何者かに石段の上から突き落とされた篠川栞子(剛力彩芽)は、救急車で病院に運ばれた。幸いなことに足首の骨折だけで済んだと聞いた五浦大輔(AKIRA)は安堵するが、倒れていた栞子を見つけ救急車を呼んだのが藤波明生(鈴木浩介)だと聞くと顔を曇らせる。
やがて、志田肇(高橋克実)、篠川文也(ジェシー)、藤波が病室を出ると、栞子は大輔に病院に持ち込んだ金庫から一冊の本を取り出すように頼む。パラフィン紙に包まれたそれは、太宰治の『晩年』だった。栞子は、この本を狙う男に突き落とされたのだ、と明かした。
栞子が祖父の代から引き継いだ『晩年』は、500部ほどしかない初版本のなかでも太宰自身の署名まで入るなどした大変稀少なもので、世に出せば300万円以上の値が付くという。栞子は『晩年』を母屋で保管していたが、その存在を知った人物から「譲ってほしい」と何度もメールが来るようになり警戒していたところ、今回の事件が起こったと言う。
栞子の入院中、大輔はひとりで「ビブリア古書堂」を切り盛りするが、古書の知識がないため苦労する。そんな大輔の様子を見に、小菅奈緒(水野絵梨奈)や藤波がやってくる。そんなとき、店外に出た藤波が大きな声を上げた。大輔と奈緒が駆けつけると、ワゴンのなかの本にガソリンがかけられていた。
危機感を覚えた大輔は、『晩年』を売ってしまってはどうかと勧めるが、栞子は本を手放すくらいなら殺されたほうがましだ、と言って譲らない。
後日、大輔を手伝いに笠井菊哉(田中圭)が「ビブリア古書堂」にやってくる。古書の知識はないとはいえ、ネット通販を手伝ってもらった大輔は笠井にアルバイト料を支払い、笠井から領収書をもらう。そこに記された名前を見た志田が、梶山季之の『せどり男爵数奇譚』の主人公と同姓同名だと言った。本の存在すら知らないという笠井に志田は、店にある『せどり男爵数奇譚』の本を探してやろうと言うが、笠井は断る。
そんな折、大輔は栞子から頼まれて、「ビブリア古書堂」で『晩年』を350万円で展示販売することに。それは、犯人を店におびき出すための作戦だった。他人に買われることを恐れた犯人は、すぐに店に現れるだろう、と栞子は考えたのだ。
その後、大輔と文也が書籍を「短編」と「長編」に分けていると、志田と笠井がやってくる。『晩年』が売られているのを見た志田は、それが安価な復刻版であることを見抜く。大輔は、防犯上展示しているだけで本物は栞子が病院の金庫に保管している、と明かした。そんなとき、文也が焦げ臭いにおいを感じる。それは店外のワゴンの本が燃えるにおいだった。消火器で火を消した大輔は、ヤジ馬のなかの怪しげな男が逃げるのを見て後を追う。やがて男に追いつき覆面を取ると、男は奈緒を振った西野(浅香航大)だった。奈緒を振ったことをクラスメイトに知られた西野は、それがきっかけで不登校となっていた。人生を台無しにされたと思い込んだ西野は、奈緒とつながりのある「ビブリア古書堂」を逆恨みしていたのだ。
警察の事情聴取も終わり安堵した大輔は、最後まで付き合った笠井に礼を言うがその顔は浮かなかった。後味が悪くて、という大輔に、笠井はどんな事情があるにせよ、人を突き落としたり、放火をしてはいけないのだから、と励ました。
店に戻り笠井の言葉を思い返した大輔は、「短編集」の山に置かれた『せどり男爵数奇譚』を見て驚く。それは笠井が置いたものだった。
大輔は自転車で笠井を追うと、読んでいないはずの『せどり男爵数奇譚』を「短編集」に置いたのはなぜか、と聞く。置いた場所が偶然「短編集」の山だったのでは、と答える笠井に、大輔は西野の話をしたとき、笠井が「人を突き落とす」と言ったことに言及。栞子は表向き「階段から足を滑らせて転落した」ことになっていて、「突き落とされた」ことを知るのは、本人と自分、そして犯人だけなのだ、と。
ついに自分が犯人であることを認めた笠井は、大輔の自転車を奪うと、栞子の病院へと走り出した。大輔は、栞子に笠井が向かっていることをメールで教え、それを見た栞子は、松葉杖をつきながら屋上へとやってくる。しかし途中で転び、その拍子にストールが落ちてしまう。病院に着いた笠井は、落ちてきたストールを見て屋上へとかけだした。その頃、大輔は全力疾走で病院へ向かい…。
第1話 2013年1月14日「偽のサインと古書に秘められた謎」
第2話 2013年1月21日「なぜ犯人は一冊だけ本を盗んだのか」
第3話 2013年1月28日「本日のお客様は脱走犯!?」
第4話 2013年2月4日「鍵のかかった部屋から盗まれた本」
第5話 2013年2月11日「今回は、結末が2つです」
第7話 2013年2月25日「複数の真実」
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