概要
羽田美智子と板谷由夏が、かつてバイオリニストとして同じ夢を追い、そして争った親友を演じる大人の友情物語。ソロの座を勝ち取り、オーケストラマスターとして活躍する主役を羽田が、結婚・妊娠で夢をあきらめたもう一人の主人公を板谷が演じる。そして物語のキーマンとなる板谷の夫役には谷原章介をキャスティング。一時は音信不通になった2人が17年の歳月を経て再会し、それぞれが手に入れ、そして失ったものの大きさを通じて、人生の第二楽章をスタートさせる姿を描く。
ストーリー
かつて東京ナショナル交響楽団の同じバイオリニストで、親友だった白瀬茉莉(羽田美智子)と遠藤奈津美(板谷由夏)。ソロの座をかけて切磋琢磨していたが、奈津美は妊娠を機に引退し、茉莉はソロを勝ち取った。17年の歳月を経て、元チェリストの遠藤一登(谷原章介)と幸せな家庭を築いた奈津美と、シカゴ管弦楽団のコンサートマスターとなった茉莉は再会を果たす。しかし、茉莉は当時思いを寄せていた一登への未だ冷めない思いに気づき、奈津美は成功した茉莉をうらやましく感じる。さらに、音楽から遠ざかっていた一登の心にもあきらめきれない気持ちが芽生える。
キャスト
白瀬 茉莉(しらせ まり)
演 - 羽田美智子(少女期:大後寿々花)
シカゴ管弦楽団コンサートマスター。元東京ナショナル交響楽団コンサートマスター。楽団所属時代、コンサートのソリストに選ばれるため、楽団長に奈津美の妊娠を告げ、ソリストに選ばれる。かつて、一登に恋をしていたが、奈津美の妊娠により失恋した。
奈津美とは音楽大学時代の親友で凱旋コンサートのため一時帰国したときに再会する。シカゴ管弦楽団の幹部が交代した影響で、コンサートマスターの座を下ろされる。
遠藤 奈津美(えんどう なつみ)
演 - 板谷由夏(少女期:荒井萌)
一登の妻。元東京ナショナル交響楽団員。元ヴァイオリニスト。旧姓:中村。茉莉とは音楽大学時代の親友だった。楽団長からコンサートのソリスト決定の報告を受けたとき、親友の茉莉だけに話していた妊娠の事実を楽団長が知っていたことに愕然とする。
鈴奈を妊娠したのを機に退団し、ヴァイオリンをやめ、現在は専業主婦として暮らす。惣菜店でパートをしている。
遠藤 一登(えんどう かずと)
演 - 谷原章介
奈津美の夫。茉莉のヴァイオリンのファン。旅行代理店・ツバメツアーズ勤務。茉莉や奈津美と同じオーケストラのチェリストだったが妊娠した奈津美と共に退団した。シカゴ出張の際に、茉莉と再会した。
遠藤 鈴奈(えんどう すずな)〈16〉
演 - 門脇麦
奈津美と一登の娘。高校生。現在ヴァイオリンを習っており、茉莉に憧れている。茉莉が日本に滞在している間、直接彼女からヴァイオリンの指導を受ける。
東京ナショナル交響楽団
小宮山 るみか - 久世星佳
元楽団員。チェリスト。現在はオーケストラのエキストラをしている。
岡 真知子 - 久保田磨希
元楽団員。元ヴィオリスト。現在は近所の音楽教室でヴィオラを教えている。
富永 雅也 - 田中圭
ステージマネージャー。茉莉と奈津美が楽団に在籍していた頃はローディーとして働いていた。特徴的だった奈津美の演奏が記憶に強く残っている。
桜井 信一郎 - 串田和美
楽団長。茉莉や奈津美の入団時は指揮者をしていた。
その他
白瀬 歌子 - 森山良子
茉莉の母。スナック歌子経営。娘からヴァイオリンを取り上げたら何も残らないのだから、ヴァイオリンを辞めて、ヴァイオリニストとしての人生を諦めないようにと辛辣ながら愛情がこもったアドバイスを茉莉に送る。
遠藤 久代 - 白川由美
一登の母。秋田県在住。連絡もなしで度々、息子家族の元へ上京して来る。
熊谷 美紀 (16) - 佐々木萌詠
鈴奈の同級生。父と茉莉の関係に悩む鈴奈に、状況をよく見極め、行動するべきだとアドバイスを送る。
スタッフ
脚本 - 金子ありさ
音楽 - 渡辺俊幸
演出 - 岡田健、木内健人、田中英治
演奏 - 東京フィルハーモニー交響楽団、フェイスミュージック
バイオリンソロ演奏 - 奥村愛
オーケストラ考証 - 新井鷗子
バイオリン指導 - 荒井章乃
チェロ指導 - 海野幹雄
医事監修 - 片山雅彦、河村寿宏
看護指導 - 石田喜代美
制作統括 - 小松昌代(NHKエンタープライズ) / 藤澤浩一(NHKドラマ番組部)
制作 - NHKエンタープライズ
制作著作 - NHK
主題歌 - 山下達郎 「コンポジション」(ワーナーミュージック・ジャパン)
各話あらすじ(2013.4.16 - 2013.6.11)全9話 平均視聴率 5.90%
第1話 2013年4月16日「予感〜フォルテ(強く)」 ラテ欄「予感〜フォルテ(強く)・忘れたい痛みと恋しさ溢れて」
かつて親友で、オーケストラのバイオリニストとして一緒に夢を追い、争っていた二人の女性(羽田美智子、板谷由夏)。やがて、一人は妊娠により戦線離脱。もう一人は今もオーケストラのコンサートマスターとして輝いている。音信不通だった二人が、16年の歳月を経て再会。そして、二人にとって、優しい「第二楽章」の人生ドラマが始まる。作・金子ありさ、演出・岡田健ほか。 茉莉(羽田)が一時帰国すると知った奈津美(板谷)に、16年前の記憶がよみがえる。かつて二人は、同じオーケストラのバイオリニストとしてソロの座を争った。親友だったのに、あの日から会っていない。奈津美は妊娠とともにバイオリンを捨てた。夫の一登(谷原章介)もその時、オーケストラを辞めた。今は幸せだが、親友を失ったあの日の記憶に心が揺れる。そして、思い出の曲とともに訪れた再会は、二人をまた親友に戻す。
第2話 2013年4月23日「後悔〜メゾピアノ(やや弱く)」ラテ欄「後悔〜なくした夢と恋の足音が再びメゾピアノで」
茉莉(羽田美智子)を家に招いた奈津美(板谷由夏)は、張り切って準備を。だが、茉莉とほぼ同時に姑・久代(白川由美)も訪ねてきて、奈津美の考えていたもてなしは台無しになってしまう。そんな中、家で一登(谷原章介)と2人きりになった茉莉は、電話したことを明るくわびた。実は2年前、出張で立ち寄ったシカゴで、2人は会っていたのだ。その後、茉莉から個人レッスンを受けた娘・鈴奈(門脇麦)は、シカゴに留学したいと言い出す。
第3話 2013年4月30日「秘密〜メゾフォルテ(やや強く)」ラテ欄「秘密〜あなたを信じたいあなたを奪いたい」
恋人と別れ、シカゴでのコンサートマスターの座も失った茉莉(羽田美智子)に、一登(谷原章介)は優しい言葉を掛ける。そして一登は、初めて会ったときの忘れられない瞬間のことを、思わず告白してしまう。それは茉莉も同じで、一番の後悔はキャリアなどではなく、一登に自分の気持ちを言えなかったことだった。そんな中、奈津美(板谷由夏)とけんかをして家出をしてきた奈津美の娘・鈴奈(門脇麦)が、茉莉の元に駆け込んでくる。
第4話 2013年5月7日「約束〜ピアニッシモ(さらに弱く)」ラテ欄「約束〜あなたの嘘がつらい優しさが怖い」
一登(谷原章介)は奈津美(板谷由夏)に、病院まで茉莉(羽田美智子)を訪ねていたことを告げる。そんな一登の態度に、何かを感じる奈津美。一方、鈴奈(門脇麦)は、コンクール出場の誘いを受けて、出場を決意。茉莉からバイオリンのレッスンを受ける回数が増える。そんなある日、奈津美は門限を破った鈴奈が、茉莉といたとうそをついていたことに気付く。いら立つ奈津美との言い争いの末、鈴奈は家を飛び出して茉莉の元へと向かう。
第5話 2013年5月14日「記憶〜クレッシェンド(だんだん強く)」ラテ欄「記憶〜帰りたくない女と忘れられない女がついに!」
家出した奈津美(板谷由夏)の居場所に思い当たった茉莉(羽田美智子)。そして茉莉は、奈津美を見たとたん、周囲が心配しているのに孤独などと不幸なふりだと胸の内を吐き出す。奈津美は、裏切ったのは茉莉の方だと反論し、16年抱え続けてきた思いをついに口にする。茉莉は、奈津美にだけ一登(谷原章介)が好きなことを告白したと語る。全てをあらわにしてののしり合い、涙を流し合う茉莉と奈津美は、親友に戻ったと感じるが…。
第6話 2013年5月21日「岐路〜フェローチェ(荒々しく)」ラテ欄「岐路〜それは突然におとずれた別の人生」
再び演奏に打ち込む茉莉(羽田美智子)が、変化を感じ取った雅也(田中圭)に飲みに誘われ、向かった先は茉莉の母親・歌子(森山良子)のスナックだった。茉莉の顔色から体調の変化を感じた歌子は、雅也に病院へ連れて行くよう頼む。何でもなかったと言う茉莉だが、実は妊娠していた。シカゴで別れた恋人に知らせるつもりのない茉莉は動揺し、奈津美(板谷由夏)に打ち明けると、私にはできなかったことが今の茉莉ならできると言われる。
第7話 2013年5月28日「告白〜アダージョ(ゆっくりと)」ラテ欄「告白〜あなたを失わない!涙と約束と光」
奈津美(板谷由夏)に付き添われた茉莉(羽田美智子)は、楽団長・桜井(串田和美)に対し、出産してもコンサートマスターを続けさせてほしいと宣言。だが、茉莉の年齢と性格を知っている桜井は、返事をしなかった。奈津美の懇願に2人の変化を感じ取った桜井は、茉莉をよろしく頼むと奈津美に頭を下げる。ようやく新たなステージに立った2人に、一登(谷原章介)は、祝福する思いと同時に、1人取り残されたような気持ちを感じていた。
第8話 2013年6月4日「決心〜フォルテピアノ(強くすぐに弱く)」ラテ欄「決心〜かなわぬ思い乱れ新しい幸せへと」
茉莉(羽田美智子)は、出産後にがんの切除手術を受けることを決意。それまでは抗がん剤や放射線治療などを行わず、母体を第一とした闘病をすることにした茉莉に、奈津美(板谷由夏)は、全てを犠牲にしても付き添おうとする。だが、茉莉は精いっぱいの友情として「私の病気を言い訳にしないで」と告げる。そんな中、シカゴに旅立つことを決め1人で生きようとする茉莉の決心に共鳴した雅也(田中圭)は、茉莉への思いに気付く。
最終話 2013年6月11日「誕生〜カンタービレ(歌うように)」ラテ欄「誕生・カンタービレ愛をあきらめない」
出産を控えている茉莉(羽田美智子)だが、がんの進行していることが分かる。そのことを知った奈津美(板谷由夏)は、娘・鈴奈(門脇麦)のコンクール出場を支えてほしいと茉莉に頼む。やがて、再び帰国した茉莉は日本で出産することを決意。そして、新しい命の誕生と時を同じくして、鈴奈のコンクールでの演奏が始まった。一方、歌子(森山良子)は茉莉のそばから片時も離れずに、一瞬の変化も見逃さないようにと見守り続けていた。
各話視聴率
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(第二楽章 - Wikipedia)
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