概要
東京セレソンデラックスの舞台『ぴえろ』をベースに、作者である宅間孝行自身が再構築してドラマ用に新たに脚本を書き下ろし、さらにチーフディレクターとして演出を担当する。主役の沢木裕次郎を演じる古田新太は本作が連続ドラマの初主演作品となる。東京の下町・蔵前の寿司屋を舞台にした人情味あふれるコメディーで、舞台『ぴえろ』では描かれなかったエピソードを加えつつ、1日分のストーリーを1話として10日あまりの物語が展開していく。
キャッチコピーは「バレちゃいけないウソがある。知られちゃいけないコトがある。」
フジテレビのYouTube公式チャンネルであるフジテレビ「ミトカナイトフジ!」にて、サイドストーリーとなるスピンオフドラマ『かわされちゃった男』を無料配信中。
ストーリー
主人公のコソ泥・沢木裕次郎は、舎弟のヤスを連れてある晩東京の下町・蔵前にある寿司屋「寿司政」に忍び込むが、あっさり見つかってボコボコにされる。ところが失神した2人が目覚めると、10年前に店から失踪した腕利きの板前・テルにそっくりな沢木のことをテルだと勘違いした寿司政の面々から思わぬ大歓迎を受ける。なんとか逃げ出そうと画策するものの、寿司政の置かれた窮状を知り、さらに沢木が寿司政の大将の娘・秋子に一目惚れしてしまったことから、逃げ出すことができずますます深みへとはまっていく。
2013年6月11日(-1日目)、大友政史の通夜、2013年6月12日(0日目)、大友政史の葬式が終わった23:30頃、本宮照夫が「寿司政」へ訪ねてくる。2013年6月13日(1日目)24:00頃、沢木裕次郎と川村靖が「寿司政」へ忍び込む。
キャスト
沢木 裕次郎
演 - 古田新太
人情に厚くて涙もろく、人の良さが災いして失敗ばかりを繰り返すさえないコソ泥。10年前に寿司政から姿を消した腕利き職人「テル」にそっくりだったことから「テル」に間違われる。
本宮 照夫〈42〉
演 - 古田新太(第8話まで写真のみ / 第9話)
寿司職人。通称「テル」。中学卒業後に寿司政に修行に入り、独立するなら資金を提供しても良いとハセガワフラワーの先代社長に言われるほどの腕のいい職人となったが、10年前、30歳を過ぎた頃に突然寿司政から姿を消した。
川村 靖
演 - 中丸雄一
沢木の舎弟で、通称「ヤス」。沢木のことを「兄貴」と慕う。寿司政では咄嗟に「鈴木胸男」と名乗る。
大友 秋子
演 - 戸田菜穂
寿司政の長女。銀座の高級クラブのホステス。急逝した大将の後を受け、大将の残した寿司政を必死に守ろうとする。
大友 春子〈29〉
演 - 佐藤めぐみ
寿司政の次女。姉思いで明るい性格。声優志望で、声優事務所に所属。
待場 順平
演 - 木村了
寿司政の従業員。元鳶職人。弟子入りして3年だが、主に接客担当の見習いで板前としてはほぼ素人。
碓井 幸
演 - 三倉佳奈
生花店・ハセガワフラワーに先週入ったばかりのアルバイト店員。通称「伝書鳩」。もじもじとしした仕草でたどたどしく話し、寿司政にちょくちょく現れて2人の様子を窺う。
広岡 公
演 - 阪田マサノブ
闇金融・デラックスローンの借金取立人。
桃山 エリカ〈29〉
演 - ICONIQ
借金取立人。元は人気抜群のAV女優。春子と生年月日が同じ。
藤原 源太
演 - 大河内浩
寿司政の隣にある銭湯・藤の湯の三代目主人で、大将の幼馴染。秋子と春子を自分の娘のようにかわいがる。
藤原 セツコ
演 - 石田えり
源太の妻で、藤の湯の女将。世話好きで、源太とともに秋子と春子のことを気遣う。
大友 政史 (回想)
演 - 金田明夫
寿司政の大将。秋子と春子の父。沢木たちが忍び込む4日前にクモ膜下出血で急逝した。
その他
小野寺 淳介
演 - 小木茂光(第3 - 4・7・10 - 最終話)
警視庁蔵前北警察署盗犯係刑事。蔵前管内の寿司屋だけを狙った連続窃盗事件を捜査している。
香田 和彦
演 - 伊藤高史(第3 - 4・7・10 - 最終話)
小野寺の相棒。町田署勤務時代に沢木と面識がある。
小百合
演 - 上野なつひ(第3話は声のみ / 第9話)
春子の親友。春子と同じ声優事務所に所属。
住吉 千穂
演 - 大久保佳代子(第4・最終話)
ヤスの元彼女。通称「毒婦」。ヤスのお金を騙し取り、彼と破局後、ヤスが練炭自殺する原因を作る。その後、男性の連続不審死に関与している重要参考人として警察に逮捕される。
砂塚 舞
演 - 柴田理恵(第5 - 6・8・最終話)
砂塚クリーニング店店主。通称「レバ子」。焼肉屋で5人前のレバーを食べるくらいレバーが好き。春子から頼まれた沢木たちの泥棒衣装を洗濯して返却するが、他人の服と間違えて渡してしまう。
八幡山 アキラ
演 - 永井大(第5・8・10 - 最終話)
幸の彼氏。幸と喧嘩した勢いで彼女からテルと交際していると聞かされ、激怒したアキラが寿司政に乗り込む。一旦、怒り狂うと周りの状況も顧みず暴れ、幸に落語家の卵だと嘘をつき、お金を騙し取っていた。
御手洗 さおり
演 - 中村玉緒(第6・最終話)
セツコの母。藤の湯大女将。昔から蔵前暮らし。源太の母と親友。
赤間 知花
演 - 南明奈(第7 - 8・最終話)
OKC48所属のアイドル。通称「ちーちゃん」。元ヤンキー。中学時代から順平と交際している。
八幡山 崇
演 - カンニング竹山(第8・最終話)
高校教師。アキラの兄。テルが悪さをしていた頃の悪友で久し振りに昔の親友と再会したときにテル本人でないことに気付く。
永田 恵悟
演 - 野間口徹(第10話)
秋子の幼馴染。浅草橋の不動産屋社員。寿司政の売却を決心した秋子から依頼を受け、寿司政の店舗と自宅を査定する。
宮前 利成
演 - 宮根誠司(第10・最終話)
宮前診療所医師。睡眠薬を服用して自殺を図った秋子を処置する。テルの初期対応が的確だったから大事に至らなかったと話す。
スペシャルゲスト
長谷川 好吉
演 - 羽鳥慎一(第1・8・最終話)
ハセガワフラワーの2代目社長。旧知の仲であるテルが帰ってきたと思い込み、幸にお祝いの花を届けさせる。
三ツ矢 雄二
演 - 三ツ矢雄二(第2・最終話)
声優。春子が所属する声優事務所の社長。
片淵 忍
演 - 清水宏保(第3・7・最終話)
寿司政の近くに店を構える寿司店・宝寿司の2代目。通称:ブッチー。スポーツマンのようにがっちりした体格にもかかわらず気が弱いため、以前にテルにこっぴどくいじめられた過去があり、10年ぶりにテルが寿司政に戻ってきたのを聞きつけて挨拶にやって来る。
スタッフ
原作 - 宅間孝行『ぴえろ』(東京セレソンデラックス)
脚本 - 宅間孝行
音楽 - 白石めぐみ
演出 - 宅間孝行、成田岳、森脇智延
ナレーション - 大和田美帆
演出補 - 三橋利行
VFX - 田中雅文
フードコーディネート - 住川啓子
プロデュース - 関口大輔、古郡真也(FILM)
プロデュース補 - 大坪加奈
制作協力 - FILM
制作著作 - フジテレビ
各話あらすじ(2013.4.13 - 6.22)全11話 平均視聴率 6.11%
第1話 2013年4月13日「〜間違えられた男〜」ラテ欄「泥棒来たー!」
泥棒の沢木(古田)はヤス(中丸雄一)と共に、東京・蔵前にあるすし店に忍び込む。目当ての風鈴を探し回っていると、沢木は店内の個室で藤原(大河内浩)に出くわし、殴られて卒倒。後を追うように、ヤスも殴られて気絶してしまう。二人が気絶している間、すし店の次女・春子(佐藤めぐみ)たちは、宴会の準備を進めていた。その後、目を覚ました沢木とヤスを、春子たちはくす玉を割って歓迎する。訳の分からない二人だったが、やがて沢木は、自分のことをテルという人物と勘違いしているらしい春子たちに、話を合わせ始める。
第2話 2013年4月20日「〜恋におちて〜」ラテ欄「寿司政、好き好きー!」
沢木(古田新太)を、10年前に行方をくらました腕利きのすし職人テルだと信じて疑わないすし店の面々による歓迎会は、まだ続いていた。沢木は、テルに成り済ますために適当なうそをつきながらも、場になじんでいた。ムネオと名乗ってしまったヤス(中丸雄一)は、酔いつぶれて眠ってしまう。沢木が適当についたうその成り行きで、沢木はすし店の個室に泊まっていくことに。そんな折、仕事を終えた秋子(戸田菜穂)が戻ってきたことをきっかけに、歓迎会は終わる。沢木は秋子の誘いに乗り、二人で酒を飲む。互いの近況を語り合ううちに、沢木は秋子の気を引こうと、もう一度板前の仕事に戻ろうと思うと口走る。その言葉を聞いて、秋子は思わず涙をこぼす。
第3話 2013年4月27日「〜さらば青春の光〜」ラテ欄「刑事が来たー!」
すし店に居着いた沢木(古田新太)とヤス(中丸雄一)だったが、店が多額の借金を抱えていることを知る。さらに、すし店の面々が店の再建を、偽者のすし職人・沢木に期待していることを感じ取ったため、二人は明け方に立ち去ろうとする。だが、沢木には、すし店の長女・秋子(戸田菜穂)への未練があった。結局、ヤスが一人で行くことになるが、外に出たところを藤原(大河内浩)に見つかり、脱出は失敗に終わる。そのころ、所属している声優事務所主催の公演で、主役の座を射止めた次女・春子(佐藤めぐみ)は、何かを決意する。やがて、皆がそろった昼食で、藤原から、すし店の再建を迫られた沢木は、思わず一肌脱ぐと口走ってしまう。
第4話 2013年5月4日「ついにバレた!?」
深夜、浅草署の刑事・小野寺(小木茂光)と香田(伊藤高史)がやって来る。応対したヤス(中丸雄一)は、盗みに入ったことが発覚するのではないかとおびえながら、自分はすし店の遠い親戚筋なので、家の者を呼んでくると二人に告げる。呼びに行った春子(佐藤めぐみ)は、宴会の片付け中だったため、ヤスは、間もなく家の者が現れると再度告げ、その場を後にしようとする。だが、そんなヤスを怪しく思い、香田はあれこれと問い掛ける。何とかその場を取り繕ったヤスは、眠っていた沢木(古田新太)を起こし、刑事に春子が対応している様子をのぞき見ることに。小野寺と香田が現れたのは、すし店ばかりが住居不法侵入と窃盗未遂の被害に遭っている、まさに沢木とヤスが起こした事件についての聞き込みだった。
第5話 2013年5月11日「騙されてたー!!」
沢木(古田新太)は、ヤス(中丸雄一)が姿をくらましたのは、千穂(大久保佳代子)が逮捕されたというニュースと関係があるのでは、と考える。ヤスが、元恋人だと言っていた千穂には、男性から大金を巻き上げては、その男性を殺害したという容疑が掛かっていた。春子(佐藤めぐみ)の巧みな誘導で沢木は、ヤスと千穂に関する知っている限りのことを、すし店の面々に話す。セツコ(石田えり)は、ヤスも千穂に殺害されそうになっていたのでは、と指摘。そんな目に遭いながらも、千穂への断ち切れない思いを抱えたヤスを、一同は心配する。
第6話 2013年5月18日「恋の季節です!」
アルバイトに出掛けようとしていた春子(佐藤めぐみ)は、秋子(戸田菜穂)と鉢合わせる。春子は、昨日の夕飯時に、大阪のヤミ金融業者・広岡(阪田マサノブ)とエリカ(アイコニック)がやって来たことを話す。広岡とエリカは、一方的にどうでもいい話をした後、沢木(古田新太)と順平(木村了)にすしを握らせ、食べて帰ったという。借金の返済に関して具体的な話が出なかったことに、春子と秋子は首をかしげる。そんな二人の物音で目を覚ましたヤス(中丸雄一)は、昨日の春子とのやりとりを思い出していた。ヤスは沢木に、恋の予感かもしれないと告げる。一方、沢木は、秋子との昨日のデートのことをヤスに話し始める。
第7話 2013年5月25日「知らされた真実!」
沢木(古田新太)はヤス(中丸雄一)から、藤原(大河内浩)がセツコ(石田えり)に別れを切り出す場面を目撃した、と聞く。誰もいない店内で藤原は、このまま一緒にいるとセツコに迷惑が掛かる、と泣いて懇願していたという。沢木は、藤原がそんなことを言いだしたのは、すし店の窮地を救うために違いないと推測。もしも、自分が本当に10年前に店を飛び出した腕利きのすし職人だったら、誰にもつらい思いをさせずに、すし店を救うことができるのだ、と沢木は魚をさばきだす。いつになく真剣な沢木の様子を見て、ヤスも酢飯の準備を始める。
第8話 2013年6月1日「暴かれた秘密!」
沢木(古田新太)、ヤス(中丸雄一)、セツコ(石田えり)は、すし店の中で深刻な話をする。日付が変わったことをきっかけに、3人は話をやめて片付けを開始。そこで沢木はセツコに、藤原(大河内浩)と別れてはいけない、と話しだし、自分がすし店を救えば全てうまくいく、と告げる。昼間はヤスと二人で金策に回り、夜はすしを握って勘を取り戻すから、と沢木はセツコに語り掛け、その言葉に彼女は涙ぐむ。セツコが帰った後、沢木はヤスに、自分が本当に、以前に店を飛び出したすし職人で、皆から必要とされていて、その期待に応えられそうな気がする、と語る。
第9話 2013年6月8日「決行の日」
9日目。出て行った沢木(古田新太)とヤス(中丸雄一)が帰るのを待ち、源太(大河内浩)やセツコ(石田えり)たちも大友家のリビングに集まる。そして春子(佐藤めぐみ)が置き手紙を見つけた矢先、秋子(戸田菜穂)が帰宅。事情を察した姉妹の脳裏に9日前の出来事がよみがえる。それは、父親・政史(金田明夫)の葬儀の夜のこと。弔問客は「テルがいたら…」と口にしていた。その後、秋子が1人でリビングにいると、思わぬ人物が現れる。
第10話 2013年6月15日「それぞれの秘策!」
すし店を出ていったはずの沢木(古田新太)とヤス(中丸雄一)が帰ってきた。二度と帰ってこないものと、半ば思っていた秋子(戸田菜穂)と春子(佐藤めぐみ)は、驚きを隠せない。すしのネタを仕込む沢木とヤスに、秋子は、自分たちがだましていたことは分かっているのでしょうと問い掛ける。いずれ二人にも迷惑が掛かるという秋子の言葉にも、沢木とヤスはおどけたような芝居を見せ、あくまでも自分たちはテルとその舎弟・胸男だと言い張る。早朝、秋子と春子の部屋の電気が消えていることを確認した沢木とヤスは、個室で打ち合わせを開始。地図を広げ、高級マンションの写真の数々を眺めてセキュリティー情報を確認し合う二人は、マンションに盗みに入る計画を立て始める。
最終話 2013年6月22日「永遠の想い!?」
秋子(戸田菜穂)が、殺人を自供して連行される。沢木(古田新太)とヤス(中丸雄一)は、彼女のために何かできることはないかと、すし店の店内で考える。午前0時を回ったころ、借金取りの広岡(阪田マサノブ)とエリカ(アイコニック)が現れる。広岡は沢木に「おまえは誰だ」と詰め寄り、本物の本宮は、神戸の暴力団事務所に監禁されていると言う。だが、あくまでも自分は本宮照夫だと突っぱねる沢木に、広岡は、そこまで言い張るなら、本宮の借金1千万円を返せと迫る。沢木は、本宮の借用書と引き換えに、明日以降に借金を返すことを約束する。
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(間違われちゃった男 - Wikipedia)
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