ。
神矢 理子
演 - 古小路志音
神矢 優太郎
演 - 土師野隆之介
神矢 真実子
演 - 平澤宏々路
上記3名は知恵子の兄弟。
盛重 英次
演 - 冨家規政
亜梨紗の父親。住日物産経営企画部部長。家庭では妻や娘に過度な暴力を働いている。事故の後、子供を心配する素振りもみせず、校長に対して賠償請求を問う。
神奈川観光バス
板垣
演 - 清水一彰
社長。バス運転手の超過勤務が事故原因だと世間に知られるまえに、勤務表などを隠蔽する。
日下部
演 - 中谷竜
社員。
大宮
観光バス運転手。超過勤務による過労状態で運転していたことから、転落事故を引き起こす。
その他(テレビドラマ)
サエコ
演 - 梶原ひかり
水希の中学校時代の友人。
長崎 明彦
演 - 松澤一之
神奈川県警察警部。
韮沢 祐二
演 - 市橋正光
東都新聞社社会部部長。今野遥の上司。
スタッフ
原作 - すえのぶけいこ『リミット』(「別冊フレンド」 / 講談社)
脚本 - 清水友佳子、山岡潤平、千寿みのり、谷岡由紀
音楽 - 遠藤浩二
演出 - 塚原あゆ子、高野英治、加藤尚樹
演出補 - 加藤尚樹、松本桂子、高市輝久
漫画協力 - 駒村佳子
CG - 本田貴雄
チーフプロデューサー - 岡部紳二(テレビ東京)
プロデューサー - 中川順平(テレビ東京) / 新井順子、塚原あゆ子(ドリマックス)
プロデューサー補 - 濱谷晃一、小松幸敏、勝野逸未
制作 - テレビ東京、ドリマックス
製作著作 - 「リミット」製作委員会
主題歌 - bump.y「SAVAGE HEAVEN」(アミディア / ポニーキャニオン)
エンディングテーマ - ν[NEU]「APOLLON」(ポニーキャニオン)
各話あらすじ(2013.7.12 - 2013.9.27)全12話
第1話 2013年7月12日「女子高生5人の衝撃サバイバルサスペンス絶対に生きて帰る!!」
高校2年生の水希(桜庭ななみ)は勉強もメークも要領よくこなし、クラスの中心グループに所属して日々を送っていた。常に周りの空気を読み、築いてきた完璧な日常。しかしある日、状況は一変する。クラスの交流キャンプに出掛ける途中で、バスが山中の崖から転落。多くの生徒が死亡し、生き残ったのは水希を含む女子ばかりわずか5人だった。
第2話 2013年7月19日「女子高生サバイバルここは学校じゃない!奴隷はお前だ!!」
バス事故で生き残ったのは、今野(桜庭ななみ)、神矢(土屋太鳳)、ハル(工藤綾乃)、薄井(増田有華)、モリ子(山下リオ)の5人だけ。悲惨な現場を前にモリ子が突然笑いだし、さくら(高田里穂)の死を自業自得だと言い出す。モリ子がポケットから取り出した手帳には、自分をばかにしたクラスメートの名前と言動がびっしりと書き込まれていた。ハルは助けを呼びに行こうと今野を誘うが、神矢は助かりたいなら現場近くにいるのが一番だと言う。
第3話 2013年7月26日「女子高生5人が山で遭難!嫉妬、暴力、殺意…極限サバイバル」
ハル(工藤綾乃)は今野(桜庭ななみ)に暴力を振るい、初めから友達だとは思っていないと言い放つ。夜が明け、神矢(土屋太鳳)が水を求めて川を探しに行くと言うと、モリ子(山下リオ)はハルと薄井(増田有華)にも行くようにと命令。だが、足の痛みが激しい薄井は動けず、モリ子から「役立たず」と言われてしまう。一方、担任の竹田と連絡が取れず焦る副担任・五十嵐(窪田正孝)は、キャンプ場にバスが着いていないことを知りがくぜんとする。
第4話 2013年8月2日「女子高生サバイバル女帝の転落!?もう1人の生存者」
今野(桜庭ななみ)たちが他の生存者を捜す中、洞窟ではモリ子(山下リオ)が薄井(増田有華)を能なしとののしり、死ねと言い放つ。そんな中、神矢(土屋太鳳)が沼の水のろ過装置を作ろうと提案、今野とハル(工藤綾乃)も協力して材料を集めることに。そんな彼女たちの笑い合う様子を見た薄井は、疎外感を深めていく。一方、学校では百合子(山本裕子)の通報を受けて警察が駆け付け、確認体制を指摘された五十嵐(窪田正孝)はその返答に窮する。
第5話 2013年8月9日「女子高生サバイバル火災発生!6人目の生存者は敵か味方か!?」
高校では警察が捜査状況についての説明を行い、保護者たちは騒然。五十嵐(窪田正孝)は今野(桜庭ななみ)の姉・遥(滝裕可里)から詰め寄られ、逃げるようにしてその場を去る。一方、洞窟では、たき火の火が荷物に燃え広がっていた。神矢(土屋太鳳)らはたたいて消火しようとするが火の勢いにはかなわない。このままでは食料もすべてなくなってしまうというハル(工藤綾乃)の言葉に、今野は燃えていない荷物を取りに洞窟の中へ。
第6話 2013年8月16日「ついに最悪の事態…生き残るのは誰だ!?」
ラジオのニュースを聞いた今野(桜庭ななみ)たちは、警察の捜索ルートが自分たちのいる場所とは違うと知る。だが、神矢(土屋太鳳)は途中のコンビニから家に宅配便を出していた。その送り状を見れば、バスが静岡に向かっていたことが分かるはずだ。今野らは、誰かがそれに気付くように願う。そのころ、今野の姉で新聞記者の遥(滝裕可里)は、学校の実情を探るため、神矢の幼い弟妹の世話を命じられた五十嵐(窪田正孝)に近づく。
第7話 2013年8月23日「殺人犯は誰!?」
今野(桜庭ななみ)たちは依然、森の中で救助を待っていた。一方、陽乃高校には保護者たちが詰め掛け、百合子(山本裕子)らは対応に追われる。五十嵐(窪田正孝)は保護者らに付いて行こうとする遥(滝裕可里)に、自分をだましたことへの怒りをぶつけるが、責任逃れを指摘されて言葉がない。ミーティングルームに集まった保護者たちを前に、校長・馬淵(大石吾朗)は、学校側にはミスはなかったと発言。五十嵐も話を合わせる。
第8話 2013年8月30日「限界突破サバイバルもう1人の犠牲者!」
互いに疑心暗鬼となる中、今野(桜庭ななみ)は疑い合うのをやめるために服を脱いで調べようと提案。その後、神矢(土屋太鳳)の発言で全員の荷物やポケットの中を調べることに。一方、陽乃高校では、五十嵐(窪田正孝)が百合子(山本裕子)から保護者の山梨行きが決定したと知らされる。そんな中、神矢の弟妹の優太郎(土師野隆之介)と真実子(平澤宏々路)が姿を消し、理子(古小路志音)は山梨に行ったのではと五十嵐に相談する。
第9話 2013年9月6日「暴かれる真犯人!」
今野(桜庭ななみ)は意を決し、聞きたいことがあると神矢(土屋太鳳)に告げる。一方、高校では、刑事の長崎(松澤一之)が、保護者たちに、バスが山梨ではなく静岡方向に向かっていたことを報告。ざわめきが起きる中、理子(古小路志音)たち妹弟が姉・神矢のところに連れていってほしいと現れる。理子たちは保護者たちと一緒にマイクロバスで静岡へ向かうことになり、五十嵐(窪田正孝)は子どもたちの世話のため同行する。
第10話 2013年9月13日「悪魔の囁き…」
薄井(増田有華)を殺した犯人をめぐり、今野(桜庭ななみ)たちの仲には亀裂が走る。そんな中、静岡へとやって来た保護者たち一行は、公民館の中で報告を待っていた。すると、記者たちの間でざわめきが。外にいた五十嵐(窪田正孝)や今野の父親・博和(渡辺いっけい)は、急いで公民館の中へと駆け戻る。するとそこに置かれたテレビに、霧が立ち込める中、崖下で大破しているバスが映っていた。場内は沈黙に包まれる。
第11話 2013年9月20日「生き残るのは誰!?」
追い込まれた日向(鈴木勝大)は崖から飛び降りようとするが、今野(桜庭ななみ)とモリ子(山下リオ)が助け出す。今野は日向に、逃げずに生きて償うよう話す。そんな中、複数のヘリコプターが森の向こうの同じ方角に飛んで行くのを見た一同は、町があると確信。全員で森の向こうを目指す。一方、救助は翌朝、陸路からになることが決定する。保護者の悲痛な顔を見た五十嵐(窪田正孝)は、救助に参加させてほしいと名乗り出る。
最終話 2013年9月27日「前へ…明日へ…」
老朽化した橋に行き当たった一同。日向(鈴木勝大)は救助を呼んでくると言い、危険な橋を渡り始める。そんな中、けがをした神矢(土屋太鳳)の症状が悪化。モリ子(山下リオ)は今野(桜庭ななみ)に神矢を託し、一刻も早く救助を呼ぶため日向に続く。熱が上がり始めた神矢は今野に迷惑だと言い放ち、自分を置いていくよう訴える。今野はそれを聞き、思わぬ行動に出る。一方、捜索に加わった五十嵐(窪田正孝)は必死に悪路を進んでいた。
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(リミット (漫画) - Wikipedia)
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