2013年04月01日

家族ゲーム TOP

『家族ゲーム』(かぞくゲーム)は本間洋平作の小説。1981年の第5回すばる文学賞を受賞した。またそれを原作とした映画、およびテレビドラマ。

風変わりで型破りな家庭教師・吉本荒野が、高校受験を控えた落ちこぼれの中学生を教育しながら、多くの問題を抱えた家族にも影響を与えていく騒動をコミカルに描く。

1982年、テレビ朝日で2時間ドラマとしてはじめて映像化された。後に松田優作主演の映画、長渕剛主演の連続テレビドラマで有名になった。

2013年4月17日、28年振りに櫻井翔主演でフジテレビの連続テレビドラマにて復活する。


連続テレビドラマ(フジテレビ)
2013年4月17日より同年6月19日まで、フジテレビにて毎週水曜日22:00 - 22:54(JST)に放送された。全10話。初回は30分拡大、22:00 - 23:24。第4話・第7話・最終話は15分拡大、22:00 - 23:09。

キャッチコピーは「壊れるまで、キミと向きあおう。」


概要
「お水の花道」「ショムニ」「彼女たちの時代」など話題作を輩出してきたフジテレビ系水曜10時枠のドラマ復活第1弾作品。過去に映画、ドラマとしても製作された本間洋平原作の「家族ゲーム」を嵐の櫻井翔主演で現代的に大胆リメイクする。変人で突拍子がなく、どこか陰のある魅力的な伝説の家庭教師・吉本荒野が、他の家庭教師とは全く違う方法で多くの問題を抱えた家族を更正していく。映画版では松田優作、ドラマ版では長渕剛、鹿賀丈史が家庭教師を演じた。


ストーリー
立派な一戸建てに住み、優秀な家族に恵まれ、周囲からは何不自由も無い理想の一家に見える沼田家。しかし、一家の次男で中学生の茂之は、高校進学も危ういほど成績が振るわないうえに引きこもりを始め、家族にとって悩みの種であった。

沼田家の家長・一茂とその妻の佳代子は、「東大合格率100%」とキャッチコピーを掲げる吉本荒野のホームページをインターネット上で見つけ、茂之の6人目の家庭教師として吉本を迎える。一茂は吉本に、茂之を学校に登校させ、長男の慎一が通う県内トップの名門高に進学させるよう依頼。さらに、1週間以内に茂之を学校に行かせることが出来れば10万円のボーナスを出すと約束し、出来ない場合はクビにするという条件を出す。条件を受け入れた吉本も「吉本の行動に一切手出し、口出しはしない」と一茂と佳代子に約束させ、「契約違反が生じた場合は1000万円の罰金を科する」など文言を盛り込んだ雇用契約書を一茂に提示、内容を読まずに一茂はサイン押印する。

その結果、吉本の常軌を逸していながらも緻密で計算に満ちた指導が始まり、一茂が提示した条件をクリアし雇用は継続。以後も吉本の型破りな指導は続き、茂之の成績は上昇し友人関係も改善されていく。一方、彼の言動は茂之だけでなく沼田家全員にも影響を及ぼしていき、一茂の浮気が発覚し、佳代子は本音を吐露、一家の長男の慎一は、吉本の本性をさぐる鼬ごっこに気を取られて成績が下降し始め問題児の立場に逆転していく。こうして形だけの平穏を保っていた家族の歯車は、吉本の手により次第に狂わされていく。


キャスト
吉本 荒野(よしもと こうや) / 田子 雄大(たご ゆうだい)
演 - 櫻井翔
1982年1月17日生まれ。AB型。
茂之・慎一の家庭教師。沼田家が茂之のために家庭教師を雇うのは吉本で6人目。“東大合格率100%”と謳っているスーパー家庭教師であるが、生徒本人だけでなく家族の素行調査をしたり、目的達成のために手段を選ばず突飛で冷酷な行動をする。ミステリアスで神出鬼没であり、茂之のみならず家族のいる場所にも突然居合わせたりする。口癖は「いいね〜」。

慎一の調査から、自身は「東大卒の吉本荒野」ではなく、生命維持装置に繋がれた弟が本物の東大卒の吉本荒野で、自身はその兄である「雄大」であると自身の口から慎一に語り、教師になったのも教師への夢が叶った途端に事故に遭った弟の夢を代理で演じており、教員免許を所持していないため家庭教師として指導していると偽名を使用した理由を慎一に打ち明ける。その後、吉本が過去に中学校で教壇に立っていたことや本名が「田子雄大」であることが慎一の調査で分かる。その調査によると、教師時代、自身の教え子・真田宗多の相談を反故にしたことで、真田は教師や保護者に信頼されていた本物の吉本荒野に悩みを打ち明けるようになり、教え子に裏切られたと勘違いした吉本は真田をいじめ、事実を隠蔽するため全ての真実を知っている本物の吉本荒野を階段から転落させ昏睡状態にした容疑を慎一にかけられるが、否認したため結果的に慎一を孤立させる状況に追いやった。沼田家に同居を自ら提案した上で寝食を共にしながら慎一と茂之の指導をしていた。その後、問題を抱え苦しむ子供たちと向き合ってこなかったのは一茂の責任であることを始めとする沼田家の問題をぶちまけた挙句、それでも沼田家が吉本の忠告を信じていなかったため、吉本が家庭教師として担当する以降の沼田家を崩壊させる要因を作ったのは全て吉本自身が仕掛けた罠であると沼田家全員に明かした。吉本は沼田家を出たあと、真希に別れを告げてどこかに消えていった。吉本の想定以上に沼田家は家庭崩壊し、家族は以前以上に行き場を失った状態となった。

しかし中学校で「田子雄大」として教壇に立っていた頃、真田宗多をいじめていたのは本物の吉本荒野であり、真田から悩みを打ち明けられている側であったことと、精神的に追い詰められていた真田のために奔走したが自殺を食い止めることに間に合わず、本物の吉本荒野に脅され、自己保身のために真田の相談を反故にしたことで彼を自殺に追い込んだものとして悔いている。水上沙良の名誉を守るために真田が本物の吉本荒野を階段から突き落とした際、救急車の手配などの措置をしたのは田子雄大であったことが真相として明らかになった。その後、家庭崩壊した沼田家全員が集まる席に再度、突然現れる。

沼田家
沼田 慎一(ぬまた しんいち)〈16〉
演 - 神木隆之介
長男。1997年11月14日生まれ。AB型。
有名私立進学校・成邦館高校2年生。学校の成績は学年で10番以内、所属する陸上部では数々の優秀な成績をおさめるなど、周囲からは文武両道で家族思いの優等生と思われている。だが、実は家庭内で優等生を演じるストレスを発散するために万引きやむかついた相手の自転車をパンクさせるいたずらを繰り返し行っているなど問題を抱えた性格で、吉本からそれを出会った当初から見抜かれていた。茂之に対して、度を越した吉本の指導方法に疑問を抱き、吉本の素行を独自に調査する。

決まったレールの上で物事を判断する性格でレールから外れた物事の判断には疎く、型破りかつレールの外れた人格である吉本のような人間に対して畏怖している。吉本の素行調査に没頭する余り、学業や部活の成績も下降線を辿り始めている。この素行調査は吉本にも知られてしまい、万引きをしている現場写真などを撮られて、弱みを握られた上に吉本が先回りし、事実を隠蔽されてしまうことがほとんどである。

しかし、吉本を解雇しようと各方面から証拠を掴んだ上、家族会議を開き、吉本の解雇処分の是非を家族に問うが茂之をはじめとする家族の反発に遭い、逆に自身が家族から孤立する状況に追い込まれた。その後は真希と付き合うようになり、高校を中退して家を出て働くことも考え始め、家庭崩壊後は高校を中退し、怠惰な生活を送るようになる。その後、編入試験を受験し合格。疎遠となっていた飛鳥との関係も取り戻した。

沼田 茂之(ぬまた しげゆき)〈14 → 15〉
演 - 浦上晟周
次男。1998年5月12日生まれ。A型。
横浜市立室山第一中学3年生。前島亜美のファン。当初、学校の成績はクラスで下から5番目。授業中にトイレへ行くのを我慢し、耐え切れずその場で便失禁してしまったことが切っ掛けでクラス内でいじめに遭うようになり、さらに唯一の友人と信じていた園田からも裏切られ、中学3年の1学期から部屋に引きこもり不登校になる。

しかし、吉本の型破りな指導を受け、徐々に内向的な性格が変わっていく。 その一端として成績が目に見えて向上、さくらへの勇気ある告白も成功し、交際関係へと発展したが後に別れる。また、さくらの一件で疎遠になっていた園田との間に再び友情が芽生え、山尾を除くいじめっ子とも和解し友達となるが、後に三井たちが率いる山尾のいじめに加担することとなった。

吉本解雇の是非を問う家族会議においては、学校に通学出来るようになったこと、友人も出来たこと、成績が向上したことを吉本に感謝した上で家族の誰よりも早く吉本の解雇に反発した。家庭崩壊後は再び引きこもるようになった。園田の呼びかけもあって再び登校するようになるが、エスカレートしていく山尾いじめにまたしても巻き込まれていく。その後、山尾へのいじめをやめさせるよう、三井たちを説得した。園田・真野とともに成邦館高校を受験し、合格した。

沼田 一茂(ぬまた かずしげ)〈48〉
演 - 板尾創路
慎一・茂之の父親。1965年9月10日生まれ。B型。
一部上場企業である電気メーカー「パシフィック電機」の人事部課長。家庭内の問題は放置気味である。以前は花形の営業マンだったが、営業部から人事部に異動となった途端歪んだ人格になり、同期やかつての同僚等をリストラすることを内心では快感に思っている。慎一には「一」、茂之には「茂」、「一茂」という名前から1文字ずつ取り、それぞれ2人の息子に自分の名前を授ける。

舞香とキスしている写真を妻に見られたのが原因で、妻が夫に関係する家事を放棄するようになり、自ら家事をしなければならない状況に置かれる。そして、慎一の成績が下降している問題を解決するため、吉本に家庭教師を依頼する。かつて佳代子の父・泰彦の会社に対して横領事件を起こしてしまい、人事部へ左遷、佳代子が実家から絶縁される原因を作ってしまった。

泰彦からもらうはずの小切手も会社でなんとかなるという理由で一茂自身から断り、借金返済の為に再び早期退職者の退職金を横領したことが勝野によって社内に明るみになり解雇される。家庭崩壊後は仕事を探すためにハローワークを訪れるが、自身のプライドを捨て切れなかったため、なかなか仕事が決まらなかった。家族が集結した席で、家を売却する決意を告げ、家と自動車を売却。一家は引っ越し、自身の就職先も見つかった。

沼田 佳代子(ぬまた かよこ)〈45〉
演 - 鈴木保奈美
慎一・茂之の母親。1968年3月8日生まれ。A型。
専業主婦。旧姓:前園。指の爪を噛む癖がある。インターネットの情報で吉本を知り、茂之の家庭教師に選び依頼する。近隣住民の視線や世間体を何よりも気にしている。茂之の誕生パーティ中、夫の浮気が発覚したことで夫と口論になり、茂之の誕生パーティが切っ掛けで家族が一つになれることの期待から「家族が変われると思った」と心情を吐き出す。夫の浮気が発覚した上に一茂と浮気相手の舞香がキスしている写真を見せられたことで、夫婦間はさらに冷え切った状態になる。自身は吉本の口車に乗ってしまい、ネット株の投資を始める。

やがてネット株で1000万円を越える損失を出してしまい、無理を承知で勘当された父に助けを求める。夫は父が経営する会社の取引企業の社員で、将来有望だと父が見込み勧められるまま、 一茂と見合い結婚をする。夫が取引している父の会社に対して横領事件を起こしてしまい、実家から絶縁される。借金の肩代わりを父に頼むが断られてしまい、自らの生命保険で借金返済に充てることを考え、命を絶とうとしているときに吉本が止めに入ったため自殺未遂に終わる。家庭崩壊後は一時一茂と離婚することを決意するが、後に離婚を諦める。

その他
水上 沙良(みずかみ さら) / 立花 真希(たちばな まき) / 浅海 舞香(あさみ まいか)〈21〉
演 - 忽那汐里(中学時代:恒松祐里)
沼田家の崩壊に終始関わっている謎の女性。
当初は「パシフィック電機」総務部社員浅海舞香として登場し、飲食店での会計時に財布を紛失し困っていた時に偶然居合わせた一茂が代わりに支払ったことで知り合い、不倫関係になる。その不倫の発覚を皮切りに沼田家の崩壊が始まる。

なおそれと同時に、吉本の過去を調べる慎一の前に「吉本荒野を訴える会」なるサイトの管理人立花真希として現れる。一茂とは偶然に出会ったわけではなく、吉本の状況を探るため作為的に一茂に近づいたことや自分が留学中に弟の家庭教師として両親が吉本を雇い、彼によって家庭崩壊へと導かれた家族が3年前に一家心中を図り、死亡したことを慎一に打ち明け、吉本を沼田家から追い出すため2人が協力関係になる。

留学生活を楽しんでいる最中の真希が、両親が多額の借金を背負ったため、留学費用が払えなくなり帰国させようとした親に対して「死んで生命保険で払えばいい」と暴言を吐いたことこそ、自身の家族を自殺に追い詰めたと、吉本が指摘する。自責の念に苦しんでいる真希を見た慎一がお互いに「自己中心的な考えを持つ者同士」として同情を感じ、徐々に2人の心が惹かれあっていき、後に交際関係へと発展する。

その後浅海舞香という人物は総務部に同姓同名の別人が存在していることが判明し、まだ舞香に未練が残っていた一茂は関係を続けたいと願う。そのため慎一と激しく衝突し、沼田家が家庭崩壊のクライマックスを迎える。

家庭崩壊後、真実を求める慎一が吉本の暮らしていた部屋にあったチラシから、彼女の正体が劇団カナリカの劇団員・水上沙良であることが分かる。実は彼女は田子雄大の教え子であり、自殺した真田の幼なじみでもある。田子雄大に依頼されて浅海舞香、立花真希という人物を演じていたと自白し、8年前の真相を慎一に打ち明ける。

最上 飛鳥(もがみ あすか)〈17〉
演 - 北原里英
慎一の彼女で同級生。東大卒の兄がいる。慎一が始めた吉本の素行調査に協力していたが、慎一が素行調査並びに真希に傾倒するようになったせいで慎一との間に距離が出来始め、ついには慎一から「好きな人が出来た」と別れを告げられた。慎一が高校を中退した後も彼のことを心配しているが、飛鳥が家庭崩壊状態の沼田家を訪れた際、飛鳥が慎一に放った言葉が彼にとって吉本を擁護するように聞こえてしまい、慎一から暴行を受ける。その後、慎一との関係を取り戻す。

井本 京香(いもと きょうか)
演 - 岡千絵

菜穂
演 - 真下有紀

上川 紗枝
演 - 弘中麻紀
上記3名は沼田家の近所に住む主婦友達。佳代子をネットスター証券主催の株式セミナーに誘う。また、佳代子に隠れて沼田家の悪口を言っていた。

勝野(かつの)
演 - 内田滋 
一茂の部下。かつて一茂にきつい叱責を受けた過去があり、一茂の横領事件を会社に告発し、解雇させる。その際、彼を「泥沼田課長」と侮辱した。

茂之のクラスメイトと担任
園田 満(そのだ みつる)〈15〉
演 - 松島海斗
茂之の同級生。学校の成績はクラスで5番目。インターネット上でのハンドルネームは「そのちゃん」。前島亜美サイン入りの写真集を盗む目的で茂之に近づいたことで仲良くなり、やがて、茂之を標的としたいじめに加担するようになる。その後、吉本の一計で再び茂之との友人関係が修復。盗んでいた写真集を茂之に返し、山尾と関わるのを止める。後に山尾いじめに加担するようになるが、茂之の説得もあって後に山尾とも和解。その後、茂之、真野と共に成邦館高校を受け、合格する。

山尾 泰司(やまお やすし)
演 - 西本銀二郎
茂之のいじめを先導するリーダー。吉本にいじめの現場を録画され、それを親・学校・教育委員会・文部省・マスコミに公表されたくなければいじめを止めろと脅されいじめを止める。いじめを止めた後も相川たちクラスメートを誕生会に行かないよう扇動するなどして茂之を仲間はずれにしていたが、園田や三井たちが茂之と仲良くなり、さらには最後まで残っていた竹下も茂之と和解したことにより孤立。今度は自分が三井たちからのいじめのターゲットになってしまったが、茂之によって助けられる。

三井 拓海(みつい たくみ)
演 - 江口祐貴

市原 学(いちはら まなぶ)
演 - 吉田翔

竹下 陸(たけした りく)
演 - 仙石流星
上記3名は山尾の仲間。茂之をいじめている男子グループ。山尾同様、いじめを止めた後も茂之を仲間はずれにしていたが、後に三井と市原は山尾と関わることが面倒になり茂之と和解。竹下は三井たちが茂之と和解した後もしばらくの間山尾と関わっていたが、後に和解する。山尾が孤立してからは山尾をいじめるようになったが、茂之の説得によって止める。

稲垣 雫(いながき しずく)
演 - 鈴木葵

愛甲 広香(あいこう ひろか)
演 - 岩田陽葵
上記2名はクラスの女子で、茂之へのいじめを黙認していた。吉本に脅された後は茂之に対して表向きは好意的に接するが、実際は山尾らいじめグループとつるんでおり、茂之のことも「にやけている顔が気持ち悪い」「席替えしたい」などと山尾同様、陰でひどく軽蔑していた。

相川 武夫(あいかわ たけお)
演 - 川崎槙吾
クラスの学級委員。自己保身から茂之へのいじめを黙認していたが、「見て見ぬふりをした奴も共犯」と山尾たちのように吉本に脅されたことで、クラス内で茂之を無視できなくなった。

兵頭
演 - 坂本充広
茂之のクラスの担任。クラスの問題に全く気付いていなかった。

田子雄大の関係者
吉本 荒野(よしもと こうや)
演 - 忍成修吾
東大卒の中学教師。高柳の甥。雄大は元同僚だった吉本荒野の名を借り、口癖の「いいね〜」や興味を持った相手をデジカメで撮る行為を真似している。文武両道、容姿端麗、性格が明るい好青年で、他の同僚や生徒に人気があった。しかし実際は反社会性人格障害の傾向が強い危険な思想の持ち主で、ストレス発散、人体実験と称し真田に暴力をふるい、それを雄大に咎められた腹いせに、女子生徒に対して強引に性行為を要求した噂を流し、彼を社会的に抹殺しようとした。そして、水上沙良を脅して、彼女の裸の写真を撮影し、雄大に罪を着せようと画策する。沙良と雄大を守るため写真入りのかばんを奪おうとした真田と揉み合いになる中で、学校の階段から突き飛ばされ、昏睡状態に陥る。以降人里離れた井上病院に入院しており、生命維持装置でつながれている。

吉本 多恵
演 - 佐藤直子
植物状態で入院している息子の面倒を見ている荒野の母親。荒野の本性に気付いていなかった。

真田 宗多(さなだ そうた)
演 - 吉井一肇
雄大の教え子。雄大が毎日のように訪れている廃校で奇声を発しているときに握り締めている人形の持ち主。その人形はお守りとして雄大が作り、真田にプレゼントした物。

慎一の調べでは、雄大からいじめを受け、悩みを打ち明けたい本物の吉本荒野も昏睡状態に陥り、精神的に追い詰められて自殺したと考えられていたが、実際は吉本からいじめを受け、さらに彼を昏睡状態にした責任から山奥の小屋で自殺してしまう。

ゲスト
榎本 貴史(えのもと たかし)
演 - 宮川一朗太(第1話)
「パシフィック電機」営業部社員。一茂の同期入社で共に営業部所属時代は営業成績を争ったライバル関係にあったが、突如、戦友と思っていた一茂にリストラを勧告される。中学受験を控える娘がいる。

真野 さくら(まの さくら)
演 - 有川結女(第4 - 5話・最終話)
横浜市立室山第一中学校3年1組。中学1年生時代の茂之の同級生。園田の幼馴染。茂之に陣中見舞いの手紙を渡したことが切っ掛けに茂之と交際関係に発展する。しかし、この交際関係は茂之と園田の友情を再び結ばせるための吉本の策略によるものであり、吉本に買収されていた。後に成邦館高校を受け、合格する。

高津(たかつ)
演 - 平間壮一(第5 - 6話)
慎一が所属する陸上部の部員で補欠。他の部員にいじめられ、慎一に相談するも、「だったら勝手に死ねよ!」と慎一が突き放したことが決定打となり、部室で自殺を図るも未遂に終わる。その後、慎一から「俺のせいじゃないよな」と半ば強引ながら同調させられる。

高柳(たかやなぎ)
演 - 田村泰二郎(第6・9話)
吉本荒野の叔父。田子雄大・吉本荒野が同じ中学校に勤めていた時代の教頭。

丸川(まるかわ)
演 - 佐伯新(第6・9話)

西口(にしぐち)
演 - 児玉貴志(第6・9話)
上記2名は田子雄大・吉本荒野の同僚教師。吉本荒野の体罰に加担していたが、実は雄大に依頼されて、教師を演じていた劇団カナリカの劇団員。

羽間(はざま)
演 - 武子太郎(第6・9話)
丸川・西口同様雄大に依頼されて、雄大・吉本荒野の同僚教師を演じていた劇団カナリカの劇団員。

前園 泰彦
演 - 村井國夫(第7話)
佳代子の父親で慎一と茂之の祖父。実業家で、パシフィック電機の取引会社を経営。娘を一流企業に勤める取引会社の社員である一茂と見合い結婚させたが、一茂の不祥事がきっかけで彼と離婚することを佳代子に勧める。娘が父の願いを聞き入れなかったことで愛想を尽かし縁を切る。その後、娘から借金返済の申し入れや吉本の助言で小切手を渡すが一茂に断られる。

前園 光子
演 - 上岡紘子(第7話)
佳代子の母親。

若林
演 - 岩瀬亮(第8話)
慎一・飛鳥の担任。進路希望を白紙で出したことについて事情を聞くため、慎一や佳代子を呼び出す。慎一たちは万引きの件だと勘違いしていた。

スタッフ
原作 - 本間洋平『家族ゲーム』(集英社文庫刊)
脚本 - 武藤将吾
音楽 - 本多俊之
演出 - 佐藤祐市、岩田和行
演出補 - 山内大典
CG - 中村明博
フードコーディネーター - 住川啓子
スタント - 釼持誠
医療監修 - 佐々木理恵
株式投資監修 - 橋本顕愛、Financial Academy
フラダンス指導 - 祐下かおり、牧野亨子(第3話)
ギター指導 - 本多数浩(第3話)
インラインスケート指導 - 小泉博、小泉アキラ(東京ボンバーズ / 第4話)
作品協力 - 高橋陽一『キャプテン翼』(集英社 / 第7話)
プロデュース - 稲田秀樹、小林宙
プロデュース補 - 鈴木里佳子
制作 - フジテレビ
制作著作 - 共同テレビ

主題歌 - 嵐「Endless Game」(ジェイ・ストーム)


各話あらすじ(2013.4.17 - 2013.4.19)全10話 平均視聴率 12.96%
第1話 2013年4月17日「君は成績を上げたいと思うかい?異常なる家庭教師が弟を壊す」
 家庭教師の吉本(桜井)が、沼田家にやって来る。出来の悪い次男・茂之(浦上晟周)のために、母・佳代子(鈴木保奈美)が「100%東大合格」をうたう吉本に依頼したのだ。吉本は、まず家族面談を行うと、沼田家一同をリビングに集合させる。佳代子、父・一茂(板尾創路)、長男・慎一(神木隆之介)はそろうが、茂之が顔を出さない。中学校3年生の茂之は、登校拒否の引きこもり状態だった。ようやく出てきた茂之は異様な姿で、ふざけた振る舞いをするが、吉本は平気な顔をして家族面談を始める。吉本は「成績を上げたいか」と茂之に確認するが、まともな答えは返ってこない。すると吉本は、家族も驚くような行動に出る。

第2話 2013年4月24日「弟が家庭教師の犬になる!」
 茂之(浦上晟周)の母・佳代子(鈴木保奈美)は、夫の一茂(板尾創路)に、茂之の家庭教師・吉本(桜井翔)を早く辞めさせるよう訴える。だが一茂は、吉本との契約による違約金を気にして決断できない。茂之の兄・慎一(神木隆之介)は、そんな父に「何で中身も確認しないでサインしたんだ」と言う。そんな中、茂之が制服姿で部屋から降りてくる。一茂は、驚きながらも茂之の登校を喜び、吉本の解雇の話はうやむやになってしまう。怪しげな吉本を、何としても辞めさせたい茂之は、再度「1週間、通学できたら、本当に辞めてくれるのか」と吉本に確かめる。約束は守る、と断言した吉本は、できなかった場合のペナルティーを提案する。

第3話 2013年5月1日「誕生日会に家庭教師がクラス全員招待!」
 吉本(桜井翔)は、自分のストーリーの一部を教えると慎一(神木隆之介)に告げ、ある病院へ車を走らせる。訪ねた病室には「吉本荒野」という患者のプレートがあった。吉本は、生命維持装置につながれたこの患者こそが本物の「吉本荒野」であり、自分の弟だと語る。にわかには信じ難い慎一だったが、うそとも思えなかった。一方、登校した茂之(浦上晟周)は、吉本の脅しが効いて一変したクラスの空気に驚く。吉本は、クラスメートを招いて茂之の誕生日会をやろうと言いだし、家族にも協力を依頼する。翌日の夜、一茂(板尾創路)に接近する舞香(忽那汐里)が、一茂の忘れ物を届けに沼田家へやって来る。一茂は慌てて帰そうとするが、吉本が勝手に家に上げてしまい、夕食を共にすることに。しかも吉本は、舞香を誕生日会に誘う。

第4話 2013年5月8日「弟にラブレター??家庭教師強引にデートを仕込む!」 ※22:00〜23:09
 吉本(桜井翔)への疑いを拭えない慎一(神木隆之介)は、インターネットで「吉本荒野を訴える会」というサイトを見つける。慎一は、サイトの管理人にメールを送り、吉本の今までの悪行を訴え、家族を救いたいと伝える。一方、佳代子(鈴木保奈美)との関係が悪化する一茂(板尾創路)は、その引き金となった、舞香(忽那汐里)との盗聴テープの出どころを吉本に尋ねる。吉本は、部屋に落ちていたテープを拾ったことを認め、わびる。だが吉本は、佳代子には自分が盗聴して録音したと告白。そんな折、茂之(浦上晟周)が学校で、さくら(有川結女)という女の子からラブレターをもらう。それを知った吉本は、猛烈な応援を開始。さくらの好みを調べたファイルを茂之に渡し、ラブレターの返事を書いた上に、デートのセッティングまでする。

第5話 2013年5月15日「慎一は沼田家が生み出したモンスターだ」
 吉本(桜井翔)の教え子・茂之(浦上晟周)の成績が、著しく上がり始める。告白に成功したさくら(有川結女)の存在も影響してか、茂之は勉強に積極性が出てきた。一方、茂之の兄・慎一(神木隆之介)は成績が下がり気味な上、部活動も休みがちに。また、一茂(板尾創路)への愛情が一気に冷めた佳代子(鈴木保奈美)は、急激に株投資にのめり込んでいた。そんな折、茂之はさくらに呼び出され、衝撃の告白を受ける。彼女は、幼なじみの園田(松島海斗)のことも好きだという。さくらは、次回の模擬試験で成績の良かった方と、恋人として付き合うのはどうかと提案する。園田は既に承知しており、茂之は勝負を受けるしかなかった。早速、茂之は事の成り行きを、吉本に話す。

第6話 2013年5月22日「緊急家族会議!議題は家庭教師解雇の件」
 一茂(板尾創路)は、最近成績が芳しくない慎一(神木隆之介)に、家庭教師として吉本(桜井翔)を付けると決める。激しく抵抗する慎一を、半ば強引に承諾させた吉本は、夏休みの間、沼田家に住み込むことを提案。一茂はためらうが、母・佳代子(鈴木保奈美)が賛成したため、同居が決定する。翌日から、吉本に付きまとわれるようになった慎一は、真希(忽那汐里)へも簡単に連絡ができない状況に。いら立ちを募らせた慎一は「もう自分に構うな」と激高し、吉本は、あっさりと引き下がる。そして、慎一と真希は、本格的に吉本を追い落とす作戦を練る。

第7話 2013年5月29日「沼田家崩壊は3年前から始まっていた!母佳代子の絶望」
 家族から孤立し、真希(忽那汐里)に傾倒する慎一(神木隆之介)に、吉本(桜井翔)は「君には、もっと試練を与える」と言い放つ。慎一が真希と映画館でデートをしていると突然、吉本が現れ、父・一茂(板尾創路)が真希に会いたがっていると伝える。慎一が拒否するのも聞かず、吉本は「夫婦の仲を悪くした責任があるだろ」と真希を追い詰める。一方、母・佳代子(鈴木保奈美)は、自分を変えたいと願うようになっていた。友達も増え、変わっていく次男・茂之(浦上晟周)の姿を見て、その思いは募るばかりだった。しかし、佳代子は再び株で膨大な損失を出してしまう。吉本は佳代子に、実家に頼るしかないとアドバイスするが、彼女はできないと断る。実は、佳代子は一茂のことが原因で、実家から縁を切られていたのだ。

第8話 2013年6月5日「家庭教師による家族ゲーム、結果発表!」
 沼田家の崩壊は、もう誰にも止められない、という吉本(桜井翔)の言葉も届かず、家族の面々はそれぞれ勝手な行動を取る。母・佳代子(鈴木保奈美)は、株でつくった借金を前に思考停止。父・一茂(板尾創路)は、会社の金を横領して穴埋めしようと画策。長男・慎一(神木隆之介)は、真希(忽那汐里)への疑惑を感じながらも、交際を続けていた。次男・茂之(浦上晟周)は、新たな集団いじめに、不本意ながらも加担し始める。そんな中、高校をやめて働くと言いだした慎一に、吉本はゲームをしないかと持ち掛ける。それは慎一の高校卒業を懸けたもので、結局、慎一は提案に応じてしまう。その後、真希の正体を探ろうと、立花家の跡地に赴いた慎一は、衝撃の事実を知る。

第9話 2013年6月12日「吉本の衝撃の過去!崩壊の先に…」
 沼田家は、吉本(桜井翔)によって完全に崩壊する。家族の間には会話一つなく、佳代子(鈴木保奈美)はスーツケースを持って家を出ていく。一茂(板尾創路)は再就職先を探すが、経歴によるプライドが邪魔をして、なかなか仕事が決まらない。不登校に逆戻りした茂之(浦上晟周)は、友達の園田(松島海斗)からの連絡で久しぶりに登校したものの、またも集団いじめに加担していく。高校をやめた慎一(神木隆之介)は、怠惰な日々を送りながら、吉本への憎悪を高めていた。そんな折、慎一を心配して、飛鳥(北原里英)が沼田家を訪れる。

最終話 2013年6月19日「あの男が家庭教師になった理由〜彼は誰を殺したのか?」
 吉本(桜井翔)が沼田家に戻ってくる。ちょうど佳代子(鈴木保奈美)が、一茂(板尾創路)ら家族に離婚の意思を伝えていたところだった。だが、吉本は構わず「ある物を回収し忘れた」と言い、勝手に家の中を捜し回る。帰り際、吉本は佳代子に、彼女が離婚を切り出した真意を指摘してみせる。そして慎一(神木隆之介)には、ある命令を残す。吉本の言葉が気になった慎一は、もう一度、沙良(忽那汐里)と会い、8年前の話の続きを聞くことを決意する。そのころ、茂之(浦上晟周)もまた、一計を案じていた。

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