原作
『確証』(かくしょう)は今野敏による警察小説。
概要
盗犯(空き巣、ひったくり、盗難など)を担当する警視庁捜査3課のベテラン刑事とその部下の女性刑事がコンビを組み、強盗殺人事件の捜査を進めていく「萩尾警部補シリーズ」の長編警察小説。
刑事が主人公の小説では殺人、強盗、暴行などの強行犯を題材とする作品が多いが、地味ではあるが盗犯係が中心となる物語は前例にないということと、プロの常習者と刑事との攻防に面白さがあるのではないかということが本作の発想の原点である。また、本作では主人公の萩尾を描くにあたり、盗犯係の職人気質という性質から私生活は描かず職人として仕事をする姿を描いている。
ドラマ概要
警視庁捜査3課を舞台に、盗犯捜査のベテラン刑事と親子ほど年の離れた若手女性刑事の年の差コンビが職人技で強盗殺人事件などの真相に挑む刑事ドラマ。エリート集団であり花形部署である捜査1課(殺人や傷害などを扱う部署)との軋轢をリアルに描く。
高橋克実にとっては、本作が民放の連続ドラマ初主演となる。
ストーリー
警視庁捜査3課に配属された武田秋穂(榮倉奈々)の出勤初日に渋谷の宝石店で強盗事件が起きる。現場に駆け付けた秋穂は、野次馬の中に鋭い目つきをした男を発見する。その男はコンビを組むことになるベテラン刑事の萩尾秀一(高橋克実)だった。さらに六本木の宝石店でも金庫破りが発生。2つの事件ともに「グライダー家の三姉妹」の異名を持つ3つのダイヤが関係していることも判明し、2人は捜査に乗り出す。萩尾から次第に捜査のイロハを叩きこまれることになる秋穂は、刑事として成長していく。
キャスト
警視庁刑事部
捜査第3課第5係
萩尾 秀一 (48) - 高橋克実
警部補。警視庁捜査員の中では手口捜査に定評があり、盗犯捜査歴21年のベテラン刑事。
武田 秋穂 (25) - 榮倉奈々
巡査部長。所轄の生活安全課から警視庁捜査3課に配属された若手女性刑事。元々は捜査1課志望だった。
田村 喜一郎 - 田中完
猪野 勝也 - 山本龍二
係長。警部。新人刑事の武田にパワハラやセクハラ行為だと思われない指導方法を心掛けるよう萩尾に命令する。
捜査第1課
菅井 直隆 (45) - 設楽統(バナナマン)
警部補。エリート刑事。殺人捜査こそが花形だと考え、第3課を敵視するが、萩尾の独自の視点で事件に向かう姿勢に一目置いている。
苅田 浩 - 松田悟志
巡査部長。菅井の部下。エリート意識が強い。
佐々部 淳 - 宮原将護
田端 守雄 (58) - 角野卓造
課長。警視正。ノンキャリアの叩き上げ。
警察関係者
小渕 貴大 - 柳下大
巡査部長。刑事部鑑識課。萩尾から腕前を認められている若手鑑識官。愛称「ブチ」。
桑名 光 - 中村靖日
巡査部長。渋谷山手警察署刑事課。萩尾も認める腕利きの盗犯刑事。萩尾らと合同で捜査に当たる。
清風寮
友坂 美奈代 - 黒川智花
巡査。渋谷山手署交通課。秋穂の警察学校時代の同期生。
牧村 シズ - 西尾まり
巡査部長。生活安全部。
弓田 英子 - 飯沼千恵子
巡査。刑事部捜査支援分析センター。
上村 早苗 - 鷲尾真知子
ベテラン寮母。長年、警察独身寮の仕事に携わっている経験から萩尾のこともよく知っている。
その他
福田 大吉 (66) - 泉谷しげる
元泥棒。通称「鍵福」。錠前破りの達人。萩尾の昔なじみで萩尾にとっての盗犯業界の情報源。
萩尾 ゆりこ - 中嶋朋子
萩尾の妻。病気がちで入退院を繰り返している。夫婦仲は良い。実は萩尾が職務質問した際に逃走し、追い掛けられている最中に事故に遭い死亡した窃盗犯の妻だった。2人の出会いは萩尾が独自に捜査して謝罪しに来たことがきっかけである。
スタッフ
原作 - 今野敏『確証』(双葉社刊)
脚本 - 森下直、武田有起、松本美弥子
音楽 - 市川淳
演出 - 吉田健、竹村謙太郎、北川雅一
演出補 - 古林淳太郎
音楽コーディネーター - 溝口大悟
CG - 田中浩征
タイトルCG - 前川貢、井田久美子
警察監修 - 志保澤利一郎、倉科孝靖(チーム五社)
医療指導 - 池添祐大
ファイティングコーディネーター - 佐々木修平
アクションコーディネーター - カラサワイサオ
ガンエフェクト - 早川光
方言指導 - 上村依子、若野裕子
どどさい節歌唱指導 - 小野田浩二
レース編み指導 - クラッセ代官山
写真協力 - JICA横浜、海外移住資料館、藤崎康夫
技術協力 - 東通
制作 - 那須田淳
チーフプロデューサー - 橋本孝
プロデューサー - 倉貫健二郎、加藤章一、齊藤彩奈
制作協力 - ドリマックス
製作著作 - TBS
主題歌 - 家入レオ「Message」(ビクターエンタテインメント)
各話あらすじ(2013.4.15 - 2013.6.24)全11話 平均視聴率 9.90%
第1話 2013年4月15日「警察ミステリー最高峰!死体が余計だ」
※初回のみ 20:00〜20:59。
警視庁捜査3課に配属された秋穂(榮倉)の出勤初日、東京・渋谷の宝飾店で強盗事件が発生する。強盗事件は捜査1課の仕事だが、こっそりと事件現場へ向かった秋穂は、そこで、上司となる萩尾(高橋)と出会う。秋穂は萩尾の相棒となり、盗犯刑事としての基本を教え込まれることに。そんな中、六本木の宝飾店で金庫破りが発生し、萩尾と秋穂は現場に急行する。被害状況から、渋谷と六本木の事件は同一犯によるものとの見方が出るが、萩尾は「手口が違う」と言い、二つの事件が起こったのは「偶然ではなく必然だ」とつぶやく。秋穂らは、その真意をただすが、「確証がない」とはぐらかされる。鑑識の小渕(柳下大)から、六本木の事件現場の指紋認証センサーに特殊な物質が付着していたと聞いた萩尾は、迫田(近藤正臣)という男に会いに行く。
第2話 2013年4月22日「3課の流儀…“死体が余計だ”解決編!」
「クライダー家の三姉妹」と呼ばれる由緒ある三つのダイヤが立て続けに盗まれ、そのうちの一件では、殺人まで起こった。連続強盗殺人事件として捜査1課を中心に捜査本部が立ち上がり、3課からも萩尾(高橋克実)と秋穂(榮倉奈々)が参加する。捜査会議で萩尾は「三つの事件には”クライダー家の三姉妹”を盗む、という流れがある。しかし、最後の赤坂の事件だけは、遺体と金庫が浮いている」と発言、捜査1課の菅井刑事(設楽統)と対立する。萩尾と秋穂は、金庫破りの迫田(近藤正臣)の周辺を徹底的に調べることにする。二人は、迫田が昔、町工場を経営していた時の従業員・本多(宮川一朗太)に話を聞きに行く。
第3話 2013年4月29日「二重の密室殺人!鍵のかかった絆と涙!」
1週間で同じ手口の窃盗事件が20件以上発生。犯人は犯行後、全ての物をきちんと元の状態に戻し、鍵も掛けて出ていくため、住人は泥棒に入られたことに気付くのが遅れるという。捜査3課では、この窃盗事件の捜査本部を立ち上げ、捜査を開始する。萩尾(高橋克実)はその手口などから、容疑者を金ケ谷(忍成修吾)に絞り、秋穂(榮倉奈々)や所轄の刑事らと調べ始めたところ、捜査1課が捜査をしている殺人事件現場の家にたどり着く。それはレストランオーナー・樋口(ヨシダ朝)が自宅のワインセラーの中で殺害された事件で、自宅の鍵もワインセラーの鍵も施錠されている二重の密室状態だったという。
第4話 2013年5月6日「黒い蛇〜女泥棒の罠に隠された母の涙!」
1週間に立て続けに起こった事務所荒らし。自らの関節を外し、人間が通れるかどうかぎりぎりのスペースを通って侵入し、侵入経路にわずかなファンデーションだけを残して去っていく。その手口を見た萩尾(高橋克実)は「黒蛇」と呼ばれていた女泥棒を思い出す。3年前に飲食店ばかり100件以上も荒らし、捜査本部が立ち上がった途端に姿を見せなくなったという。手掛かりを求めて、3年前の事件からたどり始めた萩尾と秋穂(榮倉奈々)は、グルメライターをしていた鏡子(青山倫子)の存在を知る。3年前に、男の子を持つ離婚経験のあるオーナーシェフ・工藤(津田寛治)と結婚し、今は専業主婦だという。鏡子に関して、幾つか気になった萩尾は、秋穂と共に彼女を張り込み、周辺を調査し始める。
第5話 2013年5月13日「緊急事態!拳銃立てこもり犯を逮捕せよ!奇妙な人質」
銀行強盗犯が民家に立てこもった。テレビ中継を見ていた萩尾(高橋克実)は、民家の2階部分に注目する。映像には、2階の窓が特殊な形で切り抜かれた状態で映っていた。その情報を捜査本部に知らせた萩尾は秋穂(榮倉奈々)と共に、立てこもり現場に赴く。強盗犯は、民家の住人・倉田(遠山俊也)を人質にしている様子だった。交渉の電話のやりとりから、萩尾は電話口で話しているのは空き巣犯罪専門の安原(滝藤賢一)だと確信する。捜査本部は安原を犯人と断定しようとするが、萩尾は「安原は空き巣専門で、強盗はしない」と言い切る。
第6話 2013年5月20日「少女を救う!?奇跡の銃声!立てこもり事件涙の解決編」
強盗犯の庄司(阿部亮平)が、人質を取って民家に立てこもっている。しかも人質に取られたのは家人ではなく、たまたまその家に空き巣に入っていた窃盗犯・安原(滝藤賢一)だった。萩尾(高橋克実)はそのことを見抜き、捜査本部には驚きが広がる。その上、屋根裏にはこの家の娘・晴菜(熊田聖亜)が隠れていた。晴菜には持病があり、一刻も早く庄司に知られずに救出する必要があった。それを知った秋穂(榮倉奈々)は気が気でない。萩尾は庄司に悟られないように、交渉用の電話で安原に中の様子を尋ねる。
第7話 2013年5月27日「盗まれた疑惑…消えた2億円×殺人!警察VS権力の壁」
大物政治家・河合(小木茂光)の個人事務所で窃盗事件が発生し、萩尾(高橋克実)と秋穂(榮倉奈々)は現場に急行する。事務所の金庫が破られ、30万円が盗まれた。現場には、犯人が飲んだと見られる缶ビールが残されていた。萩尾たちが捜査を始めようとしたところ、捜査3課に、東京地検特捜部の藤堂(戸次重幸)が現れる。2億円の闇献金が河合の事務所に運ばれたという情報を得て、特捜部が家宅捜査に入ろうとした矢先に、この窃盗事件が起こったという。しかし、現場には2億円などなかった。窃盗の手口や手掛かりから、萩尾たちは容疑者を篠原(三又又三)に絞る。ところが篠原は、窃盗の手口は自分のものだが、河合の個人事務所に関しては、やっていないと言い張る。そんな時、秋穂がある事に気付く。
第8話 2013年6月3日「身元不明の犯人は!?刑事の妻が語る真実と最大の試練」
捜査3課と入国管理局の合同摘発が行われることになった。入国管理局の目的は、不法滞在の外国人労働者の摘発。捜査3課の目的は、大久保(橋本じゅん)という男だった。大久保は、盗難車を仕入れて解体し、闇ルートで海外に売りさばいていた。萩尾(高橋克実)と秋穂(榮倉奈々)は、逃げる大久保を追い、確保する。しかし、もう一人、逃げる男(菊田大輔)を追って拳銃を向けた秋穂の前で、男は車道に飛び出し、車にはねられてしまう。集中治療室(ICU)に運び込まれた男は危篤状態で、付き添う秋穂は、せめて家族に知らせたいと思うが、身元が分かるものは何もない。秋穂は、自分のせいで人が死ぬかもしれないと自分を責め、病院から動けずにいた。一方、闇ルートとICUにいる男の身元を聞き出そうとする萩尾に、大久保は一つ条件を出す。
第9話 2013年6月10日「伝説の大泥棒が挑む人生最期の大仕事!」
同じような手口の窃盗事件が3件発生した。部屋の荒らし方は乱暴でまるで素人だが、金庫を開ける技術は玄人で、鍵には傷一つなかった。捜査3課は、素人と玄人が混在する窃盗団の仕業と見当を付ける。萩尾(高橋克実)は、その錠前破りの手口から、福田(通称・鍵福=泉谷しげる)の仕事とにらむ。萩尾と秋穂(榮倉奈々)に問い詰められた鍵福は、自分の仕事ではないと笑い飛ばし、自分は病気であと1年の命だと告げる。そんな折、窃盗団が、盗みに入った先で警備員を殴打して逃走する。その時の防犯カメラに鍵福が映っていた。何年も前に現役を引退した鍵福が、なぜ今ごろになってまた錠前破りを始めたのか、萩尾は疑問を抱く。
第10話 2013年6月17日「女子高生スリ団!盗まれた企業秘密と父と娘の涙の絆」
萩尾(高橋克実)と秋穂(榮倉奈々)は、車上荒らしの被害に遭った男性に遭遇する。内丸(小市慢太郎)というその男性は、財布と仕事の資料を盗まれていた。財布の中には、仕事上の大事なデータが入っていたという。車上荒らしの手口から、萩尾は柳田(井戸田潤)が犯人だと見当を付ける。柳田は犯行を認めたものの、財布は電車の中で女子高生にすられたと言いだす。萩尾と秋穂は、最近ある路線で、すり事件が多発しているという情報を得て調べ始める。すると、すり事件が起こったのと同じ時間帯に同じ電車で、痴漢事件が起こっていたことが判明。萩尾たちが、痴漢被害を訴えた女子高生に会いに行くと、そこで内丸の娘・美晴(早見あかり)と出会う。
最終話 2013年6月24日「最終回スペシャル盗まれた刑事の妻!VS怪盗百面相」
萩尾(高橋克実)の妻ゆりこ(中嶋朋子)が、入院先の病院から消えた。萩尾と秋穂(榮倉奈々)が病院内を捜し回ると、看護師が連れ出したという証言があり、ゆりこが乗せられていたと見られるストレッチャーには、片面がつぶされたコインが1枚残されていた。コインを見た萩尾は、ゆりこを連れ出した看護師が国際手配中の大泥棒「ファントムシャドウ」だとにらむ。そんな中、萩尾に1本の電話が入る。それは過去に萩尾が逮捕した窃盗犯・川端(宇梶剛士)からだった。
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タグ:確証〜警視庁捜査3課