キャッチコピーは「青春の入口で私たちは何を失ったのだろう…」。
原作
『激流』(げきりゅう)は、柴田よしきによる日本の小説。
『問題小説』2003年5月号から2005年9月号に連載されたものを大幅に加筆・訂正した上で刊行された。
書籍情報
単行本:徳間書店、2005年10月31日発行、ISBN 978-4-19-862079-0
文庫:徳間文庫、2009年3月6日発行、[上]ISBN 978-4-19-892943-5、[下]ISBN 978-4-19-892944-2
概要
修学旅行で失踪した15歳の少女から、20年後、同級生たちに届いた謎のEメール。再会した5人の同級生たちに、不可解な事件が次々と襲い掛かる。35歳という人生の転換点に立ち、仕事でもプライベートでも断崖絶壁に立たされている5人は、転げ落ちる石のように、人生の激流にのみ込まれていくミステリードラマ。
キャスト
主要人物
藤ヶ浦中学校のクラスメイト
井上(三隅) 圭子(いのうえ(みすみ) けいこ)〈35〉
演 - 田中麗奈(中学生時代:森高愛)
神田出版社文芸編集部編集者。京都行の新幹線で、偶然に中学の同級生・鯖島豊の隣の席に座り、中学卒業以来20年振りに再会する。夫・雅彦とは離婚調停中だが、夫が裁判所に出廷せず逃げているため、なかなか離婚が成立しない。珠洲の原稿紛失事件で責任を取らされ、健康雑誌編集部「暮らしと健康生活」への異動の内示が下る。
東萩 耕司(ひがしはぎ こうじ)〈35〉
演 - 桐谷健太(中学生時代:六車勇登)
警視庁刑事部捜査第一課 巡査部長。中谷戸秀美殺人事件の関係者に中学時代の同級生・秋芳美弥の名前が浮上する。
河野(御堂原) 貴子(かわの(みどうはら) たかこ)〈35〉
演 - 国仲涼子(中学生時代:広瀬すず)
専業主婦。高級コールガール。源氏名は「さやか」。娘は有名私立・聖葉女子学院に通い、夫は失業し職を探している。
長門 悠樹(ながと ゆうき)
声 - 井上剛(中学生時代:石橋樹)
現在はフィリピンマニラに暮らし、ライブイベントなどのコーディネーター業で生計を立てている。
秋芳 美弥(あきよし みや)〈35〉
演 - ともさかりえ(中学生時代:南乃彩希)
小説家兼「Silent Moon」ヴォーカル。『棘と罠』という作品であすか文学賞を受賞。麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕された過去がある。
鯖島 豊(さばしま ゆたか)〈35〉
演 - 山本耕史(中学生時代:宮近海斗)
千代田銀行世田谷支店案内係。東京大学卒業。別れた妻と息子は神戸に暮らし、子供に会うために京都行の新幹線を利用しているとき、車内で偶然中学校の同級生の三隅圭子と再会する。
小野寺 冬葉(おのでら ふゆは)〈15〉
演 - 刈谷友衣子
20年前の中学時代、京都へ修学旅行に来ていたとき、上記の6名と一緒に班行動で京都観光をしていた路線バスの車内で忽然と姿を消す。そして20年後、何かを思いだしたように圭子・貴子・美弥宛に「私を憶えていますか?」と書いた文面を打ち、メールで送信する。そして、2通目は美弥宛に「なぜ探してくれないの?」、3通目は貴子宛に「あなたのことを見ている」とそれぞれにメールを送っている。中学時代、フルートが得意で「アルルの女」という曲を学校の屋上で吹いていた。
主要人物の家族
井上 雅彦
演 - 山口馬木也
圭子の夫。作家の高槻江美と不倫関係に発展し、妻と暮らしていた家を出ていく。
河野 華(かわの はな)
演 - 小林星蘭
祐也・貴子の娘。
河野 祐也(かわの ゆうや)
演 - 二階堂智
貴子の夫。娘の学費や住宅ローンの支払いを考えると、現状の生活基準に合った仕事がなかなか見つけられないと妻に説明している。
秋芳 研二(あきよし けんじ)
演 - 高橋一生
美弥の弟。
里美
演 - 須藤理彩
隆一
演 - 佐藤瑠生亮
上記2名は鯖島の元妻と息子。
小野寺 裕子(おのでら ゆうこ)〈37 - 57〉
演 - 田中美佐子
冬葉の母親。
藤ヶ浦中学校
三浦 はるか
演 - 阿久津香
野々村 佳奈
演 - 諸江雪乃
沼田 竜一
演 - 吉田翔
森 正太朗
演 - 田中碧海
塚田 久志
演 - 沖竜之介
上記5名は三隅たちの藤ヶ浦中学時代のクラスメイト。
旭村 正隆(あさひむら まさたか)〈35 - 55〉
演 - 武田真治
元藤ヶ浦中学校教師で三隅たちの担任だったが、冬葉失踪後に他校へ転任。現在は鬱病を患い、療養所に入所している。
毛利 佳奈子(もうり かなこ)〈35 - 55〉
演 - 賀来千香子
藤ヶ浦中学校音楽教師。20年振りに藤ヶ浦の町に帰ってくる。
代沢三丁目主婦殺人事件の関係者
中谷戸 秀美(なかやど ひでみ)
演 - 前野千代子(写真)
殺人事件の被害者。夫・弘士は食品メーカーに勤めるサラリーマン。榎が講師を務めるライター講座を受講していた。
榎 一之(えのき かずゆき)
演 - 金子昇(写真)
音楽プロデューサー。秀美の不倫相手。殺人事件の重要参考人だが現在は行方不明。
岩井 修二(いわい しゅうじ)
演 - 鈴之助
逆井
演 - 川口覚
警視庁世田谷南警察署刑事課強行犯係刑事。
佐分利 新一
演 - 日野陽仁
警視庁世田谷南警察署刑事課強行犯係 警部補。
圭子の関係者
伊東 史生
演 - 肥野竜也
圭子の同僚編集者。
珠洲 京谷(じゅす きょうや)
演 - 高畑淳子
京都に暮らす小説家。編集担当者の圭子に渡した原稿がダメ出しが書かれた手紙と共にいきなり自宅へ送りつけられて、憤慨する。
高田(たかだ)
演 - 森本レオ
「暮らしと健康生活」編集長。圭子の上司。
貴子の関係者
中村 ユイ
演 - 前城心
華が通う聖葉女子学院のクラスメイト。
川原 ユキ - 石井心愛
華の幼稚園時代の友達。入学試験を受けた小学校全てが不合格となり、受験に失敗する。
川原 恵理
演 - 中島亜梨沙
ユキの母親。娘が華と同じ幼稚園に通っていた頃に貴子と仲良くしていたママ友達。
大林 隆之(おおばやし たかゆき)
演 - カンニング竹山
ワールドテクノカンパニー経営者。貴子を指名する「カトレア会」の上客。1か月100万円で愛人契約を結ばないかと貴子に打診する。
その他
久我 恭子(くが きょうこ)
演 - 根岸季衣
美弥の担当マネージャー。
桑野 留美(くわの るみ)
演 - 佐津川愛美
鯖島の元愛人。鯖島の家庭を壊し、別れた後も彼を執拗に付きまとう。
佐伯 茉莉(さえき まり)
演 - 吉田羊
長門の知り合い。ナオミの通訳兼付き人。ニューヨーク在住。
スタッフ
脚本 - 吉田紀子
音楽 - 千住明
演出 - 佐々木章光、山内宗信、村上牧人
題字 - 木下真理子
警察指導 - 吉川祐二
医療指導 - 冨名腰文人
ギター指導 - 椎谷求
声楽指導 - 松尾奏子
ピアノ指導 - 宮津まり子
フルート指導 - 塚原ゆか
撮影協力 - 千葉県フィルムコミッション、富津市、君津市、天羽中学校
制作統括 - 銭谷雅義、黒沢淳
制作著作 - NHK、テレパック
主題歌 - GLAY「DARK RIVER」(loversoul music & associates)
挿入歌 - GLAY「時計」(loversoul music & associates)
各話あらすじ(2013.6.25 - 2013.8.13)全8話 平均視聴率 8.35%
第1話 2013年6月25日「過去からのEメール」 視聴率 8.6%
中学校3年生の時の同級生、圭子(田中麗奈)、貴子(国仲涼子)、美弥(ともさかりえ)の元に不思議なメールが届く。「私を憶(おぼ)えていますか?冬葉」。京都への修学旅行で3人と同じ班だったが、旅行の途中で突然、姿を消し、いまだに行方不明のままの冬葉からのメールだ。圭子は、やはり同じ班だった鯖島(山本耕史)と東萩(桐谷健太)にも声を掛け、5人は20年ぶりにバーで顔を合わせる。その時から、5人の身の上に、次々と災難が降り掛かるようになっていく。
第2話 2013年7月2日「時計は動き出す」 視聴率 9.5%
圭子(田中麗奈)は、大物女性作家・珠洲(高畑淳子)の原稿紛失事件の責任を負わされ、文芸部を追われる。鯖島(山本耕史)は女性問題で出世コースから外れているが、仲間に打ち明けることができない。東萩(桐谷健太)は、ある殺人事件の捜査で美弥(ともさかりえ)に近づくが、次第に美弥に心引かれていく。夫の祐也(二階堂智)がリストラされた貴子(国仲涼子)は、娘の華(小林星蘭)を有名私立小学校に通わせ続けるために、IT企業の社長・大林(カンニング竹山)と愛人契約を結ぶ。傷心の圭子が母校の中学校を訪れると、鯖島、美弥、東萩と出会う。そんな4人を陰から見詰める女性の姿があった。当時、音楽の教師だった佳奈子(賀来千香子)だ。4人は冬葉(刈谷友衣子)の母・裕子(田中美佐子)を訪ね、メールに心当たりがないかと尋ねる。
第3話 2013年7月9日「転げ落ちる石のように」 視聴率 5.6%
貴子(国仲涼子)は、大林(カンニング竹山)と愛人契約を結ぶが、大林は少しでも要望が聞き入れられないと、急に凶暴になる危険な男だった。東萩(桐谷健太)は、鯖島(山本耕史)がぎこちない手つきでティッシュを配っているのを見掛け、気になる。そんな折、圭子(田中麗奈)と美弥(ともさかりえ)は、貴子に呼ばれて家を訪ねる。貴子に、また怪メールが届いたというのだ。だが、大林から呼び出しの電話を受けた貴子は、娘の華(小林星蘭)を預けて、急きょ外出する。気になって後をつけた美弥は、貴子と大林がホテルに入るのを目撃する。
第4話 2013年7月16日「忍び寄る黒い影」 視聴率 7.6%
大林(カンニング竹山)が、貴子(国仲涼子)とチェックインしたホテルで殺害される。そのことをニュースで知り、貴子はぼうぜんとする。その時、計ったように「困っているようね、助けてあげましょうか?冬葉」という、謎のメールが届く。貴子は衝撃のあまり、入院してしまう。貴子の娘・華(小林星蘭)から知らせを受けた圭子(田中麗奈)と美弥(ともさかりえ)が病院に駆け付ける。貴子は二人に売春の事実を明かすが、大林の殺害には無関係だと訴える。圭子と美弥は衝撃を受け、美弥は訪ねて来た東萩(桐谷健太)に、貴子を守るように頼む。
第5話 2013年7月23日「見えない悪意」 視聴率 8.1%
貴子(国仲涼子)は、大林(カンニング竹山)殺害の容疑で任意同行される。美弥(ともさかりえ)は東萩(桐谷健太)に、貴子を守るよう頼むが、貴子は自供してしまう。美弥の家に集まった圭子(田中麗奈)、鯖島(山本耕史)、東萩たちは、貴子を救う方法を話し合う。冬葉からのメールが届き始めてから、妙な事件が続いているのは、その裏に何かがあるのではないか。そんな折、圭子は貴子の娘・華(小林星蘭)から渡された手紙を読むが、意味が分からないでいると、電話が入る。思いがけない人物が警察に自首したというのだ。真犯人が判明し、貴子は釈放されるが、売春の件が明るみに出てしまう。
第6話 2013年7月30日「真実への光明」 視聴率 9.3%
圭子(田中麗奈)は、ストーカー女(佐津川愛美)に刺された鯖島(山本耕史)を知り合いの外科医(長野里美)の元に運び、緊急手術が始まる。一命を取り留めた鯖島は、まだ混濁した意識の中で「イーエスエス。ふゆは。げいき」と口走る。圭子、東萩(桐谷健太)、貴子(国仲涼子)、美弥(ともさかりえ)は、それが中学校の時の英語劇のことだと理解する。この劇の音楽は、音楽教師の毛利(賀来千香子)が作曲したものだった。4人は謎を解明しようと毛利を訪ねる。
第7話 2013年8月6日「悪女の告白」 視聴率 9.0%
冬葉(刈谷友衣子)が失踪したのは、‘あの女’のせいだと言った音楽教師・毛利(賀来千香子)。それ以上は聞き出せなかった美弥(ともさかりえ)たちは、以前から冬葉かもしれないと気になっていた、海外に住むフルート関係者の佐伯(吉田羊)と接触する。そして、会うことができた佐伯は、圭子(田中麗奈)たちに宛てた、ある手紙を預かってきていた。その手紙からは衝撃の秘密が発覚し、やがて冬葉の失踪の謎が明らかに…。
最終話 2013年8月13日「友への誓い」 視聴率 9.1%
20年前の修学旅行先の京都で冬葉(刈谷友衣子)は死亡したと、音楽教師の毛利(賀来千香子)が告白したにもかかわらず、圭子(田中麗奈)たちは、冬葉を名乗る人物から「はやく私をさがして」というメールを受け取るのだった。そんな折、貴子(国仲涼子)の娘・華(小林星蘭)が、美弥(ともさかりえ)の弟・研二(高橋一生)と共に行方不明になる。見つけ出した研二に訳を問いただすが、研二は意外なことに、圭子、美弥、東萩(桐谷健太)、貴子、鯖島(山本耕史)たち5人を前に、怪メールを送ろうとした人物について語り始める。
番組公式サイト
(激流 (柴田よしき) - Wikipedia)
ちょっとくらい違いがあってもおもしろと思うんですよね、このドラマの場合。
もっとも原作のラストが個人的にイマイチだった、と言うそれだけのことなんですが・・・。
ドラマ化を機に再読したり、いろんなサイトの書評を
読んでみてますが、柴田さんを評価するサイトを見つけました。
http://www.birthday-energy.co.jp/
それにしても、作者もあんまり関わってないようですし、
やっぱり脚本家のチカラ次第でしょうね。